スライム5
イベントと委員会と???
俺がOzを初めてから一週間、つまりOzオンラインサービスが始まって今日で一週間が経過した事になる。
今日、明日は休日で休み。部屋の片付けくらいで他にこれと言った用事は入ってない。
何時ものようにOzに入ると視界の隅っこに手紙のマークが点滅していた。
『ハロハロ〜、皆ダンジョンマスター生活は楽しんでくれているかな?
うんうん、楽しんでいるようだね。
さて、今日で君達がダンジョンマスターになって一週間が過ぎた訳だけど。そろそろダンジョンを出現させて見ようかなと思った訳なんです。
どうかな?一番、二番の君達は?まぁ出現に関してはボーナス特典も出すからそこまで心配しなくてもいいよ。
少なくとも直ぐに攻略されないような特典にするつもりだから。
まぁ廃人プレイヤーの力は計り知れないからね。後は頑張って!
それとダンジョンマスターも情報交換や色々な交流もしたいだろうからこんなものを用意したよ。後で確認してね。
ではでは、良きOzフリーライフを!
Oz運営委員会GMミミックより』
相変わらず掴めないというか、怪しさ満天なキャラである。
ミミックの事は置いといて、メールに同封されていた物を受けとろう。
「これは……鍵か?」
それは鍵の形をしたアイテムだった。
花園への入り口(R)
ダンジョンマスターが一人前となった証。コマンド『解錠』
入り口と解錠から多分何処かに通じる物だとは思う。
ミミックも交流や情報交換と言っていたし、恐らくその場所(?)でそういうことが出来るのだろう。
まぁ罠なんて事はないだろうから使って見ればいい。
「解錠」
鍵を取り出してコマンドを入れた。
ガチャっと鍵が外れる音、そして突如現れる両開きらしき扉。
勿論俺はこんな所に扉を設置していない。恐らく、この先に進めという事なのだろう。
俺は覚悟を決め、ドアノブを回すのだった。
扉の先は……ホールだった。
高い天井、大きな空間、そして多種多様な方々……
「いらっしゃいませ、お待ちしておりました」
扉の前で突っ立っていると横から声をかけられた。
いつの間に現れたのだろう。さっき見た時は居なかった。
見た目は清楚な受付嬢。でも……なんか違和感を感じる。
「どうぞ此方へ」
「あの……ここは何処なんですか?」
「ここはダンジョン運営委員会の本部です。主にダンジョンマスターのサポートや情報の管理、交流をはかる場所でございます」
受付嬢?に案内されたままホールを横切る。
本当に色んな人が居るな。犬耳や猫耳、尻尾を生やした人や翼がある人、ドラゴンがそのまま人間っぽくなったような人、果てには如何にもゴブリンというような緑色の肌をした小人や見たまんまな巨人まで……
本当に何でもアリだな。
「此方で少々お待ち下さい」
受付嬢に通されたのは小さな個室。
だが決して狭苦しさを感じをさせないソファーや机が置かれている。
これは座って待ってろという事なのだろう。
ソファーにゆっくり腰掛ける。
……驚いた!なんてフカフカなんだ、このソファーは。
何かの毛皮なのかフサフサした触り心地、それでいてもっちり優しく受け止めている座り心地。
欲しい……このソファー凄く欲しい。
「お気に召されましたか?」
はっと辺りを見回すと、そこには二つのカップを乗せた盆を持つ受付嬢の姿。
どうやらトリップしているのを見られたようだ。
穴が有ったら入りたい。そして埋められてしまえばいいんだ。
「そのソファー、実は委員会の中でも上位に位置するくらい高い品でして……天魔衆の一人が力説して取り入れた品なんですよ」
その天魔衆(?)の人とは仲良く酒が飲めそうだ。
「あの……天魔衆とは?」
「あぁすみません。今から委員会について話しますので、その中で説明します」
受付嬢は向かいに座ってカップを前に置いた。中味は珈琲のようだ。
「まず、私の名前はルイス・アルバウス。貴方のダンジョン受付のサポートをする者です」
そう言って胸ポケットから名刺のような物を取り出すアルバウスさん。
頭を下げて受けとると視界に『サポーターを承認しますか?』と出た。はいを選ぶと名刺はそのまま消えてしまった。
「えっと……アルバウスさん?」
「ルイスで結構ですよ。今ので正式に私は貴方様のダンジョン運営サポーターになりました。以後宜しくお願いします」
「こちらこそ、宜しくお願いします」
改めて頭を下げるルイスさん。美人に頭を下げられると申し訳無い気持ちになる。あれ、俺だけ?
「では説明の続きを……。私達ダンジョン運営委員会はダンジョンマスターをサポート、管理するのが主な仕事です。
そしてこの委員会のトップに立つのが天魔衆、10人の魔王のスキルを持つダンジョンマスター達です。
他にもダンジョンイベントを企画する者、ダンジョンでの不具合の確認や調査する者、連合を管理する者で成り立っています。
続いて施設についてお話しします。
まずはロビー。先程通ったあの場所です。
色々なダンジョンマスターが情報交換や交流等を行っていたりします。
また、待ち合わせや食事にぴったりなバーがあります。あそこの日替わりランチは名物になるほど美味しいのでこれも時間があればどうぞ。
そして二階、二階は商店階となっております。武器、防具に始まり、薬、魔物、果てには奴隷まで各種色々と揃えております。尚買い物は全てDPで取り引きされております。
また地下一階、地下は闘技場となってます。マスターやモンスター、奴隷が戦い、賭け事等娯楽が楽しめます。勿論、ここでの掛け金もDPです。
基本的に利用するのはこの3つのフロアだとは思いますが三階には会議室、四階からは委員会職員の仕事場になっております」
予想以上に本部が凄かった。
なんというか裏がこんなに凄いことになってるなんて……普通にプレイしていたら想像も付かないだろう。
「最後に掲示板についてです。掲示板とはダンジョンに居ながら他ダンジョンマスターと交流、情報交換が行える機能です。ボードに追加されていると思いますので後程ご確認下さい。説明は以上です。何か質問はございますか?」
質問か……特に無いな。
「それではお疲れさまでした。この後は自由にしてもらって構いません。
ですが、お帰りになられる際は私に一声お掛けください。
私は受け付けDカウンターに居ますので、何かご用が御座いましたらそちらにて……」
自由か……とりあえず色々見て回ってみよう。このソファーと別れるのは辛いけど……
まずはロビー。改めて見ても広い。受け付けカウンター内で忙しなく動く受付嬢、受け付けで並ぶ多種多様なダンジョンマスター達、バーは喫茶店みたいで今は軽食を食べたり珈琲を飲んでいるダンジョンマスターがちらほら見える。
次は二階、二階は一つの街のようになっており様々な店が立ち並んでいた。此方も人が多く、賑わっている。今回は少し覗くだけにしてまた今度ゆっくり見てみようと思う。
そして地下一階。
そこはまさに武道館。格闘技場のリングと観客席が用意されていた。
今は何もやってないようで静かだ。
さて、見るものは見たしルイスさんに挨拶して帰ろうか。
今日は他にもレベル上げや採取とかやりたいこともあるし。
「貴様!私と決闘しなさい!」
で、何故こうなった?
という訳でデュエルです。
謎のダンマスにいきなり挑まれたウッドペッカー。ダンマス初心者の彼は果たしてデュエルに勝てるのか?
次回:俺のターンは終わらない!(嘘)
スキルステータス
【ダンジョン作成Lv7】【支配者の祝福】【鞭Lv22】【料理Lv14】【体術Lv7】【魔力Lv7】【魔法:風Lv8】【視覚Lv12】【採取Lv8】【幸運Lv5】
控え
【鍛冶Lv1】【調合Lv14】【投擲Lv1】