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僕らが世界の裏のボス  作者: ツナネコ
5/6

スライム4

調合と料理と???



大学、バイトが終わった夜8時。帰宅した俺はご飯を簡単に済ませ今日もOzに潜るのだった。



今日は昨日手に入れた薬草と勇茸で回復薬を調合してみようと思う。


投擲を調合に付け替え、初心者調合道具を取り出しその中のレシピ本、調合術初級のページを捲る。


あった。回復薬の作り方。

ゴリゴリと薬草を乳棒で磨り潰しながら水を少しずつ加え、そこに微塵切りにした勇茸を入れ、煮詰める。


最後に濾せば回復薬の完成だ。


回復薬:ランク3

回復量11%


確かNPCの作る回復薬がランク2で回復量が10%だから、それより少しましと言った所だろう。



調合は一度すると簡略化出来る。勿論レベルが低ければ失敗もするし、ランクも平均値になってしまう。


今回は簡略化して6本、最初の奴を合わせて7本の回復薬を生成した。



次は料理だ。

昨日、料理スキルを調べる為に攻略板に行ってみた。


料理スキルを取ってる者は少数だが、このゲームには空腹という状態異常があり、それを補える便利なスキルと記されていた。


だが料理もNPCが格安で携帯食という料理を売っているため、不遇な扱いを受けているスキルの一つでもあるようだ。



昨日取った兎の肉を一つ取り出す。


まずは焼いて見るか。


スキルを調合から料理にして、初心者料理道具からフライパンとミニコンロを取り出し、火を付ける。


フライパンを温め、油を少量垂らし肉を投入した。



それから数分……


焦げた肉:ランク2

空腹1orー1


肉は焦げてしまった。

肉の色が変わるタイミングの見極めが難しい。


多分レベルが上がればちゃんと見極められるのだろう。練習あるのみだ。


肉を一口食べてみた。

焼きすぎて固い、焦げ臭い、炭が不味い。………うん、練習しよう。


残りを待機組のスライムに上げ、二度目、三度目と繰り返す。


最後の肉でようやくタイミングが掴めたようだ。



角兎のステーキ:ランク5

空腹2



一口食べてみるがそこそこ美味しい。味付けも可もなく不可もなくと言った所だろう。


料理スキルのレベルも上がったし、今度はもっと美味しいものを作れるようになろう。





さて、腹ごなしに外で採取と鞭の練習に行こうか。


『ビー、ビー侵入者です。侵入者です』


おや、侵入者が来たようだ。

ボードと唱え、画面をダンジョン内が映るように替えた。


入ってきたのは角兎、それと狩人らしき人間達だった。


ここにはプレイヤーはまだ入れない筈だから彼らはNPCなのだろう。


因みに角兎は彼らの少し奥でスライムまみれに……あ、角兎がやられた。






『ここは……』


『あぁ、もしかしたらダンジョンかもしれん』


『どうする、引き返すか?』


『……いや、報告するにも出現モンスターが分かった方がいいだろう』


どうやら二人はそのまま進むようだ。


まずは小手調べ、スライムを二匹向かわせてみよう。



『……何か居るぞ、気を付けろ!』


『あぁ、分かっている』


二人は弓を構え、スライムに向かって射る。


矢は吸い込まれるようにスライムに命中した。


『なんだ、スライムかよ』


『いや、気を抜くな。ここはダンジョンの可能性が有るんだ。スライムだって何かあるかもしれん』


二回、三回と矢を浴びて二匹のスライムは消滅した。


遠距離攻撃か……前衛が居ないし、物量で押しきるか。



よし、スライムには二人の後ろから襲うように、スラタンカーには洞窟の先で三匹づつ待機。侵入者が来たら放水で水を打ち出すよう指示した。


『……ッチ!後ろからスライムの大群か』


『10、20、それ以上か……ついてねぇ』


二人は走りながら矢を射る。

矢はスライムに当たりその数を減らす。


が、スライムの数が数だけに焼け石に水と言った所だろう。


『あぁもう!いったい何匹いるんだよ!』


『マーク、此方だ』


二人は右側の窪みに身を潜めスライムを遣り過ごそうとしている。


スライムはそれに気づかず先に行ってしまった。


『何とか撒いたか』


『あぁ、間違いねぇ。ここはダンジョンだ。早く報告しないと……』


『そうだな、直ぐに脱出しよう』



来た道を戻る二人。だが、出口付近には洞窟暫定エースのスラタンカー達が待ち構えている。


二人が近付くと放水で威嚇するスラタンカー。


『なんだこのスライムは!?』


『今のは魔法か?スライムが魔法を使うなんて聞いたこと無いぞ!』


次々と放水するスラタンカー。そしてそれをかわし弓で狙う二人。


が、疲労が溜まって来たのだろう。スラタンカーの攻撃を避けるのに余裕が無くなってきた。



そして……


『痛っ!かすったか!』


『大丈夫かマーク!』


『あぁ、足をやられた。へへ、どうやら俺はここまでのようだ……』


『何を……何をバカな事を言ってるんだ!』


スラタンカーの攻撃を転がって避けるマークはゆっくりと立ち上がった。


『俺があいつらに突撃する。その間にお前は外まで走るんだ』


その手には短剣が握られている。あれで接近戦をするつもりなんだろう。



『よせ!考え直すんだ。二人で突破する方法を……落ち着いて考えれば手がある筈だ。それにお前の帰りを待っているマウリアに俺はなんて言えばいいんだよ!』


『だが早くしないとスライムの大群が押し寄せてくるぞ。それに俺は足を怪我しちまった。足手まといだ。俺の事を思うなら早く応援を呼んでこい!ウオォォォ!』


『マーク!』


マークと呼ばれる男がスラタンカーに向かって突撃していった。


スラタンカーの放水を受けても尚、その足はスラタンカーへ走り続ける。


『行けぇ!アレス!』


マークの叫びと共にアレスが走り出す。


それを追うスラタンカーだがその前にマークが立ち塞がる。


『てめえらの相手はこの俺だぁ!』


手に持った短剣をスラタンカーに突き立てる。


だがスラタンカーは倒れない。そして無情にも三体はマークに向かって放水を繰り出した。


放水の威力で吹き飛ぶマーク。天井にぶつかり背中から地面に落下した。


そしてマークは動かなくなった。



『侵入者を撃破しました。これよりクールタイムに入ります』


クールタイムとして二時間、450DPの報酬を獲た。


更に今回のでスキル【ダンジョン作成】のレベルが5になった。


これによりランク2迄のモンスターとトラップが解放された。


早速ボードを操作して追加されたモンスターの中から召喚出来る者を探す。



泥沼に住み着くマッドスライム、暗い影に潜むシャドウスライム他数種のスライムが追加されていた。


とりあえずマッドスライムとシャドウスライムをそれぞれ2匹、更に沼地フィールドを追加する。


洞窟にシャドウスライムを、沼地にマッドスライムをそれぞれ送り、増殖するよう命じる。マッドスライムは見た感じ大きな泥団子。シャドウスライムはスライムの黒子みたいな感じだった。



トラップを見る前にちょっと一息。考えるのはさっきの侵入者達のこと。


アレスはあの後ダンジョンから脱出した。そしてマークは死んだ。否、俺が殺したんだ。


ゲームで人を殺したことなんて何度もある。中にはこれよりもっとグロテスクだったり、酷い殺し方をするものをやったこともある。


なのに何故あの二人の事考えるのか?

VRだからか?

それとも二人の設定か?


確かにVRではあるが、自分が直接手をかけた訳じゃない。

寧ろ自分は観客でこれは一種のショーである。それに相手はゲームキャラ、生きてない……あぁ、生きてないんだ。


設定だってこの二人とは比べ物にならない程悲惨な死に方をするゲームだってやって来た。


中には恋人を目の前で殺されて自分も殺されるなんて………思い出したら少し涙が………


ちょっと落ち着こう。

彼らはゲームキャラで侵入者だ。だから俺は退治した。いわば正当防衛だ。


考え方が現実的過ぎるな。

もういい、今日は止めよう。

モヤモヤするなにかを引き摺ってベッドに入る。


今日も楽しめたのだが……ちょっと頭を整理する時間が欲しかった。




戦闘シーンの描写が難しい。誰かコツを教えて欲しいな。


スキルステータス

【ダンジョン作成Lv5】【支配者の祝福】【鞭Lv12】【料理Lv10】【体術Lv5】【魔力Lv5】【魔法:風Lv1】【視覚Lv4】【採取Lv5】【幸運Lv2】


控え


【鍛冶Lv1】【調合Lv10】【投擲Lv1】


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