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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第4章〜解明編〜

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これが夢だというのならとっくの昔に目は覚めている(さぁ、愉快なパーティーを終わらせましょう⑧)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は10/14(金)投稿予定です。


『・・・リリ・・・ス。』

彼女の瞳を見つめ、アドルフはようやく自分が何をしたのか悟る。

そして、自分が最も手にかけてはいけない人間を殺した事に愕然としその場で蹲り顔を覆う。


未だ歓声の声が鳴り止まない中、アイル、そしてアステリアも解っていたが友の死に涙が溢れた。

それでも無情にも彼らに冷たい声が聞こえる。

『何をしている!さっさとここを片付けよ!次の罪人を・・・ん?なんだお前は!ぐぁ!!』

刑執行人の声が途切れ重たいものが落ちた音がし、その音に誰もが歓声を上げていた声をぴたりと辞めた。


一瞬で静寂が辺りを包む。


涙で滲む目でアステリアは見やると、1人の男が立っていた。

銀髪の男の存在にアステリアもアイルも驚いて目を見開く。



快楽のままに自分達の味方を潰し、ティリエスと対峙していた男。

彼の存在に周りの人間は慌てる。


『れ、レイ様!ここは貴方様がいるような場所では!』

『どけ。』

味方である男に興味は示さず、レイが一言そういえば相手は黙る。

レイはゆっくりと歩き民衆の目を気にすることなく、ある場所で止まる。


そして目の前で蹲っている男の一瞥したあと、彼はしゃがんで目の前にあるティリエスの頭部を持つとアドルフも彼の存在に気がつき顔を上げた。


『・・・・これが、お前の望んだことか?』

物言わぬ骸にレイは問いかけるが、彼女は答えることはなく虚空を見つめるだけで、レイはそんな骸の唇に己の唇をゆっくりと重ねる。


『まだ、暖かい。でもじきにお前は冷たくなるのか・・・思っていた以上につまらないな。』

レイは彼女の目を己の手で瞼を落とし目を閉じさせると、血に汚れるのも厭わないまま大事そうに彼女を抱えゆっくりと歩き出した。

レイが踵を返したところでアドルフは彼のズボンの端を握りしめる。

その手に一度レイは振り返ると見上げてこちらを見る彼女の父親であった男と目が合った。


『何処へ、何処へ連れていくっ。それは、それは私の子だっ!私の子だったんだ・・・。』

『よく言えたものだ・・・お前がそれを言う権利など何処にもない。』

そう言って、乱暴に足で手を振り払うとアドルフはその場に崩れ落ちた。


『彼女との約束だ。約束を守ったのだ・・・だからこれは、俺のモノだ。さぁ・・・行こうか。』


レイはアドルフに彼女の頭部にそう伝え歩き出すと、事態を理解した周りの人間に止められていたが彼は構わずその場へと退場していった。

その間彼は周りの人間の矢に射られたが、抵抗せずその矢を数本刺したままそのまま行方をくらました。


それ以降私は彼女の首が何処へ行ったのか知らない。


それから私は彼女の後直ぐに火炙りの刑に。すぐにアイル様も絞首刑に処された。

私達が死ぬことに喜ぶ民衆の歓声の声を聞きながら私達は惨たらしく死んでいったのだ。



――――――――――――――――――――


―――――――――――


――――――――



「・・・・・・あの火の熱さ、痛み、苦しみ、アイル様には屈辱な死を与えた・・・何もかも覚えているわ。一度目のアドルフ卿が一度犯した罪もね・・・だから、あの子のようにすべてなかった事にはできないわ。」

「・・・分かっているよ。僕達受けたものはそう直ぐには無くならない・・・でも。」

「うん・・・私だってあの子が今もそんなことを思ってほしくないわ。だから・・・教えないわ。それに・・・私は罪をもう背負うつもりでいますもの。」


決意した瞳をアイルに向けきっぱりとそう言うと、アイルもまた彼女にこくりと頷く。


「君だけに背負わせないよ、僕も一緒に背負うから。」

「・・・ありがとう。」


アステリアはアイルの手を握りしめると、アイルは彼女に微笑んだ後扉を方を見つめる。


「・・・ティリエスは君が話したこともあまり覚えていないようだね。」

「えぇ・・・私がゲームという夢物語として話していた記憶はあるようだけど、内容までは覚えていないようだったわ。」

「不幸中の幸い、といったところか。」


アステリアはこくりと頷く。

「あの子は私が殺したようなものだわ。」


自分と異母兄弟であったその弟は、母親に感心されずその寂しさを埋めるように私によく懐いてくれた。

けれど最後は姉である私より自分の母親の言葉を信じ、結果私達は彼と敵同士となった。


王妃を救うため、エスカリーナにせがまれた行為によって産み落とされたその子供が産まれることはもうありえないのだ。

母は救えたが同時に弟を見殺しにしたアステリアはティリエスにだけは知られたくないと思っていた為、彼女が覚えていないことに深く感謝した。


「あの子には少しでもそんな憂いはしてほしくないもの。これでいいのよ。」

「君がそれで納得しているなら、何も言わないよ。」

「・・・お父様から聞いた話し、裁判なく早々に彼女は処刑される予定だそうよ。その日には私もしっかり見届けるつもり。だから・・・アイル様、私の隣にどうか下さいまし。私が立って見ていられるように。」

決意の言葉にアイルは静かに頷いた。





しかし、その日の晩に罪人であるエスカリーナは牢の中から忽然と姿を消すこととなる。

同じ部屋に居たインクブスだけが血溜まりの中で絶命した遺体だけがそこにあるだけだった。


いつも読んでいただきありがとうございます。

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