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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第3章~新しい家族編~
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出来ることが増えてくると色々したくなるお年頃なんです。(嬉しい!悲しい!諦めない!㉖)

どうも・・・PCがよろしくない・・・どうすればいいのか→と思ったら治った・・・かもしれない。(どっちだこれ?)


「てっきりディオス大叔父様は手紙が出せないほど忙しいとばかり思ってました。でも、どうして貴方に大叔父様は手紙を託されたんでしょう?」


「簡単な話しです。魔法師団が発明した容器で商売が成り立っていると過言ではないのでその頭であるディオス様とは少なからず面識はあります。王都で用事があったのでそのついでがてら彼に会いに行った際に渡されたんですよ貴女に必ず渡すように、と。かなーり念を押されてね。」


だたそれが手紙と言っていい代物か少々疑問ですけどねと彼は付け加えてそう言われ、ティリエスもまたその手紙に視線を落とす。


確かに手紙というわりにはいささか分厚い・・・いや、これもう書類並みじゃん!

てかよくこれ内ポケットに忍ばせたねどうやったの、不自然に膨らんでなかったよね?


ずっしりとした羊皮紙の束と彼の胸元を見てティリエスは突っ込む。

そんなことを疑問に思われているとは知らないオーガはそのまま優雅に脚を組み替え、ティリエスに見つめられている事を不思議に思ったのかこてんと首を傾げた。


そんな彼に思わず視線を外し、コホンっと1つ咳払いをした。


「そうですか・・・手紙をわざわざ持ってきていただきありがとうございます。きっとディオス大叔父様は信頼されて貴方に託したんですね。」

「まぁ、あの人の事を考えると、アドルフから渡すようにすればその手紙は恐らく貴女の手には届かないでしょうから。」


彼の言葉が耳に入りどういうことか理解出来ないティエリスは眉を寄せる。


「まぁ、そんな私も、このままポケットに隠しておこうとさっきまで思っていましたし。考えが変わりましたのでこうして渡しましたが・・・あぁ!そうそう中身は見てませんからねぇ・・・そこは、どうぞご安心を。」


最期の言葉だけ少々大げさに動作をつけ自身の両掌(りょうてのひら)を見せながらにっこりと目を細め今日一番の深い笑みを見せる。

正直その笑みにどれだけの信憑性があるのか分からないが、ティリエスはそれ以上深い詮索をするのをやめとりあえずその言葉を信用することにした。


と、オーガは徐に立ち上がり身支度を始める動きにティリエスは戸惑いを見せ、そんな彼女を見越してか彼が口を開いた。


「嫌ですねぇ、個人宛の手紙を盗み見る程、私は常識のない男ではありませんよ。もしかして見られるとそう思っていたんですか?」

「・・・・・・・・・・。」

「・・・え?もしかして、思われてます?」


ティエリスの無言にオーガは初めて戸惑った声を上げたのだった。









その後すぐに彼には冗談だとそう言うと、彼はほっと胸を撫でおろした後挨拶そこそこに今度は父に会いに行くため部屋を後にした。


パタン・・・と扉が閉まり暫くして、ティエリスは大きなため息を吐いた。


だはぁ~・・・なんか、めちゃくちゃ疲れた・・・。

彼が去り、緊張しているのかどうかわからなくなるほどの緊張感から解放されたティエリスは疲労感がズシッと体に蓄積されたのを感じながら改めてディオスの手紙に目を向ける。


一体この手紙には何が書かれているのか。


「これだけ、手紙を書かれたという事は・・・大叔父様はきっと今回の事には否定的ではないはず!!」


きっと!うん!・・・そう、だと、そう思いたい・・・けど。

ティリエスは段々と尻すぼみになりながら恐る恐る手紙を手に取る。


もしこれが母を助けることが出来ない内容が書き綴られていたら・・・でも、もしかしたら大叔父様は私が知らない何かを教えようとこれだけの束になるまで手紙を書いてくれたかもしれない。

オーガさんの先ほどのやり取りを思い出し更に気持ちが萎んでいく。



正直、怖い。でも知った後とやったの後悔は・・・後でいくらでもできる。

私達には、時間がないのだ。


ごくりと不安な気持ちも一緒に呑み込んでティリエスは封蝋を切った。



ドキドキしながティリエスが最初に目にしたのは、いつものディオスの綺麗な字で書かれた手紙の返事が遅れた謝罪と私への息災であるか心配している、そんな文章から始まる手紙だった。









私の可愛い兄上の孫ティエリスへ


手紙の返事をいただいて、随分と時間がかかってしまったことをまずは許してほしい。

そして今、こうして手紙を書いている時も君がつらい思いをしていないか心配している。


これが届くまでにきっと君の母親がどういう状況になっているのかもうすでに理解し、そしてどうすべきなのか選択を迫られた後だろうと思う。

君に伝えるべきか、それとも黙っているか正直相当悩んだ。

悩んだ末、私はこの手紙に魔法をかけた。

と、いっても君から送られた裏側に粘着質があったあの小さな紙を応用した錬金術を封蝋に施した。


君の手で封蝋を切ればこの手紙を見ることが出来、君が手紙を破れば燃えてなくなるように施した。


君が自身の手で手紙を破いた、ということはこの手紙の内容を読みたくないほどの事が起こったということ。

そして、君が今これを読んでいるということは君は今も戦っているという事だと受け止めている。


だから私も、私の知っていることを話そうと思う。

そして、それが君の何かに役立てるなら幸いだ。


これは私の古い記憶から始まる、私は―――――。



「え?」


思わずティエリスはその一文をみて声を漏らす。

そこに書いてあったのは思いもよらない事実だった。

ディオスの記したその先の言葉―――。




私は双子として生を受けそして片割れと実の母の命を奪って生まれてきたのだ。





いつも読んでいただきありがとうございます。

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