いがみ合う二人
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「ハルは私のものだ!」
そう言って花山が飛びついてくる
当然美咲に絡みつかれていては避けられない
「ぐえっ! だ、だからお前は抱き着いてくるならゆっくりと――」
「ハル! アタシの知らない間にこんな金髪金持ちロリと付き合ってたわけ!?」
「いや、お前なぁ...別に俺はコイツと――」
「私がlolitaだとぉ...!? ちょっと胸がデカいくらいで頭に乗るなぁ!」
険悪なムードは続き、程なくしてキャットファイトが始まってしまった
「う、運転手! 早く出してくれ!! あ、でも法定速度は守れよ!!」
「リョウカイ~」
「日本語話せたのかよ!」
そうしてやっと出発した車だが、その中でも戦いは続く。
「よ、よせ! よして! 俺のために争わないで!!」
「待っていろハル...この一般庶民の下品なメス犬を黙らして調教してうちのペットにしたら、
すぐさま結婚しよう...
もう、こんな悪い虫をつかせぬためになぁ!」
「虫けらみたいに何かも小さいアンタなんかに言われたくないのよ!」
お互い制服や髪や頬っぺたを引っ張り合ってもう大ゲンカだ
どちらも引くに引けなくなっている、
女の意地というやつか
くんずほぐれつ戦っていると遂に学校に着いた!
こんなに待ちわびたことは無い正門へのご到着だぁ!!
「脱出する!」
そう言ってドアを開け放って逃げるように走る
「「あ!!」」
掴み合いをしていた二人が声を揃えて俺の逃走に気付いてしまったようだ
さっさと内履きに履き替えると男トイレに駆け込んだ
「ふぅ...これで安心だぜ...」
それからもう詰んでいることに気付くのは数分と掛からなかった
「ど、どうするんだ...このままここにはいれないし、
教室に戻れば奴らがいるんじゃないか...?
そもそも、何で俺が追いかけられる流れになってしまったのだ...!」
誰もいないと思って大きな独り言が出ていた。
そのため
「お困りなようだね?」
横の個室からのハードボイルドな声に度肝を抜かれた
「なっ! 誰だ、お前は!?」
「俺は通りすがりの大便者さ...」
汚ねぇ野郎だなぁ...
「ついさっきまでトイレの前にいたが、誰もいなかったぜ?」
「なに!?」
「場所を変えるなら今だと思うがねぇ...」
何故だか分からないがとりあえず場所を変えたくなった
「安心して出て行きな...」
そう言われて個室出て隣の個室を見ると隣は開いていて人がいなかった
「え!?」
中を見ても誰もいない
気味悪く思いながら手を洗って外に出ると
「遅かったな、ハルよ...スッキリしたか?」
満面の笑みの二人の女が待っていた
その後ろに明らかにさっきの
ハードボイルドの声を出しそうなおっさんがいた
隣の個室にいた奴はこの意地悪な問いをしてきたご令嬢の
代弁者で内通者であったことに気付いた頃には遅すぎたのだ
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