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夏休み編・41

「ん~......?」


相変わらず何も分かってないまま、

姿勢も悪く倒れそうになりながら

立ったまま眠る帰りの電車内のリーマンみたいになっていると、

ドアの開く音がどこかで聞して足音共に独り言も聞こえてくる


「アタシが行っても問題ないわよね......」


すると、驚く声が間近で起こった。


「うわっ、なんで死角で突っ立てるのよ......驚かすつもりだったの?」


首だけを横に振った。


「しかも何よその薄いリアクション......。

 まさか、眠ってるところを追い出されたの?」


なんとなく首を縦に振った。


「し、仕方ないわね......」


手を繋がれてどこかに連れて行かれる。

だが心配はなかった。

誰かという認識すら億劫であるが、信頼できる人間だと思った


どこかへと入室した。

そして柔らかい所に座った


「あんまり周りジロジロ見ないでよね。

 親しき中にも礼儀あり、なんだから」


再度来たる眠気の波に溺れそうであるのに、

現実の周りを気にする余裕はなかった。

座っている物が何か分からないがひっくり返りそうだ


「えっと......丁度いいからさっき聞こうとしてた

 ことなんだけどさ」


子守唄でも始まったのかと

ガクンと首が落ちる


「治雄は、自分からアイツと一緒の部屋に

 なりたいって言ったわけじゃないのよね......?」


再度、首がガクリ。


「そ、そう......良かった」


一旦、伸びをすると少しだけ意識が戻ってきた


「それで特にアイツとは何もない?」


ああ、しかし駄目だ。

またもや眠気が......

払うために首を振る


「え、何かあったの!?」


大きな音が近くで起こった。

落雷でもあったのだろうか


「何をされたの!?」


誰かに肩を掴まれて揺らされている。

揺り籠のようで眠気を助長させてくる


「ねえ! ちゃんと答えて!」


ピタリと身体が止められた。

急ブレーキに何事かとうっすら目を開くと

そこには必死の形相な美咲がいた


「へへへ......」


「な、何が可笑しいのよ!

 まさか、アタシを驚かす嘘だったの!?」


そこで頭を支える力が抜けて、ガクリ。


「もう! ハラハラさせないでよ......」


体全身が弾んだ。

美咲と思わしき人物が隣に座ったからだろうか。

ということはソファか、ベットの上にいるようだ。

思わず背中から倒れる


「ちょ、ちょっと!

 ここアタシのベットなんだけど!」


美咲のベット......?

自分の部屋には花山しかいないはず。

冷静に考えれば傍に幼馴染がいること自体おかしい。

なるほど、これは夢だ


「んふふ......別に良いだろぉ?

 すぅ~......懐かしい匂いだな~」


「なっ!」


「う~ん、落ち着く......」


寝そべってモゾモゾしていると

引き起こされた。


「恥ずかしいからやめてっ!」


「ったく~、俺のこと好きなくせによぉ~?」


「そ、それは......」


やたらリアルな体温に寄っかかる。

よく出来た夢だなぁ


「重いってば......!

 さっきから寝ぼけてるの!?」


「そうかもしれな~い......」


そのまま横倒れ。

その位置には丁度いい枕があった


「んん? これはなんだぁ?」


「ベタベタ触んないでよ!

 く、くすぐったい......」


すべすべしてるようで弾力もあって、

体温が直に伝わってくる。

なるほど、運動してる奴らしい体格が

夢の中で再現されている。

所詮、柔らかい枕の感触であろうが

人の肌のようだ。

俺もスケベだなぁ


「太ももかぁ、膝枕かぁ」


「ああ、もう!

 そのままでいいからこれ以上サワサワするな!」


腕を締め付けられる感覚を覚えながら、

無抵抗にしていると安らぎが訪れた

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