67話 魔女と黒フード対策
ティリア「アリサ姉さんこれ見てちょーだい(*´∇`)」
アリサ「ん?(゜д゜)な~んぞこれぇ(ーωー)投稿予定表(´・ω・`)?」
アルティレーネ「ほら、ユニークアクセスが早くも二万を超えたでしょう?(*´∇`*)」
レウィリリーネ「更に新年も無事迎えられそうなこのタイミング(’-’*)♪」
フォレアルーネ「なのでやるよん♪(ノ≧▽≦)ノお正月特別番組!(。・`з・)ノ」
アリサ「なっ!?Σ(*゜Д゜*)一月一日から七日にかけて、毎日連続投稿!?((゜□゜;))」
ティリア「ほら、この間一周年を記念して閑話を投稿したでしょ?( ´ー`)」
アルティレーネ「その続きのお話ですよ( ゜∀゜)」
アリサ「ああ、あの後のバカ騒ぎかぁ~( ̄▽ ̄;)それにしても七話分って、作者は馬鹿なの?(-_-;)」
フォレアルーネ「あっはっは!!(*`▽´*)今更っしょ!( *´艸`)」
レウィリリーネ「ん。どれだけまとめるの下手かよくわかる(;-ω-)ノ」
アルティレーネ「と、言うわけで(゜ー゜*)新年一月一日~七日にかけまして、閑話を連続投稿致しますo(*⌒―⌒*)o」
ティリア「零時投稿よ♪(^ー^)」
アリサ「新年のんびりお祝いしながら読んでもらえると嬉しいです(*つ▽`)っ」
レウィリリーネ「ん、本編の続きは十二日からね(’-’*)♪」
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【これまでの経緯】~亜人達の過去~《アリサview》
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私の新作料理と、思わぬ収穫でチーズが手に入ったこと、お昼時と言うのも相まって、カプレーゼとピザを食べたみんな。神殿の会議室はそんな食後のまったりとした時間が流れているのだけど、会議はまだまだ始まったばかり。
「さあ、みんな! 気を取り直してちょうだい。次はいよいよ『黒フードと魔王ディードバウアー』について話し合うからね?」
私がそうみんなに声をかければ、うん、流石だね。集った誰もがその顔を真剣なものに変える。如何にこの議題が重要かって事を理解しているのだろう。
「よりによってディードバウアーか……厄介な奴だよ。ティリアから少し話は聞いたけれど、事のあらましを詳しく聞かせてもらえるかい?」
ルヴィアスが眉間にシワをよせて困ったような表情で私達に事の経緯を聞いてくる。それに答えるのがゼオンだ。
「ああ、俺が一から話すぜ、女神様達との答え合わせもあるしな」
立ち上がり、この会議室に集まった面々、映像通信越しに参加しているみんなと順に見回して、最後に私達を見て、ゼオンは話し出す。『氾濫』決戦の最中、ジャデークとネハグラに命を狙われた事。その二人が妻子を黒フードの連中に人質にとられて、やむなく及んだ犯行だったこと。『死霊使い』によって『死人』を陽動に使われた事。私達の助力で、黒フードの連中の正体が『亜人』だと突き止めたこと……
「そして、その目的がディードバウアー復活の為に三神国王家の末裔を生け贄に捧げること……どうも『亜人』達の中には過去に『人間』から受けた、差別や虐待の恨みを持った奴等が多数いるようでな……」
そこまで話すとゼオンは大きくため息をついて、顔を俯かせる。酷く落ち込んでる様子だ。
「アリサの嬢ちゃんがその一味だろうと当たりを付けた奴等に、俺の昔からの連れがいてな……正直、ショックがデケェんだわ……で、そいつらの出自を改めて調べさせた」
墓地で行われた後夜祭の時の事だ。『氾濫』の為、散っていった多くの冒険者達に対し、黙祷を捧げ、ゼオンが住人に対して『セリアルティ王国』の復興を宣言し、『セリアベール』と変わらず種族平等の姿勢を貫き、より良い未来を歩んで行こうと演説している時、強い悪意を感じ取った私はその者達をゼオン達に報告した。
なるほど……その悪意を発した『亜人』達の中に彼の昔からの友人が含まれていたのか、それはショックだよね……
「この『聖域』から真西にある『ゲキテウス王国』を更に北西に……ああ、『ルーネ・フォレスト』から見れば南西だな。そのあたりだぜ。これ以上はあまりにも過去がすぎるようで調べきれなかったんだが……」
ゼオンは私が映し出している『世界地図』を指差し、『ゲキテウス王国』の更に北西辺りでその指を止めた。その地点から東よりの北東には『ルーネ・フォレスト跡地』が見える。
「俺はこの地で『亜人』達に何かあったって踏んだ。ってのが答えだ」
そこまで話すとゼオンは、再度みんなを見回し表情を伺う。ふむ、みんな真剣な表情だ。しかし、「過去がすぎる」とは一体どれ程昔の話なのだろう?
「うむむ……ネヴュラーん、これって『セリアルティ王城跡地』で聞いたあの話でっす?」
「ええ、間違いありませんわ。アリス様。アリサ様が看破されたと言う『亜人』達を見て、あの話を思い出したのですから……随分遠い昔ですわ」
アリスがネヴュラと顔を見合わせて頷いている、『セリアルティ王城跡地』での話? 不寝番してる間に何かしら話でもしたのかな、ちょっと聞いてみよう。
「アリス様。あの話をアリサ様にお聞かせするのですかな? 我は賛成しかねますぞ?」
「でっすねぇ……正直マスターには聞かせたくねぇでっす」
「ちょっと! どういうこと? 私には聞かせられないような話って、気になるんですけど?」
バルガスも口を挟んで、私に話さないように薦めてるからやっぱり昨夜の『セリアルティ王城跡地』で不寝番をしてた時に話してたんだろう、しかし私に話そうとしないのは何でなのよ?
「アリスっち、ネヴュラん、バルガっち……うちが話すよ。大丈夫、ちゃんとぼかして話すから」
ガタッっと立ち上がったのはフォレアルーネだ。そう言えば『セリアベール』の墓地で「わかっちゃったよ」と言っていたね。「ぼかして」って言うところを察するに、あんまり気分のよさそうな話ではないんだろうなぁ……
「ユグラっちが調べた通り、この地ではね……『亜人』達が、まぁ、酷い目に合わされた過去があるんだよ」
言葉を選びながらポツポツと話始めるフォレアルーネ。あぁ、そういうことか……アリス達が私に聞かせたくなかった部分っていうのが、その「酷い目」の部分なんだろう。ふむ、気遣ってくれてるんだね? ユニやシャフィーちゃん、ネーミャちゃんといった小さい子もいるし、あんまりヘヴィな内容は私も聞かせたくないから、その気遣いを有り難く受け取ろう。
「まだうちらがこの『ユーニサリア』を創造して間もない頃。魔神が攻め込んで来るよりも昔の話だからね。ユグラっちが追いきれなかったのはしゃあないって」
ほへぇーっ!? そりゃまた大分昔の話なのねぇ~って、実際どんなもんなのかは具体的な年数聞いてないからわかんないんだけどね?
フォレアルーネの話によると、その地には『人間』と『亜人』の国があり、ひとつの資源を巡って『人間』の国が不意討ちのごとく戦争を仕掛けて『亜人』の国を滅ぼしてしまったのだと言う。
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【しっかりした二人】~見習わなきゃ!~《ユニview》
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うぅ、このお話って凄くいや~なお話だと思う。
「お話がむつかしくてよくわかんないなぁ~シャフィーちゃん、ネーミャちゃん。ユニと別のお部屋で遊ばない?」
「え? でもユニちゃん」「今とっても大事なお話してるよ?」
あぅ、二人ともとっても真面目ないい子ちゃんだ。う~ん、ユニは聞かない方がいいと思うんだけどなぁ~ゆーどー失敗だよ。
「いいよ。ネーミャちゃん、シャフィーちゃん。ユニと三人で遊んでおいで?」
「ええ、それがいいですわね♪ ただ座ってお話を聞いているだけでは退屈でしょう? ノッカー、ブラウニー。他の妖精達も一緒に遊んでおあげなさい?」
ユニがちょっと困っているとアリサおねぇちゃんとティターニアちゃんが助け船を出してくれた。妖精さん達は可愛い子も多いから、ネーミャちゃんとシャフィーちゃんも喜んでくれるはず!
「二人とも、行っておいで。お話はお父さん達がしっかり聞いておくからね」
「あ、でもユニ様や妖精の皆様にご迷惑をおかけしちゃ駄目よ?」
ネハグラさんもファネルリアさんも子供達に聞かせていいようなお話じゃないって、感じ取ったのかな? やんわりと子供達にこの場から出るように促している。でも、ネーミャちゃんとシャフィーちゃんは二人顔を見合わせて、一つ頷くとみんなに向かって、こう言ったの。
「ううん、私達もちゃんとお話し聞きたい!」
「ちゃんと聞いて、しっかり考えたいの!」
大きな声だった。その言葉を聞いたみんなは、アリサおねぇちゃんも、女神様達も、みんなみんな一様に驚いている。勿論ユニもびっくりしたよ!
「ん……えらいね。すごくしっかりした子達」
「あなた達の育て方が素晴らしいのね、とてもいい子達じゃない」
「あ、ありがとうございますレウィリリーネ様。ティリア様」
「知らない間に真っ直ぐに育ってくれて……お母さん嬉しいわ」
レウィリリーネ様が優しい笑みを浮かべて、ネーミャちゃんとシャフィーちゃんを愛しげに見ては褒めてあげてる、ティリア様はそんな二人を育てた両親に賛辞を送ってるね。その両親はきょーしゅくしながらもお辞儀を返して、二人を抱きしめているよ。
強いなぁ~二人とも……ユニも見習わなくちゃ!
「うん、そっか……じゃあちゃんと話すから。しっかり聞いてちょうだいね!」
そうしてフォレアルーネ様から語られる当時に起きた出来事。『人間』の国の新しい王様がやくそくを破ったばかりか、小さい子を犠牲にするなんて、本当に酷いお話しだった……
「ひどい……やくそくはやぶっちゃいけないのに……」
「どうして? 無関係の子がそんな目に合わなきゃいけないの?」
ぐすんぐすん。静かにお話を聞いていた二人もそのあまりの酷いお話しに、涙を流している。ユニも泣いちゃいそうだよ……
「……根深い訳だよね。やっぱり何処に行ってもそういう人間っているんだよ。でもみんな。勘違いしないでほしいんだ、人間総てが今の話に出た悪い奴等ばかりじゃないからね?」
「はい! フォレアルーネ様。僕は『セリアベール』で沢山の『人間』達にとてもよくしてもらいましたからわかります」
「そうじゃな……カインの言う通りじゃ。アイギスや、そこなユグライア、ラグナースに二組の家族も、三神国の子孫等もまた、善き『人間』じゃ」
フォレアルーネ様がみんなに向けて勘違いしないように注意してる。うん、そうだよね! カインちゃんもそうだけど、ユニも『セリアベール』のお祭りで『人間』にも『亜人』にもよくしてもらったよ。シドウじいちゃんの言うように『人間』のみんなはいい人達だって沢山いるんだ!
「逆に『亜人』達の中にも善人と悪人は存在するからね……俺はその事よりネヴュラさんが召喚されてた事の方が驚きかな?」
「うふふ、皇帝陛下をも驚かせてしまって申し訳御座いませんわね」
そしてびっくり! なんと、その時にネヴュラままんが『亜人』の国の生き残りだった数人のエルフさんとヴァンパイアさんに召喚されて、けーやくってのをしたんだって! それで、悪いことした『人間』の国にお仕置きしたらしいよ!
「因果応報と言う訳ですね。ルヴィアス、貴方の帝国は大丈夫ですか?」
「無論ですぞ、アルティレーネ様! 我等はゼオン殿の『セリアベール』と同じく種族平等を掲げておりますからな!」
「だが、今の話に出たネヴュラ殿を召喚した者達の子孫がいないとも限らない。これは私達の帝国に限らず、世界各国の大きな問題になりそうですね」
悪いことしたら悪いことが、いいことをしたらいいことが回り回って自分にかえってくるんだよって、アルティレーネ様の言葉をアリサおねぇちゃんがユニ達に教えてくれた。「いんがおーほー」ってそう言う意味らしい。
こーてーへーかのルヴィアス様の護衛のバロードさんと、カレンちゃんがうちはだいじょーぶ、いや、でも、心配だなぁって話し合ってるね。オルファちゃんはなんか魔法で水晶みたいなのにこの会議を記録してるみたい。
「そうだね。実際、その話はうちとフォレストくんの『ルーネ・フォレスト』にも届いてきたし、国を滅ぼされた『亜人』達もやって来たんだよね」
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【邪神、破壊神】~獣魔王ディードバウアー~《リンview》
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ふむ……なんとも後味の悪い話だな……余は静かにフォレアルーネの話を聞いているのだが。随分と昔の話だ、余自身も当時よりこの『聖域』の守護をしていたが、そのような話は露ほどにも知らぬ。うぅむ、すこしは余も世界の有り様に目を向けるべきか。
「ユグラっち、『セリアベール』の墓地で『死霊使い』に『死人』を利用されたって話をしたとき、レウィリ姉が『死者の幻影』の魔法だって教えたの、覚えてる?」
「おお、確かに聞きました。その時点でフォレアルーネ様は答えがわかったとも仰られましたな?」
フォレアルーネがユグライアに顔を向け、問うた。ユグライアもきちんと覚えているようで迷わずに返答する。ほう、『死者の幻影』ときたか。これはまた懐かしい魔法が出てきたものだ。最近では滅多に聞くことのない魔法……しかしそれを使えるとなると……
「さっき国を失った『亜人』達が『ルーネ・フォレスト』にやって来たって言ったけどさ、その中にネヴュラんを召喚したヴァンパイアの子孫がいたんだよ」
「ん……『死者の幻影』はヴァンパイアの……中でも高位の「ロード」クラスの者が扱える固有魔法。だから直ぐに答えがわかった」
うむ。そういうことであるな。余はフォレアルーネとレウィリリーネの言葉に頷く。今ではヴァンパイア自体がその姿を見せることも少なくなっている時代だ、元々全体数が少ない種族でもあった故に。そして奴等は『不老不死』、ネヴュラを召喚する際には未熟ながらも己が『根源の核』をも犠牲としたのだろうよ……並々ならぬ恨み、そして執念と言うことか。
「……そいつが黒幕って訳ね? でも、何でディードバウアーなの? 他にも魔王っていたんじゃん?」
「そこはディードバウアーが『邪神』ってこと、『ルーネ・フォレスト』を襲撃してきたって事が大きく関係してるんだと思うよ?」
アリサ様もそのヴァンパイアがこの一連の騒動を起こした黒フード達の黒幕であると理解したようだな。真剣な表情をしておられる、しかし何故そのヴァンパイアがディードバウアーを神と謳い、復活を望むのか疑問のようだ。その疑問に答えるフォレアルーネ。
「ディードバウアーは『神界』でも問題視されて封印されていたほどの『邪神』なのよアリサ。神だろうと、人間だろうと、亜人だろうと種族を問わず、発される悪意と邪心こそを糧にその力を強める特性を持ちながら、ろくに理性もない獣……」
映像通信越しにアリサ様の棲処たる、『無限円環』より、シェラザードがディードバウアーについて詳しく説明を補足し始めた。ほう……確かに理知的、深い知性を宿した瞳だ。アルティレーネとアリサ様と戦っていた時の様子とは段違いである。
「故に『獸魔王』とも呼ばれておりました。『ルーネ・フォレスト』に顕現したのは、かの大地に残る強い怨念、怨嗟の声に反応したのでしょうな……」
「ああ、確かにアイツは本能で西大陸に移動してたね。魔神の奴も結局手がつけられなくて放置してたくらい、理性なんてありゃしなかった……フォレアルーネは勇者達が来るまでよく奮戦したね?」
ディードバウアーの事は余もよく覚えている……ビットが言った通り、まさに暴れ狂う獣。餌は負の感情、邪心、悪意……『ルーネ・フォレスト』には国を失った多くの『亜人』達がそれを抱いていたのだろう、それに反応し現れたのだ。今思うと、余の助力があったとはいえ、フォレアルーネは確かによく耐えていたな……ルヴィアスもその奮闘を称えている。
「まーね! フォレストくん達『ルーネ・フォレスト』の皆の力と、リンの助け。それに、ディードバウアー自体が単調なのもあって、結構耐えたよ! まぁ……結局はみんな逃がして王国を放棄することになっちゃったけどさぁ~」
「あー……ってことはやっぱり帝国にもその『亜人』達、その子孫達がいるね……オルファ、悪いけどルォンに連絡とって調べさせてくれよ?」
「了解です、内密に……ですね?」
そう言うこと。ルヴィアスはそう頷き、護衛の娘オルファに何やら指示を出した。北の帝国に、否……今や世界各地に『亜人』達は暮らしている。いちいち一人一人を調べあげていては途方もない労力が必要だと思うが、はてさて……どうするつもりか?
「つまり、ディードバウアーの破壊の力を目にしたそのヴァンパイアの子孫は、その力に魅入られたと言うわけね。故に「我等が神」と崇めるようになったんだわ」
《恨みの果てに世界の破滅を望むようになってしまった……そう言う訳か、少し哀れにも思うな……だが女神よどうするのだ?》
(世界各地に散らばる『亜人』達を調べあげる~なんて悠長な事やってる暇はなさそうですよ~?)
大いなる力とは見るものに深い畏怖を与え、同時に羨望も集めるものである。余や、他の『懐刀』達、『四神』達、『聖魔霊』達、この『聖域』に住まう者達、果てはアイギス達冒険者もがアリサ様の御力にそう感じるようにな。
……主神が言ったように、そのヴァンパイアの子孫もまた、ディードバウアーの力に焦がれたのだろう。たとえそれが破壊の力であっても……ゼーロの感想は最もである。と、エスペルが先の余の考えを代弁してくれたな。
「とんでもない話だな」「一体どれだけの人数がいるだろうか?」「とてもじゃないが、調べあげる事など……」「にゃん~にゃん! 世界は広すぎるんにゃ」「ワン! 我等クーシーの鼻をもってしても不可能だわーん!」
余や、他の者の部下達に妖精達も途方に暮れてざわめき立っている。さて、どうしたものか?
「いちいち『亜人』達を調べあげてたらキリがないさね! 親玉を見つけ出せれば一番手っ取り早いんじゃないかい?」
「それだよそれ!」
一人のコルンムーメが言った言葉にフォレアルーネが反応した。ふむ、確かに首謀者を叩ければそれが一番の近道かも知れぬ……第二、第三のヴァンパイアを生まぬためにも、他に扇動している者がいればそやつも叩かねばならぬが……
「そんな困った時のアリサ姉さん! なんとかうまいことそのヴァンパイアをパパーっと見つけてちょーだい!」
「ティリア……あんたねぇ~結論から言うと不可能よ? 私の検索は隠れてるものにはヒットしないんだから。ほら、『聖域』の黒水晶の時もそうだったでしょ?」
まさかのアリサ様への丸投げである。やれやれ、なんとだらしないことか……
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【親玉を見つけ出せ!】~囮作戦~《ジュンview》
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やれやれだぞ~主神様~、アリサ様がいくら器用だーって言っても丸投げはよくないぞー? 確かにこれまでの事からアリサ様は万能だなーって思うけどー、それだったら今本人が言った通り~この『聖域』にかけられてた魔神の呪いもこう、ポポーン! って見破った筈だぞー?
「それにいくらなんでも範囲が広すぎるわよ。見なさいこの『世界地図』を! 私の『隠蔽破壊』も検索も、精々がこの『聖域』くらいの範囲よ?」
アリサ様の言葉にみーんながアリサ様の魔法、『世界地図』を見るんだぞ。それ見れば、『聖域』って小っちゃいー。『セリアベール』のある大陸……『ユグライア大陸』に五個か六個くらい『聖域』が入っちゃいそうだぞー? 他の大陸でっかいぞー、アリサ様が無理と言うのも仕方ないんだぞー。
「そこはほら、アリサ姉お得意のオプション飛ばしてさ~手当たり次第に『隠蔽破壊』かけまくる~ってのは……」
「フォレア、馬鹿なこと言わないで。そんなことをしたら世界中大混乱に陥るでしょう?」
駄目かぁ~と項垂れるフォレアルーネだぞ。まったく、アルティレーネの言う通りだぞ~、手当たり次第にそんなことをしたら世界中にある国が大混乱しちゃうぞ~? 下手をすれば他の魔王にいろんなとこにある『迷宮』や魔物の封印も解かれちゃうかもしれないぞ~?
「これは……困りましたね、なんとかその首領たるヴァンパイアの居所を掴む手立てはないものか……」
「アハハ! いっそのことゼオンのおっちゃんに囮にでもなってもらおっか?」
ザワッ!!
フェリアが顎に手をあて考えて、黒フード達のボスのヴァンパイアの居場所を突き止める為の手段はないかなーって言えば、その弟のパルモーが、ユグライアを囮にしよう~とか言い出したぞー? これにはビットも怒っちゃったみたいだぞ~? 静かに、でも~激しい殺気を出してるんだぞ。
「少年……よりにもよって、陛下を囮に使う……だと?」
「ば、馬鹿! パルモー! だから普段から口のきき方に気をつけろとあれほど、謝れ! ほら、直ぐにだ!」
「ひえぇぇーっ!? じょ、冗談! 冗談だってばビットさん! ごめんなさい! もう馬鹿なこと言わないからその剣に手をかけるのやめてぇー!」
ゴゴゴーって、オーガみたいな形相で腰の剣に手をかけようとしつつ、パルモーに迫るビットだぞ~。うむむ~、中々の覇気、殺気だなー。パルモーなんかじゃ一発でズバァーン! ってされちゃいそうだぞ~。フェリアもそれがなんとなーくわかったみたいで、慌ててパルモーに謝れ~って言ってるぞ。
「囮……囮かぁ~ありじゃないかしら?」
ほえあっ!? アリサ様のその言葉に皆がびっくらこいたぞー! 一斉に顔を向ける、勿論オイラもだー!
「ちょっと考えてほしいんだけどさ、黒フード達の狙いと、次に取れそうな行動はなんだと思うみんな? 答えはそう多くない筈だよ……今まで狙われなかった事からリールとフォーネがゼオンと同じ三神国の末裔とは知られていないだろうし」
「……言われてみれば、そうですね。ゼオンさんより与し易いと思われるお二人が、今まで狙われていないのも、そう考えれば頷けます」
アリサ様がオイラ達によく考えて~って言うぞ。むぅ、オイラ難しいのは苦手なんだぞ~? えっと……黒フード達は~ディードバウアーを復活させたい。その為に三神国の末裔のユグライアをイケニエにしようとしてるんだぞ~あれ? リールとフォーネっていう娘っ子らも三神国の末裔だぞ~?
なるほどだぞ! 確かにアリサ様が言ったよーに、黒フード達はその二人が三神国の末裔だって知らないんだな~? ラグナースってやつがユグライアより、その娘っ子二人の方が狙いやすい筈なのにって言ってるし、やっぱり知らないんだな~? ん~でもだぞ~ユグライアを囮にするって危険じゃないか~アリサ様?
「そしてゼオンには私達の息がかかってる。直接狙うのは得策じゃない……ではどうすればいいのか? って相手も悩んでると思うんだよね」
「確かに、街であんだけその力を見せつけたんだ。誰も嬢ちゃん達を敵に回そうだなんて思わねぇだろうぜ、なら俺は囮に向いてねぇのか……」
あれれ? そうなのかー? うーんオイラよくわかんなくなってきたぞ~?
《んん~? んじゃどうするんだアリサ様よぉ~その子供でも使うつもりかよぉ~?》
「は? あんた冗談でもんなこと言うんじゃないわよ鳳凰ちゃんや? ぶん殴られたいの?」
ひえぇ~おっかないぞー! このバカ鳳凰! シャフィーとネーミャっていうユニくらいのお子ちゃまを見てなんてこと言うんだぞ!? アリサ様も怒ってるじゃないか!
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【へーんしーん】~理想の……~《シドウview》
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ドゴッ! バギッ!!
ぐえぇーっ!! とか抜かし地に伏す哀れな鳳凰じゃ。朱美とゼーロに殴られ、蹴り飛ばされた結果じゃな……愚か者めが、もちっと考えて発言せい。
「愚弟が失礼したわねアリサ、ネーミャちゃんもシャフィーちゃんもごめんねぇ?」
《我からも謝罪する。怖がらせてしまい申し訳なかった》
「い、いいえ~だ、大丈夫ですから……」
「あはは、びっくりしたぁ~鳳凰様だいじょーぶ?」
朱美とゼーロの謝罪に娘っ子二人は目を丸くして驚いておる。ほっほっほ、初のぅ~心配せんでも大丈夫じゃて。
「勘違いも甚だしい……囮になるのは他でもない私だよ?」
はあああぁぁーっっ!!?
なんじゃと!? 何を言い出すんじゃ魔女よ?
あまりに突拍子もないその言葉に皆が一斉に驚愕の顔を魔女に向けおる。そもそもお主が囮になどなれる訳がなかろう? 既に黒フード達に主の顔は知れ渡っておるのじゃろうが?
「うんうん、みんな予想通りの反応をありがとう♪ わかってる、私は既に黒フードの連中に顔を知られてるからね。ふふん、でもそこはほら、『魔女』さんの本領発揮ですよ、むふふ……」
「まーた、アリサお姉さまったら、何をやらかすつもりなんですか?」
魔女の奴はそう言うと不敵に笑いよる。そして妙な構えを取り始めおった、またなんぞ始めるつもりのようじゃ。長女の奴も呆れ顔しとるぞ?
「いいからいいから、アルティもちゃんと見ててよ。さあさあ~♪ お集まりの皆の衆~御注目御注目~今からアリサさんの魔法を一つご披露するよ! 刮目せー!」
やれやれ、なんなんじゃ一体? 魔女は皆の注目の中、左手を握り締め甲を下に腰に構え、右腕を左の顔前に指をピーンと伸ばし揃え、そこから円を描くように右の腰に動かし、左手と同じく拳を作り、甲を下にして、逆に左腕を右の顔前にシュバッ! と、斜めに突きだし……
「へーんしーん! とあっ!!」
魔女はそう言い放ち、顔と両腕を頭上に勢いよく掲げおった! すると、ボフーンッ!! と言う何かが爆ぜるようなけたたましい破裂音と一緒に白煙が発する!
「うおおっ!? ちょ、姐御! 大丈夫かよ!?」「アリサ殿! 無事なのか!?」
突然の爆発に大地と爽矢も慌てて魔女の身を案じておるではないか! 魔女よ、お主は一体何がしたいんじゃって、なんじゃとぉぉぉぉーっっ!!?
「きゃあぁーっ!! アリサちゃん可愛いぃぃーっ!!」
「ふふーん♪ どーよ!? アリサちゃんねこねこ幼女Verだぞーぅ!」
ななな、なんたることじゃ!? なんたることじゃ!? なーんたるぅことじゃあぁぁーっ!!?
白煙の中から現れたのはそれはそれは、それはぁ~これでもかと言わんばかりの愛らしさを秘めた幼女じゃった!
「アリサお姉さま! あぁ~なんてなんて可愛らしいお姿に!」
「アリサおねぇちゃん!? わぁー♪ ユニと同じくらい~わーい! ぎゅう~♥️」
「可愛い~♥️ ホントにアリサ様なんですか!?」
くぅぅっ! ホンになんたることじゃ……先程の意味不明な構えから行使されたのは変身魔法じゃったようじゃ。変身した魔女の奴はアリスの着るふりっふりのドレスを白に染めたような服に、同じようなふりふりがついた靴下に腕輪? 首には、ありゃミーナかのぅ? ユニちゃんとお揃いの……ちょ、ちょーかーと言うんじゃったかの? を、身に付け、いや! それよりもじゃ! 頭から生えた猫の耳! 背後を見ればフサフサの猫の尾!!
なんたることじゃ!!? だ、騙されてはならんぞ儂! い、如何に儂好みの理想的な猫耳幼女と言えど、中身はあの性悪魔女なんじゃ!!
「えへへ、ありがとリール、アルティ♪ ユニ~ぎゅう~♥️ 私だよ~アリサおねぇちゃんだよ~シャフィーちゃん♪ むふふ……あれれ~? どうしたの~シドウおじいちゃーん? そんな床に突っ伏しちゃってぇ~♪」
ぐぬぬ、こ、こやつ! 儂があまりのショックに床に膝をついたのを、ここぞとばかり笑いにきおったか!?
「ちょっと、あんたマジにだいじょーぶなの? 様子が変よ?」
いや、そうではないようじゃ。いかんいかん、こやつは遊び心はあれど人をからかうような真似は滅多にせん奴じゃったな……心配ないと伝えようと儂が猫耳幼女となった魔女に声をかけようとしたその時じゃ……
「むおおぉぉっ!!?」
「おわぁっ!? なんなの!?」
前屈みとなり、儂の顔を覗き込むようにしておった魔女の、そのフリフリドレスの上からわかる『膨らみかけ』!! 今までのむっちんぼでーから一変! なんと言う素晴らしい『膨らみかけ』かーっ!!
「魔女よ貴様ぁぁーっ!! 儂を……儂を、どうするつもりなんじゃあぁぁーっ!!」
「ちょっとシドウ!? どうしたのよ!?」
「こら! 黄龍! アリサ様に何をする気だ!?」
主神と映像通信越しに黒竜の奴めが何か言っておるが聞こえん! 目の前には理想の幼女がおるんじゃ!!
「そこに直れぇぃっ!! これでもかというくらいペロペロしてくれるわぁぁーっ!!」
ドッゴーオォォーンッッ!!!!
「ぶげらっ!!?」
ユニ「アリサおねぇちゃん可愛い~♪゜+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゜」
ネーミャ「耳……ふわぁ~♪ 猫ちゃんの耳~♥️(*´∀`)」
シャフィー「尻尾ぉ~ふあふあ~♪(*≧∀≦)」
猫魔女「にゃんにゃーん♪ヽ(*´∀`)ノ」
ネヴュラ「可愛い可愛いです!(*>ω<*)あぁ~私もこんな子がほしかったです!(*´▽`*)」
フェリアとパルモー「Σ ゜Д゜≡( /)/エェッ!」
バルガス「また始まりおったか……(-_-;)」
聖女「ちょいちょいネヴュラままん(;-ω-)ノ娘と息子さんの前で何を言い出すんだね?( ゜Å゜;)」
ネヴュラ「だってだって!( 。゜Д゜。)フェリアはお父さん子で早くからしっかり者になって、今じゃ思春期真っ盛りの反抗期ですし(;つД`)」
フェリア「は、母上!(>o<")恥ずかしいからお止め下さい!( ; ゜Д゜)」
ネヴュラ「ほらぁ~(TДT)パルモーは可愛いけど、やっぱり男の子だから負けん気強くて甘えてくれないですもん!(つд⊂)」
パルモー「ちょっ!?Σ( ゜Д゜)母ちゃん、ホントにストップ!(´∀`;)流石に僕も恥ずかしいって!(*`Д')」
ネヴュラ「ですので!( ・`ω・´)沢山甘やかさせて下さいませ!ヽ(*≧ω≦)ノアリサ様ぁ~♪丶(・ω・`) ヨシヨシ」
猫魔女「にゃぁ~(゜ω゜;)ママさんの苦労というか、理想は深いにゃぁ(  ̄- ̄)好きにするがよいにゃ( =^ω^)」
ユニ「ネヴュラままん狡い!(*`Д´*)アリサおねぇちゃんを独り占めしちゃダメー!(≧Д≦)」
ネヴュラ「うふふ(’-’*)♪ユニ様もどうぞいらっしゃいませ( *´艸`)」
ティリア「普段のアリサ姉さんのポジションにネヴュラがおさまったわね( ̄▽ ̄;)」
猫魔女「にゃあぁ~ん♪ 今年はここまでだよ~ん(ノ≧∀≦)ノ」
聖女「今年も私達のお話を読んでくれてありがとう(*´∇`)」
ユニ「えへへ(’-’*)♪ またこの挨拶できるなんて嬉しいな(*´▽`*)」
ティリア「なかなか厳しい情勢だけど、皆も健康に気を付けてね?(^ー^)よいお年を迎えられますように(´・∀・`)」
アルティレーネ「前書きでもお知らせしましたが、一月一日から七日にかけて閑話の連続投稿があります!(ノ≧∀≦)ノ」
ルヴィアス「本編の続きは十二日からだったね(^ー^)いずれ俺達も閑話に出れるかな?(´∀`*)」
ゼオン「ハハハ♪(*゜∀゜)気長に待ってようぜルヴィアスよ(^∇^)」
シェラザード「ここまでやってこれたのも、読んでくれる皆がいてこそ……本当に感謝ね!(⌒‐⌒)」
ゆかり「その通りだな!(*`▽´*)みんな、本当にありがとう(ノ≧▽≦)ノこれからもよろしく!(*^-^)」
猫魔女「それじゃあ~みんなぁ~いーい?o(* ̄○ ̄)ゝいくよ~よいお年をーっ!ヽ(*>∇<)ノ」
全員「来年もよろしくお願いしまぁ~すっ!!ヽ(´∀`≡´∀`)ノ」




