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部活探し編・12

「出て来なきゃ知らずに済んだ。

 出て来なきゃ恨まずに済んだ。

 詳しい事情など、どうでもいい......

 きっとあの女がこの高校を志願してきたせいだろうな。

 あの時からだ...俺達の惨めな扱いが決定的になったのは

 アイツの家が建つことになってからだッ!!

 全てがアイツが悪いんだ!!

 同時に、お前も悪だ。

 アイツの仲間なんだろ?

 そうじゃなくても、お前のことを密かに弟に調べさせたが

 いつもお前の周りには女がいるようだな?

 順番から言えば、まずお前だ。

 お前を裁く」


鬼気迫る表情で一歩迫って来る。

まだだ、まだ近付かせてはならない


「だらだらと長ったらしく言って置いて

 結局、嫉妬なのか!?

 お前たちの襲撃の理由は!」


ここでの挑発は危険な賭けだったが、

男の動きは止まった


「俺を痛めつけてそれで終わりだとか短絡的な考えでやってんだろ!

 お前たちの悲しき過去や現状をひと時でも忘れたいだけの――」


「違うッ!!」


吼えるような怒号、

それを合図に物静かな弟はゆっくりと迫って来る


「あの女は人を不幸にする!

 奴のせいで俺は最もらしい建前を与えてしまい、

 弟はここに来る羽目になった!

 お前やお前の周りの人間も不幸になってるはずだ!

 聞いているぞ、絶えない口論や大騒ぎをお前と女がしていることを!

 お前の幼馴染の米田という女の豹変ぶりも!

 アイツは迷惑を生むだけの女だ!!

 それを表に出しちまったお前は裁かれなけばならない!!」


反論できない部分も叫ばれるようになってきたが

ここで退いてはならない。

心から違うと言えることもある


そして、どうやら間に合ってくれたらしい


そっとドアに触れる


「おっと、逃げようたって無駄だ。

 それは建付けの悪さから俺の脚力を以てしてやっと

 外側から開けることが出来るんだぜ?

 まあ、とっくにご存知だろうな

 お前が背中で何かゴソゴソやってたのを俺は気付いているぞ」


意外な洞察力に少し眉が上がってしまった。

だが所詮は不良、

それを辞めさせなかったのは良くなかったようだ


「言っておくが......」


ドア越しから聞こえる足音は遂にすぐそこまで来た。


「お前たちが恨んでる女は確かに迷惑極まりない奴だが、

 不幸は生まない。

 どころかアイツは成長を促してくれる、

 それはいずれ幸運に通じる。

 そして......」


合図のノックをして

今度は自分が一歩男に近付いた。


「可哀想な情動に駆られたアンタを()()が裁く」


完全に下から目線の体格差も恐れないこちらの意志を

眼光から読み取ったか、

一瞬たじろぎ泳いだ目に唐突に光が飛び込む。


ドアは勢いよく開かれた


「今だ、治雄!!」

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