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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第5章〜王都生活編〜
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物語の主人公は新たな課題に頭を悩ませる。(さてどこから手をつけるべきか・・・全部か?⑧)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は11/18(金)投稿予定です。



「うーん・・・それは困ったのぉ、あの水はあの山からしか・・・他の山を試しに掘れば・・・でも直ぐに見つかるとも思えんし・・・うーん。」


領主の娘だと理解した途端、難色を示し始めた彼に私も考える。


禁則地を探索するにはまずお父様の許可が要る。

でもお父様に理由を言えばきっとその許可は何の問題もなく下りるはずだ。

けれど私は恐らく山の中へ入る事には承諾してはくれないだろう。


禁則地ということはシナウス達の国に近い位置にある山ということ。

だから本音を言えば彼らの暮らしていた土地が今どうなっているのか少しでもわかればいいが・・・流石に獣道しかない山へ令嬢を赴かせることはしないだろう。


護衛が居てもお父様は首を縦に振らないだろうし・・・今回は私のあわよくば、な考えは捨て置こう。


「それではお師匠様、私からお父様に今の件を掛け合ってみますのでそれならどうでしょう?」

「領主様に直談判か・・・いや、うーむ弟子ならいけるかんのぉ?」

「何か気になる事でも?」

「いやぁ・・・のぉ?・・・儂もむか~しに同じような事を頼んだことがあるんじゃが、そん時はあかんかったのぉ。鍛錬している騎士なら良いが領民を危険かもしれん山に登らせるわけにはいかんてはっきり言うてたような・・・?」


そうか、シナウス達の国があったあの場所はこの世界で言うと厄災を封じた場所となってたんだった。


曖昧に話すその内容にティリエスは少し渋い顔をしてある事を思い出す。

歴史を学んだ時にその事が書かれていた。

シナウス達の国は厄災から世界を護るためそれを命と引き換えにその土地に封じたとされている。

時空を超え箱庭で厄災と戦い勝利した、が本当なのだがそれを私以外誰も知らない。

その時の大掛かりな魔法の影響が、少なからず可能性はあると思うけどその付近は問題ないはずだが・・・正直説明することは出来ない。


お師匠様みたいな住民を怖がらせないように多分その時もその話しは伏せて話しをしたんだわ。

彼のその当時からしては領主というのは前領主であるルドルフお祖父様の事なんだろうけど・・・そうなるともしかしたらこの件私が言ったところでお父様も同じ考えの可能性がありますわね。


祖父と同じで柔和な部分もあるが基本厳格な父の事だ。素直に首を縦に振らないかも。


「そう言われたら私でも難しいかもしれませんね・・・でも。」


私達ではなく騎士の人に頼めば・・・あるいは。

けれど、もう少し確実に山を登れるような決め手が欲しい。


「でももしかしたら、助っ人に頼めば大丈夫かもしれません。」

「はて?助っ人とな?」


そう言うティリエスの言葉の助っ人の言葉に彼は首を捻るかそれが誰の事を言っているのか分からない表情のままティリエスを見た。

そんな彼の様子にティリエスま苦笑する。


「協力してもらえるかわかりませんが、でも、言ってみる価値はあると思います。だから、お師匠様少しお待ちくださいませんか?」

「弟子がそう言うなら・・・うん、儂待てるわいの。」

「ありがとうございます。では、早速その方に協力してもらえるのか早速聞いてきますね。」

彼女の言葉に彼はこっくりと大きく頷いたのでティリエスは、その場を後にしある場所へ向かった。




「・・・・・・ここですわね。」


畑から歩いてそう遠くないとある場所の前でティリエスは歩くのを止めた。

そこは、屋敷ではないただのどこにでもあるような倉庫だった。


恐らく、この時間に彼は要るだろう。

ティリエスは確信めいた予感のまま何の躊躇もなく扉を開けた。


開けた途端灯りもないその中で何かが驚いた様子で動いたのが見える。

やっぱりそうかと思いながらその音がした方向へ声をかけた。



「ここに居るのは知っていますわ、どうか出てきてください。」

「・・・・・・・・・・・・・・・。」


ティリエスの声に微動だにも声も出さずなその相手にティリエスは構わず話しを続けた。


「私は別に咎めたいわけではありません・・・貴方に協力をお願いしにしました。出来れば私とお話ししてくださいませんか?ご両親の事にも繋がりますから。」



それ以上じっと待つティリエスは暗闇の奥にいる人物を待つ。

暫くどうするのか黙って待っていると足音がゆっくりと聞こえてきた。

どうやら黙ってどうすべきか彼なりに考えていたようだが、私の話しを聞いてみることを選択したようで迷う事なくティリエスの居る出口へと足を進め向かってくる。


「・・・やはりここにいましたか。」

ティリエスは日の光で姿を見せた者、ラニングの子供にあたる白い子馬にそう言ったのだった。



いつも読んでいただきありがとうございます。

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