ループを打ち切りし者
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そうして数日経って俺は退院して家に戻った
~翌朝~
「ハル!!」
家から出るとまたデカい車から花山が飛び出して来た
やれやれ...
「ストップ!!」
手を前に突き出して制す前に、急ブレーキを掛けられたようだ。
「す、すまない...まだ病み上がりであったな...」
「ああ、そうだな。今回はお前、本人のせいでひどい目にあったなぁ~」
「うぅ...」
魔女の一撃・ぎっくり腰がどんなに恐ろしいものであるかということは、
この数日の内に知ったらしい。
今度ばかりは犯人が花山であっただけに罪悪感をしっかりと募らせていたようだ
反省をしてあのお嬢様がまるでしおらしくなってしまったのにも既視感がある。
...ほんのちょっぴりだけ小動物のような可愛さを感じることもないこともないくらいだ
「まったく...」
「あぅ...」
頭の上に手を置いてやった
「学校まで送ってくれる間に出席していた証拠を見せられたら許してやるぞ?」
その言葉に目を輝かせて顔を上げた
尻尾が生えていたら千切れんばかりに振っていそうだ。
「も、もちろん! ハルに登校記録を見せるのが夢だったんだ!」
「ふっ...夢が小さすぎるだろうに...」
そうしてはしゃぐ花山に手を引かれて俺は高級車に乗った
これからこのトンデモお嬢様に振り回される日常がどうやら、また始まっちまいそうだ
どんなに大変なことが腰の他に起こることやら...
そうして窓から見上げた空は晴れ渡っていて、反射して写る自分の顔は少しやつれていた...。
「さあ!改めて今日は私とハルの共同生活の門出だぁ!!
運転手よ、派手に頼むぞ~!」
「roger」
「もう、流石に二度目はないよな?」
そうして発進しようとした車が急に止まってバックを探っていた令嬢が前に倒れた
「うおっ! 一体なんなんだ...?」
「いてて...おい! マイケル! 何があったんだ! 私が痛い目にあったぞ!!」
「jeune fille!!」
「何が女の子!だぁ、変態め!! そんなものは空からしか降ってこないぞ!」
「なんだ、なんだ?」
窓を開けて見てみると、車の前には
「あ! ハル~!」
「美咲!?」
「ん!? ハルよ、誰なのだ! その甘い声の女は!!」
久しぶりに姿を見た。
それも当たり前で、美咲に散々茶化されたあの日から
ビルに気絶させられ入院、
その退院の日に車の中で倒れて気付けば昼休み、
そして花山のせいで腰をやって
また数日入院して今に至るのだから少なくとも毎日顔を合わせてた間柄であったのに
1週間以上顔を合わせなかったのだ
「失礼しま~す」
そう言いながら駆け寄って来た美咲は
開けた窓から飛び込んで中に侵入してきた
「「うわぁ!?」」
当然、俺も花山も驚いた
華麗に着地してすぐさま俺の隣に座って来た
「ハル~、寂しかった~」
やけにベタベタしてくる
少しドキッとした
「な、な、な!」
積極的な泥棒猫に俺が取られそうでお嬢様はどもっているようだ
俺も胸を押し当てられて焦っている
「なんて下品な...! だ、誰なんだね君は!!」
花山が立ち上がって指を指すと
美咲もサッと立って花山に対峙して高らかに宣言した
「そうです! 私がハルの彼女です!!」
「「はぁ!?」」
俺と花山は二度の驚嘆の声を上げた
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