これが夢だというのならとっくの昔に目は覚めている(さぁ、愉快なパーティーを楽しみましょう㉘)
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は8/12(金)投稿予定です。いつもイイねありがとうございます!
彼女達が読み始めた先にはこのように綴られていた。
なぜプラメイト族が女神から能力を授けられない身なのか。
それを知るには先ずこの世界がどうやって作られたのかから話す必要がある。
女神は何もないところから生まれただ独り数え切れないほど長い時間をただ暗く闇の中で過ごしていた。
生まれてから暗闇の中にいた女神にとってそれが普通であったそんなある日、
女神はいつものように自分の能力を使った。
女神の周りには何もない世界が広がっていたが、女神には数えきれない力があった。
それは頭の髪の毛爪の先まで女神には様々な力が宿っていたのである。
久方に使った能力は全てを見通せる力だった。
その瞳にはいつものように闇と静寂なものだけが写り込むと思っていた女神の瞳に変化が起きた。
その瞳は闇を写さず自分がいる場所とは違うどこかの時空で彩る多くの命の輝きを偶然瞳に写しだした。
闇しか感じだことがない女神にとってそれは強い無数の光だった。
女神は瞳に写し出したそれを感じたことによって、女神に大きく激しい感情が生まれた。
多くの命の輝きを見た女神は、美しい世界を見ることはなんと楽しいことなのだろうか・・・と。
だがすぐに自分のいる何もないただ暗い世界しかないことを比較した女神はその感情と同時に。
虚無な世界というのはなんと悲しいことなのだろうか・・・と思うようになった。
この2つの感情が女神の中から溢れると女神はある感情が胸にしめる。
寂しい。
女神は独りでいたこの世界で寂しいという感情を持つと、女神は誰も居ない闇の中でとうとう寂しさのあまり瞳から大粒の涙が溢れ女神の世界を暗い世界と水を満たす世界へと変わっていった。
すると、涙を流し続ける女神の前に4つの光が降り立って女神の前に現れた。
その光は彼女と同じ神と呼べる存在だった。
最初に女神の涙の水に引き寄せられたのは水の神。
次に女神のすすり泣く声に引き寄せられたのは風の神。
3番目は水の世界に相反する存在である火の神。
そして最後は3柱につられてやって来た土の神だった。
女神は驚いて4柱を見つめると神々は女神に何故泣いているのか問うと、女神は自分独りの世界が寂しいのだと嘆いていたことを話した。
その話しを聞いた神々は女神に提案をした。
我々と共に命ある世界をつくらないか・・・と。
我々には女神のような万の能力はない、だが女神の持つ力を一部与えてくれれば貴女の身を使った世界の繁栄を手伝う・・・と。
女神は躊躇などなく、彼らの提案に頷いた。
どんなに多くの力を持っていても意味はないと分かっていたからだ。
女神はまず自分の瞳を水の神に与えた。
取り込んだ水の神は瞳に力を宿し女神の涙を融合するとその水から女神の力を瞳に宿した様々な人を創り出した。
次に風の神は女神の右腕を与えられた。
風の神は女神の腕の骨を取り出すと樹を生やし、その実から右腕に女神の力を宿した様々な人を創り出した。
火の神には反対の左腕を与えられると、腕に残っていた女神の血で宝石を作り出しその宝石から左腕に女神の力を宿した様々な人を創り出した。
最期に土の神。
女神は土の神に美しい髪をひと房与えようとしたが、土の神は女神の申し出に断った。
困惑する女神に土の神はこう言った。
私が作る人は私の土を使う土からの人形。貴女様の力を宿せばその土人形たちはすぐに壊れ、力のまま狂い踊り、そして壊れていくだろう、私はそのような光景をみたくはないのだ・・・と。
女神はその言葉に納得し、それならばと女神は自分の髪をひと房分伸ばすと土の神と自分とを繋げた。
その髪を通して貴方が作る土人形には恩恵を授けましょう。そして、この繋がりを力あるモノを土人形の傍へと向かう架け橋としましょう・・・と。
こうして女神は残った己全てを使って星を作り、女神そのものであるその星で女神の力を授かった4柱の神はそれぞれ海・空・太陽そして大地へと姿を変え其々が作った人がその星で生きることになった。
「この時、瞳に能力を宿した種族は・・・破れて読めないな、―――となり。右腕に能力を宿した種族は後にエルフと言われるようになり、左腕は魔人そして、能力を授からず恩恵である技量そして唯一女神と繋がることが出来霊獣を授かることが出来る種族プラメイト族と呼ばれるようになった。・・・なるほど、つまりはこの本の通り、僕たちがその土から生まれた人形であるなら、僕のこの瞳の能力は説明がつかないね。でも、この世界には3種族しかいないはずだし・・・どういうことだろうね?」
読み終わったアイルはそう最後口にこぼすとティリエスはじっと破れて読めなかった部分を見つめる。
「・・・・失われた4番目の種族。」
「え?」
「一般に出回っている書物はお兄様の言う通り3種族のことしか載っていません。ですが私の家の書物には種族は4つあると記されていました、その種族がもし瞳の能力の持ち主に当てはまるとしたらお兄様はその4番目の種族の血筋を受け継いでいるのではないでしょうか?」
「ちょっと待ってティリエス。」
アイルは驚いてティリエスにそう言うと、少し混乱しながらも口を開いた。
「失われた種族って、君の家が監視しているあの領域に住んでいた人々のこと?待って・・・確か厄災の戦いで封じ込めるためにその種族達は全員生贄になったってそう学んだ。この世界にはいないはずだ。」
「居ないのではなく、生き残ったのでは?」
レイの言葉にティリエスとアイルはレイの方を振り向く。
「それか一部のその種族にも当時保護対象がいたのでは?その保護対象達が生き延びたということであれば説明がつきませんかねぇ?」
「確かにそれなら・・・・でも、だとしたらどうしてその事実は消去されているんだ?」
アイルの言葉にそこまでわかりませんよとレイはそう答えるとアイルは小さくため息を吐いた。
「なんだか今日は驚いてばかりな気がする・・・とりえずこの話しは一度やめだ。帰ってお祖母様達にでも聞いてみるよ。」
「そうですね。」
ティリエスも賛成しページを捲く。
しかし、思ったよりも分厚いなこの本・・・・ん?げ、能力のことがいっぱい書いてある、それでこんなに分厚いのか・・・けどやっぱり劣化が酷すぎて所々読めない・・・・ん?これ?
ティリエスはある能力を見て捲るページが止まる。
「お兄様、レイ、もしかしてこの能力。」
「ん?・・・・ティリエスこれって。」
「・・・・なるほど、そうですかぁ、道理で。」
ティリエスとアイル、そしてレイはある個所に記されていたある能力に注目した。
追跡の瞳。
その説明欄に3人の目は釘付けになった。
いつも読んでいただきありがとうございます。