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家庭教師編・27

CIAOっす

「それでさぁ、昨日の分かんなかったとこなんだけどさ...」


「ん~、なになに...ああ、俺もここ苦戦したんだよなぁ。

 でも実はこれにはコツがあってだな...」


「おい、お前たち」


俺と美咲が真面目に学習活動に勤しむ中、

花山が口を挟んできた。


「昨日まで仲違いをしたように見えていたもんだから

 私は安心してハルを独り占め出来ると思っていたのに...

 どういう風の吹き回しで寄りが戻ってしまったのか......

 聞かせて貰おう...カッ!」


仁王立ちのお嬢は、

すっかり元通りになった幼馴染の関係にご立腹だ


「別に良いじゃない、ただ分からないことを教え合ってるだけなんだから」


それに対して今まで必要以上に反撃していた美咲は余裕の応対だ。

俺の本性を知っているという点で花山より格段に正妻候補として

心にゆとりを持ったらしい......


当然ピュアでウブな本性など偽りでしかないのだが


「ああ、それともこのトークに入りたかったのかな?

 だったらどうぞ~?」


「ぐ、ぐぬぬ...」


学問の話など聞きたくないばかりに授業で居眠りかますお嬢にとっては

苦しい申し出だ。

無論、それを知っての発言をする彼女は

更にライバル対策のパワーアップをしたのかもしれない


俺との仲だけでなく、花山とも穏便な関係でいて欲しいところなのだが...



「まあ、意地悪したらこんなに可愛いエリーちゃんに失礼だもんね?

 そろそろ時間だし...一旦戻るね、ハル」


「お、おう...」


手をひらひらとさせてアイツは戻っていった。

相当ご機嫌なのが逆に怖いが

徐々に平常運転になってくれることだろう


今のままでいられると...お隣の女の子が...


「ぐっ、ぐああ...!

 何なんなのだ、あの変わり様は!」


軽くいなされたことに地団駄を踏み、

ご機嫌ナナメに拍車が掛かっているのがよく分かる。


「まあ、ちょっと今日は調子がおかしいだけで――」


「何かあったのだな!? 昨日になにかが! 吐くのだ、ハルよ!!」


胸倉を掴む花山はほぼ俺の膝元で馬乗りになっている。

事態は殺伐だが状態は傍から見れば恥ずかしいので止めて欲しい



「見せつけてくれるねぇ......」


「ああやって膝に乗っけて放課後は楽しんでるんだろうなぁ...生々しい」


そら、周りはクスクスと笑って世間の声を体現している



「俺も話すから、お前も放してくれ」


「よし...話してみせい」


その後簡潔に、

何故花山に美咲の好きなものなどを調べさせたのか

という所から順を追って説明をした。


それを聞く間花山はやたら睨み付けてきたが

出来るだけ動じないように、

何もやましいことは無いといった調子で伝えた。


すると俺が語り終えてすぐに

大きくため息をつき、

目を閉じて肩を落とされた



「な、なんだよ」


「ハルよ......お主は気付いておるか?」


「...何を?」


改まった態度に首を傾げて聞くと

閉じた目をカッと開眼して俺を指さした


「そのだらしない顔だ! ハルはさっきの話をしている時にニヤニヤしていたぞ!!」


「え、いや...そんなことは――」


「あるぞ! すこぶるぅぁ!」


いつにも増しての大声はバッチリ、後方の野次馬にも聞こえるわけで



「おいおい、早くも破局か?」


「これは離婚会見だな、また俺たちの出番だぞ」


お前らだったのか、報道部は。

今度下らない真似をしやがったらお前らを


「もういい...」


「......ん?」



ボソッと珍しく花山が小さく何かを言ったのに気を取られる


「え、なんだって?」


「もういい!!」


お顔を真っ赤にして有らん限りの声を振り絞られた。

おかげで耳はキンキンする


「も、もう私の家庭教師はクビだ!」


「へ?」


「来るなよ!? 絶対明日と明後日、私の屋敷に来てはダメだからな!?」


そう言うと教室を飛び出して行ってしまった。

教室にいる者全てが突如のことにしばらく沈黙してから、

花山の所の小さいメイドさんがトコトコと現れてバッグを持って行った


あまりのことに呆然として忘れられた我が返ってきたのは

周りがざわつき始めてからだった。



それから花山は戻ることは無く、


マジのバックレ・自主早退をやらかしたことが確定したのは


帰りの会に担任の口から発せられてからのことであった


閲覧ありがとうございました。

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