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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第3章~新しい家族編~
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出来ることが増えてくると色々したくなるお年頃なんです。(カッコイイ!可愛い!私の相棒さん!⑳)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は1/14(金)投稿予定です。




しまったな・・・、内装を見てないでさっさとどっかに行っとけばよかった。


内心ティリエスは面倒だと思ったが取り敢えず無視するのもどうかと思ったので、彼らの正面に向き直しジッと声をかけてきた3人を見る。


豪華な刺繍・・・ということは、この子達裕福な商人かな?

私と同じように出ている貴族の子供達は殆どが王都の神殿で行ったと聞いていたので、その子の身なりを見て予測する。


っていうか・・・髪の色が3人そろって信号機の色。

自分からみて左から青・黄色・赤色の並びになっている3人のその色にティリエスは若干だが妙な懐かしさを覚えた。


だがそんなことを呑気に思っている自分とは裏腹に、何故か眉間に皺を寄せてこっちを睨んでいるようにも見える真ん中の黄色い髪の男の子が腕を組んでいた。

何かしたっけ?・・・いや、何もしてないな?


「そこのお前!」

「はい?なんでしょうか?」

「ここでは見ない顔だがどこの村の子だ!」


どうやらこの子は私が何処からやって来たのか聞いているらしい。

だが態度が明らか聞く態度ではないのでちょっとイラっとはした。

でも、答えないというのも大人げないので仕方なしに応える。


「そうですね、ここから北へ1日行ったところでしょうか。まぁ、遠い所ですね。」


私の遠回しな言い方にその男の子は面食らった様になったが、周りの男の子がその言い方を気にくわないと思ったようで声を荒げる。


「おい!!折角ギーラさんがお前の事を気にかけたのに、その返事は何だ!」

「そうだそうだ!ただの村娘のくせに!ギーラさんのお父さんはなぁ!あのアメジスト商会の重役を任されている人なんだぞ!」

「えらいんだぞ!!」


ふーん・・・そういえば、この前何件か優秀な商家の出の者を雇ったと言ってたよね?その子供ということ?

そういえばこんなことをしたんですよぉ〜と、何故が私の隣に座っている父ではなく私に向けていつものニコニコ顔でオーガが話していたのを思い出す。

でも確か、この儀式を受ける子供は今日この時間だけはここにいる子供は皆地位立場関係なく平等にというお達しだったと思うが?実はただの建前とか?

・・・いや、公爵家の人間のところにわざわざ代理立ててまで言ってきたことだしそんな訳ないか。


こいつらその意味理解して分かってやってるんだろうか?後で家に怒られても関係ないけど・・・まぁ、さっさとお暇しよう。


「そうですか、それは凄いんですねそれでは。」

「おい!待て!!」

それだけ言ってスタスタと奥へ入ろうとしたが、急に右手を握られたので怪訝な顔をしそうになったが無表情で握ったその男の子、ギーラを見つめた。

私のその態度のせいなのかそれとも自分の意に沿わない反応だったからなのか、明らか不満だと表情から見てとれた。


「お前、さっきからなんなんだよその態度は。俺の事を馬鹿にしてんのか!」

「・・・は?」


思わずなんでそうなる?と思ったティリエスは眉間に皺を寄せる。

「ただの村娘の癖に・・・少し可愛いからっていい気になるなよ!!」


それだけ言うとギーラは乱暴に手を放しズンズンと奥へと進んでいき、彼の取り巻きである2人もまたティリエスを睨みつけて後についていった。


一人残されたティリエスは彼は一体何がしたかったのかよく分からず仕舞いでもやもやしたが、周りを見て思わず眉間に手をやる。


明らか変に注目の的になってる・・・もう!目立たないように大人しくしようとしてたのに!

「それに何故か嫉妬してる女の子みたいなセリフ吐いて怒って行くし・・・男の子って分からん。」


摩訶不思議な存在のせいでどっと疲れたティリエスもまた奥へと進んでいった。


伝統ある儀式といわれているのでもっと厳かな雰囲気の中行うものかと思っていたがそういうわけでもなく、それは粛々と執り行われた。


儀式を受ける5歳児達が大広間のような場所で待っていると司祭お爺さんがやってきて祭壇の前に立ち話しをし始める。この世界の神々の話しから最初の神であり創造神でもある女神様の話し、そして最後に自分達の無事5歳となった祝いの言葉を賜ると、司祭は私達に近づきながら膝立ちと自分の両手で手を組み目を瞑るように言うと皆それに従った。


ちらりと横目で見てみれば、子供達順番に司祭はゆっくり歩き何かを呟きながらぽんっと優しく頭に手を乗せ、次の子供の頭に手を乗せる・・・を続けていた。

前世でいうと神社の祝詞をしているそれをティリエスは見ていたが、自分の番になる頃に思い出したように自分も目を瞑ると、一瞬祭司は止まりそして小さく含んだ笑いの声を聞いたのと同時に頭をぽんぽんと2回乗せられた。


どうやら見ていたことがバレていたらしい。

ちょっとだけ恥ずかしくなりながらも、難なく洗礼式はこうして終わったのだった。



楽にするように声をかけられた時には司祭はそのまま広場を退場するのか扉へ向かっており、代わりに若い柔和な顔の男性が時間を見計らうように中に入ってきた。服や身なりからしてこの人も司祭のようだ。

お爺さんの司祭がその若い男の方に会釈をすると若い男の方も黙って会釈し、そして私達の前に立つ。


随分若い司祭様だな・・・私のお父様と同じぐらいだ。


色素の薄い水色の髪と瞳の色のせいかより優しげで儚げにみえるその司祭は微笑んだまま周りを見渡すと、彼は自分とも目が合う。


「?」

今、目が合ったときに一瞬だけ笑みを深めたような・・・?


「皆さん、今日はこの良き日を迎えられたこと心よりお祝いいたします。では今から信託 → 神託 式を行いますので信託 → 神託 の間まで私についてきてください。」


彼の言葉にハッとしいよいよか・・・とティリエスは緊張する。


私に霊獣の加護が得られるかどうか、そして何よりもーーーーーー。






普通のステータスに出来るかどうかで私の今後の生活が変わる!

もう既に変なことに巻き込まれてるんだ。これ以上変なことに巻き込まれるのを防ぐためなんとしても平凡っぽいステータスにしなくては!!!


ティリエスは心の中で意気込みを新たに、両手でぐっと強く手を握ったのだった。






裏設定;お爺さんの司祭様の洗礼式の意味→最後に言葉を発しながら手に頭を乗せた行動は、この世界では子供は5歳までは女神のものという存在の意味があり、5歳を過ぎた子供は女神から世に送り出されるということから祭司が女神の力を借り祝福をかけています。見た目なにも起こっていないようですが、女神の元から世へ生きるということ、これでステータスの開示ができるようになっています。なので5歳まで開示ができないということにもなっているわけです。(という、長い説明で失礼します。)

いつも読んでいただきありがとうありがとうございます。

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