如何にして私はここにやってきたのか(本人だってよくわかっていない。)⑪
ここ最近冷え込みますね。
皆さん風邪などひかないよう温かくしてください。私は既に風邪をひきました・・・w。
でもしんどくないのでこのままPCにかじりついてます。
私がハマっているゲームは獲得した称号で自分の元のステータスや技、魔法といった効果を普段より上昇させることが出来るので各其々の分野で大変役立つシステムである。
ざっと一部簡単に言うと。
すべてを護りし者→魔法・物理攻撃は自分や自分の仲間のダメージを35%ダメージを軽減する。ダメージを負ったとしても毎分7%ずつ自動治療する魔法が発動する。
生産・技術マスター→国に自身が設立した生産・加工物・装飾等すべてに精通し自身が手掛けると一流のものに仕上げることが可能。最高責任者の証。
指導マスター→生産・技術において他人に指導すると相手の理解力・熟練速度が約3倍にあがる。
知力を力にする者→多くの知識・経験を知ることで時間の短縮・魔法の効果3倍~5倍の上昇効果がある。又新たな知識を習得すればより魔力容量が増える。
魔法を創造する者 →魔法のオリジナルを発想することが可能になる。スキル知力を力にするものを習得しており魔力があればどんな魔法でも使用することができる。
と、こういった具合に自分が出来ることが変動したり戦いに優位に立つことができる。
錬金術はまだ極めてないが、その他は最高ランクの称号を貰い特に魔法には強い状態にまで自分を鍛えることができた。
もう一度私は2人をみて気持ちを新たにする。
この人たちを必ず治す。
決して死なせはしない。
オジ様ちょっとごめんねぇ。
ふわりと近くまで飛んで彼らの前に立った私はオジ様の掌に手を乗せ彼の拳から呪いの根源を探っていく。
不思議と、自分から魔力をコントロールすることを意識すればする程自分の魔力を認識することができる。私から何かが掌に集まっては彼の拳を通して何の抵抗もなくするする入っていくのがわかる。
今特に体調が悪くなってきたわけではないが、貧血の時に頭からさーっと血の気がひく感じの感覚に似ているなと思う。
同時に頭のなかで特に意識したわけではないがステータスの映像が浮かんでくる。
・・・・・頭で見ている自分の魔力の数値が減っていっている。
ただ単に何も考えずこれまで魔法をつかっていたが、成程。
これが魔力を放出、操作する感覚なのか。
そしてどうやら自分の中で大きな変化があるときはこうして自動に数値を見ることができるようだ。
正直私の魔力はたんまりとある、気にせず私は作業を進めた。
今度は私とは違う魔力があるのがわかるようになり、彼の中にある彼の魔力に絡みつくように私の魔力が全身に広がっていく。徐々に体中全てにいきわたると、目を瞑っていても徐々に彼の中が透けて見えるようになっていった。
恐らく自分の魔力の作用で彼の内側が見えるようになった、そう解釈しておく。
これは彼の魔力の・・・・・色?
綺麗な金色の波が彼の中に満ちているのが見える。
所々赤い色や紫色の光がキラキラ輝いてはその波の中に溶けていく。
まるで彼の中で運河を見ているような、とても壮大で綺麗な光景だった。
ずっと見ていたいと思えるほどの光景だが、私はよりもっと彼の奥深くに意識を集中する。
・・・・・あった、これだ。
私はじっと彼のある部分のそれを見る。
金の波が多く生まれ送り出されている場所・・・・・体でいえば心臓の周りに彼のものとは到底思えない黒いものが纏わりついていた。
小さな手が幾つもあるように見えるその細い黒い糸のようなものに表現しきれないとても嫌なものを感じ身体からぶわりと汗が出てくる。
もぞもぞ動くそれを決して見失わないように意識をずっとそこへ定め、目を瞑ったまま気持ちを落ち着かせるように息を大きく吐き出しては息を吸う。
大丈夫・・・・きっと上手くいく。
私は息を少し整えると同時に気持ちも固める。
自分の中で段々と魔力が静かに準備を始めたのを感じた。
たった数秒の間――――。
意を決して目をカッと見開いてそれを凝視した。
その黒いものに私はむんずと躊躇なく力強く掴む。
ジュウっとあまり聞きたくない音を発しながらバタバタとそれは私の手の中でひどく暴れる。
決して逃がすもんか!
私の拳の隙間から這うように腕にまで上がってくる様のそれにすぐさま魔法を発動させた。
呪い返し!!
這い上がってきていた呪いが一度ピタリ・・・と動きを止めると、広がっていた黒い物体が何かの力で押しつぶされるように縮み始めた。
呪いも抵抗するも全くといっていいほど、とどめることは出来ずどんどん押しやられていき彼の心臓から一枚また一枚と剥がれて離れていく。
どんどんある一角に押しやられ、抵抗むなしく最後の手が彼から離れた刹那―――――――。
黒い塊にめがけてそれ以上の大きな光が疾風怒濤の如く押し寄せた。
まるで黒いものを喰らうかのようにその光は黒を覆い、そしてすべて光が飲み込めたのを見た瞬間。
それはひと際大きな光が発し私はあまりの眩しさに目を硬く瞑った。
私は、目を瞑りながら周りの淀んでいたものがなくなっていく感覚と遠くで何かが割れる音に重なって汚いしわがれた女の叫ぶ声が聞こえたのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・眩し。
眩い光がようやく収まり私はゆっくりと覆っていた手をどけ目を開ける。
あまりの眩しさに目をしぱしぱ瞬き、どうにかして目を慣れされる。
あ、呪いは?!どうなった?!!
呪いの存在が気になり、すぐに2人を鑑定する。
ルドルフ=フェルザ・D・ルーザッファ(61)
衰弱(小程度)
メイサ=フェルザ・D・ルーザッファ(48)
衰弱(中程度)
呪いという文字がないという事は呪いは解除できたってことの証・・・・つまり。
や、やったーーー!!助かったーーー!!!
彼らの呪いが解けたことに喜び、私はその場で飛び跳ねる。
出来ると分かっていても人の命がかかっていたのだから、本音を言えばめちゃくちゃビビってたのだ。
正直涙目、あと、今思い出すとがくがく体が震えそうです。
涙を拭って2人を確認すると、ルドルフさんはうつ伏せに倒れているので分からないが、メイサさんは先ほどのミイラのような風貌が嘘のように、ただ一人の女性が安らかな寝息を立てて眠っている姿へと変貌していた。
衰弱とあるのでまだ顔色が悪いが、それでも先ほどの姿様子からだいぶ程遠いものであった。
「う・・・今の光は。・・・・・・・っ!!」
先に気が付いたルドルフが、一瞬何が起こったのか本人はよくわからない様子であちこち身体を触りながら今の状態を確認する。
そして何かに驚きながら目を見開きはっとして、最愛の人の存在の安否に急いで彼女を覗き込むように見やる。
「ああぁ・・・・メイサっ!!私たちは、助かったのじゃな・・・・っ!」
彼女の容態の変化に呪いが解呪された事実にいち早く理解したルドルフが嗚咽を漏らしながら震える手で彼女の手を握りしめる。
彼の流す涙近くに倒れていた執事も2人の姿を見つめて。「奇跡だ・・・ああ、神よ。」という言葉を零し、感極まって肩を震わせながら涙を流す。
歓喜に包まれた彼らの姿に、救えて本当に良かったと私は大きく息を吐いたのだった。
ピクリ・・・と耳が動く。
・・・・・・・ん?今度は何?
毎回読んで下さりありがとうございます。
話しは変わらないのですが投稿した文章を読んでいると所々変な文章が見つかるのでちょくちょく投稿したお話を訂正してます、大変申し訳ありません。
そんな訂正前のお話を読んでくださっている皆さんの暖かい優しさを感じております。
本当にありがとうございます。
次回は明日又は明後日に投稿出来たらなと思います。