出来ることが増えてくると色々したくなるお年頃なんです。(カッコイイ!可愛い!私の相棒さん!㉟)
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朝。
ゆっくりと目を覚ましたティリエスは静かに起き上がり辺りをキョロキョロと見やる。
そういえば、昨日は疲れて早めに休んだんだっけ?
ティリエスは昨日とは違い随分とすっきりした頭で段々と昨日の出来事を思い出して息を吐く。
昨日は霊獣が暴れたり自分の霊獣が戦ったり、騎士の皆さんが必死に駆けずり回ったり・・・聞いていた普通の信託 → 神託 式とは大分かけ離れた式になっていたけど――――。
「まぁ、終われば全てよし!ですわね。」
本当、なんとか終えて良かった!特に、一番は私個人のステータスの改変、これが正直上手くいってよかったぁぁ・・・ぶっつけ本番だったし!
ティリエスはぐっと両手を組んで天を仰ぐ。
取り敢えず何かに秀でたステータスではなく平凡なステータスに改変できていれば、例え私の霊獣ホルアクティが注目されても私に対しての注目はあまりされないだろう、なんならホルアクティの主人という存在というだけで終わるに違いない。
それに、今回での騒動でも目立ったというデメリットもあったがメリットも正直大きい。
何故なら今回の騒動であるドラゴンの霊獣でいう存在、そして騒動によって多くの人の記憶には彼やそのドラゴンの霊獣に向くに違いない。
まぁあれだけ迷惑を掛けられたんだし。
彼、ギーラ君には悪いが私の隠れ蓑になってもらおう。
丁度そんなことを思いながら背伸びをしていると入り口のドアのノック音が聞こえティリエスは入ってもらうように声をかける。
「失礼します。おはようございますお嬢様、よくお休み出来ましたか?」
入って来たのは自分の従者であるレイであり、一緒に持ってきた白磁の水差しを部屋に元々置いてある洗面器の置いてある机へと一緒に置いた。
その質問にこくりと頷く。
「えぇ、昨日の疲れも大丈夫みたいです。お父様は?」
「既に起床され、タンド様と昨日のことについて話しをされています。」
「そう・・・やっぱり街での買い物は難しいかしら。」
滞在期間も限られているしいい加減そろそろ皆のお土産を買いに行きたいが昨日の騒動でお父様と行くのは難しいかもしれない。
それ以前に私も自分の霊獣について教会から声がかかるかもしれないし、今は大人しくするしかないかぁ・・・。
「その事なんですが、今日明日とは正直無理ですが明後日なら大丈夫だとアドルフ様からそう伺ってます。」
思いがけない言葉にティリエスはベッドから降りながら聞こえたレイの言葉に、彼の顔を見る。
「確か領地へ帰るのは明日と聞いていましたが?」
「滞在期間を延ばしたそうです。早馬も出しましたから事情は既にリリス様の耳にも今頃届いているでしょう。」
レイは水差しを傾けながら事後報告をする。ほんの少し湯気が立つ湯を洗面器へと移した後レイはある一箇所場所を見つめる。
ティリエスの寝ていたベッドにはティリエスの使っている枕の横に枕がもう一つ。
そこには丸々としている黒いひよこが気持ちよさそうにクークーと眠っており、レイは水差しを置いた後、両指をぱきりと鳴らす。
「主人より先に起きないとは・・・お嬢様、あの鶏の羽根を毟ってもよろしいでしょうかぁ?そうすれば・・・スッキリ寝覚めると思うんですがねぇ?」
「のぁ?もう朝かいなぁ・・・ふぁ〜・・・よう寝たわ。」
レイの言葉を聞いたからか分からないがタイミングよく起き始めたホルアクティにレイは舌打ちをする。
器用に目を羽で擦りながらティリエスの姿を見つけ、パタパタと飛び寄ってくる。
丁度顔を洗い終えたティリエスはタオルで顔を拭きやってきたホルアクティに挨拶をする。
「おはようさん。お嬢はん何してるん?」
「ふふ、朝起きたらまずはお水で顔を洗うんですのよ?」
「へぇそうなんや成る程な〜、これで人は顔を洗うんやな?」
顔を洗ったことがないのかホルアクティは興味津々で洗面器を見ているとくるりとティリエスの方を見る。
「ワイも顔洗ってみたい!」
「いいですよ、なら新しいお水を「ワイこれでええよ!」。」
そう言うとホルアクティはそのまま洗面器へ飛び込むと身体ごと水の中へとぽんっと入った。
顔を洗うんじゃなくてそれだと行水だと、ティリエスは洗面器の中でぱしゃぱしゃと動く霊獣を見ながらこっそり苦笑した。
「楽しいなぁ、顔洗い。」
「そうですか、それは良かったですわ。」
ホルアクティにそう言いながら、ティリエスはとりあえずレイが霊獣に何かしようと実行する前に今日の着る服を選んで貰うようレイにお願いをしたのだった。
裏設定:実はティリエスの服装はいつもレイが決めています。なのでヘアアレンジや流行ドレスなど一番知っているのが彼なのでなんだかんだと女性の間では人気の彼。因みに容姿も外面も良いのでここに来て7人の女性に告白されているが勿論相手にしません。(彼は主人公一筋なのです。その変はアドルフも評価している。でも認めたわけではない。)
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