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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第5章〜王都生活編〜
332/746

物語の主人公は新たな課題に頭を悩ませる。(さてどこから手をつけるべきか・・・全部か?⑬)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は11/30(水)投稿予定です。


イラつきながらも静かに笑みを絶やさず見下ろすレイとレイを冷たく無表情で見つめるティキを交互に見つめながらティリエスはどうしたもんかと頬をポリポリとかく。


・・・気のせいじゃなくてどうも2人とも嫌っているような・・・なんで?



「ふんふふ~ん~~・・・あ、お嬢はんここに居ったわぁ。」

「あ、ホルアクティ。」


ホルアクティがふわふわと鼻歌交じりに飛んできて、私達の姿を見るや否や私の方へと飛んで右肩に器用に着地した。

「ホルアクティ、どうしたの?今日はギリアの所に行くって言ってなかった?」

「その予定やったんやけどな、なんやお弟子たちの質問に忙しいしとったから今日はお邪魔するん辞めてん・・・あれ?」


ホルアクティも目の前で微動だにせず互いの顔を見ている少々殺伐とした雰囲気の状況の2人に気が付く。


「あの2人・・・。」

「何か知っているの?ホルアクティ。」

「昨日お嬢はんが居ない時になんやいっぱい話ししては時折あないして見つめ合っとったで。」


成程、どうやら私が居ない間既に2人は顔合わせをしていたらしい。

だからこんな態度なのか・・・いや、だからってこんな風に普通はならないと思うが・・・。


そう思っていると黙っていた2人から会話が聞こえて来たので黙ったままティリエスは2人の方を向いた。


「解せないですねぇ?どうして旦那様は貴女をお嬢様専属メイドとして採用したのか、私が全て、お嬢様の身のまわりの事をするというのに。」

「先輩こそ何を言ってるんですか?男性が女性の・・・しかも未婚の女性であるお嬢様の身のまわりのお世話をするという事に私がましてや旦那様達が許すとおもいですか?」


お、確かに正論!今は子供だし私も真っ裸じゃなければ恥ずかしいなんてあんまり思わないというか、気にならなかったというか。今の今まで服の着替えとかレイに任せてたけど確かにティキさんの言う通りだわ。


レイ自身もその正論を思ったことがあったのかほんの少し喉を詰まらせたような顔を一瞬だけ見せたが、小さく息を吐いた後、またにっこりと笑う・・・瞳は笑っていないが。


「そのような下世話な感情を私が抱くとでもぉ?私はただお嬢様の最大限の魅力を引き出すお手伝いを、お嬢様自信を愛でながら微力ではございますがぁ・・・しているだけですよぉ?」


そんなレイの言葉に冷たく見つめるティキがフッと吹き出し笑うのが見えた・・・勿論表情は冷やかなままだ。


「私も知識は浅くはないんですよ・・・そんな風に仰っても世の中には幼い子供を邪な眼で見る男性も女性もいるというのを存じておりますの。貴方にそのような感情は皆無だと口にされたところで全ての大人がそうではない・・・その事実から貴方の行動を黙認しましてや私が最も敬愛し守るべきお嬢様を今までのように任せるわけないでしょう。」

「・・・随分と、口が減らない後輩メイドが来たものだなぁ?」


笑っていた顔を途端に無表情にしたレイに、ティリエスは「あ、今ガチでキレたな」と察していると、そんな彼をみてかティキが小さく笑った。

この状況で笑えるのかとティリエスは我が目を疑っているとティキが笑いながら口を開いた。


「それ、誉め言葉と受け取りますね。私、男性に対しては殊更厳しい目で見てますので、お嬢様の事なら・・・尚更、それはよく覚えておいてくださいね。」

「なんだぁそれ、男女差別というやつかぁ?」

「いいえ?ただ私は大きな事にならないよう回避できるようにしているだけですので差別という表現は語弊です。」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」」


・・・け、険悪ぅ。しかも私の事についてだから知らんふり出来ない。というか彼女の様子を見るにアステリアの言っていた未来の彼女には到底なりそうにないな。


バチバチと目の火花が幻覚で見えそうなほどの様子にティリエスは内心冷や冷やしながらもふと思い出し、彼女の未来が変化したことにちょっと安心をする。

だがそんな安心も、新たな問題も浮き彫りになったことでティリエスは不安になり頭を抱えそうになる。

そんな彼女の心情を汲み取ってか、それともただ単なる思い付きなのかホルアクティが2人の様子を見守りながら口を開いた。


「なんやよう燃えとる2人やなぁ。これやったら新しい護衛さんが来たらもっと賑やかになってええなぁお嬢はん。」

「・・・・そうですわねぇ・・・誰にするのか、この辺りも汲み取って考えないといけないようですわね。」

こっそり小さくため息を吐いたティリエスは1人そんなことを呟きながら、未だ睨む2人の仲裁に入ったのだった。




いつも読んでいただきありがとうございます。

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