これが夢だというのならとっくの昔に目は覚めている(さぁ、愉快なパーティーに行く準備をしましょう㉓)
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は5/13(金)投稿予定です。今回はキリの良いところにしたかったので短めですすみません!
ぶるりと震わせた身体を両手でさすりながらティリエスは大きく深呼吸をし気を落ち着かせながらティリエスは以前聞いた話しも思い出す。
レイから聞いたことといい、大叔父様の手紙といいなんつー危ないんだ王都は。
暗殺やら毒殺やら何かしらやばい事をしようと・・・ってことなんだよね?
そんなに頻繁にあるのか、あるから気をつけるように言われたんだけど・・・誰もそんなこと巻き込まれるなんて稀だと思うじゃないか。
でも、そうなのだとしたら・・・・。
それ知ってても貴族の人は行くのか・・・ヤベェな貴族、私も貴族だけど。万全な対策をしているからなのかそれともそんなことが多いから慣れているのだろうか・・・うーん、わからん。
王城なんか勿論警備とか常に護衛をする騎士とかいるけど、それでも王妃様達常に身の危険を考えてなきゃいけないのか・・・え、やだ王様や王妃様達って本来抱える必要のないストレス抱えて生活しているってどんだけブラックよ!・・・あ。
と、ここである人物を思い出す。
「もしかして・・・例の第2夫人の存在の事を指しているのかしら?」
私が偽妖精になっていたあの頃、確か呪いで側室という立場を獲得し君臨した女性の存在を思い出す。ティリエスとしての生を受けてから今まで、両親の口からや他の大人達の口からその女性の存在の話しを聞いたことがなかったので今の今までその存在すらティリエスは忘れていたのだが・・・もし、彼女をあの事件の時にカルディナと一緒に捕らえることが出来なかったとしたら。
なりを潜めていたがその女性が動き出したということだろうか?
王族と自分は親族関係にあたるのに今の今まで王女にも王太子にも私は顔を見たことがないし王城に呼ばれたこともなかったのは、両親が私を守るためにワザと遠ざけていたのか?
聞いてみたいけどこちらから聞けば、知らない人間の情報をどこで聞いたのか疑うだろうしなぁ・・。
私が生まれる前のあの事件の分かるようなものは屋敷に置いていないし。
藪蛇を突くようなことは辞めとくか。
「じゃぁブラックリストの人物がいるの分かってたから、大叔父様、中々お休みをとれないのでは?」
でも、それならある意味納得はいくなとティリエスは思う。
手紙ではただの親戚のおじさんと物づくりの趣味に意気投合してオタ活の近況報告をしあいっこしている仲ではあるので忘れがちになるが、ディオス大叔父様は王宮魔術師の長だ。騎士ではカバーしきれない魔法分野で王一族の身の危険を護っている。それがあっておいそれと王都を離れられないのではないのだろうか?
・・・え?そうなら本当にブラックじゃないか大叔父様。大叔父様の代理できる人がいれば話しは別だけどさ、この世界の魔法知識からみてもそういうわけでもなさそうだし。
でもそんな肩書きの凄い大叔父様ができればこれを作って持ってきてほしいと言ってきたのだ。なら、これは大叔父様の役に立つことなのかもしれない。
「本来なら面倒ごとに関わりたくないんだけど・・・・まぁレイもホルアクティいくし。よし、いつも大叔父様には色々助けて頂いてますし、頑張って完成させますわよ!」
先ほどとは打って変わりやる気になったティリエスは右手の拳を作り力を込め決心する。
まだどのようにこれを実用化させるかまだまだ考えなくてはいけない部分はあるが、必ず持っていきますから大叔父様お待ちくださいませ!
「さて、新たにやる気になったところで。今度はアイルお兄様からの手紙を読みましょうか。」
ティリエスはそういいながら今度はアイルの手紙の封蝋をきり手紙を取り出して広げ読み始めた。
「・・・・ん?」
読み始めて数秒でティリエスはアイルの手紙の内容に首を傾げたのだった。
いつも読んでいただきありがとうございます。