俺ステータスを再確認します
今回はステータス回です
魔獣士になった俺だけど、魔獣士って一体どんな職業なのかが分からん。魔獣を使って戦闘をするのか、魔獣を一時的に支配するのか、皆目見当がつかない。
「魔獣士って……聞いたことがありませんね。私もアレアルも知らない職業があるとは」
「いやー自分忍者ってユニーク職業っすけどここで別のユニーク職業保持者がいたとは~」
忍者の一言に俺たちは驚いてしまった。魔獣士がユニーク職業だって!? 詳しいことが聞きたいが、聞くことは阻まれた。周りの目が冷たくなっているのが分かる。それもそうだろう。美女が二人にかわいい幼女が一人、忍者が一人(しかも女子)に囲まれている男子がいるのだから。ひとまずはこの場から離れるのが最善だと思い、祭司にお礼を述べてから神殿を後にした。
――帝都マテーオ 市街地――
神殿を後にした俺達はこれからどうするかを考えていた。暫定未確認敵対生物の情報を得るには旅をしなきゃいけない。しかし、旅をするには資金が必要になる。資金を得るには仕事を見つけないといけない。
「どうしたものか……」
そんな一言が漏れてしまう。前やってたゲームでは酒場に言ったらクエストが発注されたりしたんだけどな。ここはゲームじゃない。なら何かないのか……。町並みは中世だ。もしもこの世界がもといた地球と同じような歴史を辿るなら。――中世? 中世には確か……。
「三月、俺たちの世界で中世に”ギルド”ってあったよな?」
「あー教科書で見たことある! あれでしょ、同じ職業の人たちで集まるやつ!」
「大まかにはそれでいいぞ」
つまり、ギルドがあれば、そこで仕事が得られるかもしれない。俺たちはギルドを探しに街を再び歩き始めた。
――二時間後 帝都マテーオ 商業区――
やっと見つけた。冒険者ギルド。ここなら俺たち向きだ。俺たちは早速、戸を開けて中に入ることにした。入った第一印象は、すごくきれいだということ。どう見てもマッチョマンや、ヤのつく自由業の方が入って行ったとは思えないほどだった。どうやら俺以外の奴も初めて入るらしい。ひとまずは受付らしき所にいって入れるかどうかを聞かないといけない。俺は、カウンターで日誌らしきものを書いている眼鏡の似合う青年に声をかけた。
「あの、冒険者ギルドに入りたいんですけど」
「入団希望者ですか? 少々お待ちください」
見た目通りの爽やかで対応もイケメンだった! 青年は奥に行くと何やら道具を持ってきた。それを俺の知っているもので表すと、顕微鏡を大きくした感じのものだった。
「お待たせしました。まずは入団登録をしますので一人ずつこの魔道具に触れて魔力を込めてください」
青年の言った通りに俺たちはその魔道具と呼ばれたものに触れて魔力を込めた。どうやら、魔力を込めることで内蔵されているカードに出力されるらしい。そのカードが身分証明書になるようだ。
「――はい、ありがとうございます。次に、同じように魔力を流してください。ステータスを出力します」
ステータスの反映がどうなっているのか楽しみである。初めは忍者がやるらしい。
―ステータス―
名前:ナツキ・カミカゼ
種族:人族
職業:忍者
力 :103
防御:78
魔力:273
素早さ:345
スキル
忍術:ユニークスキル。忍者の家系に生まれ、長年鍛錬を積んできたからこそできるもの。魔術とは別なので魔力を消費することは無い。また、ステータスの素早さに補正がかかる。
??の加護:真名が分からないがとある人物からの加護が備わっている。真名を解放することでより強力な加護を得られる。
「ユニーク職業ですか! すごいですね!」
青年は自分のことのように喜んでいるようだ。なんというか幼さが残っていて和む。次にアモンが魔力を注ぐ。
―ステータス―
名前:アモン
種族:悪魔
職業:悪魔、ヒーラー
力 :678
防御:655
魔力:2083
素早さ:609
スキル
アモンの権能:世界によって公開が許されていません。
狂化:自我の喪失と引き換えにステータスを大幅に上げることができる。この状態から抜け出すには主人の命令や意識の消失しかない諸刃の剣である。
身体変化:人型から魔物の姿に変化する。難点として必ず服が脱げてしまう。
「な、なんというか。色々突っ込みたいです」
青年はびっくりしていた。当たり前だ。唐突に悪魔なんて書かれてたらびっくりする。そんなことには興味がないのか、アレアルが魔力を注ぎ始めた。
―ステータス―
名前:アレアル
種族:悪魔
職業:悪魔 魔術師
力 :426
防御:636
魔力:1988
素早さ:466
スキル
アンドレアルプスの権能:世界によって公開が許されていません。
身体変化:人型から魔物の姿に変化する。難点として必ず服が脱げてしまう。
魔導:世界中の魔法の原点を内包している。経験を積むことで徐々に使えるようになる。
「もう何を見ても驚かないぞ」
青年は驚きよりもスキルを探すので忙しい様だ。次に三月が魔力を注ぐ。
―ステータス―
名前:ミツキ・イチヤ
種族:魔族
職業:魔王 召喚士
力 :45
防御:230
魔力:961
素早さ:653
スキル
王の威厳:魔王としての威厳。保持者の命令は絶対であり逆らうことは許されない。
バエルの権能:世界によって公開が許されていません。
同時演算:魔法を同時に起動、配置を行える。このスキルがある場合最大で25個の魔法を同時に使える。
「なぜ魔王がここに!?」
まあそうなるわな。さ、次は俺の番だ。
―ステータス―
名前:タツヤ・ヒダマリ
種族:人族
職業:剣士 魔獣士
力 :infinity
防御:468
魔力:777
素早さ:485
スキル
武器創造:武器を造ることができる。しかし、状況や使用者の能力を考慮したものしか出てこない。
純白飛翔翼:世界によって公開が許されていません。
禁忌ノ鉄槌:世界によって公開が許されていません。
アモンの権能:世界によって公開が許されていません。
アンドレアルプスの権能:世界によって公開が許されていません。
虚無:ユニーク魔術。世界で一人、光と闇の力の均衡が保たれている黄金比の人間のみ使うことができる。これは千年に一度与えられる祝福である。
称号
『悪魔使い』『闇と光に愛されたもの』『虚無の担い手』
空気が凍り付くのが分かった。俺の知らない間にチート能力つき過ぎだろう!!!
続
予め言うと主人公一行の能力がチートのように見えますが、暫定未確認敵対生物よりも全然弱いです。主人公たちは神と悪魔の力を得ているため世界によって選ばれています。これは世界の運命であり強者と戦うことで現実世界に帰ってきたときに社会の圧力に屈しない気持ちを造ることを想定しています。しかし、なんの援助もなく社会の圧力には勝てないので、その圧力を耐える為の援助をスキルとして出しています。彼らの孤児自立計画は順調に成功に向かっているようです。