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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第5章〜王都生活編〜
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物語の主人公は新たな課題に頭を悩ませる。(パン職人を探せ!そして駆け落ちを阻止せよ!⑰)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は2/15(水)投稿予定です。


理想でいけば眼の問題も解決できてパン作りのイロハを教えるのがいいのだが、正直エヴァイス卿の事はパン作りを教えながら道具を作るのは時間が足りないと思っていた。


素人にパン作りの工程、何より彼の場合パンの焼き加減を教えるのを何度もやらなければいけない。

長年色のない世界で生きてきた彼なら色がわからなくても感覚で掴めると思っていたから、それを掴めれば彼女のお父さんを納得させられる。


そう思っていたから大叔父様の着手したのが義手の方でも何も意見は言わなかった。

それだけ難しいと思った大叔父様の判断は間違っていないと思っていたし、何より自分自身がゆくゆく色が分かるようになるものを作り出せばいいとそう思ったから。


だから彼の兄であるエルアルに言われた時は断ろうと思っていたが、話しの流れでそれも作る羽目となった。


なんてこった・・・今回の件でエヴァイス卿にパン作りは伝授までしか出来ないと考えていたからちょっと・・・いや、大分忙しくなる。

ていうか時間が足りるかどうかも怪しいけど。


そんなことを考えながらディオス大叔父様のところに行って軽く経緯とニルアル卿と道具作りの模索をしたい旨を話せば、大叔父は別に好きに使ってもらえれば良いと快い返事をもらった。


いいんだ・・・私、部外者だけど、いいんだ。あれ?・・・国家機密だったよねここ?



因みにここで一番心配していた私を交えて作るように彼に勧めた事は、別段大叔父様は何も言う事はなかったのかそれとも何か思惑があったのか私に対しての追求はしなかった。


まぁ、色々思うことはあるけれど。

かくして私とエルアル卿とでエヴァイスの眼の代わりになるものを作ることとなったのだ。






「あんたのところのシナウス、だったか?そいつと必要になりそうな資料を持ってきたつもりだった。・・・それで、何をあんたは掴んでいるんだ?」


後日、暫くしてニルアルと合流した私たちは、彼の職場でもある古文書解析室へ招かれた。

解析室ということもあって周りは山積みの本だらけで辺りの埃も随分である。


ティリエスはソファに座る勇気はなくそのまま立ったまま口を開いた。


「掴んでいると言いますか・・・例えばですけどここ最近大叔父様の開発の様子を見ていて思っていたのが、根本なところが私が思っているものと違いました。」

「根本?」

「はい、大叔父様達は道具を作っていましたが先ずそこの考えが違います。」

「は?作るのは道具だろ?・・・一体どういう事だ?」

ますます訳がわからないという顔でティリエスの顔を見るニルアルに、どう説明すればしっくりするのかティリエスが考える。

と、丁度レイ達が用意し出されたある物を見つけそれを手に取った。



「例えばの話しですが、あちらでは義手を取り組んでました。今丁度ここに皿の上にパウンドケーキそしてフォークがあります。大叔父様達はこのパウンドケーキを素手で食べられない、このフォークのような代わりになる道具を手の代わりとして作ろうとしていますわ。でも、それだと難しいんです。このフォークを操ってパウンドケーキをとる・・・その一連の操作を不自由な手でしようとするとどうなります?」

「普通の手よりは難儀する・・・もしくは失敗するな。」

「そうですわ、ですから材質を変えたところで失敗する。その人に合った物でなければただ壊れるだけですわね。」

「ではお前の考えはどう思っているんだ?」

「私はこのフォークを寧ろ自分の一部として扱うように改良し扱うようにしますわ。」

「・・・・そうか!義手そのものを手に装着し同化させ動かすんだな!」


ニルアルは閃いたようでティリエスにそう言うとティリエスは頷く。


「道具であり、でも道具ではないそれが私の思う義手ですわ。」

「なるほどな、そうなるとまた作り方が変わってくるな後でディオス様に言うべきだ・・・じゃぁ、本題だが弟の眼の場合どうなるんだ?」


ニルアルの質問にティリエスは一度黙り、そしてややあって口を開いた。


「それなんですが不思議だと思うことがあります。」

「なんだ?」

「ではお聞きしますが、エヴァイス卿の眼はいつからあのように白濁しているんですか?」


その質問に今度はニルアルが首を傾げた。


いつも読んでいただきありがとうございます。

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