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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第2章~誕生編~
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まさかこんなことになるなんて誰が想像できますか?(考えてみよう、探してみよう、作ってみよう㊿)

今回は何の連絡もなしの投稿です。連休中に出来たらいいなぁ・・・といっていた投稿分だと思っていただけたら幸いです。



大の男大人が2人争えば、相手より優れた者が勝つ。

男とただの女なら男が。

女と幼い子供なら女が。

それはどこの国でも力の優劣で言えばそうだ。


それが至極当然といえる。


なら・・・と、バカスの部下でありごろつきの1人である男はこの状況について考える。


自分達の目の前の存在は優劣の序列として一番の劣位であるはずのたかが一人の子供。

子供は腕力も知力も何もかも劣るはずだ、大人に敵うわけがない。


多くの武器に多くの男達に囲まれ、爆薬だけではなく魔法をも行使しているのに・・・何故だ?


何故こちらが一向に有利にならない。


「撃て撃てぇ!!」

「早く燃やせぇ!!」

「伏せろぉ!!」


仲間の怒声が響き渡り大きな爆発音が響き渡る。


砂煙が巻き起こった後、目を凝らして爆発跡を希望を持った瞳で見つめ、そして一瞬にして絶望に顏が歪む。


相反する炎の魔法を喰らわせ氷を溶かし、爆薬を使って氷の壁が壊れてもたった一部の破損。

しかも近接へ持ち込む前に瞬時に氷の壁は急速再生して元に戻っている。


何度やっても結果は同じ、その繰り返し行うこと既に2時間経ったもはや作業なりつつあるこれに男たちは疲弊しつつあった。



痺れを切らして近接戦に持ち込んだ輩も居たが、近接戦に持ち込めば氷の魔法でありながら水のようにしなやかに動き回るあの巨大な蔓の餌食になる。

武器がそれにほんの少しでも触れてしまえば武器は凍り瞬く間に使えなくなり、自分の身体の一部が凍りでもしてしまえば激痛が走り、その度に回復薬を手に取って処置しては次の武器を震えながら手に取る。


近接戦だけでは突破できないと考え途中から持っていた剣を矢に変え火を纏わせ攻撃するも、あのしならせながら攻撃する蔓の前では結果は同じだった。


あれだけあった爆薬、燃料にそして回復薬がどんどん消費されている現状に自分達の頭であるバカスは顔を真っ赤にさせて自分達の働きに対し睨んだまま視線を外そうとしない。


短気で有名な仲間の1人が彼に諦めて建物を破壊すれば、もしくは建物全体を炎に巻かれれば娘の命は無いに等しいと進言した自分の仲間は随分前にその場で事切れ横たわっていた。


もう、バカスの頭には娘を捕らえて自分の目の前で嬲り殺しすること。

それをしなければ気が済まないのだと、まるでおもちゃを取り上げられ駄々を捏ねる子供のように言うのだ。

そしてこうなってしまった彼を止められる者はここにはいない、圧倒的な魔法と腕力に従うほかないのだ。



前に進もうが後ろへ退こうが、もう自分達はどちらを選んだところで解放されないことを理解しながら次に放つ矢に力を込めた。









疲弊はみられるが一向に攻撃をやめようとしない。

最初に比べて統率もとり始めて無駄な攻撃をしなくなっている・・・か。


ティリエスは未だその場に立ったまま冷静に対処しつつも相手の敵を観察する。

騒動に駆けつけた仲間は25人。

バカスは腕の負傷で一番後ろに控え周りの部下にたまに指示をしている・・・いや、恐怖で動かしているといっても良いのかもしれない。


実際に何かを言って、倒れ込んでそのまま動かなくなった部下をみてから明らかに皆の顔色が悪くなったとほぼ同時に協力し合うようになっている。


なんてこった、まさか間近で恐怖政治をみることになろうとは・・・。まぁ地下にいる子供達の事を考えれば真っ当な人間の集まりではないことぐらいわかってはいたが。



でも、その恐怖政治とあのバカスという男の執着には少しだけ感謝している。

もし建物全体の火攻め又は爆破でもされたら私1人助かるのは容易いが、あそこで眠っている子供たちまで守れるかといえば少し難しかったかもしれない。

広範囲で魔法を行使するとその分魔力も消費され私の方が先にジリ貧になっていたことだろう。


もし、広範囲攻撃されて防げないと判断した時は攻めに転じ、技量(スキル)の【精神(冷酷)】か【精神(残酷)】へ変えて事に挑むつもりだがこの一手を使うのはギリギリ避けたい。


まだ私、この年になって人殺しの経験はしたくないしな。



だから最小限の魔力を使用し最善を尽くせるこの場所、地下へ続く階段と地下の上へ上がることができる階段がある上下階段の入り口付近を陣地にしてそちらへ行けないように氷魔法を使用して入り口を凍らせたのだ。


今回私がすべきことは彼らへの攻撃ではなく彼らの攻撃を防御してここを死守し、助けを待つこと。

ここへきて既に半日以上は経過しているはずだ。

きっと、隠れて私の護衛に当たっていたグリップ卿が私のいる場所を特定し、仲間たちと一緒にこちらへ向かっているはずだ。


実際認識阻害を付与していたお陰で盗られなかった大叔父様のペンダントに熱を帯び反応し始めている・・・ということは、ペンダントを持っている者がここへ向かってきているという事。


だから私は変に動き回るよりここで待って防衛にだけ当たればいい。



ゲームみたくいえば防衛イベント!救援が来るまでここを死守せよ!

といった感じか。





ティリエスは氷の蔓に悪戦苦闘している男達ではなく一番向こうで座ってじっとしているバカスに目をやる。


向こうの道具もそろそろ猶予がなくなってきたみたいだし順調だが・・・どうも気になることがある。

この攻防戦にバカスは最初に突っ込んできたあれ以降、何故彼自身の物理攻撃も魔法攻撃も仕掛けてこない。


それが酷く引っ掛かっていた。


いつも読んでいただきありがとうございます。

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