これが夢だというのならとっくの昔に目は覚めている(さぁ、愉快なパーティーを終わらせましょう⑪)
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は10/21(金)投稿予定です。今回は区切りの良いところなので少し短めです。あと2話でこの章も終了です。(毎回ながら長いな本当。)
絶命し硬直していたエスカリーナの身体がだらんと力無く地面に横たわり数秒、目の前で笑ってみていた主人と言われる女性は、その様変わりした彼女の遺体の中央を見つめる。
彼女の胎から出てきたソレは血濡れた死体の上で小さく息をしていた。
従者がそれを素早く取り上げ主人の前に献上する。
生きている血塗れの赤子の僅かにある髪の毛の色に女はニンマリと満足そうに笑った。
「どうやら、成功したみたいね!良かったわぁ、あら?本当だわ!ねぇ!貴女の言う通り金色の髪の男の子。本当に王の血筋の子だったのねぇ・・・あら?エスカリーナ?あら・・・もう壊れちゃったのエスカリーナ?一緒に赤ちゃんの事お祝いしようと思ったのにざーんねん。」
はぁと大袈裟にため息をした女はもう興味を無くしたように踵を返す。
「あの国を内側から崩せなかったことは大変残念だったけど・・・計画には支障はないから良いわ。それに女神の力を継承できる血筋の子もこうして手に入ったことだし。さて・・・誰にこの化け物を育ててもらおうかしら?・・・そうだわ!そう言えばそろそろ侍女の子がそろそろ生まれるというし、その子に育ててもらいましょう!きっと喜んでくれるわ!そうでしょう?」
そう言えば周りの従者は揃って主人の言葉に同意すると、彼女は機嫌よくその赤子を見やる。
「死ぬまで私の役に立ってくださいね。折角貴方を育ててあげるんだから。」
そう言って女は己の馬車に乗り込もうとしたが、「あぁ、そうだ。」と思い出した様に地面に転がっている遺体を指差す。
「これの衣服剥いでその辺に転がしておいて。」
「処理せずにでしょうか?」
「そうよ、これがエスカリーナだなんて誰にもわからないわ。それよりも彼女は帝国へ逃げ込んだ、とでも思わせておけば良い。それで事が良い方向へいけば、それはそれで楽しくなりそうだし。それに、この子が王家の彼らと対面したときに彼女が帝国に居た、という事実が欲しいもの。さて、それじゃぁ次の遊ぶ準備が出来るまで私の家で遊びましょうね、皆さん。あぁ、それとその子に名前をあげないとねぇ・・・うーん、決めた!ヴリトラ!この子の名前はヴリトラにしましょう!良い名前だわぁ・・・さすが妾じゃ。」
そう言って今度こそ女は豪華な馬車へと乗り込み、己の国へと帰っていったのだった。
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翌朝、王の玉座で騒然となった。
罪人として捉えていたエスカリーナの逃亡と、同じ独房に居たインクブスの死体が発見されたと言う事実が王城内で飛び交う。
深夜に事が発覚しすぐに王は王命で捜索隊を派遣、捜索兼捕縛するために事を進めたが誰1人彼女を見つけることはできなかった。
それとは別に不可解な死に方で死んだ全裸で横たわっていた老婆の姿が発見された。
エスカリーナの痕跡からここで鉢合わせた老婆の身包みを剥がし、口封じに殺したのではないかと言われたが憶測の域だけで終わる形となり、その老婆の遺体は近くの村にある集合墓地で埋葬されたのだという。
それから数日間、王城内の警戒と共に捜索は続けられたが結局手がかり一つ見つけられずに捜索は終了したのだった。
帝国に要請をと言う言葉も出ていたが、王はそれを保留とした。
これ以上彼女に執着をみせるのも得策ではないと判断したためであった。
代わりに、帝国へ亡命した可能性も捨てきれないので王はこれを機に帝国との境界線の防衛への強化を貴族達に伝え、この件に誰も触れない様にしたのだった。
勿論ティリエスを始め子供達にもこの話しは伝えられた。
話して怯えてしまわないかと大人達は心配していたが、存外子供達は冷静に話しを受け止めていることにほっと胸を撫で下ろした。
ティリエス達3人は正直驚くことはなかったが、今後の対策のために彼女の亡命した可能性も一つ加えられたのだった。
その後、王妃による呪いを解いたお礼とあの小屋で泣いていたのが彼女だった事実やディオス大叔父様に錬金アイテムについての話しや王女のアステリアとの交流とティリエスにとって驚きや興味深い内容、目まぐるしく過ごしていたのはここに記しておく。
数日間そんな楽しい王城生活もあっという間に終わり、事の収拾も治めたアドルフの声で一度2人は領地へ戻ることになったのだった。
いつも読んでいただきありがとうございます。
もう話しも出てきたので裏設定でも(笑);主人公達が過去へと戻ってきたタイミングは勿論電車の事故です。
彼女は首を切断、アステリアは電線ショートにより焼け死んでいます。これは彼女達の処刑と同じ状態で死を迎えています。これにより過去の自分達のいた世界に巻き戻しされています。因みに彼女達を死へ追いやったあの黒い手はアステリアの手です。




