これが夢だというのならとっくの昔に目は覚めている(さぁ、愉快なパーティーを楽しみましょう㊸)
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は台風なども考え9/20(火)投稿予定となります。ご了承下さい。20日の次は9/22を予定にしておりますのでよろしくお願いします。(台風怖いですね、皆さんも気をつけてください。)
彼らも同じように階段から降りていけば、周りの人間は囚われた2人を除き全員がその場に片膝をつき2人に頭を垂れる。
ティリエスも同じようにレイに下へと降ろしてもらい、周りの人達に倣って同じように頭を垂れながら、ちらりと行儀悪くティリエスは2人の顔を盗み見る。騎士達の体躯を見慣れているティリエスにとって王の体躯は優男な印象で顔もそれではあったが纏うオーラには王としての威厳が見え、その隣を歩く王妃は淡いピンクの髪色でありながら、美しくその凛とした顔立ち、そして蜂蜜色の瞳で見つめるその瞳には知的さが見え王を支え、王の隣に立つにふさわしい女性だとティリエスながらそう思った。
そんなことを思っているとふと、その蜂蜜色の瞳が私を見つめ優しく微笑んだのを見てティリエスは慌てて盗み見るのをやめた。
「皆、面を上げよ。頭を垂れる必要もない。」
静かに言った王のその一言に誰もが頭を上げ立ち上がると王と、その隣に居る王妃を見つめる。
王妃の手には一つの丸められた洋紙を持ち、王妃はみすぼらしい姿となったエスカリーナの前に立った。
「お久しぶりです、エスカリーナ。」
「・・・ありえない、お前は外に出られる身体じゃなかったはずだ!」
エスカリーナは見上げて王妃に睨みつけていた。エスカリーナの言葉にティリエスはやはり王妃は何かしら外に出られない事情があったのだと確信しながら、二人のやりとりを見守る。
「そうね、確かに私は貴女に苦しめられた。けれど、こうして私は生かされたわ。女神様が死にそうになっていた私を生かしたのです。」
その言葉にエスカリーナは思いきり吹き出し笑い出す。
その品性の無い笑い声に顔を顰める貴族もいたが、王妃は気にせず静かに彼女を見つめていた。
「何が女神だそんなおとぎ話に・・・そんなおとぎ話な存在如きにっ!私の計画は台無しにされたというのか!!!」
しきりに笑った後怒りのままエスカリーナは吐き捨てるようにそう叫ぶ。
まるで王妃を怯ませようとしている彼女の行動に王妃が怯むことなくただただ彼女を見下ろしていた。
変わらない態度に言っても無駄だと理解したのか罵声を辞め肩で息をするエスカリーナに王妃は持っていた洋紙を広げてみせた。
その洋紙に彼女は息を荒げたまま視線を向ける。
「それはっ。」
「最後の条件です。3つの条件は貴女を護っていたそれを綻ばせることが出来る。だから今貴女は拘束をされたのです。そして、最後に私と王の血で書いたこれによって貴女はそのおとぎ話如きである女神からの祝福が外されるのです。それによって貴女はもう側室という立場はなくなる。」
「や、辞めろ、辞めなさい!!」
王妃に飛び掛かろうと動いたエスカリーナは即座に周りの人に阻止される。
掴まれた手を振りほどこうとしているなか王妃の周りに魔力を載せた風が巻き起こった。
「『側室、第2夫人。エスカリーナは王への反逆そして国の混乱を招こうとしたことにより「いいの!そんなことをして!」・・・・。』」
王妃の言葉を遮りエスカリーナは叫ぶ。
「私を側室から下ろさせたら貴女の霊獣も他の人間共の霊獣も永遠に帰ってこない!」
その言葉に周りの貴族達がざわつく。
動揺している人間達を見てエスカリーナはまだ自分にもチャンスがあると思ったのか、先ほどよりも落ち着きをとり戻し落ち着いた声で王妃に話しかける。
「探そうにも霊獣との繋がりが離され行方が分からない今、知っているのは私だけだ。それをすれば私はどんな拷問をされようが口を割ることはないぞ。どう?王妃、お前はまた自分の支えであった唯一にまた会いたくないのか?それこそ今ここでお前が決断したことに他の人間は納得しているのか?永遠に会えないことにお前は耐えられるのか?」
その言葉に王妃はジッと黙ったままその書簡である洋紙を握りしめ見つめたままだったが、徐に彼女は口を開いた。
「そのことなら・・・。」
誰もが口を閉ざし、王妃の言葉を聞く。
「そのことなら、もう私の中でけじめはついている。」
そう言ってジッと今度は迷いのない瞳でエスカリーナを見、彼女はその強い瞳に一瞬動けないながらもたじろいだ。
「私は、民を守る義務がある。この方と一緒になる時そう心に誓った。例え大切な友、私の唯一のあの子と別れることになろうとも。それにもう、他の者らにも話してある。」
「なっ!」
「他の者らも納得してくれた、だから私を揺らがせようとしても無駄だ。私はこの選択の罪を背負いお前を裁くことを辞めはしない。」
「王妃様・・・。」
彼女のその言葉にティリエスは胸が張り裂けそうになる。
自分を選んでくれた霊獣と生涯会えなくなるなんてとても辛いことだ。
でも、居場所がどこかなんてすぐにわかるはずも・・・。
と、自分の肩に乗っていたホルアクティがティリエスの頬に羽を掠めた。
その刺激に少し驚いてホルアクティを見れば、彼は耳元に嘴を寄せる。
「お嬢はん、なんや変な気配がいっぱいする。」
「?」
変な気配?
小声でいわれたティリエスはホルアクティにだけ聞こえるように小声で返す。
「変ってどんな?」
「なんや一つのところにガヤガヤいるんよ。ほらワイ、湖で遊んでた時あったやん?あの時となんやめちゃ似とるんよ。それがこの辺、近くで感じるやわぁ。」
「どっちから?」
ホルアクティの言葉と指差した方にティリエスは目を向けると、そこには捕らえられた2人が持っていた私物が置かれていた。
その中のあるものにティリエスの目が止まり、こっそり歩いて近寄った。
「ホルアクティ・・・もしかしてこれ?」
ティリエスが指差し、ホルアクティもティリエスの指差した先のものを見てコクコクと頷いた。
「せや!これや!」
「ふーん・・・。」
なら、怪しいじゃない。
ティリエスは指差したそれをゆっくり手に持った。
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