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俺また契約します

遅くなって申し訳ありませんでしたぁ!!


縛りあげられて呻いている少女を目の前に俺たちは座る。


アモンからはこれ以上無いほどの怒りが見えている。


正直に言おう。


俺がご主人様(マスター)ってむりくね?


「なぜ貴女が生きているのですか?」


「……」


だんまりである。


縛られている少女はアンドレアルプス。


アモンに聞いたら同じゴエティアの書に書かれている序列65位の悪魔だとか……。


てか、アモン強すぎじゃね?


序列7位とかヤバすぎるだろ。


なんで俺とつるんでるの?


「答えないのであれば……貴女を消します」


「そ、それは勘弁してくださいアモン様! 慈悲を、お慈悲を〜!」


こいつ……こんなに弱かったっけ?


観念したのか、アンドレアルプスは話始める。


「私ははじめにあの男、そこの人間が殺した奴と契約をしました。しかし、あの男の心が強く、私は男に取り込まれてしまいました」


うん、この時点でこいつ弱そう感が強まった。


「男が殺された事で私は解放されましたが行く宛も無く、仕方ないので、アモン様に助けてもらおうとしましたらそこの男に襲われてるのを見て守ろうと……」


「ちょっと待て、俺がアモンを襲うとか有り得んだろ」


そうだ。


俺はアモンを襲ってなどいない。


ただちょっと裸を見てしまっただ……。


「そぉぉれぇぇかぁぁ!?」


俺が叫んだ事で2人がびっくりする。


ひとまず、アモンにはアンドレアルプスが勘違いした理由を話した。


アモンは話が進む度に顔を赤くし、しまいにはアンドレアルプスの首を締め始めた――。


「って、締まってる! 早く手を引いて!」


アンドレアルプス地味に白目向いてたから!


落ち着いたアモンは先程と同じようにアンドレアルプスに声をかける。


「それで、貴女はこれからどうするつもりなのですか?」


「私は……私は! アモン様についていきます!」


アモンの眉間にしわがよる。


「取り込まれていたとはいえ、ご主人様(マスター)に敵意を向けた者を、私は連れて行く気がありません。そのまま魔界へ帰りなさい!」


アンドレアルプスは泣き出しそうにこちらを見ている。


助けてあげますか?


……どこのRPGじゃ!


「なあ、アモン。悪魔の同時契約ってできるのか?」


「できないこともないですが……多くの人間が同時契約を嫌っているのは確かです」


なるほど、できはするのか。


「アンドレアルプス、お前償いをしないか?」


「償い――ですか?」


「あぁ。俺の仲間を殺した償いとして俺と契約しろ。そしたらお前を大好きなアモン様の近くにおいてやる」


アンドレアルプスの顔が悲しみから驚き、驚きから歓喜に変わった。


「します! このアンドレアルプスを駒のように使ってください!」


いや、駒のようには使わないからね?


ちゃんと人権あるよ?


あ、悪魔だから悪魔権か。


「交渉成立っと。んじゃ、早速契約しますか~」


その一言を聞いて、了解しました! とアンドレアルプスは地面に魔方陣を描く。


……魔方陣が描き終わり、魔方陣の中に俺と()()()アンドレアルプスがいる。


「ってなんで全裸なんだよ!?」


「契約は全裸で行うものですよ?」


なるほど、全裸で行うものなのか。


って嘘だろ!?


「あ、あなたは脱がなくていいんですよ?」


「いや、脱がねーよ!」


さっさとはじめてほしいものだ。


契約の仕方は簡単。


魔方陣の中に主従を契約するもの同士が入り、主人になるものが従者になるものの心臓に近いところを触れて、従者が術式(スペル)を唱えていく。


ただそれだけ。


「しかし、心臓に近いところって何処だろうな?」


「胸ですね」


「……はい?」


「胸です」


「ごめん、もう一回。聞き間違いかも」


「おっ○いです」


「なんで言い方変えたの!?」


どうやら、もう逃げ場はないらしい。


これは契約に必要なことだ。


仕方ない……仕方ないんだ。


魔方陣の中で俺は、アンドレアルプスの胸に触れる。


それを確認したアンドレアルプスは術式(スペル)を唱える。


主従魔術起動(アクティベート)我契約ニ従イ(コンタルタント)汝ヲ主人トスル(メイクユーザマスター)


魔方陣が炎に包まれ、俺たちを飲み込む。


我如何ナル鬨モ(アイメターマッチ)主人ニ忠誠ヲ誓ウ(マイハウスベンド)


術式(スペル)が終わったのか、周りの炎は四散し、魔方陣も消えていた。


ご主人(マスター)! 右手をご覧ください!」


アンドレアルプスに言われてみてみると。


赤の紋章が青の紋章の横に追加された。


「こっちの赤いのが私ので、青いのがアモン様の紋章です!」


なるほど、契約すると手の甲に紋章ができるのか。


「あとは、私に名前をください!」


「名前ならあるじゃないか」


「契約したら新しい名をつけなくてはなりません」


横からアモンが教えてくれた。


確かに今の名前は長いな。


「じゃあ……アレアルなんてどうだ?」


「アレアル……うれしいです!」


ぴょんぴょん跳ねるアンドレアルプスことアレアル。


そんな姿を見て契約が終わったことに安堵していた。


だからこそ気づかなかった。


「タツヤ君。なんで、女の子の胸を触っているのかな?」


ゆっくり後ろを見るとそこには。


目のハイライトが消えた三月(みつき)が男の悪魔とも見える者と一緒にこちらを見ていた……。

出会ったふたりは険悪な仲!?

次回、再開編!

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