表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/274

50m走

良かったらブックマーク宜しくお願い致します!

「いちについて...!」


ここまで先生の声が聞こえてきた。


さあ、どちらが勝つんだ...!


「おーい、覗きの山崎ったら早くボール投げてくれよー」


「よーい...ドン!!」


スタートした!


「ああっといきなりグングンと

 美咲選手は腕を素早く振って周りとリードを広げて走っております!

 快調のスタートを切ったのを見るに今日の調子は

 絶好調と言ったところでしょうか

 タイムに期待が掛ります!


 それに対し花山選手、何という体たらくか!

 頑張って手足を動かす姿はまさに小学生、

 何故そんなにバタバタとこちらまで聞こえてくるほどに足音を

 鳴らして走ってしまうのか

 運動神経がよろしくない人にありがちな足の裏ベタベタ走法であります!


 おおっと、花山選手に注目している間に、ここで美咲選手ゴールを切りました

 花山選手だけに限らず他の女子2人とも大きく差を見せつけての快走でした!

 お、これはこちらに気付いての投げキッスだ

 勝利の余韻にその笑顔はなんと輝かしいことか


 そしてやっと花山選手ゴールイン、ああ! なんということだ!

 全力を出しすぎたか!? ゴール直後に転倒です! 

 怪我の心配が周りの女子からなされる中、

 美咲選手こちらに駆け寄ってきて――」


「ハルー!」


そう言って勢いそのままに抱き着いてきた

体操服と軽装なので体の感触が生々しいほどに伝わってきた


「こ、コラ! 周りの男子見てるんだぞ!」


こんなセリフを言える日が来るとは...

感動に打ち震えていると言っても良い

近くの男子たちの羨望の眼差し(睨み)が祝福されているかのようだ

外身と中身は真反対の俺でございました...


「ごめん、ごめん!」


そう言ってすぐ彼女が離れると、

周りの奴らにポカポカ叩かれる


「羨ましいんじゃ、ボケッ!」


「覗きのくせに!」


ああ、痛くない痛くない

幸せな感情で分泌されたあーだこーだで今や何も怖くない


「はりゅうう!!」


そう言って突っ込んできた花山ヘッドは幸福アーマーを貫通してきた


「ぐへぇ!!」


そうして俺の苦痛の顔を見ると周りの男どもはニッコリして去って行った


「ころんでいたかったぞ~!!」


小綺麗なご令嬢が土と砂にまみれて

涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしているのを見て

コイツ頭悪いんだな、とコイツの家で気付いた時レベルの

哀れみが蘇ってきた。



「ああ...よしよし」


本当に同学年とは思えない女だ...


そうして花山を甘やかしていると


「ちょっと! 離れなさいっ...よッ!!」


割り込んできた美咲が俺から花山を引っぺがして

抱きかかえて行った


「やめろおお!! 勝者からの慰めなどいらぬうう!!」


「誰がアンタみたいな完膚無きまでの敗者を気遣うってのよ!!」



どう傍から見ても

抱かれて泣いてる娘とあやす若いママである



かくして50メートル走の勝者は余裕に美咲であった


この二人の勝利予想とかも良かったら、どうぞ~

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ