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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第5章〜王都生活編〜
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物語の主人公は新たな課題に頭を悩ませる。(パン職人を探せ!そして駆け落ちを阻止せよ!㉔)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は3/3(金)投稿予定です。


「嬉しいですねぇ。頭を抱える程久しぶりに会えた事に喜んでくれるとは。」


うわー・・・なんという前向き思考。


そばまでやって来たオーガの開口一番の言葉に思わずティリエスは抱えた頭を上げなんとか笑みを浮かべる。


「お・・・お久しぶりですね、オーガ卿。」

「いやですねぇ、卿だなんて前みたいに()()()()()でいいですよぉ。」


貴女と私の仲じゃないですかぁとにっこりと笑うオーガにティリエスは思わずヒクリと笑みが引き攣るのがわかった。

「先ほどグリップからお聞きしましたわ、なんでも今回の討伐で協力してくださったとかで。代わりにお礼を申しあげます。」

「いんですよぉ。たまたま実家・・・といいますか、祖父の容態も気になってましたからね。一度故郷に戻っていたんですよ。別にあそこに未練はないですしねぇ。」


そう言ってオーガはどこか遠くを見つめる。その細い瞳にはさまざまな事を思い出し、考えているのだろうとティリエスは察する。

まぁ、この人に本音を聞いたところで最初から自分の出生についての嘘を話しするような人だし、はぐらかすし本音は聞けなさそうだもんな。

以前己が貧しい家の出だとか飄々と嘘を言っていた事を思い出したティリエスは、聞くのをやめただ相槌をした。

「そうでしたか、宰相様のお怪我は?」

「まだ、杖をついて歩いていますがリリス夫人の薬のおかげで順調に回復してますよ。」


下手したら死んでしまうかもしれない程の怪我を負っていた宰相様、お父様から今は自分の領地で養生していると聞かされていたけど、大分回復しているようで良かった。


あの時の宰相の姿をお思い出しながらティリエスがホッと胸を撫で下ろしているとオーガが口を開く。


「ある程度領地をみたら商会へ戻ろうとしたんですがね、そしたら祖父から今回の討伐の事を聞きましてね。微力ながらお手伝いをさせて頂いたんですよ。」

「へぇ〜。」

「え?!あれのどこが微力?!ウキウキしながらめっちゃくちゃウナギに攻撃当ててたのオーガじゃん!」

「・・・・・へぇー・・・。」


相槌をしていたらその横ですぐ様否定したグリップの言葉を聞いたティリエスは思わず遠くを見る。どんな風に協力したのか気にもなったが、なんだか聞いてはいけないような気がして若干の言葉の食い違いをそのままにし気にしないことにした。


「すぐに確認したいでしょうが、今解体しているのでまぁもう少し時間がかかるでしょうね。倒した後中から氷漬けにしたので鮮度はあまり落ちていないとは思いますが。」

「さすがオーガさんですね、仕事が早いですわ。」

「そうでしょうそうでしょう!・・・ところで。」


・・・ん、なんか雲行きが・・・。


急に身を乗り出したオーガにティリエスはぴたりと笑みを固まらせオーガを見上げる。

「今回はどのようなモノを作ろうとされているんですかねぇ?私、それがすごく気になるんですよぉ?」


げ!やっぱり聞いてきた!


ティリエスは思わず嫌な顔を見せる。

だかオーガはそんなことは些細なようで既に新しいモノを見つけた商人の顔をしてティリエスの次の言葉を待っていた。

そんな彼をしばらくみていたが、観念して大きなため息を吐いた。


「正直まだ説明できる段階ではないので後日お話ししてもよろしいですか?」

「えぇ、期待して待ちますよぉ。なんならあれらを消費したものが作れるのなら南に活気が生まれますからね。是非じっくりとお話しをお聞きしたいですねぇ。」


ちゃっかり商品化の可能性を視野に入れての要望・・・まぁ、もしかしたら本音は領地の事を気にしてるからかもしれないけど。


彼の言葉に少しだけだが圧があるように聞こえたティリエスがそんな事を思っていると、話題を変えるためそういえばとグリップの方を見やる。

「先ほど騎士達が私の方を見ていたんですけど、グリップ、何かご存じですか?」


質問にグリップは首を傾げる。

「えぇ?・・・・・・・あ、もしかして。」

「何か?」

「俺ら、あいつらメタメタにしたんだけどね。」

「・・・・は?」

そう言うとグリップは文脈のないあっけらかんとした口調でそう言った彼に、思わずティリエスは声を出したのだった。


いつも読んでいただきありがとうございます。

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