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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第3章~新しい家族編~

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出来ることが増えてくると色々したくなるお年頃なんです。(嬉しい!悲しい!諦めない!⑤)



「ティリー。」

「っ!アイルお兄様!」


後ろからかけられた声にぱっとティリエスは笑顔になって振り返る。

学園で勉学等励んでいるアイルとは手紙のやり取りは頻繁にしているがこうして直接顔を合わせたのは久しぶりである。

前回より成長したお兄様は幼いながらも凛々しく益々美しく成長しておりうっとりと彼を見つめる我が家のメイド達の気持ちは大いに理解できた。


実際私もついついうっとりしていたからね!わかるわかる!!


心の中でうんうん頷きながら私は立ち上がってお兄様を迎える。

お兄様の持っている弓矢から察するに先ほどまで弓の稽古をしていたようだ。


すると、にこやかだった彼の表情が一瞬だが眉を潜めたのが分かり私は思わず後ろの人の存在を思い出し私も思わず後ろを振り返る。

すると後ろに立っているレイもまた口元に笑みを浮かべてアイルの方に顔を向けているが、全く目が笑っていなかった。


「あぁ・・・貴方もいたんですか?従者は従者らしく仕事に戻ったらどうですか?ずっとティリエスについていなくても僕がいますから貴方が四六時中つきっきりにならなくてもいいのでは?いくら最初の従者だからといってティリエスだって1人で休まるときは必要ですよ?」


「これはこれは異なことを。従者たるもの、常に主人を把握し主人の心情をくんで差し上げる・・・そのような事・・・この俺がぁ?出来ていないとでも?」


そう、なんでか分からないがこの2人も出会った当初からどうしてかこうである。

レイさんに対するお父様の態度といいアイルお兄様といい・・・なんだろう?こういうの男特有あるあるなのか?


「あっれー?アイルにレンレンじゃーん!どしたの2人し「ちょっ!おい馬鹿っ!!」いっっだぁ!!何ヴォル急に頭叩かないでくんない?!」


素っ頓狂な声を上げたグリップに何故か焦った表情のヴォルがこちらへやってくる。

相変わらずだなぁと思っていたティリエスだったが、ふとある事に気が付く。


「そういえばグリップ卿。どうしてレイの事をレンレンと呼ばれるのですか?」

「へぇ?レンレンのことなんて呼べばいいか聞いたら好きに呼べばいいって言ってたから・・・なんとなく?」


何となくで命名したのか、・・・まぁ本人が何も思ってないようだし別にいいけど。


「ヴォル卿はどうなされたのですか?確かあちらで指示をされていたはずですが?」

「そうだったんですが、丁度ここ等辺で休憩を設けましてティリエス嬢の様子を見にやって来たんですが・・・その様子ではあまり思ったようなことは出来なかったようですね。」


ヴォルはティリエスが剣を振り出した理由を何となく察しているので、残念そうにそう言葉を漏らす。

そんな彼の様子にティリエスは苦笑いを浮かべた。


「少しは持てると思ったんですけれど、私には難しいようですわ。」

「剣を学びたいとそう思っても可笑しくはないと思わなくもありませんが、もし本当に剣を扱いたいと思うなら先ずは基礎運動能力を身につけられてはどうでしょうか?」


ヴォルの正論にティリエスはうぐっと言葉を詰まらせそして脱力する。


「・・・やっぱりそうですよね。」

基礎運動能力・・・結局は走り込みからか・・・。

心の中でがっくりする。

出来ればすぐに習得できればなぁ・・・まぁ焦っても仕方ない。レイさんには申し訳ないがなんとか物理で自衛できる手段を持てるまでちょっと頑張ってもらおうか。


取り敢えず現段階での自分が剣を持って物理攻撃という手段を諦めたティリエスは、頼りとなるレイに目を向ける。

と、何も声をかけていないのに彼はアイルの方を見ていたはずがくるりと私の方を振り返りじぃっとこちらを見やる。

突然の振り返りに思わず驚けば、彼は満足そうににやりと笑った。


「心配しなくてもそうそう雑魚に手を出させないようにお守りします・・・フフッ。」


いや、だからなんで話してもないのに返事が的確なの?!


「あぁ・・・そうでした。お嬢様、そんな事より先ほど頼まれていたものが届きましたので厨房に運ばせました。」

「え?!本当?!」


レイの思い出したその言葉に、ティリエスは一気に目を輝かせ興奮する。

そんな様子の彼女にアイルは興味深そうに彼女を見つめる。


「ティリエス、そんなに喜んで一体何を頼んでいたの?」

「お兄様、それはですね・・・っ!」


そうだ!とティリエスは何か閃いたようにアイルににぱっと笑いかけた。


「お兄様、手伝ってくださいまし!新しいお菓子を作りましょう!!」


そんな彼女の言葉にアイルは思っても見なかった誘いに目を瞬いた。


いつも読んでいただきありがとうございます。

裏設定:お菓子作りしようといわれたそれぞれの反応

レイ→なぜ、俺に声を掛けない。(アイルに殺意を込めた眼で見つめる。)

アイル→ティリエスはやっぱりわかっているね。(自分に声を掛けるのは当たり前といわんばかりの愉悦な笑みを浮かべレンに向かって鼻で笑う。)

グリップ→そんなことよりティリエスちゃん諦めてくれないかなぁ。(ムキムキになっていく彼女を想像し心配になる。)

ヴォル→お菓子・・・甘いもの。(甘いものが好きなので真顔だが一番脳内がお花畑。)

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