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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第2章~誕生編~
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まさかこんなことになるなんて誰が想像できますか?(今はただ気持ちの整理をさせてください。⑤)



多く来ていた貴族や商人、王家であったあの御2人もこの場に居ないので席は数人程度だ。

両親に祖父母、ハーティスさんにそして見知らない人数人が見えた。




彼、ハーティスさんの隣に50ぐらいの女性がこちらを見て微笑んでおり、私はパチパチとその女性を見つめる。


瞳がオーロラ?

ダークグリーンの髪色、瞳も同じ色だがその中に青と少し混じった桃色がオーロラの様な色合いがみえる。

なんとも神秘的で不思議な瞳を持つその女性は可愛らしい顔の女性であった。


この人は・・・・・あっ!

髪に見覚えのある髪飾りがちらりと見えピンときた。



「子供というのは本当に可愛いなぁ、カーラ。」

「ええ。・・・あ、あの公爵様。」

「カーラ夫人、今は夜会ではないのですからそんな畏まらないでください。貴女は私の叔母でもあるのです、私も叔母として貴女と仲良くしたい。どうか、気軽に名で呼んで下さい。」

「あ、ありがとうございます。・・・では、アドルフ様、お嬢様を抱かせてもらってもいいですか?」


父は快諾すると、ハーティスの腕から今度は彼女の腕の中へ私はおさまる。

彼女は目を輝かせて私を見つめる。


「可愛い・・・、娘の幼い頃を思い出します。」

「そうか・・・リーテルもこんな風だったのか・・・。」


・・・・やだー可愛いだなんて照れるじゃん、ま!何度も言うけどお父さんとお母さんの子だから可愛いのは当たり前なんだけどね!



「公爵様、本日は私共も招待してくださり感謝いたします。メドイド一族分家の代表としてお礼を申し上げます。」


ほんわかと2人して私を見ている傍らで彼らの背後から知らない男の声が聞こえた。

ハーティスとカーラ2人の後ろに控えている3人の男性の内の1人がアドルフ達にお礼を言う。

ちらりと横目で見ればハーティスさんより20ほど若く彼とは真逆な静かで寡黙な雰囲気を纏っていた。



「貴方方に会うのは王宮のあの時でしたから、本当に懐かしいですわ。あの時貴方方がハーティスに家督を継ぐように追い駆けまわしていましたが・・・。丸く収まってよかったですね。」

「本当ですよ~メイサ夫人。この人が本当に家を継いでくれてよかったと本当マジ感謝してます!」

「おぃっ!グリップ!きちんと敬語使え!」

「え~だって俺、畏まれるの10分が限界。」


メイサさんに砕けた口調で内2人も話し始める、どうやら個性な人と心配性な人な2人らしい。



分家やら家督って言う事は・・・ハーティスさん、ちゃんと恋人さん見つけた後伯爵家に養子になって家督継いだんだ。


彼らの話しを繋いで理解していく。どうりで3人ともガタイが良いのか、騎士家系の人間だからだ。



「お前が領主になってもう6年か・・・早いものだのう。」

「そうだな。・・・ほんの6年前までただの騎士で独り身だった俺が、妻を見つけて伯爵家の養子になって家督を継いで、更には子供や孫にまで恵まれるなんてな・・・。」


え?孫?

しみじみと未だに話している最中のハーティスさんだが私は彼の言葉に反応したままだった。


孫という事はカーラさんと結婚して・・・あ、そうかさっきリーテルっていう人の事を話していたっけ。カーラさんと誰の子かはさておきそのリーテルさんという方がもう成人してたら結婚して孫がいてもおかしくないか。

・・・・おぉ、ハーティスさん一気にお爺ちゃんに昇格したのかすげー。



「―――それで、今回孫にも来てもらったんだが、どうにかやる気を出してほしくてな。」



はっ、いかん。話しを聞いてなかった。1人でうろうろ出来ない分こうして話しを聞くのが一番の情報源なのにもったないことをした・・・ん?


一斉に私をみる大人の視線に気が付き、私は周りを見る。

一体なんだ、この視線は?


「なぁティリエス、お前に会ってほしい子がいるんだが・・・出来れば仲良くなってくれないか?」


・・・・ん?ん?どういう流れこれ?

今度はなぜかハーティスさんにお願いされている私。

私は困惑して周りに助けを求めると母と目が合う。


お母さん、どういう事でしょうか?私よく分かってないんですけども・・・?


母はじっと私を見て、何かを考えているようだったがすぐにニコッと笑い返された。


「大丈夫ですよハーティス様。ティリエスちゃんも会いたいといっていますよ。」


・・・ん?


「本当か!」

「はい。早く会いたいって言ってますわ。」


サラッと話し勧められた?!さらに言えば・・・私、一言もそんなこと言ってない。

親子の以心伝心って難しいな!


「そういってくれるのは嬉しいんすけど、でも無理しなくてもいいですよ?」

「おぃっグリップ!」


と、今度は反対するように言い放ったグリップの言葉に隣にいた心配性なお兄さんに咎めらる。

だが、彼は話すのを辞めない。


「だってさー、あいつ、やる気ないんだよ。剣の修行とか訓練とかそれに他の事とかでも言われたらこなすけど全然やる気ないし。向き不向きはあるけどそれ以前の問題だし。ハーティス様やラディンには悪いけどさ子供でも俺、何も取り組まない子供嫌い。」

「・・・・・確かに、そうだ。」

「ラディン!お前まで!」


寡黙な人、ラディンはグリップの言葉を肯定する。


「勘違いはしないでくれ。俺とリーテルの子だ、勿論愛している。だが、我らの一族は騎士筆頭の家系だ。常に危険が付きまとう、故に無関心無気力なあの状態は・・・早く死ぬ。もしあの子がこのままなら早々に騎士の道は諦めた方が良い。ただ気がかりなのはあの子は何かに怯え、生きることに諦めているようにも度々感じることがある、生きる気力のその曖昧さが私は心配だ。」


どうやら。

会ってほしいというのは、ハーティスさんの孫にあたりラディンさんの息子さんというのは分かった。

それでその子の様子も一端だが理解した。


その上で一言いってもいいだろうか?


何その子?大丈夫か?


やる気ないってなんだそれ?

私なんか何かしたくてもほぼ出来ない状態縛り設定な毎日なのに、・・・・マジ代われ!私と!!


「な、なんだ?急にこの子騒ぎ出したぞ?」

「ハーティス様大丈夫です。この子なりに激励を伝えているんですよ。」


母たちが何かを言っているが私の耳には入らず、1人悶々とする。

そして、考えれば考えるほどその子供に対して段々とイライラしてきた。


私の嫌いな人第3位は家族を大切にしない奴ら、である。

なのでいつもよりイライラのボルテージが早くに溜まっていく。


悶々はどんどん加速していった。


それに家族の人に心配かけるなんてなんて小僧だ!

仲良くなれるかは知らんが、兎に角その子に会ったら文句を言ってやろう!

子ども同士だから何言っても許されるもんねー。

よっしゃ、心は温まった!さぁここに連れてこい!まずは頬抓りの刑からお見舞いしてやろうぞ!



「ティリー凄い興奮しているな。」

「ふふ、よっぽど嬉しいのね。でも、ごめんねティリーちゃん。」


およっ・・・なんぞお母さん?


カーラさんの腕から急にふわりと抱きあげられ私は目をぱちくりさせる。


「嬉しいとこ悪いけどもう遅いから会うのは明日よ。それにその子ももう寝ているから明日遊んでもらいましょうね?」



・・・・・な。な、なんだってー!!


闘争心を温めていたのに母からの一言でズガンっと衝撃を受けたのだった。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・






結局そのまま私は自室へと戻され、仕方ないのでそのまま眠り朝を迎えることになった。

昨日はたっぷりぐっすり眠っていたので、メイドのアンが来る前に目が覚め座りながら暇を持て余していた。


ふふん、昨日はお披露目しなかったが伝い歩きぐらいなら出来るようになっているので上手くすれば1人で座れるのだ。

それはそうと、もう少し時間あるし何で時間をつぶそうかな?



ベッドの上でちょこんと座りながら暇つぶしを考える、とふと昨夜の話しを思い出した。




イライラして1人色々先走っていたけど、そういえばラディンさんは話しの中にその子、やる気ないのと何かに怯えているって言ってたっけ?


怯えているから・・・諦めている?

でも、たかが数年生きた小さな子供が何に怯えるんだろう?・・・まさか、私と一緒で幽霊とか?やだ、それって親近感湧くじゃん。って違うか。


まぁ・・・とりあえず会ってみないと分からないか・・・。


と、急にドアが開く音がして私はそちらを見る。

もうアンさんが来たのだろうか?今日はえらい早いなと思っていると、全く想定していなかった人物を目にする。


そこには私より大きく、大人より大分小さい、男の子がそこに立っていたのだった。








いつも読んで頂きありがとうございます。

裏設定:実は本当は分家の代表はグリップさんです。主人公が寝ていた時に自己紹介は終わっています。ラディンさんは本家の義理息子として紹介してます。ただ、作中でもあったとようにグリップが畏まれるのはほんのわずかでグダグダな自己紹介をみたラディンが見かねて挨拶などを率先して行うことに。更に言えば皆さんいとこ同士なので兄弟ではありません。でも仲はいいです。

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