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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第3章~新しい家族編~
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出来ることが増えてくると色々したくなるお年頃なんです。(カッコイイ!可愛い!私の相棒さん!⑧)

いつも読んで頂きありがとうございます。次回は水曜日投稿予定です。

誤字脱字をしないよう試みてますが、できているようでできてない事にいつも心苦しく思う日々です。本当にこっそり教えてくださる妖精様いつもありがとうございます!



「ラニングさん、私そのことについて1つ気になることを思い出したのですが・・・。」

『?』

改まって話し出す私に対し、ラニングは首を傾げる。

私は言葉をそこで一度区切り、久しぶりに空間収納(マジックボックス)を展開し手を突っ込むとティリエスの手に自身の手より大きいそれを見せた。


『そっそれは!なぜそのようなものに膨大な魔力が宿っている!!』

その存在にラニングも驚いて叫んだ。


成程、私の目には見えなかったがやはりこれは特別なものだったのか。

ティリエスはそれをもう一度鑑定の眼で見つめる。


それには以前読んだ通りのままこう鑑定されていた。


ゴングリの枝→見た目は木になっている実のように見えるが実は枝分かれした枝が分離し寄生するように単体となった物。見た目は人参のそれであるが色は濃く金時人参の色に似ている。味香りもまた人参そのもので人体、動物にも影響はなく美味しく食べられる枝。


そう、あの時様々な食材を探して見つけたものの中にこれも見つけたわけだが、これだけは私の前世でみた知識の中で奇怪なものの部類だった。


食べられるし、害はないという事だったから野菜の代用品で料理にも加え、ラニングにもたらふく食べてもらった。


共通点といえばこれしかない。


確証はない、けれどティリエスは確信をもって断言する。


「これはあの時森の奥深くまで行ったときに取って来た物です。私の鑑定の眼には魔力量は感知しないのですが、ラニングさんには凄い量の魔力が備わっているように見えるんですね。」

『そうだ、我の眼、我の祖の魔獣は生きとし生けるもの全ての魔力の流れ、この星の魔力の流れも視ることが可能だ。故に小さな草木でもその魔力の流れ量も視える。だが、これはあまりにも膨大な量の魔力がある。こんなことは我も初めてだ。』


余程の量が見えるのかラニングは目をそらし、頭を軽く振って目を閉じてやり過ごしていた。


「ラニングさんのように瞳を通して魔力を見ることは私にはできません。ですが私の知りえる知識の中でこれは奇異なものであるということは理解できています。あの時は身体に害はないという判断で食してもらいましたが・・・なんなのでしょうか?」


『因みにこれはどのようにあったのだ?我らがいつも食すものと同じように土から生えているのか?』


「これですか?これは確かに味も似てますけど、実は枝なんだそうです。名前はゴングリの枝『枝・・・枝だと?!』あ、いや、ごめんなさい、流石に枝食べさせるなんていくら代用品でも嫌でしたかぁ・・・でももう遅いというか・・・。」


でもほらゴボウとか本物の人参なんて根っこだし枝と相違ないと思うんだけどな。


明らかに豹変したラニングに対しタジタジになっていると、ラニングがいななきをする。

いきなりの鳴き声に驚いてティリエスは固まっていると、ラニングは大きく首を被り振り右の前足を2回蹄で地面を叩いた。


『なんと・・・なんということだ。これはパースニップの枝だぞ!』

「え?これご存じなんですか?」


なんと、実は知っていた代物とは・・・というか、初めて聞いたなその名前。


『知っているも何も・・・これは我らの希望の枝、我の曽祖父から伝え聞いた代物だ!まさかそれを見つけたどころか知らぬうちに食してしまっていたとはっ!!』


なんか今度はすんごく残念がっているけど・・・えーと、これはつまり・・・。


「かなり凄いもの、ということなんですね。」

『あぁそうだ!これは己の身体能力値そして魔力許容量の限界以上まで底上げをする代物と聞いておる!実物を見たのは初めてだったが、伝承通り我は力を手に入れておる。間違い相違ない!パースニップの枝・・・別名【女神の骨】とも呼ばれていたとも曾祖父からよく眠る前に聞かされたものだ。』


・・・ん?なんだか今・・・。


興奮しつつも昔話にしみじみ話すラニングに対し、なんだか食材に対して似つかわしくない名前がしれっと言われ聞こえたことでティリエスは思わず自分の手にあるそれに視線をやった。


女神の骨・・・これが?マジか?というかそもそもなんでそんな植物にとって微妙なワードが出たの?


ニンジン・・・だけど骨、それも神様の。・・・うん、名前は枝だけで留めておこう。

それはさておき、有力な情報を聞けたな。


「つまりこれは様々な能力の最大値を上げてくれる代物なんですね。」


一言そう呟くと、ティリエスはもう一度それを鑑定した。

そこには先ほどまで記されていなかった言葉が浮かぶ。


パースニップの枝(体力50/攻撃力20)→体内に取り込めば様々な能力値の最大値をあげることが出来る枝。枝によって上げる能力値はランダムで数値もそれぞれ違うが木の成長度状態が良ければよいほど品質向上により数値は上がる。また、人が食べればその数値が上がるというわけではなく食べた者によって能力値が上がるものは上がり、上がらない能力値はそのまま体外へ排出される。これは身体、魔力など何を習得していく過程でどれだけ体に負荷をかけたかによって変わるといわれている。

だが、例外もあり魔獣にとってはそのまま食べれば吸収率が異なるため限界はあるがその数値のまま上乗せができる。また、加工してもそれは変わらない。


やっぱり、私の鑑定内容が変わった。


ティリエスはその内容に目を走らせていると、遠慮がちな声でラニングに声を掛けられたので顔を上げ彼に返事をした。



いつも読んで頂きありがとうございます。


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