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TS魔女さんはだらけたい  作者: 相原涼示
74/211

閑話 風雲! アリス城! ~伍~

ティリア「あうぅ(TДT)もう五日目ってウソでしょう?(>д<*)」

アリス「あぁ~お正月がぁ~お休みがぁ~。・(つд`。)・。」

ユニ「でもまだ続くこの特別番組~♪(*^▽^*)」

アリサ「無事に第四関門を突破したアイギス!o(*⌒―⌒*)o」

アルティレーネ「続くレイリーアさんは果たして!?(*´艸`*)」

レウィリリーネ「ん( ´ー`)注目注目♪(*´∇`*)」

フォレアルーネ「さぁ~はっじまるよぉ~♪゜+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゜」

────────────────────────────

【エプロンドレス】~見れぬお宝~《アリスview》

────────────────────────────


「嬉しいぃ~♪ マスターから新しい衣装をプレゼントされるなんて! アリス感激でっす♪」

「あらら? 早速着ちゃうの? 言っておくけどそれは水に弱い生地だから気を付けてね?」


 うっひょいうっひょーい♪ マスターの試作した新しい~お洋服にお着替えしてめっちゃごっきげーんのアリスでっすよぉ~? にゅふふ、マスターってばなんてお優しいんでしょう! 賭けに敗けたアリスにこーんな素敵なお洋服を用意してくれるなんて!

 そのお洋服。全体的に空色のワンピースに真っ白いエプロンの着いた『エプロンドレス』っていうそーでっす! 白の膝丈ソックス、シンプルな青いパンプスと青地に白のフリルが着いたカフスとチョーカー。同じくリボンの着いたカチューシャと! 今までのモノクロアリスが一変でっすよぉ~♪


「あ~聞いてないわね。まぁいいか、うん。悪くないね」

「素敵ですアリサお姉さま! では、これから仕上げにかかるのですね?」

「ん♪ 可愛い。あたしも手伝う?」


 マスターとアルティレーネ様、レウィリリーネ様が何かご相談されてまっすけど、新しく頂戴した可愛いお洋服に袖を通したアリスはうっきうきのハイテンションなので、全然気にもならねぇーのでっす♪


「次はレイリーアだが……悪いことは言わんから大人しくこれを穿け!」

「え、フェリアちゃんこれって何、ズボン?」

「レギンスですわレイリーアさん。スカートではきっと観衆を悦ばせる結果になりますから。まぁ、恥をかかない自信がおありならそのままでも構いませんけれど」


 おっとぉ、次にこの『レウィリリーネ海峡』に挑戦するレイリーアさんがフェリアちゃんとネヴュラんママから何やらズボン? みたいなの受け取ってまっするよ? あー、なるほど! それをスカートの下に穿くんでっすね?


「ななっ! なんて余計な事をしてくれるんだぁーっ!? 聖魔霊の親子よ、貴女達は我々のささやかな希望を奪うと言うのかぁぁーっ!!?」


そーだそーだぁぁーっ!! 折角お宝が拝めるって思ったのにぃーっっ!!


「だまらっしゃい。このスケベども」


あ、ハイ……


 うははは! まったくしょうのない連中でっすねぇ~♪ きっとレイリーアさんが橋から落ちそうになったときに、そのスカートの中がバッチリ見えちゃうってことを期待してたんでしょーけど。ぷくく♪ マスターの一括でその淡い期待も潰えましたよぉ~?


「……穿きます。よぉし! 行くわよ、アイギスに負けてらんないわ!」

「くおぉぉっ!! 残念無念っ! 我々の希望は失われたぁーっ! レギンスを身に付け鉄壁のガードを手に入れたレイリーア! 今、第四関門に挑むぞぉーっ!!」


わあぁぁーっ!! 頑張れ頑張れぇーっ!!


「きゃあぁーっ! ゆ、揺れる揺れすぎぃーっ! 怖い怖い!」


 にょほほ! これこれ! これっですよぉ~アリス達が期待してた反応は! ぐらんぐらん揺れる橋にキャーキャー悲鳴をあげておっかなびっくり進むレイリーアさん。ふっふ、頑張ってくださいよぉ~?


「ひえぇ~この上更に妨害がくるんでしょ? ヤバイってぇーっ!」

「あはは♪ そのとーり! そーれ、いくよぉぉ~?」


ボヒュボヒューッ!!


「キャーっ!? や、やめてぇーっ! マジ! マジ怖いって!!」

「さぁーっ! いよいよ妨害が始まったぁーっ! レイリーアの悲鳴がこの海峡に木霊する! 頑張れ頑張れ! レイリーアぁーっ!!」


きゃー! こわーい! うおおぉーっ! 見ててハラハラするぜぇ~!


 いいですね! いいですね! 集まった皆さんも手に汗握って注目してまっす! まったく、あのむっつりんはあっさりとクリアーしちゃってからに! もっとレイリーアさんみたいに場を盛り上げるパフォーマンスってのを覚えてほしいもんでっすね!


「あっ痛……くはないわね? でも、あぁぁーっ!!」


うわあぁぁぁーっ!!? あぶなぁーいぃ!!?


 ぐるりんっ!! エアリアルが放った妨害ボールに当たったレイリーアさんがその衝撃で、少しバランスを崩しちゃいました! その少しがこの橋には問題で、なんと一回転しちゃったのでっす! 観衆達も思わず悲鳴をあげちゃいます!


「ひ、ひえぇ~! ヤバイ、これはヤバイわ! とにかく、このゴールボールをお腹に入れて、イタタ! 腕がヤバーイ! ダイエット足りなかったかしらぁ~!?」

「あ、あ……危なぁーいぃっ! ギリギリ! ギリギリ耐えているぞレイリーア! 片手で橋にぶら下がり、ゴールの条件のボールを服にしまいこんで……おぉぉーっ!? 橋に両手が掛かった! 頑張れレイリーア! そのまま橋に乗れればまた再開出来るぞぉーっ!!」


 おっほぅ! ナイス根性でっすレイリーアさん! 落っこちそうになりましたけどなんとかよじ登り橋上に復帰しました! でもまだ半分は残ってまっするよん~♪ 渡りきれまっすかねぇ?


「やるじゃ~ん♪ でもでも、まだ妨害は続くよーん?」

「うふふ、私達三体の同時攻撃」

「くらっちゃうか? くらっちゃうよなぁ!?」


 シルフ、エアリアル、ジンの妨害者三名がここで一斉攻撃を仕掛けました! レイリーアさんは「うそでしょーっ!!」って叫び、その身にペシペシペシーッ! って、ボールを受けます!


「うきゃあぁーっ!?」

「ああぁーっ!! なんと言うことだぁーっっ!? 一度落ちそうになりながら懸命のファイトで復帰したレイリーアだが! ここで妨害三人衆の一斉攻撃の前にっ!!」


ぼよよーんぼよんぼよーん!


「むねぇぇーんっ!! 落とされてしまったぁぁーっっ! レイリーア! ここで挑戦権を一つ失ったぁぁーっ!!」


 衝撃吸収安心安全マットにぼよよーんって落っこちたレイリーアさんでっす! むっふぅ~やっぱり難関でっしゃろーい? でもでも、やっぱり冒険者だけあって結構いいとこまで行きましたねぇ~これはいっそ難易度をわけて部門別とかにした方が皆さんも参加しやすくなるかもしれません、後で女神様達と相談しましょう。


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【ユニもやってみたい】~色んなコース~《ユニview》

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 あ~ん! 惜しかったねぇレイリーアお姉ちゃん! うぅ~でもでもあのぼーがいのボールはむつかしそうだよぉ~きっとユニだったらすぐに落っこちちゃう!


「み、見ていて凄くハラハラしました! はぁぁ~すごいなぁレイリーア。私じゃ絶対無理ですよあんなの……」

「あ、やっぱりサーサちゃんもそう思うの? ユニもユニも♪ でも~一回やってみたいよねぇ~♪」


 えへへ~♪ ってユニと同じ感想を言ったサーサちゃんににこーって笑いかけると、なんでだろ? アリサおねぇちゃん達がざわざわって感じで集まりだした。


「アリス、ティターニア。そして妹達よ」

「「は、はい!」ですわ!」

「えっと……流石にユニが参加するのは~」「あ、危ないです!」

「ダメだよ~ゆにゆにが参加するにはまだ早い!」


 ええぇーっ!? むぅーっ! ユニもやってみたいのにーっ!!

 アリサおねぇちゃんがアリスちゃんとティターニアちゃん。そして女神様達に声をかけると、アリスちゃんとティターニアちゃんはお返事して、女神様達の方を見る。ユニが参加してもいいのかどうかの判断を仰いでいるんだろうね。でも、残念なことにティリア様もアルティレーネ様もフォレアルーネ様も揃ってダメーっ! って言うの!!


「あー女神様方~マスターにティターニアも。さっきのレイリーアさんのチャレンジ見てて思ったんでっすけども……かくかくしかじか。かくのしかしかぽんぽこりん……」

「ほうほう~挑戦者別に難易度をわける。いいじゃんそれ♪」

「そうね。テストプレイではみんな結構苦戦してたけど……」

「今回のアイギスさんのようにあっさりクリアーしてしまう方もいらっしゃいますし……」


 アリスちゃんの提案にアリサおねぇちゃん、ティリア様にアルティレーネ様がうんうん頷いてる。なんでも、ユニみたいに小さい子でも、気軽に挑戦することの出来るむつかしさにしたり、サーサちゃん達みたいな体動かすより魔法が得意な人達のコースとか用意するのはどうか~? ってお話ししてる! ワクワク♪ ユニも色んなゲームが出来るのかな!?


「ん。とても良い。ドワーフコースとかもあっていい」

「うふふ、そうなりますと賞品はお酒ですわね♪」

「あはは! 道中もお酒が沢山出てきそうだね! へべれけで城をを狙うのだ♪」


 レウィリリーネ様とティターニアちゃん、フォレアルーネ様の言ってるドワーフコースをちょっと想像してみる。


「まず、ゲーム開始前に「景気づけじゃあーっ!」ってお酒飲むよね?」

「うんうん。ユニちゃんドガなんてそのまんまですよ!」


 ユニの想像を口に出して側にいるサーサちゃんに聞かせると、サーサちゃんはその通り! って頷いてくれる。


「で、ゲームに勝てば「祝いじゃーっ!」って言ってお酒飲むよね?」

「ええ!」

「負けても「やけ酒じゃーっ!」って、やっぱりお酒飲むよね?」

「うんうん!」

「そしてゲーム中にもお酒が出て、お城を攻略した賞品もお酒!」

「はい! そして最後に「宴会じゃーっ!」って言って、やっぱりお酒飲むんですよ!」


 あははは!! 何をやっても、何処に行ってもやっぱりお酒が出てくるんだね! ドワーフコースって面白いかもしれないよ!?


「ぶふっ! 一緒に想像してたら笑っちゃった♪ お酒飲ませて走り回らせて全員べろんべろんに酔っ払った状態でこんなゲームやらせたら、面白いかもしれないけど、危ないわよ?」

「安全面の配慮に必要以上に気を遣うかもしれませんけれど……ふふっ! 確かに楽しいゲームになりそうですね♪」


 アリサおねぇちゃんもアルティレーネ様も、お酒飲んで騒ぎながらアトラクションをがんばるドワーフの姿を想像したんだね! 楽しそうに笑ってる♪


「ん、でも注意。酔っ払いには理屈が通じない。暴れたりするのも絶対出てくる」

「だいじょーぶ! そんなことしたらもう二度とこのゲームの参加資格を剥奪するぞ? って釘刺しとけばいいよ!」


 レウィリリーネ様がお酒に酔った人達は危ないって! でも、フォレアルーネ様はそんなことしたらもう参加させないってきびしーお仕置きするってさ! あはは♪ ユニもアリサおねぇちゃんから酔っ払いには近付いちゃ駄目よって言われてるよぉ~。


「今回はアイギスさん達『白銀』の五人だけですけれど、もっと人数を募ってチーム戦や個人戦等を開催するのも楽しいのではありませんこと?」

「あ、ティターニア様! それいいですね♪ あぁ~これを『セリアベール』で冒険者対抗戦とかやったら……ふふっ! とっても盛り上がりそう♪」

「流石に街にまでこれを持って行くのは……大混乱になるよね? でも、前世の番組だと親子集めてたり、女の子だけで~とかもあったし、色々考えられそうだね!」


 ティターニアちゃんの意見は面白いかも! きっとこのアトラクションって大人数でわーっ! てやると凄く楽しそうだもんね! サーサちゃんの街には冒険者さんが沢山いるって言うからきっと盛り上がるよね! でも、アリサおねぇちゃんが言うには、街にこの設備持って言ったら大騒ぎになっちゃうって! そうだよね? この『聖域』にどどーんって出てきた時もみんなが大騒ぎしたもんね。

 

「親子達でとか、女の子達だけでとかもあるんだ? えへへ~それならユニはアリサおねぇちゃんとペアで参加したいなぁ~♪」

「ユニ~っ! やろう! やりましょう! ほらアリス、ティターニア! 即座に用意しなさい!」

「ちょいっ!? アリサ姉ぇ落ち着いてよ!?」

「もぅ! アリサお姉さまったら、ユニにはあまあまなんですから!」


 あはは! も~アリサおねぇちゃん~嬉しいけど今はアイギスのおにぃちゃんとレイリーアちゃんが頑張ってるとこだよぉ~♪ ふふっ♪ フォレアルーネ様もアルティレーネ様も慌てて止めてきちゃったよ。


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【やるじゃないか】~海峡突破!~《フェリアview》

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「確かにこの関門は難しいわね~今回の主催って言うか城主? ってアリスちゃんなんだっけフェリアちゃん?」

「ああ、そうだぞ。あの破廉恥アイギスを懲らしめてやるのだと息巻いていらっしゃる」


 海峡に一度失敗し、少し休憩中のレイリーアが城におられるアリサ様と女神様達の様子を映すモニターを見ながら私に問いかけてきた。アリサ様達はどうやら、このアトラクションを今後どのように運営していくかについて話し合っておられるようだ。


「だから『アリス城』なのね、うーんサーサが言う冒険者達にやらせるなら……高ランク冒険者コースってとこかしらね?」

「あら、ではSランクの皆さんから下はどのランク迄になりそうなのでしょう?」

「ん~そうね。Bくらいじゃないかしら?」


 ほうほう、なるほどな。第一関門の『城壁』、第二関門の『迷いの森』、第三関門の『にゃんとわんだぷぅ』、そして第四関門の『レウィリリーネ海峡』といずれも一筋縄では行かない関門ばかりだと思ってはいたが、やはり一般的ではないよなぁ~? 母上の質問に答えるレイリーアによれば、冒険者でもB~Sランクと言う高ランクの者達用の難易度だそうだ。


「もういっそのこと城主の違いで難しさを変えればいいんじゃないかな~?」

「あら、シルフさん。それは中々に名案ではありませんか?」

「お? ならあれか? わかりやすいのがレウィリリーネ様が城主になれば、魔法使いコースとかか?」


 ふむ。確かにシルフが何気なく言ったそれはエアリアルも名案と思ったように、私もそう思う。ジンがレウィリリーネ様を例に挙げてみると、ああ、確かにわかりやすいかもしれないな!


「なんて案が出ておりますわ皆様。如何でしょうか?」

「一考に値するわね! ありがとう参考にしてみるわね!」

「この話始めるとえっらい時間食っちゃうね、ほれほれ~レイリっち~いつまでも休憩してると失格にするぞ~ぅ!?」


 母上がその話を女神様達に報告すると、ティリア様が参考にしてくださるそうだ。よかったなお前達! そしてフォレアルーネ様が一度話を保留させ、ゲームの再開を促してくる。


「ですってよ? レイリーアさん、よろしいかしら?」

「よーし! じゃあ二度目のチャレンジ行きますかぁーっ!」


わあぁぁーっ!! 負けるなレイリーアぁーっ! 頑張れ頑張れレイリーア!


 ふふっ! 一回目の挑戦ですっかり観衆の心を掴んだようだなレイリーアは。大した人気だ。


「ドワーフコースがあるならエルフコースも是非作って頂きたぁぁーいっ! さぁーっ! 始まるぞぉーっレイリーア二回目の挑戦だぁぁーっ!!」

「おぉ~! 頑張れよレイリーアーっ! 俺達も応援してるぜ~♪」

「酒飲みながらじゃがのぅ~♪ わはははっ!!」


 まったくアイツ等は仕方のない奴らだな!? 真面目に応援してやらんかゼルワにドガよ!?


「うぬぅ~! あの二人~何を美味しそうに酒を楽しんでんのよぉ!? 後でゲンコツよ!」


 うむうむ、そうしてやれそうしてやれ! ほら、ゴールボールだ、受け取れ。


「へへーん♪ また落っことしてやるからねぇ~レイリーア!」

「うっふっふ♪ 頑張って下さいね!」

「うわはは!! 楽しいなぁ~!」


 よしよし、妨害者達も配置に着いたぞ!


「ふっふっふ♪ 今度はさっきみたいにはならないわよぉ~? アタシがキャーキャー言ってたのは……」

「さぁーっ! 皆が配置に着いたぞぉ~レイリーアの第四関門、二回目の挑戦……スタアァァートォォーッ!!」


ダッ!!


 駆けた!? 正気かレイリーア! そんな勢いで突っ込んだらあっという間にバランスを崩して落下するぞ!?


「なにぃぃーっ!? 正気かレイリーアあぁーっ!? あろうことかこの不安定な橋を走り抜けようと言うのかあぁぁーっっ!!?」

「ふふんっ! 二回挑戦出来るのはありがたいわ! だって一回は試せるんですもの! アタシはねぇ弓使いよ~? 何処に足を置けばいいかさえわかれば、これ以上に細い木の枝から枝に移動して相手を狙い射ちだってやってみせるわ!!」


 おおっ!! 凄いぞレイリーア!! 成る程、最初の挑戦では色々と試していたのだな? キャーキャーと騒いで見せたのはパフォーマンスと言うことか? いや、もしかしてあれもまたお前の素ではないのか?


「は、速い! このぉーっ!? 当たれーッ!」

「えいっ! えいえいえいっ!! あ、当たりません!?」

「むおぉ!? 何故その不安定な橋をそんなに勢いよく走れる!?」


 ヒュンヒュンッ!! ヒュヒューンッ!!

 妨害者の連中が投げ付けるボールは、その悉くが空を切るばかりで、橋を勢いよく走るレイリーアにはかすりもしない!


「ゴオォォールゥッ!! クリア! クリアーだレイリーアぁぁーっ!! これはスゴォォーイッ!! 流石はSランク冒険者と言ったところかぁーっ一回目の挑戦は何だったんだぁーっ!?」


ワアァァーッ!! 凄いスゴーイッ!!


「ハハハ! ありゃレイリーアの素だぜ? アイツは楽しみながらも色々()()()んだよな」


 ふふっやはりそうか。ゼルワが言ったその一言で納得できたぞ。中々に大した奴だ。


────────────────────────────

【いよいよですね】~最終関門~《アルティレーネview》

────────────────────────────


「ふふっ! お待たせアイギス! 一人ぽつーんって待たされて寂しかったかしらぁ~?」

「ふっ……そんなことはないさ。お前がキャーキャー騒ぐ姿を楽しませてもらっていたさ」


 お見事でした。どうやら彼等『白銀』の皆さんは私達が思っている以上に成長しているようですね。海峡に掛かる橋を渡った先で合流されたアイギスさんとレイリーアさんを見れば、まだまだ余力を残している様子。これなら二回の挑戦権など不要かもしれません。


「いやぁ~やるねぇあの二人! これは関門五つじゃ物足りなかったかな?」

「確かにね~でもフォレア、そうは言っても他のはまだ調整中でしょ? って次はなんだっけ?」


 フォレアとティリア姉様がモニターを見ては私と同じように感心されています。これまで四つの関門を乗り越え残ったのが二人、私としては結構良いバランスではないかと思いますけどね。『レウィリリーネ海峡』が思った以上に簡単に攻略されてしまったのは、予想外です。


「ん。次は最終関門『フォレア池』だよ?」

「あ~、もしかしてあれかね? 池に浮かぶ石を足掛かりに渡りきるヤツ? その足場になる石はいくつかダミーがあって、それに乗るとボチャーン!」


 うふふ♪ 正解ですアリサお姉さま。レウィリの少ない言葉でそこまでわかってしまうのですね? まぁ、元にしたアトラクションがアリサお姉さまが生前にいたマキナの世界の物ですから、すぐにお気付きになったんでしょう。


「あのゲーム凄い人気あったのよね! ふふ、ティターニア、彼女達の準備は出来てる?」

「ええ! 勿論ですわティリア様! ナイアデスとネレイデス達、ウンディーネにセルキー達も張り切っておりましてよ♪」


 最終関門『フォレア池』の仕掛人である、妖精達に水の精霊ウンディーネがモニターに映し出され、私達に手を振って微笑んでいます。ふふふ、先程アリサお姉さまが仰ったダミーの足場石。それは彼女達によってランダムに入れ替わるのですよ?


「長かったようでいて短かったようでもある……ここまで来たかアイギス! レイリーア! 遂にその姿を我々の前に現した最終関門!! その名も『フォレア池』だぁぁーっ!!」


ウオオォォォーッッ!!!


「見よっ! 行く道塞ぐその広大な池を! 見よっ!! その先に悠然と聳え立つアリス城をぉーっ!! 君達は遂にここまで来た! この池を乗り越え、アリス城に囚われたアリサ姫をお救いするのだぁーっ!!」


わああぁぁーっ!! やんややんや~♪ 頑張れ~♪


 ふふふ、盛り上がっていますね♪ 結構結構! アリサお姉さまは、ああ、いえいえ。アリサ姫はそう簡単に渡しませんよ? 来れるものならおいでなさい! ふふっ! なんだか悪役って楽しいです♪


「えっと、きゃぁ~助けて~? とでも言えばいいのかしらね?」

「あいっかわらずのセリフ棒読みだぁぁーっ! ありがとうございますアリサ様ぁーっ!」


 うっせーやい!! って怒鳴るアリサお姉さま♪ ふふふ、別に言わなくても構いませんのに、恥ずかしがりながら言った一言を司会のエルフにからかわれて、お顔を赤くして照れていらっしゃいます。


「お任せ下さいアリサ様! 今このアイギスが参ります! このような池などなにするものか!!」

「おぉーっとぉ!? 早くもアイギスが飛び出したぁーっ!?」 


ダダダダーッ!! ピョンピョンピョーンッ!! ドッボーッン!!!


「そして落ちたぁぁーっ!? 何やってるんだお前はぁぁーっ!? まだルールの説明すらしていないぞぉーっ!?」

「げほげっほ!! し、しまった……私としたことが!?」

「あんた馬鹿じゃないの!? ここまで来てなにやってんのよ!? もっと慎重に進めば良いでしょう!? 見てなさい!」


 あらあら? あららら? なんだかもう勝手に始まってしまいましたね? 勇み足で突っ込んだアイギスさんが、池に浮かぶ足場石のダミーを見事に踏み抜き、勢いよく池に落ちては大きな水柱を立てて戻って来ましたよ。

 そんなアイギスさんを叱りつけたレイリーアさん。アイギスさんとうってかわって慎重に一つ一つの足場石を確認しながら進んでいます。


「あ、ああ~取り敢えずだ! アイギスは早々に挑戦権を一回失ったぞぉーっ!? 因みにこの『フォレア池』に与えられる挑戦権は一人三回だ!」

「おぉぉ、あっぶねぇ~よかったなアイギス。一発で失格じゃなくてよ?」

「馬鹿ですか!? リーダーならもっと考えて動いて下さいよ! バカイギスって呼びますよ!?」


 うふふ♪ そうです、この関門は結構運が左右するので三回挑戦出来るんですよ。ゼルワさんが言うように、本当によかったですね? あと二回残っていますから次はサーサさんのアドバイスを参考に冷静に進むと良いですよ?

 ……ですが、慎重に慎重にゆっくり進んでいるとぉ~。


「ほらほらぁ~いつまでものんびりしてないで早くすすみなよぉぉ~?」

「えっ! って、キャアァーッ!?」


ヌボオォォーッ!!


「うおおーっとおぉぉーっ!!? び、びびったぁぁーっ!? 慎重に足場となる石を確認しながら進むレイリーアの目の前に、水面から何かがせりあがって来たぞぉーっ!?」


うわあぁぁーっ!!? なんだあれぇーっ!? ってーよく見りゃセルキーじゃねぇか!!?


「オウッオウッオーゥッ♪」「きゃははは♪ びっくりした? びっくりしたぁ~?」

「なんとぉーっ!? 確かにセルキーだぁぁーっ! ナイアデスが頭にセルキーを乗せて浮かび上がってきたのだぁーっ!! まったく司会の俺っちも驚いたぜぇーっ!?」

「びっくりしたわよぉーっ!? ってキャアァーッッ!?」


 ガシィッ!! レイリーアさんの乗る足場石の水面から、ニュッと人の手が伸びてきて、彼女の細い足首をガシィッと掴みました!


「今度はなんだぁーっ!? レイリーアの足首を掴む何者かがこの池に潜んでいるぞぉーっ!?」

「つぅ~かまぁ~えたぁぁ~♪ おいでおいで~レイリーアちゃあぁぁーんっ!!」

「キャアアァァーッッ!!!」


ズルズルズルズルーッ!! バッシャーンッッ!!!


な、なんだぁーっ!? 一体今何が起きやがったぁーっ!?


「なんと言うことだぁぁーっ!? レイリーアが池に潜む何者かによって引き摺り落とされたぁぁーっ!?」

「ぷっはぁぁーっ!? な、なんなのよ一体っ!?」

「あははは!! ざーんねんざーんねん♪ これで二人とも一回失敗ですよ~だ!」


 うふふふっ!! こうなるんですよ! まるでお手本のように引っ掛かってくれてありがとうございますレイリーアさん♪


「ああぁーっとぉ!? お前らネレイデスじゃねーか! 海のニンフが何で池にいんだよ!? 司会の俺っちも聞いてねぇんだけどぉぉーっ!?」


ワアァァーッ!!


 いいですねいいですね! 司会のエルフにも内緒にしていた、謂わば隠し玉的なネレイデスの登場に場が騒然として盛り上がっています!


「海でも池でも泉でもなんでもいいんですよ♪ あはは、種族差別みたいな事言う貴方も一緒に落としてあげましょうか~?」

「えっんりょっしまぁぁーすぅ! さぁーっ! これでアイギスとレイリーア、二人とも一回づつ挑戦権を失ってしまったぞぉぉーっ!? 残り二回! 頑張れ二人ともぉーっ!!」


────────────────────────────

【運任せ】~いや、そうでもない?~《フォレアルーネview》

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 あっはっは! いやぁ~おっかしいわぁ♪ アイギっちもレイリっちも、もうお約束みたいに綺麗に罠に嵌まってくれちゃって! 主催側としてはこの上なく嬉しいよ! あ~もっと参加者増えないかな!?


「くっ! こうなると武装は枷にしかならんっっくしょいっ!!」

「ひえぇぇ~風邪ひいちゃうわーっ! せめて体拭くものちょーだいよぉ~クシュン!!」


 おっとっと! こりゃいかんいかん。参加者のケアもしっかりしてやらないと、ティタっち~サラマンダーとか火の子達をおねがーい。


「オプション、行って。『温風魔法(ドライヤー)』、『暖気上昇(ウォームアップ)』」

「おおっと! いつ見ても鮮やかぁっ! アリサ姫の箒。アリアをを模したオプションがびしょ濡れの二人を素早く乾かし、更に暖かい空気をプレゼントだぁーっ! いやぁ~やはりお優しい! なんと言う気配り! これに応えなければ男じゃないぞアイギスぅーっ! 女として負けになるぞレイリーアぁーっ!」

「やかましいわよ! この司会エルフ!!」


 おぉ~流石アリサ姉~すかさずオプション飛ばしてフォローしてくれたよ! ありがとー助かるよ♪ 司会エルフの言う通りホント気が利くよねぇ~? でもってレイリっちはそんなに怒らないで~だいじょーぶだいじょーぶ! ここにいる大抵の女はアリサ姉に負けてるからさ♪


「ありがとうアリサ姉さん。挑戦権が二回以上あるゲームは挑戦者に対するフォローも考えないといけないわね。今後の課題にしましょう」

「ん。了解」

「畏まりましたわ! 今後はサラマンダーや、フェイ達を現場に待機させておきますわね!」

「あはは♪ あの池をおんせんってのにしちゃえばいいんじゃないかなぁ~♪ ユニ、アリサおねぇちゃんと一緒に入りた~い!」

「あぁ、それは良いですね。落ちる池が温かければ、体を冷やして体調を崩される事もないでしょうし」


 ティリア姉もアリサ姉にお礼してる。うんうんってうちとレウィリ姉が頷いて~ティタっちは火の精霊サラマンダーと、魔法が得意なフェイ達を現場待機させておいて、さっきのアリサ姉のように落ちちゃった挑戦者のフォローに回ってもらうみたい。

 でも、ここでゆにゆにからかなりナイスなアイディアが! 温泉! いいじゃーん♪ 『フォレア池』から『フォレア温泉』に改名しようかな!?


「有難い! 感謝しますアリサ様!」「ありがとう! アリサ様すっかり暖まったわ!」


 お。どうやら復活したね二人とも! ふふふ~さぁ二回目の挑戦だよ! うちの池はレウィリ姉の海峡のように甘くないかんね! 覚悟せいっ! ふはは♪


「さぁーっ! アリサ姫のおかげで身も心もぽっかぽかになったアイギスとレイリーア! ここで二回目の挑戦だぁーっ!」

「ゼルワよ、オヌシこの関門をどう見る? 儂は何回挑戦しても無理そうじゃわい」

「いやぁ~コイツは難しいぜ? あの足場石のどれがダミーかわかんねぇし、モタモタしてればさっきのレイリーアの二の舞だろ?」


 そうでしょそうでしょー? ドガっち達ドワーフには足場と足場の間の距離がちょっと遠いかもしれないね。そもそもドワーフには向いてないゲームだとは思うよ。うん、ゼルワっちはよくわかってるねぇ~このゲームは運が一番勝敗を左右するのだ!


「ちょっとアイギス、武装を脱ぐのはいいけどなんか勝算はあるの? あ、また『おーぎの歩方』があるのね!?」

「ない」


 えー……って、アイギっちの答えにガックリ肩を落とすレイリっち。にゅふふ! そうそうあんなチート技があってたまるかーい!


「いや、あるにはあるが……単にまだ私は使えない……」

「結局駄目じゃないの!?」


 うぇっ!? あるんかい!? ちょいアリサ姉!?


「難しいけどあるわよフォレア。剣聖剣技・奥義の歩方『圧縮』を使えば、仕掛人に渡ったって事すら認識させずに渡りきる事が可能だけどね……まぁ、今のアイギスにはまだまだ使えないから安心していいよ」

「もう達人コースとか作ってそっちでやってもらった方がいいんじゃないでしょーかぁぁーっ!!」


 おうふ……メルドレっちってやっぱすげぇ~。うちが思わずアリサ姉を見たら、察したアリサ姉からそんな説明がされたよ。まぁアイギっちはまだまだそれ使えるレベルじゃないってわかって一安心だけど、もし使えてたら企画倒れもいいとこだもんね!

 さぁ、剣とか盾、鎧を脱ぎ捨てたアイギっちが二回目の挑戦だ! 注目しよう!

シルフ「あ~(>_<")二人とも抜けられちゃった!(≧口≦)ノ」

エアリアル「悔しいですね!(*`Д´*)」

ジン「むぅぅ~!( ・`ω・´)次こそは!ι(`ロ´)ノ」

フェリア「母上もやってみます?(((*≧艸≦)ププッ」

ネヴュラ「無理よ!Σ(*゜Д゜*)魔法使えないんじゃ絶対すぐに落ちちゃうわ!( ̄0 ̄;)」

シルフ「ぷふー♪(*^▽^*)ネヴュラちゃんもっと運動した方がいいよぉ~?( *´艸`)」

エアリアル「そういえば、最近はよりふっくらされたように見えますね♪(^-^)」

ジン「がははっ!(*`▽´*)健康でいいんじゃないか?(^∇^)」

ネヴュラ「そ、そんな!?Σ(゜ロ゜;)そんなわけ……(|| ゜Д゜)」

フェリア「アリサ様のお料理を毎日沢山頂いていますからね(-_-;)それでいて運動をしなければ……(^_^;)」

ネヴュラ「ウソ!Σ( ゜Д゜)ウソよそんなの!Σ(´□`;)そう言えば夫もゆうべ……((゜□゜;))」

シルフ「おぉーっと!(゜A゜;)ネヴュラちゃん、その先は言わなくていいからね!(;-ω-)ノ」

エアリアル「あら!(〃艸〃)あらあらあら!(/ω\)キャー」

ジン「ワッハッハ( ^▽^)ダイエット頑張ることだなぁ~?(^∇^)」

ネヴュラ「。・(つд`。)・。」

フェリア「もぅ……母上(-_-;)娘として恥ずかしいですよ(。ノω\。)」

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