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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第2章~誕生編~
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まさかこんなことになるなんて誰が想像できますか?(今はただ気持ちの整理をさせてください。④)

今週の土曜日予定がはいりまだ書き進めたかったのですがここで早めに投稿しました、誤字脱字可能性大です。すみません。私事で本当に申し訳ありません。あとで訂正入ると思いますが、内容は変わりません。

6/7:誤字脱字訂正しました。


彼女の涙で一時静かになった会場だったが、本人のの笑い声を聞いた人々から徐々に会場全体がまた和やかな雰囲気を取り戻していき―――――。


両親が王族と祖父母の挨拶をそこそこにした後、頃合いを見計らって次々と色々な人たちが集まってきた。


当然本日の主役である私も揺りかごに移され、一緒に両親と挨拶に来た方々の対応していた。そこから暫く貴族の来賓の挨拶やお母様のご家族の方、更に商家の代表や領民代表の方の挨拶でえらく長く拘束されることになった。


そしてそうなってしまった結果。



うへぇ・・・気持ち悪っ。


私は笑いすぎで笑顔ノイローゼになりつつあった。


当たり前だ。

いくら寝かされているからって大人でも疲れるこの状況、赤ん坊の体力などそんな乗りきることができる持続力はない。


と、ぼんやりと疲れた頭で辟易しながら私はそれでも笑顔を貼り付けていた。


大人の顔負けの対応だ、どんなもんだいっ!

・・・いや、別に赤ん坊なんだから疲れたら寝てればいい話なんだけど、周りの会話が聞こえると気になるから寝れないのだ。


更に加えて言えば私への好意的なおめでとうな言葉なら、なんていうかありがとう!みたいな気持ちで笑ってお礼してたらもっと笑ってってリクエストされて・・・ねぇ~。


反応というのは怖い。



お昼頃から始まり今は夕刻前人も大分減りそろそろお開きにしようというムードに包まれ始めた頃。

と、母がなぜか疲れたのか、先ほどからため息をを静かに吐いているのがちらほら見えた。


来賓客に挨拶をしていた父も母の様子に気が付くと流れる動作で母を労わるように肩を抱いた。


いやんっ・・・お父さんとお母さん絵になるぅ。



「どうしたリリス。疲れたのか?客人も殆ど帰られたしあとはティリーと一緒に部屋で休んでおくか?」


「あっ・・・いいえ、あなた。ただお義父様のご兄弟の方が中々お見えにならないので、何かあったのではないかと心配になりまして・・・。」


テーブルに設置していた時計を見つめながらリリスがそういうとアドルフも時計をみてふむ・・・と考える。



「確か、王都にいるディオス叔父上の挨拶をしてからこちらへ向かうという手筈だが・・・確かに少し遅くなっているな。・・・ハーティス叔父上に何か起こるという事はないと思うが・・・・。念のために警護何人か出して―――。」


と、急に門の前が騒がしくなり、アドルフは異変に気が付く。


・・・ん?なんだ?・・・・ってくぅ動けん!!



私も何事かと気になりそちらを見ようとしたが、赤ちゃんの揺りかごに横になって揺られている私は身動きが全く取れない。ジタバタと手足で藻掻いたが無駄だった。



・・・・くそぅ、揺りかごがほどほどの動作を吸収してちょっとやそっとじゃ起き上がれん!


暴れる赤ん坊もこの1つでお母さんの心配を安心させます!

地面に落ちる危険なし!

赤ちゃんが動けばゆらゆら揺れるのでご自身で揺らす必要もない!

そして気が付けば貴女の愛しい我が子は夢の中!

一家に一台赤ちゃんの揺りかご!!


これをキャッチコピーするならこうだろう、私は普段以上に動けない事態に不満になる。


なんて・・・、なんて憎らしい演出を!赤ちゃんの天敵だ!宿敵だ!そしてこれは絶対売れる!


なんて思っていると、誰かの手が私の脇を掴み起き上がる形となる。


おや?なんぞお母さん。


母のリリスが私を抱き上げほっとしたような、しかし何故だろう・・・・。

後頭部を母にがっちり固定されて振り返させないようにされているんだが・・・・。


「お~い、アドルフ~!道中に新鮮な肉が調達できたから調理人に捌いてもらうように言ってくれないかぁ~!あとすまないが風呂を頼む~!」


「(ティリエスちゃ~ん、貴女はびっくりしちゃう光景だから振り返っちゃ駄目よ~。)」


・・・ぎょ~い~っ!かなりアレなんですね!


遠くから聞こえてきた懐かしい声の内容と小声に話しかけてきた母の言葉に私は察し、そのまま母の肩に顔を埋めて目を閉じたのだった。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・






・・・・ふぁ~・・・・あ、私寝てた?


いつの間にか眠ってしまった私はまた揺りかごの中にいた。

と、どうやら今は中庭ではなく屋敷の中だった。


ちらりと見える窓の様子からとっぷりと日は沈んでいるのが見てわかり、あれから何時間か時間が経っている様子である。

自分の服装もいつの間にか変わり、寝間着姿である。


お風呂に入れて貰ったようだが記憶がない、思っていた以上に疲れていたらしい。



「いやいや、悪かったって兄上っ!丁度さ美味い肉が転がり込んできたから喜んでくれるかなぁって思ったら身体がついっ!な?」

「わしらに寛容な貴族の方しかいなかったからよかったものの、あのような血塗(ちまみ)れで現れるとは・・・すまんな、リリス。わしの弟が軽率な事を・・・。」

「いえそんなっ!貴重なお肉を沢山頂けましたし、丁度領民達にお配りすることが出来ましたし、ありがとうございますメドイド伯爵様。」


おぉ~い!私もそっちに行きたいよぉ~起ーこーしーてぇ~!


近くのやりとりの声にどうやら皆この部屋にいるようで、私は気が付いてもらえるように手をばたつかせた。

隣に控えていたアンがいち早く気が付き私を抱き上げてくれる。


開けた視界に写ったのはダイニングルームで、長いテーブルに皆着席して食事をしている最中であった。


「失礼いたします旦那様、奥様。お嬢様が起きましてございます。」

「ありがとうアン。」

アンから私を受け取ると、アドルフは座っていた席に行くことはなく、抱き上げたままある人の前に私を連れていく。


「ハーティス叔父上、娘のティリエスです。」

「おぉ!この子がっ!男の子でも良いがやはり女の子の方が可愛いなぁ!!」

 

おぉっ!ハーティスさん抱き方が豪快だなっ!


ガバリとアドルフから半ば奪うような形で抱っこされると私は巨体な彼にじぃ~と見つめられる。

以前見た時より彼は少し老けた印象が見られたが豪快な様子は全く変わらないでいる。


右の耳には私のあげた鈴蘭のイヤーカフがきらりと光りを放っていた。


そして、ちらりと彼から目をそらしてぴたりと私は止まる。


……ん?知らん人がいっぱいおる。どちら様?



いつも読んでいただきありがとうございます。次回は来週日曜日予定です。

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