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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第3章~新しい家族編~

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出来ることが増えてくると色々したくなるお年頃なんです。(カッコイイ!可愛い!私の相棒さん!㉑)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は1/17(月)投稿予定です。




司祭とシスター数人を先頭にティリエス含む子供達はその信託 → 神託 の間へと足を運んでいく。

最初は和気あいあいと仲の良い子供たち同士で話しながら進んでいたが、教会の奥へと進み更にそこから下へ続く階段、地下へと足を運ぶ頃には段々薄暗くなっているその雰囲気に子供達は段々と口数が少なくなっていき、ついには誰も話すことなくなった。


・・・この地下何か違うみたいだ。


ずっと黙ったまま歩いていたティリエスは周りを見て不思議に思う。

これだけ日が当たらず、ワンピース1枚の姿だというに全く寒くないのだ。

寧ろ春の陽気並みに暖かいこの地下はただの地下ではないのだろう。


「不思議ですよね?僕もどうしてここが暖かいのか毎回不思議なんですよ。」

突然声を掛けられたティリエスは思わず驚いて立ち止まりそうになったが、その声の人物に手を取られそのまま誘われる形で一緒に歩き出す。


「このような場所で止まるのは危ないよ?でも、急に声を掛けた僕が悪いか。」


ごめんねとそう言って謝ってきたのは、先ほどまで先頭を歩いていた司祭だった。

どうしてこんな所まで下がってきたのだろうかと思ったが、ふと後ろの視線に気が付きちらりとそちらをみる。

そこには最初に絡んでいた3人がなにやら気まずそうに手を後ろに汲んでこっちをちらちらと見ているのが分かった。


「小さな小石程度ですがどうやら貴女にぶつけようとしていたようです。」

更に顔を近づけて小声で司祭は言う。

「彼らと面識が?」

「ほんの少し先程話し掛けられましたが、初対面ですわ。」

「そう。あの子達の行動に幼い頃僕にも覚えがあるけれど、君にそれをして良いということじゃないね。それに傷でも出来れば君のお家だと色々大変だ。」

「なら、あの子達は司祭様に感謝しないといけませんわね。」

「僕に?まぁ、結果的にそうなっただけだけど・・・それならよかった。」


そうしてにっこり微笑む顔をティリエスはちらりと盗み見る。

ふわふわとした物言いと穏やかな雰囲気に、ティリエスはほんの少し笑みを浮かべたが何故彼が自分に接触してきたのか疑問を持つ。


もしかして、お父様の知り合いだろうか?


「司祭様は私のお父様とお知り合いなのですか?」

「う~ん・・・もし、僕が君のお父様と知り合いならば、僕は殆どの人と知り合いという事になるね。」


と、いうことはお父様と別段親しい間柄ではない・・・と。

ならなんだろう?


暗がりでも私の考え込む表情が分かったのか、クスリと司祭が笑うと「残念。」と一言呟くのが聞こえた。


「もう少し、君と話していたかったけれど。目的地についてしまったから、僕は僕の仕事をしないと・・・じゃぁね。」


あ、行っちゃった・・・一体なんだったんだ?


そう言って一方的に別れを告げた司祭は先頭の方へと向かっていき、私は彼の行動の意図が分からないまま私はその場に置いてけぼりにされた。


まぁ、気にしても仕方ないし・・・さ、中へ入ろう。


司祭達が開けた奥の扉を見て、ティリエスはゆっくりと前へと進んでその扉をくぐった。

扉の先へいくと子供達は真っ先に中心にある不思議なものに釘付けとなる。



大きな祭壇の前に地面から染み出たように銀色の水の池が広がっていた。

中心が盛り上がり常に湧き出ているようなのに、その水は(かさ)が増すことはなく循環をその場で繰り返しているのか一定の水量のままでそこに静かに存在していた。


「銀色の…池?」

1人の子供が見たままの光景に口を開くとほぼ同時に司祭はシスターから渡された杖を取り、その場で一度床に杖を突く。


カァーンと響き渡るその杖の音と共に、周り中の壁が所々小さな光が呼吸するように光っては消え、また別の場所で光る。段々とその光が増え始めるとその無数の光は何かに呼応するように規則正しく点滅を繰り返した。

幻想的な光景に子供達から歓声が上がった。


「〈女神の子らよ。〉」


急に直接頭の中に司祭の声が聞こえ、司祭が言葉を発すると子供達はぴたりと声は止み静粛な場へとかわる。


司祭の言葉に、誰もが聞き彼を見つめティリエスも司祭を静かに見つめた。


「〈新たな生を生きる子らよ。さぁ、池の前へ。〉」

その言葉に、子供達はゆっくりと歩き池に沿うように子供達は順番にその池の前に立つ。

全員が池の前に立ったのを見計らって、司祭がもう一度今度はより音を大きく響かせてる。

カァーーン!と杖の音が大きく反響したかと思うと今度は目の前の池に大きな波紋が出来、そして眩い光を出し始めた。


すると、今度はひとりでにまるでそこに意志があるようにそれは大きくうねり出し子供達の前で自分達より高く盛り上がる。

見た瞬間怖がり後ずさろうとした子供もいたが、まるでそれが分かっていたかのようにシスターが後ろについて耳元で何かを囁くと、その子供は怖がりながらもその場に踏みとどまりぎゅっと目を瞑り祈るように胸の前に手を組んだ。


「〈さぁ、手を組んでその場で祈って。〉」

言われておずおずと周りの子供達も同じように目を瞑り祈るように手を組む。

勿論、静かに見ていたティリエスも同じようにする。


全員が目を瞑ったのを確認した司祭は杖を高らかに上げる。

「〈女神の祝福を、そして信託 → 神託 の証をここへ。〉」

その言葉を聞いた刹那ティリエスや子供達はその銀の池の水にすっぽりと身体を覆われた。



何?


ティリエスは急に浮遊感を感じ思わず目を開いた。暗闇の光景から見えたのはあの信託 → 神託 の間ではなく別の空間だった。

宇宙にいるではないかというほど、そこはとてつもない広い空間でティリエスは驚きと不思議と心地よい感覚が混ざり合い呆然とただ目の前の空間を見つめる。


何が起こったのか分からないままその光景を見ていたティリエスだったが、目の前に何か光が横切る。

一度横切ったのを皮切りに光があちこちから現れ、彼女の頭上に集結に文字をかたどっていくのが分かった。

文字ができてくると分かったのは自分が今持っている技量(スキル)と身体能力値の内容だということがわかった。


最後の文字の光がそこにいくと、ティリエスは迷うことなく手をかざす。

すると光の文字は急速に光を失い灰色の文字などが浮かび上がる。

文字は消えていないが灰色の文字がだんだんと増え光の文字が数個だけとなった。


そして出来たものにティリエスは納得する。


ティリエス=フェルザ・D・ルーザッファ(5)


HP     276/276


体力       48


魔力   471/471


知力      1023


攻撃力      14


防御力      12


速さ       22


運         53


魔力属性  水 土

技量  知識を探す者  指導者見習い 植物と対話できる者



これで大丈夫だ。

ティリエスがそう思った瞬間、頭上から何かキラキラした虹色の光の球が落ちてきたのを捉えた。


綺麗だ。

ただそう思ったティリエスはまるで誘われるようにその虹色の球を両手でそっと包み込んだ途端、ティリエスの目の前が真っ暗に変わっていき、ティリエスの意識もまた一緒になって遠のいていくのを感じたのだった。

いつも読んでいただきありがとうございます。

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