ハンドボール投げ
誤字報告してくれた方、ありがとうございます
勢いで書くので、また助けられるかもしれません(ドジっ子
本日外で行う体力テスト最後の種目、ハンドボール投げが始まった。
立ち幅跳びをしていない俺を差し置いて
男子は50メートル走の練習が行われていた。
当然、不貞腐れた俺は視察を決め込む。
サボりでも覗きでもない、
俺が今しているのは本気の走りを見せるための温存。
そしてその暇な時間にたまたま、女子の種目が目に入るだけだ
そうすると女子のボール投げが始ろうとしている。
果たして脚力ならともかく、腕力となっては差が出にくい女子同士の対決で
どこまで白熱してくれるのかが見所だ
平均においても男女では倍の開きがある中、
俺は女子の平均にも満たない14を叩き出してしまった。
いやそれでも少し盛った。
実は13メートルしか飛ばなかった...
これを超えられると普通に恥ずかしい、奴らは俺を笑うだろうか?
笑った方の勝ち点をマイナスしてやる
そうしてか弱いレディの肩を痛めつける時間が始まった。
素人や特に女子は張り切って普段使わない体の部位を急に使うから痛めるのだ
その犠牲者にもう我が麗しの学級委員長が倒れこんだ。
駆けつけられなかったのが悔しくってたまらない、だって俺は男の子だもん
日本特有の女子の肩を持つ男が嫌われる忌まわしき風習に
怒りを湧かせて気分だけは五輪選手並みで駆け抜けた俺が見たものは
倒れる美咲だった。
肩を押さえてプルプル震えている、アレはやっちまったな
甲子園で連戦100球投げさせられるピッチャーでもああはならないだろう
しかもまだあっちは練習だ。
遂に女磨きに目覚めてしまった過去のヤンチャガールは
今やひ弱なJKになってしまっていたことが露わになった。
時の経過はかくも早いものか...
それに比べて時が流れても変わらない体型の女、花山の登場だ。
剛腕を誇るかの如く肩を回す姿だけはいっちょ前だ、
さて、もはや不戦勝確定の中で奴は何を見せてくれるのか
思いっきり振りかぶって投げた
...はずなのに投げた球が見えない!
なんという速度で飛んでいるんだ!!
そう驚いた自分がアホらしいくらいの事態が発覚してしまった。
なんと恵まれた投球フォームから放たれた球は
花山の足元、真下に叩きつけられていた。
流石の10歳女子平均にも負ける投球力の俺氏もこれには鼻で笑ってしまった。
肌を焼くような日差しを放つ太陽の下、
二人はまさかの0の記録で引き分けに終わってしまった。
一人はたかだかハンドボール投げで倒れて運ばれ、
一人は無力感に苛まれ、砂塵舞うグラウンドで立ち尽くした...
「ハル...私はもう...投げることを辞めたよ...」
「いつからお前は投手を任されてたんだよ」
燃え尽きちまったご令嬢をお連れして、
前半戦は怪我人を出す波乱の幕引きとなった......
閲覧ありがとうございました。




