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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第5章〜王都生活編〜
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物語の主人公は新たな課題に頭を悩ませる。(パン職人を探せ!そして駆け落ちを阻止せよ!⑦)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は1/23(月)投稿予定です。



まさかこんなところで見つかるなんてラッキー!しかも王家御用達のお店なら、きっといい人材が1人や2人いるに違いない!そうすれば!あの口当たりの良いふんわりパンが毎日食べられる日が遠からずやってくるに違いない!

主にオーガさんが広めるからいつになるか知らないけど!


前々からパン職人を探していたティリエスはエヴァイスに案内されながら上機嫌でついていく。

どうしても城下町に行くと王家側の護衛もついてきて好き勝手出来なかったが今回はエヴァイスの事情での外出だったので特に問題なく彼とレイだけですんなり外出が出来た。


ティキやシナウス達も行きたそうにしていたけど大人数で押しかけて変に警戒されるのは困るという理由で離宮で留守を頼んじゃったけど・・・・うん、後で土産を買って帰ろう。

それよりも・・・まさかこんなところですんなり外出が出来て接点を持てるようになるなんて・・・まぁ、すんなり外出できた理由の一つに彼の人柄もあるんだろうけど・・・。


チラリと見れば彼が城下町の人達から声をかけられ答えている姿を見るに彼がどれだけ良心な人間であるかを証明していた。

ティリエスはそんな彼の後ろ姿を見ながら、ふむ・・・と考える。


この後どうにかしてこの問題を解決しないといけないわけなんだけど、さて、うまく行けば良いんだけどなぁ。


「・・・・・このお店です。」

彼の言葉でティリエスはほんの少し離れたこじんまりしたあるお店を見やる。

素朴ではあるが温かみのある建物で少し離れている場所からでもパンを焼く良い香りが漂っていた。


ちらりとエヴァイスを見れば緊張した面持ちでその建物を見ていた。

まぁ、話しを聞くに緊張しないほうが無理な話しだろう。


「では行きましょうか、大丈夫ですか?」

「・・・えぇ、大丈夫です。行きましょう。」


ほんの少しだけ間があったがエヴァイスの言葉を聞いて3人はパン屋へと足を踏み入れ扉を開けようとした・・・その時だった。

中から大きな声が聞こえてきたので、ドアノブを回そうとしたエヴァイスの手が止まった。

なんだ?喧嘩か?


何か言い争う声にエヴァイスは戸惑っていたが、このままじゃ埒が開かないとレイにドアを開けるように促し目の前の扉を開ける。



「良い加減にしろ!これはお前のためでもあるんだ!」

「私の為?違うでしょ!全部お父さんの為じゃない!私のことなんて全然!全く!これっぽちも考えていないわ!!」

「何を言っているんだ!あんな男などダメだ絶対許さん!」

「許されないならそれでも良いわよ!!私はあの人と添い遂げられるなら駆け落ちだって何だってやるわよ!」

「何だと!!そんなこと許すわけないだろ!!」

「やめてください貴方も!イストも!」


扉を開けたとたん言い争う男女の言葉と仲裁に入る女性の言葉が耳に入る。

彼の恋人イストにスキンヘッドの強面の男彼女の父親、そして疲れた様子を見せる中年の女性は母親だろう。

2人が言い争う姿にティリエスは思わず扉を閉めそうになったがぐっと堪えた。


っていうかパン屋なのになんであんなガタイが良いんだろう・・・どっちかといえば武器屋の店主じゃないかあれ?


「ん?すまんが今立て込んで・・・お前か!!何で来やがった!!」

「エヴァイス!」


2人が彼の存在に気がつきこちらを見たのでエヴァイスが何か言おうとしたがティリエスが先に前に出た。

突然の少女の出現に2人が驚いたのを見、そのままティリエスはスカートの裾を持ってお辞儀をした。


「初めまして皆様。私はティリエスと申しますわ。」

性は名乗らなかったが彼女の纏う空気が貴族だと理解した2人は怒りを収め、黙った。

そんな2人にティリエスは顔をあげると更に口を開く。


「ここへ突然来て申し訳ありません、ですが・・・先ほど聞こえたそちらの言い争いの件で参りましたの。決断する前に少々私からのお話しも聞いてもらえないでしょうか?よろしいですわよね?」


有無を言わせないその言葉に3人は従った。



いつも読んでいただきありがとうございます。

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