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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第1章~夢現編~
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如何にして私はここにやってきたのか(本人だってよくわかっていない。)①

読んでいただいてありがとうございます。誤字脱字あると思うので修正はちょくちょくあると思います。ご了承ください。


拙い文章なので分かりにくいかもしれませんが、生暖かい目で見守って頂けたらうれしいです。



とある物語を話しましょう。


 



ある一人の少女の歩んだ人生(物語)を—―――――――――――――


        














私には両親がいない。





施設の先生から聞いた話では、私の両親は相手の居眠り運転に正面衝突されそのまま亡くなったそうで・・・・・。


奇跡的に生き残った赤子だった私は、身寄りがないこともあってそのまま施設がひきとったのだそう。


自分が就職でき自分の生活の基盤も固めることができた頃、私に告げても良いと判断してか先生はあの時を思って涙ながらそのことを私に話してくれた。


きっと私を引き取るに当たり何かしら色々あったんだろうな・・・・と先生の涙を拭いながら他人事のように思っていた。




それを聞いたからと言って私は別に悲しいとかつらいとか嘆いたことはない。


だって親代わりの先生がいて他の友達より一緒に暮らすたくさんの仲間もいたから思い他寂しくはなかったからだ。


決して裕福ではなかったけどその中でも皆が笑顔だったから私も笑顔で毎日過ごしていたし、今は仕事にも無事に就職でき自分でお金を稼いで生活できるようになって充実しているから。


だからあまり寂しく思わず生きてきた。


まぁ、お金かつかつ親なしで孤児なので忙しい毎日を過ごしていたというのもあって寂しいと思う日々がなかったからでもあるけど。

けれどふと、しかたないけどやっぱり残念だなぁと思うことがある。


私の両親はどうやって出会って恋をしてそして結婚して一生添い遂げようとしたのか。

今ではそれを知るすべはないから・・・・・・・・。



夢でもいい話せなくてもいいから、写真だけじゃない生きている自分の両親を見てみたかったなぁ。


そんな風に少しセンチメンタルなことを珍しく思いふけっていたからだろうか、その日を境に私はちょくちょく不思議な夢を見ることになったのだった。








暗い場所が急に眩しくなり、一気に目が覚める感覚がした。


あれ?さっき寝たばっかりなのにもう起きないといけない時間?・・・・・・ん?ていうかいつもより賑やな気がする?


人がざわつく気配におかしいと思いつつも眠い目を擦って目を開ければ自分の目の前に広がった光景に思わずその場で固まった。


えぇぇぇ、なんだここ?



目の前に現れたのはいつもの部屋の風景ではなく行ったことがない煌びやかな場所で。

その外装は特集番組でたまたま見たことがある、ヴェルサイユ宮殿のような建物でだだっ広く天井も高い。広いホール会場だろうか、白と金を主体にした壁模様に天井には色艶やかにあるステンドガラスや明らか高価そうな照明(シャンデリア)に調度品の数々。それに綺麗に飾られた料理の数々、シャンパンを運ぶ洗練された給仕達の姿。





・・・・・・・・・きっと私寝ぼけてるわ!うんそうに違いない!


誰に弁解しているのか、すでに頭は冴えている感覚なのにもう1度目を強く擦ってゆっくりと目を開く。



が、それは変わることはなくその光景は広がっていた。



ゆったりとした音楽が流れ、それに合わせて踊る男女に高そうなドレスや宝石を身につけた女性の品のある笑い声や男性の談笑の声があちこちで聞こえてくる。


これは物語でたまにそういう時代設定で出てくるまさに夜会の光景そのものだった。


呆気にとらわれていた私はしばらくその光景をただ見ていたのだが、自分のいる場所にはっとした。



え?うわっ、私浮いてる?!んだよね・・・・?


自分の姿は分からないが天井から見下ろす形で私はその場所にいたのである。



なるほどだから全体が見渡せたのね納得!・・・・じゃないっ!

1人解決していやそうではないだろうと首を横に振り手を振って気を取り直して見下ろす。


やはり広がる光景は変わらない。


やっぱりこれって夢ですよねぇ?


見たことのない場所にいて体が浮いていて更には自分が眠っていたのに起きた感覚のあるこんな夢見たのは初めてだ、ん~?と首を横に捻る。


と、ゆっくりふわふわと漂いながら下降していく。周りに気が付かれるのではと緊張したが人からの反応を見る限り私は見えないらしい。

ふわふわ漂いながら人の顔の前で手振ったり、当たらないようにして人々に避けて進んでいくにつれだんだん私は楽しくなっていった。


なんか小説でいうと私妖精になったみたい、と少し恥ずかしく思いながらけれどまんざらでない様子であたりを見ているとある男性に目が留まった。


色とりどりな髪の色をしているせいか黒髪を見慣れている私にとっては親近感がわいたからだ。近くによって彼を見やる。


ツンツンした少し硬そうな黒い髪で背が高くそれでいて身体も鍛えているのか礼服からでも分かる引き締まった体つきの男性、紫の瞳が蠱惑に輝いて誰もがほぅとため息がついてしまいそうになる。


少し冷たい印象の顔つきだがイケメンであった。

他にも目を引くような容姿を持っている男性はいるが彼がダントツだと思った。




私そんなに面食いじゃないけど格好いいねぇ。・・・・・・やっぱり他の人もそう思うよねぇ。




案の定彼の周りには綺麗なドレスを身にまとった令嬢たちがここぞとばかりに彼に詰め寄っているのが見えた。


うへぇ可哀そう、モテモテになるのも問題ですね。



背中越しでも分かる。

俺、もうしんどい逃げたいオーラが見える。



と、ひと際彼にぐいぐいアプローチする女性がいた。



豊満な胸を惜しむことなく魅せるような過激なドレスで彼女の紅色の髪と目の色に合わせてひと際目立つ。手入れのされたウェーブのかかった長い髪は天使の光の輪を放ち、容貌も美しく誰もが振り返る美人であった。


至近距離で話すその女性は強気な笑みを男性に向けて口を開いた。彼は私の隣でもあったのでそれは聞こえてきた。


「ねぇアドルフ様、アドルフ様のような非の打ちどころのない殿方には家柄も地位もよい女性が相応しいのではありませんか?」



まさかの結婚せまってた!

お付き合いからじゃないのか、私より年下なのにすごいな・・・・・・。

あと見た目でもなんとなくそうかなと思ってたけどやっぱり貴族たちだよねぇこの人たち。

頭の色はファンタジーさが半端ないけど・・・・。


初めて聞いたよ自分の事を(わたくし)って呼ぶの。やっぱ育ちの良いお嬢さんはそういうのか?・・・まじか。



(わたし)などまだ若輩者、まだ家庭を持つなど早いと思ってますので。それにルディリア嬢には私より相応しい方がおられるでしょう?」


「まぁつれない方、私の事はカナディアと名前で呼んでくださいな。」


寂しいではありませんかと彼にすり寄ろうとしたがアドルフと言われた男性はやんわり制止した。

なんというか嫌われてるねこの人。まぁなんかわからなくもないけど。


「私の家のルディリア家に貴方様の家のルーザッファ家、侯爵家と公爵家、どちらとも家の釣り合いとしては十分。今国内で権力が割れる仲違いの橋渡しをするのも若いものとしての責務ではなくて?ふふっ、・・・・・それに、私のこの美貌を思うがままベッドで好きに出来てよ?」



聞こえないことをいいことに叫ぶ。


うわぁー!!!あーくーじょー!!


THE・悪女だ!ベッドで好きにって・・・やだ喰われる、逃げてアドルフさん!!



彼に言うが勿論全く聞こえない。



「それによりよい子供を残したいのは公爵家も一緒でしょ?貴方と私の子供ならきっと強い魔力の素養に技量(スキル)を持った子が産まれるでしょうね。」


え、まさかの魔法があるの?しかも技量て・・・・なにそれ、私のやってるゲームシステムと被る。

あ、これそういえば私の夢か!納得!


「あら?もうこんな時間。そろそろ、用事があるので失礼させていただきます。ではアドルフ様考えてみてくださいな?では・・・」


優雅な所作の後彼女は彼から離れ今度は違う男性の元へと行ってしまった彼女をあっけにとられながら見ていると、彼もまた他の令嬢に挨拶をすましホールを出ようとする。

私はなんとなくアドルフと呼ばれた男性についていくことにした。







彼が向かった場所は庭園だった。

ホールから少しはなれたこの場所も解放された場所らしい。綺麗な庭園を見ているのにも関わらず彼は何か重いものを吐き出すようにため息をついて噴水が見えるベンチへと座った。


私は座っている彼の目の前に立つが当の本人はもちろん私に気が付かず眉間にしわを寄せてむっつりとしていた。

やはり機嫌の悪いのか時たま大きなため息をするのでよっぽどさっきの女性を毛嫌いしているんだろうなと察しがついた。

そして如何にも玉の輿を狙う令嬢のあの醜い争いはもしかしたら彼にとっては日常茶飯事なことなのかもしれない。そりゃ憂鬱になる。




・・・・・・もしもしそこのイケメンお兄さん。


声が届かないのに私は彼に声をかけていた。隣に座り彼を覗き込む。




そりゃぁ、貴族ってやっぱり政略結婚といった義務的な家庭を作ることもあると思うけど。

いや小説とかでしか知らない知識だからよく知らないけど。

でもさ、やっぱり自分が素敵だと思える女性と結婚したほうがいいと思うよ?結局外見より家庭とか自分を支えてくれる人の方が男の人もいいって聞くし?

まぁ平たく言うとさっきの女性はだめだよ!ちょっとどころか家傾きそうなほど浪費家みたいに見えるし!

中身が絶対だめだ!断固反対!それに子供だって自分の子だったら可愛いと思うし心許した女性の方がもっと可愛いと思うよ?


これは夢で相手は聞こえてないというのになぜか必死になって彼に話しかける。

もしかしたらいつもの夢とは違って現実味を帯びている感覚があるからかもしれない。



更に私は口を開く。


それに、もしかしたら今から良い人が見つかるかもしれないよ?

君私から見てもイケメンだしきっと出会いは多いって!だから頑張って!ねっ!


と遠慮なく彼の肩をバシバシと叩く、あれ?意外と感触ある?


そう思っていると、今まで動かなかった彼が突然私の方を振り向いたので驚いた。じっと私を見るということは・・・・え?もしかして見えてる?



じっと見られている状態で彼は急に立ち上がって急接近!イケメンの近距離なんて免疫ない!キャーっ!


なんて思ってたら、彼はそのまま私を通り過ぎて向こうへ歩いていた。



なんだぁ、びっくりしたーやっぱり見えてないじゃん。


ほっとしながらまた彼の姿を追うように飛んでいく。

すると目の前に男女が何やら揉めているのが見えた。しかも、なんか痴話げんかではなく不穏な様子だ。


「いいから来いよっ!俺に逆らうとどうなるか分かっているだろう?」

「離してください!いやっ!!」

腕をつかみいかにも人気のない場所へ連れて行こうとする鼻息の荒い男に、涙ながらに抵抗している女性の姿が見える。

どうやら彼はこれに気が付いて彼らに近づいたらしい。


「おい。女性が嫌がっているのに貴様は何をしようとしているのだ?」

彼の声に男が怪訝な顔でこちらを見る。

「なんだよっ!お前には関係ないだろう!」

「関係あるなしにそのように女性を乱暴にして止めない方がおかしいだろう。」


アドルフはそう言って男の手を捻り上げ彼女を放させると、流れる仕草で女性を自分の後ろへ隠し男の前に立つ。女性はよほど怖かったのか顔を青白くさせ体を震わせていた。


反対によほど痛かったのか男は顔を真っ赤にして彼を睨んでいた。


「いってぇな!!俺を誰だと思ってやがる!!レイン子爵家の次期当主バカス・レインだぞ!この俺にこんなことしてただじゃおかないぞ!」


そういう男に彼女はびくつく。

彼はいたわるように彼女の手を優しく握っていた。


「その男爵家の娘はな!俺に媚び売って愛人にしてしてくださいと迫ってたんだ!だから2人きりで今後のことを話そうとしていただけだ!」

「ち、違います!!私はそのようなことは受けられないと断ったではありませんか!それを貴方が無理やりどこかへ連れて行こうとしたのではないですか!」


涙ながら訴える女性にアドルフは事の顛末がわかり、冷ややかな目で前の男を見やる。

その眼光鋭さに男が後ずさった。



何この下衆男!!最低!こんな可愛い子に暴力振るうとか!信じらんない!

勿論私も怒り心頭でそのその男を睨む。


くそぅ何か出来たらいいのに!そういえばここ魔法が使えるみたいだしなんか出来ないかな私も!



「どうやら、君には貴族としても人として外道なようだな。バカスといったか今度貴様の父親に事の顛末を伝えておこう、あとこの娘に何かしたら私が黙ってないぞ。」


「はぁ!!って・・・・・え?!」

暗がりだったせいで顔が今まで分からなかったようだが目が慣れてきたのか誰が仲裁に入ったのか分かったらしく一気にバカスの顔が青くなったのがわかった。


「ま、まさかルーザッファ家のアドルフ?!様っ!」

どうやら敵に回してはいけないお家だと理解したようでひっくり返したような声でその名を口にする。

「いや、わ、私はただ・・・そのぉ、ですね。」


しどろもどろし始めた男に私は黒い笑みを浮かべた。

ざまぁみろだ!


「レイン子爵には後日お前が行ったこと報告しよう。権力を笠に着るのを嫌い分け隔てなく親しい交流をなさっている子爵は、お前の行動をどう思われるだろうな。」


会ったことがあるのか思い出すようにしながら言った彼は、その言葉を聞いて呆然としている男を置き去りにして彼女を建物の中へ連れて歩き出した。

きっと彼の行いが露見すればただじゃおかれないんだろうな。けれど自業自得だ。


貴族の順位はあれどやはり上に立つ者として彼みたいに平等に!そう!女性に優しくしないと!


うんうんと大きく頷きながら、私もついていこうとしたその時だ。

急に不気味な笑い声が聞こえ私たちは振り返ったのとほぼ同時にそれは起こった。


「どいつもこいつも馬鹿にしやがってぇぇ!!」

男が急に怒り出しどこかに忍ばせていたのかナイフを持って2人に向かって振りかざす。アドルフはとっさに彼女を庇い腕にナイフが掠った。

「ルーザッファ様っ!!」

彼女が悲鳴交じりの声で彼を呼ぶ。アドルフは顔色を変えず男をみやる。

「俺ばっか 馬鹿にしやがって・・・・俺はあいつに劣ってない・・・誰にも・・・馬鹿にしやがって・・・」

男は何かぶつぶつと言ってうつろな目を2人に向ける。急に様変わりした相手に彼女は凍り付いたように体が動かない。

彼らには全く見えてないということもあってか私も驚いてはいるが彼女ほどの恐怖は湧かなかった。


というかなんか周りに黒い(もや)が・・・・・・・?なにあれ?うげっ口から吐き出してる・・・・・・あれだイカ墨かっての。


思った以上に冷静だったためなのか彼を観察できた私は、彼の身体から何か黒い靄が滲んで見えることに気が付いた。まるで内側から漏れ出ているようなそれに私は嫌なものを感じ取る。





とにかく丸腰の彼に恐怖で全く動けない彼女、そしていつ暴挙にでるか分からないナイフ所持の男。

とりあえずやばい。


私が・・・・・っていうか私の夢だよねこれ。


と、急に現実に戻ったように私は思った。


そう、これは私の夢、という事は私が考えていることはこの夢で起こすことができる。



―――――――だから魔法も使える。


「死ねぇぇぇぇ!!」

口から黒い泥のようなものを吐き出しながら男がまた彼女にめがけてナイフを振り上げた。

アドルフは彼女を庇いながら何かをつぶやく。


私は焦って男に手を向けた、それはとっさだった。


落雷(ライトニング)!!


私がそう言い切った瞬間、彼の頭上に・・・・いや、振り上げたナイフの上に一筋の光がするりと通り過ぎた後耳を(つんざ)く音が周りに響いた。


一瞬だったのか数秒ほどかそれとも何分も経った後なのか。


私と2人が気が付いて、男がいた場所をみれば案の定男は気絶し倒れていた。

倒れている男の横にはナイフが転がっており雷のせいだろうか無残にも刃がボロボロになり黒ずんでいた。



音に気が付いた衛兵(この時代背景からして騎士達だろうか?)が駆けつける。アドルフが彼女を庇いながら彼らに事情を説明をしている姿を横目に危険人物と判断され気絶したまま引きずられていく男、バカスを見送りながら・・・・・・・・・。




・・・・・・・・・・雷をうけると漫画みたく髪の毛ってアフロに変わるんだね。


ぽつりと漏らしながら私は漫画の表現は適切だったことを初めて知ったのである。









初めなのでとても長い文章・・・・もう少し読みやすくしていきます。


出来れば1週間に1話投稿できるように頑張りたいです。


あともし誤字などあればこっそり教えて頂けたら・・・・・・・すみません。


(1/30:少し訂正を加えましたが、前回の話しと変わりありません。

 2/2:靄という漢字に馴染みがないと感じ振り仮名をつけました。)

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