出来ることが増えてくると色々したくなるお年頃なんです。(カッコイイ!可愛い!私の相棒さん!⑪)
先ほど、頑張って次の話しを書いていたら登録する前に別のサイト検索かけてしまい、全部消えてしまった・・・・あぁぁ(作者あるある)。次回は水曜日投稿予定です。
それは今から数時間前に遡る朝食での事――――――。
『え?ティリエスちゃんが植物を育てたい??』
『はい、そうなんですお母様。そのように驚かれるということは・・・もしかして、いけませんでした?』
『え?いえ、そんな駄目とかそういうことではないわ私だって栽培しているし。けれど、ねぇあなた。』
『育てることは駄目じゃないけれどティリエスが朝から突然急に言うなんて一体どうしたんだろうと思ってね、何かあったのかい?』
朝から、突然に植物を育てたいと言い出した娘に2人は何か理由があるのかと尋ねる。
まぁ、でもそりゃそうか。
いつも中で本読んで調理室でギリアと一緒に何かしているインドア派の子がいきなり、外で植物育てるぜ!なんて急に聞かされれば、何かあったか?と思われるのは仕方のないこと。
『実は、この前図書室の本で植物の育て方が載ってあったのをとても興味深くてみていたんです。植物によって気候、水の量、適した肥料の種類・・・それらは全く同じようにあげれば良いわけではないということ。私それらを少しでも知りたいのです。』
『でもどうしてティリエスちゃん、育てるのであれば庭師の方でもエルフの皆さんでも頼めば快くしてくれると思うわ。どうして自分で育てたり、知りたいの?』
ティリエスは考えていた口実を口にするとリリスは何故と更に問いかける。
彼女にとって想定内の質問に、にっこりと微笑んで更に理由を答える。
『少しでも領民の助けになれば・・・とそう思ったんです。』
『領民の?』
『はい、お父様。確かに育てる経験では私は彼らより浅い・・・いえ無いに等しい。けれどもし天候を知りその年の天候に合わせた作物の育て方を提案できれば、豊作とはいえずとも凶作を防ぐことが出来ればるようになります。そうすれば彼ら領民の食事が安定します。そうなれば作物の実り水準が安定していき、安定すれば領地の運営がもっとしやすくなると思うんです。』
『ティ・・・ティリエスちゃんっ。』
『ティリエス・・・お前という子は・・・なんと。』
よしよし、2人とも私の話しを信じてくれている。正直言うと面倒な事に巻き込まれたと最初は思ったけど、よくよく思えばさっき言ったことも考えていたことだから本当の事だし・・・まぁ、遅かれ早かれ今のような状況になっていたと思う・・・ん?
両親に説明していながら別の事を思っていたティリエスは突然母であるリリスがゆらりと立ち上がり、ティリエスの前に立って見下ろしていたことにようやく気が付く。
なんだろうと母にどうしたのか聞こうとしたその刹那、そのままガバッと抱きしめられた。
思わず、ぐぅっと自分の内臓が圧迫されたのが分かった。
えっ、いやお母様力強っ・・・、
『な、なんて・・・なんて私達の娘はすごい子なの〜!!』
『っう、お母様、ちょ、力が・・・苦しぃ・・・。』
お父様、ちょっ、ちょっと!そこで感極まって泣いてるのは・・・衝撃褒められているようで嬉しいけど!!目尻抑えてないでちょっ!おいっ!助けろっ!!マジでっ!!
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「とまぁ、こういうやりとりをした後、両親からやってみても良いと許可をもらった、というわけです。」
「成程なぁ、今回するのは植物の育成の仕方を学ぶ為に遠出をすることになった・・・というわけか。・・・だがそれだと少し疑問がある。何故わざわざ外へ?屋敷には温室があったはずだが?」
そう、屋敷の庭には勿論ガラス張りの温室もあり、しかも何個か所持している物の中に何も育てていない温室もある。そこでなら自由に植物を植えることもできるし、温室なら食実は育てやすく屋敷の敷地内なので育てるのに詳しいエルフの女性も1人つけてそのまま教わることもできるように出来ると母も私に提案していた。
だが――。
「確かに、私にとって植物を育てるのは初心なのでその方が良いのは理解しています。・・・ですが、相手をするのは自然です。温室で育てるのとではやはり違うと思い、今回は辞退しました。それに、母の元で働く方たちを私の思い付きに付き合わせるのは申し訳ありませんわ。」
「・・・あの女共はそんなことを思わないと思うが・・・まぁ、いい。なら、お嬢様はどうやって植物を育てるおつもりで?」
「それは、今回の目的地で教わるんです。・・・丁度着いたようですわ。」
馬車がゆっくり止まり、ティリエスは窓の外を見て今回の目的地に到着したことを確認する。
同じようにレイもまたティリエスの見ている景色に目をやった。
「ここは・・ルル村か?」
呟くようにして言ったレイの言葉に頷く。
「えぇ、そうです。さぁ!レイ、植物育ての熟練者さんに会いに行きましょう!」
ティリエスは開いた扉から馬車を元気よく降りて振り返りながらレイに意気揚々とそう言った。
いつも読んでいただき有難うございます。
裏設定:ティリエスがいても分からない話し編
「・・・・はぁ、今日も私の弟達は可愛いですわぁ。」
母が所用で席を外し部屋には1人、ティリエスはうっとりと目の前ですやすや眠る双子の赤ん坊を見つめ、幸せのため息を吐いた。
毎日見ていても飽きない、わが弟達。
屋敷中の誰もが双子に夢中であり、この前なんかミルクを誰があげるのかメイド達でその権利を取り合っていたのをティリエスは羨ましいと思いながら見ていた。
いうなれば、皆双子にデレ期。いや、私に至ってはもうデレデレ期である。
前世で肉親はおらず兄弟姉妹もいなかった私にとって人生初の弟なのだ。デレない方がおかしい。
それにしても・・・。
と、ティリエスはジィッと2人を見つめる。
・・・やはり、赤ちゃんだろうか。
ティリエスはここ数日双子を観察している。理由はそう、あの時の事を思い出してのことだ。
あの時、母リリスの容態が悪く、魔力の循環を促そうと自分がしようとしたあの時。
【だめだ、姉上!】【母上が死んじゃう!!】
2つの声が私の頭の中に直接響いてきたのだ。
一瞬だけ驚き、周りの反応を見て私だけにしか聞こえなかったのだと咄嗟に判断し平静を装い魔力を送るように促そうとしなかったのだが・・・。
あの時の声はきっとこの2人の声だったと、そう思っている。
だってディオス大叔父様も外の声聞こえていたと言っていたし、彼らの声が聞こえても不思議ではない。
あれだけはっきり意思があるのなら、産まれた後何かそういうことをしてくると思っていたのだが・・・・。
「そんな素振りもないし、やっぱりあの時期だけそうだったのかしら?」
ティリエスはポツリと呟き首を傾げたが、すぐにまぁいいやと即座にそう思う。
「無事に産まれてきてくれたんですもの、私はどちらでも構わないですわ。」
だた覚えていると、あなた達に意地悪したお父様は今からものすごく挽回しないといけないかもしれないけどね〜。
そう言って、ティリエスは今この小さな命の幸せを噛みしめながらまた、うっとりと双子を見つめたのだった。
(本当に、覚えていると父アドルフを恨んでもおかしくない案件だよね。と作者もそう思います。)