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俺ピンチになります

後ろに三月(みつき)がいたことに気づかなかった俺は今、正座をさせられている。三月の目は死んだような目をしていてこちらをずっと見ている。


「なんで女の子が全裸になって辰弥君が胸を揉んでたのかな? 辰弥君は私のこと嫌いになったのかな?」


「あれはその……不可抗力といいますか、必要なことといいますか……」


「女の子の胸を揉む必要なことなんてエッチな事しか無いよね?」


あ、地雷踏んだ。てか、エッチな事以外でもあるだろ、揉んじまうことは。


ご主人(マスター)、少し抑えてください。彼も嘘を言っているわけではありません」


三月の後ろにいた白い髪の白魔術師的な人が三月をなだめる。声からして男なのだが、なんか腹立つ。あれか? 三月の浮気相手か? ……きっとそうだ。


「自分だって浮気してるくせに」


ボソッと本音が漏れてしまった。それが聞こえたのか、三月がこちらに来る。そして、魔王として生まれたからなのか、俺は声も出すことができない。空気全体がピリピリし始める。これは……殺されたな。三月に顔をつかまれ俺は目を閉じる。せめて、三月とスローライフを楽しみたかったな……。


「はむっ」


「ひょわぁ!?」


殺されると思ったのに耳を食われた。しかもガチ噛みではなく、あま噛みである。すごくくすぐったいが逃げることができない。見事なまでにホールドされてしまっていた。


「私は浮気なんてしてませんー。彼は私の悪魔ですぅー」


耳を離した三月は頬を膨らませていった。そんな彼は後ろで微笑んでいる。なんだか腹立つ。


「申し遅れました、アモンとアンドレアルプスのご主人様(マスター)。私はゴエティアの悪魔七十二柱が一柱、序列一位のバエルといいます。以後、お見知りおきを」


丁寧に挨拶をする男――バエルはお辞儀をしながら言った。しっかし長い髪だな。うっとおしくないのか? 


「うっとおしくありませんね。これカツラですし」


おい、お前もか。ナチュラルに心読むなよ。ってかカツラかよ!? 驚いてる俺をほっておいてバエルは話を進ませる。


「それで、私たちはあなたに会うことと、グリス分隊長と会うことだったんですが……」


グリス、分隊長だと……? グリスは人間、つまり人族なのだ。なぜ魔王の軍にいる?


「彼は人族ですが魔王軍に入隊し、今は世界を飛び回って未確認の生命体を調査する任についているのです。そろそろ報告の日時なので一応迎えをと思ったのですが」


それを聞いて、俺は改めてグリスはすごかったことを思い知らされる。そして、何故グリスが魔王に会いに行く予定があったのかをこの時知った。


「グリスなら……先日亡くなったよ。俺を助けて」


何とか搾り出した答えだった。それを聞けば、きっと三月もバエルも俺を憎むだろう。


「……グリスはやはり優秀ですね」


バエルは言った。


「ならば、あなたに荷物を託したはずです。そこから本を取り出してください」


バエルに言われたとおりにグリスの鞄から本を出して渡す。


「……なるほど、そこまでたどり着きましたか」


バエルはどうやら感心している様子だ。そんなにも綺麗に纏めてあるのか?


「しかし、グリスをなくしたのは惜しいですね。彼みたいな優秀なものがなくなってはこれからのことで支障が出てきますし……グリスに色々教わった方がいれば頼むのですが……」


と、バエルはこちらをチラチラ見ながら言う。きっと、お前が代わりにやれということなのだろう。なら、やるしかない。


「俺がやるよ。バエル、俺がグリスの意志を継ぐ」


「なら、頼みます。月に一度、報告をお願いします」


グリス……見ていてくれ。俺がお前の分まで成し遂げてやる!


◇ ◇ ◇


天界


転生者の元に悪魔が集まりつつある。それ程までに悪魔は切羽詰まってるのか。


「セイナ、何を焦っているのです」


「あ、貴女は!」


To Be Continued

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