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家庭教師編・28

癇癪を起して不良にになっちまった花山は

その後日の木・金にはもはや学校に来ることも無かった。


美咲との入れ替わりでの緊急事態にも取れる状況ではあったが


まあ、花山なら......


という信頼を込めて俺は言い付けの通りアイツの家には一切行かず、

丁度良い機会だとポジティブに捉えて自身のテスト勉強に専念した


本番に入る週を前にして土日も合わせて4日の集中期間を作れたのは大きかった。

もしかしたら花山なりの気遣いなのかもしれない、

とも考えて遠慮なく週の半分以上を自分の時間に使った週明けに


「何故来なかったのだ、ハルぅぅぅ!!」


月曜の早朝、起き抜けに何か外から変な鳴き声が聞こえるように感じて窓を開けると

パジャマ姿の変態さん......

ではなく隣のお嬢様がうちの前で何か叫んでいた。


それも連れも伴わずに単身で



家族を起こさないように静かに、

それでいて急いで階段を駆け下りて花山を止めに入った


あまりのことに裸足で外を出た


「お、お前なんでそんな恰好で...しかも俺がたまたま起きたから良いけど

 インターフォンも押さずに家の前で喚き散らすなよ......

 近所の人になんて思われるか――」


「そんなこと知ったことではぬわぁい!」


目覚ましとしては満点レベルのいいご迷惑のご挨拶だ


「シーッ! わ、分かった! 分かったから静かにしてくれ!」


「私の要件を呑まないつもりなら、このまま続けるが!?」


「うるせえ...!

 よく分かんねえけど、言う通りにすればいいんだろ!? 分かったよ...!」


銃を突き付けられた銀行員の気分だ。

要求には応えるから冷静になってくれ......


「よ~し、では上がらせてもらうぞ」


「あ?」


「んんッ!?」


厚かましすぎる申し出に異議の意志が声に少しでも出ると、

それを封じるように大声の前兆をちらつかせて来る


ホントに良い性格してるぜ、コイツ


「何でもございません」


「うむ、それでよい。

 扉を開けて貰っても?」


このアマ...こんな状況でレディファーストを求めてきやがる...

俺はここの住人だぞ!?

それも脅迫されてるから我が家への侵入を許してるだけなのに......!!


「ど、どうぞ...」


「うむ、ご苦労」


口角を痙攣して上げての愛想笑いは気にならなかったようで

ご満悦な表情で入っていった。

その後すぐに扉を静かに閉めて、

奴に勝手に何かされる前に通せんぼをした


「何かね? 客人を上がらせる前に行く手を阻むとは」


手がブルブル震えてきたが

脳内で言葉を唱えて必死に怒りを抑える。


日中には報復出来る...日中には報復出来る...!



「あ、あのぉ...花山さんは一体何をお望みに――」


「ああ、まずはエリーちゃんと呼んで貰おうかな」


「は?」


ついつい出る反抗的態度に、また大きく息を吸って威嚇してきたので

咄嗟に了解を示す


「わ、分かりました...エリー...さん」


「まあ、よかろう」


俺のちょっとした抵抗を

見た目は幼女、中身は非道な令嬢様は寛大態度で許した。


そして素晴らしいご要望まで申し付けた



「では本題の要件を言い渡そう、愛しのハルよ。

 そなたの部屋まで連れて行って貰いたいのだが?」



閲覧ありがとうございました。

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