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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第4章〜解明編〜
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これが夢だというのならとっくの昔に目は覚めている(さぁ、愉快なパーティーに行く準備をしましょう③)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は3/23(水)投稿予定です。


勢い良く返事をしたティリエスは早速母と供に、母の仕事部屋へと向かった。


母の手にひかれながらティリエスは期待を胸にワクワクさせる。

この世界で育成している薬草類を触るのは実は初めてなのだ。勿論、こっそりと皆にバレないようにシナウスから預かった薬草から調合したりはしていたが、それはあくまでシナウス達箱庭の皆の為に頼まれた物を作り出す為で、世に出すための物ではない。

彼らも人が増え、その分回復薬の常備には事欠かないらしいが不安が残るらしい。

それであればと、私の過去の所持品が入っている亜空間(サブスペース)収納(ストレージ)には数百人の人が毎日飲用製薬(低)(ポーション)を4年以上飲んだとしても有り余る程のストックを持っているのでそのままシナウス達に譲ろうと思ったが、それはシナウスが頑なに断った。

曰く、私がアバターを使って昼夜を問わず、ぎりぎりあの世行きになるまで体力を削ってまで一心不乱に作り続けていたのを箱庭のメンバー達は私が天から降りてやって来た当初から知っているので譲ってもらうわけにはいかないと言われた。


聞けば、私のアバターは無表情で黙々と作っては突然電池切れたようにそのままの状態で動かなくなるし、最悪そのまま突然ぶっ倒れたりしていたそうだ。


それを聞いて思い出すのが、多分精製途中でログアウトしたから出来てもそのままの状態でアバターの動きが止まっていたり、錬金の熟練度を上げたりしたくて魔力がギリギリ底を尽くまでに連続で精製したりしていたから倒れたり、多分そのせいで彼らにはそう見えたみたいなんだけど・・・。

兎に角、彼らのトラウマになる程の印象を持たれてしまった代物を押し付けるわけにもいかなくなったので、じゃぁせめてと思い材料を提供してくれたら微力ながら自分も手助けをすると申し出だ。


まぁ、レイが神出鬼没なので彼がお父様のお使いに行った時ぐらいしか出来ないのだが。

でもその代わり、飲用製薬(中)(ハイポーション)を作ってはシナウスに渡している。

彼はあれがポーションだと思っているのでバレた時にまたなんか言われるかもしれないけど・・・うんまぁ、貰っている材料の質が良いからって言っといたら大丈夫だろう多分。

そんなことより、この世界ではどんな風に薬を作るのか楽しみだ。


そうこう思っているうちに、母の仕事部屋へ着いてドアを開けた母に続いてティリエスが中へ入ると既に中で作業を行っている女性達が居た。

母の仕事を手伝っている村の女性達とエルフの女性達だ。

作業をしていた女性達は誰が入って来たのか分かると皆笑顔になった。


「奥様!それにお嬢様も!」

「皆さん、作業を止めてしまってごめんなさいね。今日から娘のティリエスも薬学について教えていくつもりだから皆そのつもりでお願いしますね。」

「お忙しいところ恐縮ですが、皆さんどうか私にもお薬づくりの知識を教えてくださいますようよろしくお願いします。」

母からの紹介の後、ティリエスはペコリと頭を下げて挨拶をすれば、女性達はワァッと喜びに沸き立つ。


「嬉しいわ!お嬢様が来てくださるなんて!」

「私達も頑張らないとね!」

「えぇ!本当に!」


あれ?思ったよりも歓迎されている?


ティリエスは本人が思っているより女性達に歓迎されている事にティリエスは内心首を傾げているとエルフの1人の女性が口を開く。

「私達、調理場の方々が羨ましかったんです。いつも同胞がティリエス様達が考える物を教わるとすごく料理が上手くなったり、皆さんといろんなアレンジしてみようと自分達でレシピを作ったりしたらティリエス様の助言で良いものが作れたり充実してすごく楽しそうだったんですもの!」


えぇ?なにそれ初耳案件。


ティリエスはその事実に驚いて目をぱちくりさせる。

本人としては子供の身で厨房陣取ってるし、どう考えても邪魔してると思っていたのに。


そういえば、いやに何故か厨房の真ん中でするようお願いされたりちょくちょく調理場の人に味見やら何か聞いてくるなぁ?とは思っていたけど、場所を借りている手前無下にしたくなかったし何より教えることについて自分にとって別になんてことのないことだったから、ほいほいいわれた質問に答えてたけど・・・もしかしてそれか?


思い当たる節にティリエスはぽりぽりと人差し指で頬をかく。

まぁ・・・厨房の時も邪見にされていないとは皆の態度で分かっていたけど、私が居ることで充実していて楽しんでもらえていたならよかった。


心の中でそう思っていると、ポンっと右肩に誰かの手の重みが加わる。

見上げるとそこには母リリスがにっこりと笑みを浮かべて見下ろしていた。

ティリエスはその意味深な笑みに、ん?と首をかしげる。


「さぁ、時間は有限よ~。お父様から先に一緒にする権利を貰ったんですもの~、頑張りましょうね~ティリエス。」

「え?」


お母様どういうこと?

母リリスに、父とどういうやり取りとしたのか聞こうとしたがリリスはニッコニコと笑ったままティリエスを部屋の中へと招き、こういう時の母に何を言っても喋ってくれないとなんとなく理解していたティリエスは取り敢えず母に連れられるかたちで部屋の中へ入っていったのだった。


裏設定:実は調理場の皆さんが実際に料理の向上、技術の上達を感じておりそれはすべて主人公が来てからなので彼女のお陰だと現在進行中で働いている人達の噂になっています。更にいえば、以前に書いた小話とリンクしています。彼女に教わると上達速度が飛躍的になるので、アドルフは騎士達の稽古にリリスは薬学関係に彼女を中心とした改革を狙っています。(勿論彼女が興味持つ範囲内での話しで。)

それで今回はリリスにその権利をもらった、という裏話です。


いつも読んでいただきありがとうございます。

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