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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第5章〜王都生活編〜
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物語の主人公は新たな課題に頭を悩ませる。(さてどこから手をつけるべきか・・・全部か?㉑)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は12/21(水)投稿予定です。



「私をその事で呼んだのは、既にレイから聞いているという事でよろしいでしょうか?」

「あぁ、レイには昨夜その話しは既に聞いているし、彼らを勧めた理由も大まかだが理解している。」


確かに何とかするとは言っていたけど経った半日でどうにかするなんて・・・なんという早業すげぇな。


昨日レイに選定の期間を延ばすように父に頼んでみると提案したがレイがそれを断ったからどうにかするとは思っていたけど・・・まさか昨夜のうちに済んでいたとは。


父の返答を聞きながらティリエスは昨日のやり取りを思い出す。

2人の・・・とくに父にとって正体不明であるシナウスをどうやって納得させたのか気になるが、あえて蒸し返すこともないだろう。


黙っていた方が事が上手く進むこともあるしね。


「グリップ卿の事は私も知っている人物だし問題はないが・・・このレイの知り合いであるシナウスという青年には少々、私の判断も決めかねている。実際に会い話しをしてみたが良い青年だというのはわかったが・・・うむ、ティリエスはその者と話しはしたのかい?」


その言葉にティリエスは肯定する。


「はい、シナウスとはグリップ卿の時と一緒に話しをしています。」

「そうか、グリップ卿が直談判してきた時だね?・・・でもメイドによればその時はグリップ卿だけだったと聞いていたが?」

「はい、最初はグリップ卿お独りで私に会いに来ましたがシナウス・・・彼はレイと共にその後共に私の部屋に来ましたわ。」


レイ達と当初の打ち合わせ通りに話す。

父にバレないように平常心に話したティリエスにアドルフは「成程。」と少々考える仕草を見せたが納得はしている様子なので疑ってはいない様子に、ティリエスは表情は出さず内心ほっとする。


「レイには聞いていたが彼にも【鑑定の瞳】を持っているということだったな。」

「はい、私にはこの()の所有者として能力の内容などより理解していくつもりです・・・ですが、実際能力を使うにあたってとなると彼がそれを指導してくれるというので正直ありがたいお話ですわ。それに、非力な私がこの能力を使っているところを見られるよりは「彼の方がある意味安全性は保たれるか」・・・はい、正直彼を盾にするのに申し訳なく思いますが。子供の私を悪用しようと利用する人間は出てくると思いますから・・・彼にもその事は話しをし承諾を得ています。」


更に続けたティリエスのことばにアドルフも「そうか」と一言漏らし、そして何かを決めたのか顔を上げティリエスを見る。


「なら、私から反対はない。2人をティリエスの専属として雇おう。でも条件がある。」

「条件ですか?」

「シナウスにはある程度の能力を見せてもらう事にする。護衛としての武力、従者の仕事もそうだ何人かに審査してもらい合格できれば採用する。そしてグリップ卿も護衛としての能力を再確認するために帰還した騎士達に判定してもらう。」

「分かりました・・・あの、ですがお父様。グリップ卿ならわざわざ能力をみせずともかなりの腕の実力者だとご存知のはずですが?」


ティリエスは疑問に思い口にすると急にアドルフは苦笑したので益々ティリエスは疑問が深まる。


「正直に言うとそっちはただの憂さばらしだ。」

「え?」

「悪いな、お嬢様。俺の若い奴らが選定される前に護衛候補から外されたもんで少し不満をもってるんだ。だからグリップ殿には若い奴らが納得するまでちょっと付き合ってもらうつもりだ。」


突然のガルグの言葉にティリエスは思わず目を丸くさせガルグを見ると、彼もまた少々申しわけない様子で苦笑していた。


「ご安心を、憂さ晴らしといっても若い奴らも実力差を見せつけられたらすぐに何もいわなくなるでしょう。グリップ殿も直談判した手前理解してると思うだろうから問題はないだろうさ。」

「ん、まぁ・・・そういう事だティリエス。」

「分かりました、そういうことでしたら私からは何も言いませんわ。」

「ありがとう、俺達はお嬢様やこの家の為に何かしたい気持ちが強いからな。」

「えぇ、ここへようやく戻って来た人間は殊更その想いは強いので・・・まぁ避けては通れないでしょうね。」


ガルグとシーヴァの何処か仕方ないように相槌をする姿を見ていたティリエスは「あ!」と思わず声を出す。

「どうしたんだいティリエス?」

3人が一斉にティリエスを見ると、彼らの視線で彼女は我に返り一瞬だけもごもごと戸惑った様子があったが少し言いにくそうに口を開く。


「実はお願いしたい事がございまして・・・。」

「?」

「なんだ?」

「・・・何かあったのかティリエス。」


言いにくそうにする娘の姿にアドルフも何事かと思い彼女に問うと、ティリエスは両手を胸の前に組んでおずおずと口を開いた。


「実は・・・その、お父様。幽霊がいるのかもしれないんです。」

「「「幽霊??」」」

「はい・・・しかも夜じゃなくて、その・・・この時間帯に特定の場所で声がするんです。」

「「「・・・・なんだって?」」」


ティリエスの言葉に誰もが聞き返した。





いつも読んでいただきありがとうございます。

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