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私が家に帰ると部屋の中が散らかっている。
まただ。
同居人が隠しておいたハリのある素材をどこからか見つけ出してくるのだ。
それらが散乱している。
溜息を一つ吐き出し、片付けはじめる。片付け終わった頃に何事も無かったかのように同居人が現れた。
が今日はちょっと様子が違う。
何時もは傍若無人な感じの同居人がしおらしい。
私はちょっと警戒する。こんな時は何かあるはずだから。
すると何時もより甘えた声をだして私の側から離れない。ずっとついて回り、私が座ったら即膝枕。
頭を撫でながら何があったか聞くが、別の言語で喚くので何を言ってるかわからない。
どうしようもないので、頭を撫で続ける。
本当に今日はべったりだ。
寝る時間まで見ていて気が付いた。
今日は武器を研いでいないし、ごはんも食べていない。
調子が悪いとようやく気付いた。
だがもう深夜だ。翌日病院に引っ張っていこうと決めた。
目が覚めると同居人がベッドにいる。
そのまま一緒に寝てたらしい。そのことが調子の悪さを物語っていた。
暗殺者でも調子が悪いと気弱になり甘えるのだなと苦笑する。
昨晩決めた通りに病院へ引っ張っていく。
流石に辛いらしく大人しく従っていた。
結果は胃腸炎。なにか飲み込んでしまったのかもしれないが、レントゲンにも写ってないので断言はできないらしい。
薬飲みつつ様子見となった。
まあ重大な病気でなく安心した。
家に帰ると、何時もの傍若無人な態度。
病院で点滴打ってもらって楽になったらしい。変わり身の早さにびっくりだ。
まあ同居人らしいといえば同居人らしい。
何時もとは違った同居人に知らずにいつもより気を張り詰めていたらしい私は安堵したことで、必要以上に気を緩めていた。
そしてそれは突如として目の前に...