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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第5章〜王都生活編〜
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物語の主人公は新たな課題に頭を悩ませる。(さてどこから手をつけるべきか・・・全部か?⑭)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は申し訳ありませんが都合により金曜日はお休みで12/5(月)投稿予定です。



ティリエスの宥められたことでお互いが今の状態にハッと我にかえり、それぞれが佇んでティリエスにお辞儀をする。

静かにではあるが感情を露わにしていがみ合っていた姿は何処にもないことにティリエスはホッとし、己の部屋へと入り、ソファへと座ると何時ものようにレイが紅茶を淹れ始めるとそれに合わせるようにティキが傍でお茶菓子を用意しているのが見えた。


2人ともあれだけいがみ合ってたのに息ぴったり・・・職場に私情を持ち込まない、これがプロか。


等と感心している間に薫り高い紅茶とそれに添えられたお菓子が前に置かれ、ティリエスは一口紅茶に口をつけた。

今日もレイの紅茶は美味しいと称賛し、そして傍で控えるレイに顔を向けた。


「そういえば、レイはどうしてお茶を用意して部屋の前で待っていたんです?今日は特に習い事や勉強の予定はなかったはすだと思ったんですが?」

「えぇ、その通り。今日はお嬢様の予定は入れておりません・・・少々確認をと思いまして。」

「確認ですか?」


レイの言葉に聞き返すと彼は頷く。


「はい、今回お嬢様の護衛となる人物・・・つまり専属を増やすという事は、事前に旦那様から伺ってはおりました。丁度、彼女もいるこの時間帯がよろしいかと思いましてねぇ。」


そう言いながら何かを彼が何かを取り出したのは紙の束で、それをティリエスの前へと置く。

ずっしりとしているその量にティリエスは思わず目を丸くさせた。

「こちらは、旦那様から預かってました護衛候補の資料です。見知った人間に遠方それにお嬢様の領地の騎士達・・・一人一人の詳細が書かれています。」

「こんなに・・・。」


これ一枚一枚確認しないといけないの・・・マジで?


「お嬢様から見ての目ぼしい人間を絞れましたら、私とティキにもその者を見定めたい・・・その許可が欲しいのです。」

「・・・・ティキも同じ意見ですか?」

隣で黙ったまま佇んでいたティキはティリエスの言葉に腰を折る。


「はい、差し出がましいお願いかとも思いましたが、レイ先輩と同意見です。出来れば私達にも見定めの機会を設けて欲しいと私も希望しています。」


成程、それでレイが部屋の前で私達を待ちティキに遅刻の指摘をしたわけか・・・。

合点しティリエスは納得しながらもどう返事をすべきか悩む。

恐らく、この資料を父であるアドルフは一度目を通し振るい駆けられそれでも残った候補の資料のはず。

だから恐らく私が誰を選んでも問題ないのだろうが・・・。

思わずチラリと2人を見つめる。

同じ環境下で働くこの2人にも見定めたいという希望があるならそれでいい・・・いいが、それ以前に思う事があった。


父の息のかかった護衛・・・ということは、私の行動が筒抜けになる可能性大ということだ。

レイもティキも、どちらかといえば私の行動を尊重し黙認してくれる方だ。それが父に逐一報告されるようになるという事になれば恐らく今後私は行動しにくくなるはず・・・それはちょっと頂けない。

私を手助けし父の眼を上手く掻い潜ってくれる人物を探す必要がある・・・それに―――。

ある人物の願いを思い出し、ティリエスは答えるために小さく息を吐いた。


「それは勿論、構いませんわ。」

「「ありがとうございます。」」


彼女の言葉に2人は再度頭を下げて礼を言う。それではと資料を勧めるレイにティリエスは制止するよう声をかけた。

何事かとレイもティキも不思議そうな顔をする。


「護衛として実は1人、その人物に心当たりはあるの。」

「お嬢様それは「俺の知っている奴か?」」

2人の言葉にティリエスは首を横に振る。


「知らない人物ですわ・・・でも、そうね・・・今日1日待って欲しい。見定めてもらうにあたって紹介するのに時間が欲しいの。いいかしら?」

ティリエスの言葉にレイとティキは思ってもみなかった私からの早速の候補の人物に疑問を持ったのか互いに顔を見合わせたが、特に意見を述べることもなく主人である彼女の言葉に頷き頭を深くさせたのだった。

いつも読んでいただきありがとうございます。

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