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桃園の誓い
この国も、もうすぐ終わるだろう。
時は、後漢末のこと。
魏、呉、蜀の萌芽さえなく、群雄割拠の時代へと進みゆく。
大陸を2分するように流れる大河、長江より生まれた『漢帝国』は400年の永い刻を経てその命数を使い果していた。
官僚による腐敗政治、皇帝たちの贅沢な生活…。
その全てのしわ寄せは、民の生活を苦しめる鎖となっていた。
重税に苦しむ民は、土地を捨て流民となり荒れた地に溢れ返り嘆きの声がこだまする。
そして、黄の乱もなりその規模は次第に大きなうねりとなり乱れた世を引き寄せる。
それが乱世の始まりであった