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TS魔女さんはだらけたい  作者: 相原涼示
95/211

86話 聖女と武具作成と進化

アルティレーネ「はい♪(*^-^) 皆さん(*´∇`)」

レウィリリーネ「PVアクセス!( ̄0 ̄)/」

フォレアルーネ「十万突破ありがとー♪ヽ(´▽`)/」

ティリア「わーわー♪゜+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゜」

アルティレーネ「十万……凄い数字です( ☆∀☆)」

レウィリリーネ「ん(゜ー゜*) と言うわけで、ここでお知らせ( ゜ー゜)」

フォレアルーネ「次回の更新で、記念の小話を投稿するよ♪(^-^)」

ティリア「あら( -_・)? 直ぐに投稿するわけじゃないのね?(^_^;)」

レウィリリーネ「ん(_ _) まだ書き終えてないらしい(;´A`)」

フォレアルーネ「あー( ̄▽ ̄;) なんか最近忙しいんだってさ~だから、来週は本編はお休みで、その記念の小話をって話だよ(^o^;)」

アルティレーネ「会社を辞めて執筆に専念したいそうですが、収入が得られなくなる~とか嘆いていました(  ̄- ̄)」

ティリア「はぁ~ε=( ̄。 ̄ ) 作者の近況なんて誰が聞きたいのよ?(,,・д・)」

アルティレーネ「それで、案の定と言いますか……やっぱりと言いましょうか( ̄▽ ̄;)」

ティリア「文字数すごくなって三分割したのよね……?(;´A`)」

フォレアルーネ「それを三日間連続で投稿するんだよね♪( *´艸`)」

レウィリリーネ「どんな話かはまだ内緒(ーωー)」

女神達「どうぞお楽しみに~♪ヽ(*≧ω≦)ノ」

────────────────────────────

【横並び】~しっちゃかめっちゃかな模擬戦~

────────────────────────────


 はい、みなさんこんにちは。聖女アリサが『無限円環(メビウス)』内から、みんなの様子をお届けにあーがりますよ~♪

 ただいま、『無限円環(メビウス)』内の訓練場では大変な事態が起きています。というのは、みんなが二チームに別れての大決戦を行っているから。いや、結構頻繁にこの二組に別れての大決戦……まぁ、模擬戦なんだけど。は、行われて来たので、そう珍しくはない。

 じゃあ、なんでそんな大袈裟に話すのかと言うとだね……


「もらったぜ皇帝さんよぉ! オラァッ!!」

「ウッソだろっ!? ぐああぁーっ!!」


ドッゴォォーンッ!! ピコーン♪


「くそっ! やりやがったな大地さん! お返しだぜ!!」

「ルヴィアス様の仇~♪ そーれっ!!」

「うげっ!? しまった! 突っ込みすぎた!?」


ザシュザシュッ!! ドッガァーンッ!! ピコーン♪


 遂にみんなの地力がルヴィアスとシェラザード達に届くくらいにまで上がって来たからなんだよね。

 始めの頃こそ、妹達すら圧倒していたその二人だけど……今ルヴィアスが『四神』の大地にぶっ飛ばされて、地面に叩きつけられ『死んじゃったぜカウンター』が点灯したところ。まぁ、その大地もゼルワとももちーの連携攻撃の前に斬り刻まれてからの横っ腹に痛烈な一撃浴びて、同じくカウンターがピコーンした。

 と、まぁ~魔王のルヴィアスを下す大地も、冒険者のゼルワとももちーに倒されたりして、みんながみんな、その実力が横並びになってきたんだよ。そんなもんだから……


「はっはっはーっ! いただきマンモスさんしょのきぃ~でっすよぉぉ!! まとめて吹っ飛びんさい! 『マジックフレア』!!」

「やらせません! 『魔力障壁(マジックシールド)』!」


フィィィーン……ズドォォーンッ!!


「いいわよサーサ、よく防いだわ! アリス! 無駄に派手な魔法は隙が大きいって教えたでしょう!?」

「その派手な魔法のおかげでっ!」

「なっ!?」


ザシュッ! ピコーン♪


「キャアアァーッ!!」

「貴女の懐に飛び込める!」

「ナイスぅ↑ ビットさーん!」


 アリスのド派手な爆裂魔法をサーサが咄嗟に防いで、シェラザード達を護るものの、その注意がアリスに向けられた一瞬の隙に、ビットが距離を詰めており、一閃。シェラザードもカウンターがピコーンした。

 いやぁ~おっかねぇことぉ~これ『無限円環(メビウス)』内だから安心して見ていられるけど、実際にはマジの殺し合いだぞい? うん、まぁ……だからこそ『新しい鍛錬方法』なんだけどさ……


「まぁまぁアリサ姉さん。おかげでみんなとんでもなく強くなってるんだからいいじゃない?」

「あ~ティリア。あんたから見てどうなの? みんな魔王に対抗出来そうかな?」


 一応、私とティリアはこの模擬戦の審判役というか、監視人みたいなポジションで、見学中なのだ。私がひぇぇ~って、おっかながってるところにティリアが声を掛けてきたので、聞いてみる。


「……まだ、難しいわね。ポコは封印されてるから除外するとしても、ディードバウアーの圧倒的な暴力、リドグリフの脅威的な武術、ロアの絶望的なまでの物量……これらに真っ向から対抗するとなると……」


 ティリアの真剣な表情に私は息を飲む。予定ではその三柱の魔王に対し、私達は三方面作戦を決行するつもりでいるのだ。つまり……

 『獣魔王ディードバウアー』に対し、フォレアルーネとリンが率いる部隊が一つ。こちらには魔女の私が変身魔法で『人猫(ワーキャット)』となり、黒フードの連中を誘き出す。

 『技工神ロア』には、レウィリリーネとシドウが率いる部隊を出す。恐らくこの部隊が最も数多くの戦士が必要になるだろう。聖女の私もこちらに参戦する。

 『武神リドグリフ』は『白銀』がその意地と誇り。前世からの因縁を掛けて挑む。こちらにはアルティレーネが随伴するものの、手出しはせずに戦いを見守る事になった……反対したんだけどね。


「勿論一人ずつ相手出きるならそれに越したことはないんだけど……最悪、同時復活なんて事も考えられるから」

「そうだね、その上で手を組まれたらもっと厄介になっちゃう。先んじて復活するだろうポイントに部隊を派遣しとくのはアリだわね」


 都合よく魔王達が一体一体順番に復活して~なんてのは甘い考えだろう。最悪の事態を想定して動かなければ手痛い目に合ってしまう可能性が大きい。


「オラァ! 行くぞアイギス! いつまでもスランプだのなんだの抜かすんじゃねぇ! 大将のレジーナをぶっ飛ばす!」

「了解だゼオン! リールとフォーネの相手は任せるぞ! 私はユナイト殿達を叩く! 『光の一閃(レイブレード)』!」


シュバアァァーンッ!!!


「ユナイト小隊散開! 我等相手に一人で挑むか? 舐めてくれるなよアイギス殿!?」


 おっと、今じゃ当たり前のように『飛行魔法(フレイ)』で飛ぶゼオンとアイギスが、相手の大将であるレジーナに向かって行くぞ? そのレジーナの前に立ち塞がるのは、リールとフォーネにユナイト率いるグリフォン軍。ゼオンはリールとフォーネに狙いを定め、アイギスは持った剣を一閃して剣閃を飛ばし、ユナイト達をバラけさせる。


「ふっ。ゼオン、大将自らが敵陣に飛び込んでくるとはね、そんな危ない橋を渡る者に国の舵取りが出きるのかい!?」

「はっ! 相変わらず保守的な女だなレジーナ! んなだから嫁に行けねぇんだぞ♪」


 おうおう、ゼオンや~そのセリフはレジーナだけじゃなくて、リールとフォーネも敵に回すぞ~?


「なな、なんだとぉ~! 僕の気持ちも知らないで! 怒ったぞゼオン! ジュン君、やってくれたまえ!」

「あおおーっ! 合点だぞー! 覚悟するんだぞユグラー!」

「えーと、ゼオンさんはイケイケの女の子がお好きってことで!」

「やだー! ゼオンさんのスケベ~♪」


 ……いや、楽しそうだね?


────────────────────────────

【はがねのつるぎ】~中盤での主力武器だったよね~

────────────────────────────


「すげぇ……昨日までのスランプは何だったんだよアイギス?」

「ふふっ、やはりお前は俺の好敵手(ライバル)だ」


バリバリッ! 


 その全身からスパークが弾けるように、『神気』を迸らせて、膝をつく『黒狼』達の前に立つアイギス。セラちゃんとバルドくんが昨日までのスランプ状態のアイギスと、今の実力の違いを驚いている。

 ゼオン軍とレジーナ軍との模擬戦の後。敗北を喫したレジーナ軍の『黒狼』のメンバー達が、昨日までのスランプ状態だったアイギスの、今日の獅子奮迅っぷりに称賛の声をあげている。


「……ゼルワにサーサ、ドガと……レイリーアも……かなりの……伸び……」

「そうねデュアード。一体何があったの?」

「はぁはぁ……特にアイギスさんの実力が格段に上がっていますよね~?」


 そう、何も一皮剥けたのはアイギスだけじゃない。他の『白銀』の面々も、昨日とは段違いにレベルアップしていた。

 地に座り込むデュアードくんと、シェリー。そして息も絶え絶えのミュンルーカが『白銀』達に何があって、そうまでいきなり地力が上がったのかを聞いているね。

 いやぁ~私もびっくりだ。まさか一日でここまで伸びるなんてね。


「あー……俺達、女神様から試練みてぇなのずっとうけてんだよ」

「理想の自分が夢に現れて、心を折りにくるっていうやつなんですけどね?」

「夕べはその夢に儂等の前世が出おってなぁ~」

「そそ、もう~これでもか! ってくらいに鍛え直されたわ」


 ゼルワとサーサが『聖域』に来たときに、妹達から課せられた試練の事を説明し、ドガとレイリーアがその夢に変化があった事。前世の自分達が現れて、鍛え直された事を話す。

 どうやら、かつての勇者一行も彼等に力を貸してくれたようだね。魔王に対抗するために今まで必死で鍛えてきた『白銀』達に夢の中で、その仕上げみたいな事してくれたんだろう。


《凄まじい。我の記憶の中の勇者達を既に超えたように見える》

「マジかよゼーロさん! やっぱアイギスさん達『白銀』はすげぇぜ!」

「うん! 昨日は凄く心配しちゃったけど、転んでもただじゃ起きないアイギスさんは凄いね!」


 その見違えるレベルアップに驚くのは、『黒狼』達だけじゃない。『聖域』の面子もみんな、模擬戦での彼等の奮闘を見て、往々に驚いていた。ゼーロの言うように、今やアイギス達『白銀』はアーグラス達を超える実力にまで昇華した。ブレイドくんとミストちゃんもそんな彼等に手放しで喜んでいる。


「ああ……あの小さかったアイギスがこんなに立派になって……母は嬉しく思います」

「うむ。最早言葉もない……叶わぬと思っていた息子の成長を、こう間近で見れるとは……」

「ですが……困りましたね。アイギス様達の武具が……」


 セレスティーナ様とガルディング様もアイギスの成長っぷりに感無量の様子だね、少し涙ぐんでいる。そしてリリカさんが困ったっていうのは、今もその粉々に砕けたアイギス達の武具の事だ。


「私がここまで来れたのは、他ならぬアリサ様。そしてアーグラス達、今いる皆のおかげです。ご心配をお掛けして、本当に申し訳ありませんでした」


 しばらく、砕けた剣をぼーぜんと見て呆けていたアイギスが、我を取り戻し、みんなに向かって頭を下げた。でも、その表情は複雑だ。多分、武具が砕けちゃって、どうしよう? って内心焦ってるんだろうね♪


「……長年苦楽を共にした相棒だったのですが、残念です」

「アイギス殿の神気に耐えられなかったのだな……しかし、物を大切にするのは良いですが、命を預ける物でもあります。定期的な見直しは必要でしょう?」


 うん、落ち込むアイギスの気持ちもわかるんだ。だけど、ビットが言ってる事もわかる。アイギスはその鋼の剣を長年愛用して手に馴染むまで使い込んで、後は技量とかで凌いで来たんだろう。でも、流石に限界だったみたい。


「俺達のも、もう駄目だな……ボロボロだぜ」

「うぅぅ、この魔弓『閃弓(レイ・ボウ)』気に入ってたのに……」


 ゼルワとレイリーアも刃が折れたナイフ、割れた弓をしょぼぼんと見て呟く。

 よく見れば、他のみんなの武具も毎日の激しい訓練で全部ボロボロだ。『聖域』の面々は自前の爪だの角だのを持ってるから問題ないんだけどね。


「そうだ~♪ ねね、アリサおねぇちゃん! 『世界樹(ユニ)』の樹皮とか樹木からみんなに良い武器作ってあげられないかな?」

「おぉ~それなら私の鱗とか爪とかも使うか?」


 私の『引きこもりハウス』からご飯だと呼びに来たユニも、話を聞いてそんな提案をしてくる。それに名案だと、賛同するゆかりも自分の鱗とか爪を素材に提供してくれるそうだ。


「我と兄者の爪や鱗も使って下さるか?」「そろそろ角の手入れもせねばならんからのぅ」

「お、それなら俺もちょっと爪伸びてきたし、こうして……あぐあぐ、ふんっ! ホラよ使いな!」


 爽矢とシドウも快く素材を提供してくれる。大地もそれなら、と、前足の爪をおもむろに口に咥え、あぐあぐした後、爪の表層部を引っこ抜いた。あー、これアレだ。猫が伸びてきた爪の表層を引き剥がすやつだ。爪切り嫌がるミーナを放っておいたら、今の大地と同じ動作でひっぺがしてたのを見た覚えがあるよ。


《ならば我も》《ワタクシも》《私のもどうぞ》

「僕の鬣とか羽とかも使えますか?」「余の抜け毛とかも使うかアリサ様?」


 おおお? アレよこれよと言う間に私の前に色々積み重ねられていく『聖域』の面々達の素材。これは私がみんなに武具を作るのが決定されたようなもんじゃん? まぁ、いいんだけどさ。みんなの命を預ける大切な物を私が作らなきゃいけないっていう、プレッシャーがちょいと重いってばよ?


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【神器の行方】~『探索班』再始動~

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「ティリア様。アーグラスに授けたと言う『神剣レリルティーネ』は、今何処にあるかご存知でしょうか? 夢に現れたアーグラスも知らないそうで、貴女様に聞けと……」

「あー、それナーゼも言ってたわね。魔王と戦うならあった方がいいわよって」


 私が山積みにされた素材を見上げて、どうしてくれっぺなぁ~なんて考えてると、アイギスとレイリーアがティリアに、勇者達に授けた神器の行方を尋ねている。


「ん~ごめん! 実は私も知らないのよ。多分『聖域』のどっかにあるとは思うんだけど……最後にアーグラスと魔神が戦った場所ってのが『聖域』だしさ……」

「他の神器についても、申し訳ありません。私達は戦いの最中に顕現出来なくなってしまったものですから……」


 聞かれたティリアとアルティレーネは、本当に申し訳なさそうに『白銀』達に謝っている。まぁ、しょうがないよね。かなりの大決戦だったみたいだし、妹達だけじゃなく、『懐刀』に『四神』達もズタボロだったらしいから。


「んじゃアレだ! 『聖域』に戻ったら魔女のアリサ姉に『検索』かけてもらってさ、探しに行くのはどう?」

「ん。良い考え。『探索班』としても活動するといいよ」


 ちょっと暗い雰囲気になりかけた所で、流石のムードメーカー。フォレアルーネが明るく提案する。確かにそれは良い考えだ。レウィリリーネも言ったけど、『聖域』の探索を目的とした私達の『探索班』は何かと忙しく、活動出来ずにいたからね。これを期に『聖域』で採れる諸々ってのも探してみようか。


「おっほぅ~♪ んじゃんじゃ、アリス達『聖霊ズ』と『白銀』の皆さんで『聖域』探索でっすねぇ~♪」

「わぁーい♪ ユニ楽しみだよぉ~! ミーナちゃんも嬉しいよね?」

「うなぁ~ん?」


 アリスもユニも嬉しそうだ。ミーナはよくわかってなさそうだけど、考えてみれば……『ユーニサリア』に転生して、『世界樹(ユグドラシル)』とかの呪いぶっ飛ばして、アイギス達の訓練とかして、街行って洞窟入って魔王ぶっ飛ばして、帰ってきたら今度は北に飛んで~って……


「まともに冒険するのって……実は初めてかもね」

「そう言えばそうなりますね……申し訳ありませんアリサお姉さま……」


 苦労ばかりお掛けして……って、しょんぼりアルティだ。私はそんなアルティレーネの頭を優しく撫でて、大丈夫だよって微笑む。そうすればほら、安心したんだろう。ありがとうございますってにっこり笑顔を見せてくれる♪


「えっと、『ユーニサリア』じゃまだお昼頃だし、まだまだ時間はあるね。取り敢えず、妹達と一緒にみんなの装備作ろうって思うから、明日はお休みにしようか?」


はーい!


 久し振りの休日のお知らせに元気よくお返事するみんなだ。今まで数ヵ月、ぶっ通しでお勉強に訓練頑張ってたもんね。たまにはいいだろう、しっかり休んでちょーね?

 うん、流石に全員の武具を私一人で作るなんて無理だからね。妹達に手伝ってもらって頑張ってみようと思う。


「……凄まじい性能の装備が出来そうですね」

「とんでもないよこの素材……冒険者だったらSランクでも、手にする事出来ないくらい?」

「えへへ~魔王さんを粉砕する日が待ち遠しいですね~♪」


 あんぐりとお間抜けに口を開けて、ほへぇ~って素材を眺めるのは『猫兎(キャットラビット)』のネネちゃんとミミ。ももちーはウキウキで新しい武器で魔王をぶん殴る気満々の様子。いやいや、ももちーってばちっちゃくて可愛い見た目と裏腹に好戦的なんだから……精々おっかない武器を作るとしますかね?


「流石にアリサ様達に任せきりにしてしまうのは忍びないです。僕もお手伝いさせて下さいませんか?」

「そうですね。僕もオルファさんと同意見です。是非とも手伝わせて下さい、ついで、ではありますが……もし、値段を付けるならどれ程になるかも調べたいですし」

「へへっ! ラグナースの兄ちゃん、きっと値段なんて付けられない程の伝説級の武具になるって! アリサ様~ボクも手伝うよ~♪」

「おやおや、では僕も手伝わせて頂こう! 雑用でも何でもご用命願うよ、アリサ様!」

「……あんた達、まさか狙ってないよね?」


 いやね、手伝う~って申し出てくれるのは嬉しいのよ? だけど、何でかその全員が「僕」揃いだった。多分オルファとラグナースは間違いなく善意で言ってくれてるんだろう。ルヴィアスから帝国の魔法師団は魔装具も作ってるって言うし、ここで私達を手伝いつつ技術の向上を図りたいって考えてるんだと思う。

 ラグナースは『聖域』の御用商人として、私達が作ろうとしている武具の価値を見出だそうとしているようだし。


「アハハ! ボクはどっちもだよ! でも、レジーナ姉ちゃんは絶対ノリで言ってるよね?」

「おやおやおや! 何を言うんだいパルモー君! 僕はちょっとゼオンよりも良い武具をご用意頂きたいなぁって思ってるだけさ!」


 パルモーは善意半分ノリ半分、レジーナはさっきの模擬戦でゼオンに負けたのが悔しかったのか、ちょっとでも優位に立ちたいとか思っているのかな?


「アリサ様。この流れ、僕も加わるべきですよね!」

「カイン、あんたまで……」


 ブルルッ! って鼻を鳴らして嬉しそうにカインまでよってきた。まったく、みんなしてノリがいいと言うかなんと言うか……まぁ、そんなみんなに明るい笑顔が飛び交っているので、嬉しいんだけどね♪


────────────────────────────

【人化の術】~え、アリアも?~

────────────────────────────


「丁度良い! その休みを利用して『人化の術』を授けるぞ?」

「あおぉっ!?」「うぐっ!? そう言えば忘れておった……」


 いい機会じゃ! と、珠実がジュンとリンに目をやり、『人化の術』を教えるって伝えると、ジュンとリンは如何にも「忘れてた!」って顔して驚いた。


「おお! 珠実様~僕も僕も、受けさせて下さい!」

《遂に俺っちも人の姿になる日が来たのだぜ!》


 その言葉に嬉しそうな顔を見せるのは、以前から『人化の術』を学びたいと願っていたカイン。そして、『偵察部隊』を率いる予定の鳳凰だ。


「うむ。取り敢えずは主等四体に授けるとしよう。他に希望者がおれば、妾から学んだ事を教えてやるのじゃぞ?」


 何も『人化の術』を使えるのは珠実だけじゃない。シドウも、『四神』達も使えるからね。覚えたことを、人に教えるとなると、また新たな発見があったりするものだし、伝達教育はいいかもね。


ゴソゴソゴソッ!


「ん? なんかミーにゃんポーチが動いてる?」

「なんだろね? 開けてみようよアリサおねぇちゃん!」


 珠実の前に集まる四体を見てたら、不意に腰のミーにゃんポーチがごそごそと動き出す感覚。一体なんだろ? ユニと一緒にちょっと不思議がっていると、開けて見てと、ユニが言うので、一度腰から外して、目の前に置き開けてみる。


ポポーンッ!


「うわっ!? アリア!?」

「ビックリした! どうしたのアリアちゃん、なんか慌てて飛び出して来たみたいだけど?」


 ミーにゃんポーチの口を開けた途端、勢いよくアリアが飛び出して来たので、私とユニは驚いて声をあげてしまった。そのアリアはくるくるその場で回り、私達に頭? を下げた? のかな? すると、珠実の側に飛んでいく。


「ん? アリア?」

「アリサ様の箒でしたよね? どうしたんでしょう?」


 ポカーンってしてる私とユニの側にレウィリリーネとシェリーがよってきて、どうしたのか聞くんだけど、私もわからない。


「おお? アリサ様のアリアじゃの? なんじゃ、お主も『人化の術』を学びたいのかえ?」


コクコクッ!


 珠実の問いに、その棒状態の体を縦にして、頷くアリア。そっか、以前……『ユーニサリア』じゃ夕べに私が言った言葉を聞いて、機会を伺っていたのか。


「アリア殿もアリサ様とお話がしたいんだわ、きっと♪」

「武器が人の形をとるのか……うーん、私のこのボロボロになった剣が人となったら……怒られそうだ……」


 その様子を見て微笑むカレンに、刃こぼれでボロボロの剣を見ては苦笑いするバロードくん。うむむ……その言葉に私は今までアリアをだいぶ酷使してきたなぁって思い、少し不安になってしまう。箒にして空飛んだり、杖にして集塵装置付けてみたり、果ては剣にして強敵とぶつかったり……


「ヤバイ……私も怒られる気がしてきたよ」

「よーくーもーこきつかってくれましたねぇ~?」

「ますたぁ~許しませんよぉ~」


 ひええっ!? って、恨みがましい声に驚いて振り返れば、そこには……


「あはは♪ なーんて言われちゃうかもしれませんねぇアリサ様♪」

「まぁ、だいじょーぶだとはおっもいまっすよぉ~? マスターは心配性でっすね♪」


 リリカさんとアリスがいた。もー! 脅かさないでよ!?


「問題ありますまい。アリサ様がアリア殿をどれだけ大事になさっているか……」

「端で見ている私達もよくわかりますわ」


 アリスとリリカさんにちょっとぷんすかして、ユニとカレンにバロードくん。レウィリリーネにシェリーがクスクス笑う中、バルガスとネヴュラもやって来た。うん、私なりに大事に扱っているつもりではあるんだけどね、やっぱり不安になるのよん?


「もしアリアが『人化の術』で人の姿をとるのを見たら……今までみたいに使える自信ないなぁ~その点も踏まえて色々作ってみるかな……」


────────────────────────────

【おや、『四神』達の様子が】~『進化』の時~

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「じゃあ、アルティはバルドや、セラ、バルガス、デュアード達っていった、剣や斧、槍とかを受け持って」

「はい。ティリア姉さまフォローお願いしますね?」

「ん。あたしはネヴュラやシェリー、オルファ達みたいにスペルユーザー系の杖とかを作る」

「うちはナイフとか、ミミっちゃの扇かぁ~ナイフはともかく、扇なんて作るの初めてだよ!」


 はい、そんなわけで妹達を連行……もとい、みんなの武具作成に手伝わせて、早速役割分担しています。このために急遽創造した『錬成場』は、『アリサさんの引きこもりハウス』のすぐ隣に設置した。

 『聖域』にある、私達のお屋敷に似せて作った引きこもりハウスと違い、こちらは飾り気のない、シンプルな豆腐ハウスだ。白い大理石で囲んで、簡素なドア。窓を二、三ヶ所取り付け、内部には木製のスクエアテーブルに丸椅子を私達の人数分置いただけ。

 神様である妹達は、私のアリアや、魔女服、聖女服といったように、魔力、或いは神気を形に無から作り出すっていう、まさに『神の御業』で物を作り出す事が可能だが、やはり素材の有無と言うのは大きく、レウィリリーネが魔装具を作る時、わざわざ素材を用意してから作るのはそう言う理由でもある。

 この『無限円環(メビウス)』内に限定しちゃえば、私もイメージ魔法無しで、無から作ることは可能だけど、折角、みんなが素材として使ってくれって色々用意してくれたので、頑張って作るよ!

 妹達が受け持つ武器種は各々が口にした通り、私は『白銀』達がそれぞれの神器を見つけ出す迄の繋ぎの武器を作る事になった。

 繋ぎ。とはいえ……正直妹達が作った武器に劣るってのは、悔しい……寧ろ神器を見つけて、「なんだ、こんなもんか~アリサ様が作ってくれた方がいいや!」って言わせたい! なーんて些細な対抗心を燃やし、『白銀』のみんなに合った武器の素材を細かに鑑定していく。さて、まずは誰の武器を作ろうか?


「それにしても、『聖域』の神獣だの聖獣とか、神鳥、霊長はては龍にドラゴン、『世界樹(ユグドラシル)』の素材に、私達女神が自ら作り上げる武器ねぇ~」

「ん! サーニャに授けた『神杖リーネリーネ』を超えるの作る!」

「もう、みんなうち等の家族も同然だもんね! サイッコーの仕上げて見せるよ!」


 うんうん。ティリアがはへぇ~って用意された素材を見て、感心したように話す。その表情は嬉しそうでいて、どこかワクワクしてるようにも見える。

 レウィリリーネも、フォレアルーネも魔王と戦うために頑張ってくれているみんなを、大事な家族として見てくれているね。ふふ♪ 一緒になって訓練して、ご飯食べて、色々おしゃべりして~って生活を続けて行くうちに親睦も深まったんだ。


「もう二度とアーグラスさんのように犠牲を出すなど、しませんし! させるものですか!」


ドサッドサドサ!


 見繕った素材をテーブルに置き、決意を口に、その瞳に闘志を宿すアルティレーネも気合い十分だ。妹達は悲劇を経験した分、今回の戦いにおける意気込みも凄まじい。こりゃあ私も負けてらんないぞ?


「そうね! よし、防具の類いは私が請け負うわ。私達でとんでもないぶっ壊れ性能の武具作って、絶対に魔王共をぶっ飛ばしましょう! 寧ろ強すぎてギャグになっちゃう勢いで!」


 あっはっは! それいいね! ティリアの言葉に私達は笑顔で答える。魔王がワンパンでぶっ倒れるようなギャグ漫画みたいなのやってやろうじゃん!


「よし、じゃあ今こそ『イメージ魔法』の本領発揮だね! やるぞ~♪」

「アリサ様ぁーっ!!」


ドターンッ!!


 ぶふっ!? なんぞ!? いざ武器作りって意気込んだタイミングで、フェリアが血相変えてこの『錬成場』に飛び込んできた!


「フェリア? あんたがノックもしないで飛び込んで来るなんて、何があったの?」


 普段から礼儀正しい優等生のフェリアが私達のいる部屋にノックもしないで入って来るのはおかしい。酷く慌てた様子からして、何か問題でも起きたのかな?


「大変なんです! 『四神』の皆様が! 兎に角おこしください!!」

「なんか緊急!? うち等も行くよ!」「ん。直ぐに!」

「行きましょうアリサお姉さま! ティリア姉さま!」


 よくわからないけど、『四神』達に何かあったみたいだ! 言うが早いか、動くのが早いか、私達は急いで訓練場にいるという『四神』の元に繋がる『転移陣(ワープポータル)』へと駆けた。


「うぐああぁぁーっ!!!」「ぐうぅぅーっ!!」

「おお!? 大地!? 爽矢!? どうしたの!?」


 訓練場に駆け付けて、真っ先に目に入ったのは、苦しそうに地面にうずくまる虎と龍。大地と爽矢の姿だ。その横には小さなミドリガメの水菜と朱の鳥、朱雀の朱美が横たわっている。まさか、死んで……!? なんて不吉な予想が脳裏を掠め、私は顔を青くする。


「軽く素振りでも、と、訓練場に来てみたら既にこの状態でして、ただごとではないと思いアリサ様達をお呼びにあがった次第です!」


 なるほど、これは慌てるわけだ! 一体どうしたんだろう? 水菜と朱美は横たわっているもののその身体が呼吸で、上下しているから死んじゃったりはしてないみたいだけど、ねぇ妹達?


「これは! そう言うことですか……」

「ん。アリサお姉さん、フェリア。安心していい……」

「ビックリしたぁ~何事かと思えば……」

「うん。そっか『四神』達も遂にこの時が来たのね」


 え? え? なんぞ妹達よ? めっちゃ冷静だけど『四神』達に何があったかわかるの!?


「大丈夫じゃ魔女よ、ああいや、今は聖女であったな……」

「シドウ! あんたいたんかい? で、『四神』達は一体どうしたの? 苦しそうだけど、助けなくていいの!?」


 あわわ! って慌てる私とおろろって困り果てるフェリアを見て、「大丈夫」と答える妹達に、いつからいたのか、シドウも姿を見せて私達に安心するように促す。


「うむ。『四神』共は今『進化』を果たそうとしておるのじゃよ」

アリサ「うーんσ(´・ε・`*)」

アルティレーネ「あら(´・ω・`)? どうされたんですかアリサお姉さま?(・-・ )」

レウィリリーネ「どんなの作るかで悩んでる?( ´ー`)」

フォレアルーネ「あー( ̄▽ ̄;) うちも悩むよぉ~どうするべ~?(゜∀゜;)」

ティリア「そうね~(´-ω-`) 一言でぶっ壊れ性能って言ってもピンキリよね(^_^;)」

アリサ「うむ!(°▽°) やっぱりアレしかないっしょ!?(*´艸`*)」

アルティレーネ「お決まりですか?(^ー^)」

レウィリリーネ「どんなの(・_・?)」

ティリア「ちょっと参考にしたいし、教えてほしいわ(´・∀・`)」

フォレアルーネ「アリサ姉の考えたぶっ壊れ性能の装備とは~?o(^o^)o」

アリサ「ふふふ♪(  ̄▽ ̄) あの名作の二作目の裏技でできる、ぶっ壊れ武器!ヽ(*´∀`)ノ」

ティリア「あ、またゲームから引っ張ってくるのね?(;^∀^)」

フォレアルーネ「いや、マジに参考になるとこあるし(_ _) バカに出来ないよ?(^∇^)」

アリサ「その通りだよフォレアくん!(^0_0^) 最高の攻撃力を持ってるけど、呪われてる剣と( ゜Д゜)ノ 攻撃力はとっても低いけど、一度に二回攻撃出来る剣ヽ(´・ω・`*)」

アルティレーネ「ふむふむ(゜ー゜)(。_。)」

アリサ「これをくっつけると~ヽ(・ω・)ノ」

レウィリリーネ「低い攻撃力の呪われてる剣?(  ̄- ̄)」

アリサ「なんで悪いとこくっつけんの!?Σ( ̄□ ̄;) 逆でしょレウィリちゃんや!(。・`з・)ノ」

アルティレーネ「つまり、最高の攻撃力を持った一度に二回攻撃出来る剣。と言う事でしょうか?(*゜∀゜)」

ティリア「え、ちょ……マジ?( ; ゜Д゜) あの二作目にそんな裏技あったの?(・・;)」

アリサ「うん、原作限定の有名なバグ技でね(´・∀・`) 防具にも応用出来るんだよ、火の耐性は高いけど防御力がちょい低い服と、最高の防御力だけどやっぱり呪われてる鎧で~とか( ・∀・)」

ティリア「あ、アリサ姉さん(*´▽`*) ちょっと詳しく教えて、じゅもん残してたと思うのよ(ノ≧∀≦)ノ」

アリサ「いいよ~♪(*´∇`*) 遍在存在の方でやるんだね?(*´艸`*)」

アルティレーネ「……え?(゜д゜)」

レウィリリーネ「……行っちゃった、ね?(・・;)」

フォレアルーネ「ちょーいっ!?Σ(゜Д゜) 武具作りどーすんのぉ~!?Σ(゜Д゜;≡;゜д゜)」

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