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TS魔女さんはだらけたい  作者: 相原涼示
42/211

閑話 ユニと海

アリサ「はい、皆さんおはこんばんちわぁ~(o^O^o)」

ユニ「えへへ、わわ~♪ 今日はユニークアクセスいちまん突破記念のお話だよぉ~(*´▽`*)♪」

アリサ「はいはい! ユニークってことでね、ユニがメインのお話になります!(^∇^)」

ユニ「そいえば今回はいつもと違って、ちょっと長いんだよね(・_・?)」

アリサ「そうそう、普段よりちょいと文字数多めになっておりますので、お時間ある時にのーんびり読んでもらえると嬉しいかな(´∀`)」

ユニ「時間軸としては、『聖域』からアリサおねぇちゃん達が街にお出掛けするまでの間の出来事だよぉ(’-’*)♪」

アリサ「うんうん、それでは皆さんごゆっくり~どうぞ~ヽ(´▽`)ノ」

ユニ「どうぞ~♪(*゜∀゜)」

────────────────────────────

【おねぇちゃんと遊ぼう!】~突撃~《ユニview》

────────────────────────────


「う~! タイクツだよぉぉ~、ねぇ~ミーナちゃん。モコプーちゃん?」

「なあぁーん」「ぷっぷ~」「ぷぅ」「ぷぷ?」


 みんな~こんにちはぁ~、ユニだよぉ~。えへへ、何だか久し振りだね!

 ユニね、今ね、とっても、とぉぉーってもタイクツしてるの!! 聞いて聞いて、もうすぐアリサおねぇちゃんと、アルティレーネ様と、バルガスさん、ネヴュラままん達がね~アイギスおにぃちゃん達『白銀』のみんなと街にお出かけして、『すたんぴぃと』っていう問題を解決するんだって!

 そのせいかね、アリサおねぇちゃんはお部屋にこもって魔装具を作ったり、アイギスおにぃちゃん、フェリアちゃん、バルガスさんと『けんせーけんぎ』とか言う訓練したり。ティターニアちゃんとネヴュラままん、アルティレーネ様と『しゅくじょきょーいく』したり~もー忙しいみたいなの!!


「大事なことなのはわかるんだけど~むぅぅ~ここのところ全然アリサおねぇちゃんと遊べてないよぉ~」

「にゃんにゃん♪」「ぷぷぅ~♪」「ぷっぷ~♪」


 はぁ~ミーナちゃんとモコプーちゃん達は楽しそうでいいなぁ~。ユニが一人ベッドで不貞腐れていると、ミーナちゃんとモコプーちゃん達は楽しそうにおいかけっこして遊んでる。


「それならそうとアリサ様に申せばよいではないか?」

「わぁっ!? た、たまちゃん!? びっくりしたぁ~いつからいたの!?」


 どっきりだよぉぉ! ユニがベッドでゴロゴロ~ってしてたらいきなりたまちゃんに声かけられたんだもん! いつの間にお部屋に入ったの?


「今しがたじゃ~あぁ、ノックはしたぞ? 返事がせんと気になってのぅ~しかし、ふはは♪ ユニや、何を遠慮しておるのじゃ? アリサ様に遊んでもらいたいなら飛び込んで行けばよいのじゃ。アリサ様はきっと喜んで向かえてくれるじゃろ?」


 うぅ全然気付かなかった……たまちゃんはそう言ってかんらかんらって笑うけど。


「だってぇアリサおねぇちゃん大事なことしてるもん……邪魔しちゃダメだもん!」

「ほう! 立派じゃのぅユニは……ふむ、ユニがアリサ様に「遊んで」と言えば、アリサ様も助かるやも知れぬ……と、言ったらどうじゃ?」


 えぇっ!? どういうこと!? アリサおねぇちゃん困ってるの? ユニがびっくりしてるとたまちゃんは更に言葉を続けた。


「最近のアリサ様はなにやらお疲れのように見えるのじゃ……ホレ、アリサ様は責任感の強いお方じゃろう? 切羽詰まっておるようにも見えるんじゃよ」


 うーん、確かにアリサおねぇちゃんはいつも優しいけど……最近は笑顔も減って疲れた~って言葉をよく口にしてることが多い。


「……心当たりがあるようじゃの。どうじゃ? ここは一つ妾とユニでアリサ様をお助けしようではないか!?」

「う、うん! それなら黙ってられないよ! アリサおねぇちゃんはユニが守るもん! 行こうたまちゃん! 今ならアルティレーネ様達と『しゅくじょきょーいく』ってのやってる筈だよ!」


 おーっ!! ユニとたまちゃんは揃って右手を高くあげて気合いを入れる! そうと決まれば遠慮はなし! 突撃だ~♪


「「たのもーっ!!」」


ドーンッ!!


 って、ユニとたまちゃんはアリサおねぇちゃんが『しゅくじょきょーいく』してるお屋敷のお部屋の扉を開け放つ! あ、今はお屋敷じゃなくて神殿だね。つい最近世界樹の側に引っ越して、お屋敷からぱわぁあっぷしたんだよぉ~♪


「あ~ユニ~珠実~いらっしゃい、どうしたの?」

「あらあら、二人とも扉をそんな風に乱暴に開けてはいけませんよ?」

「び、ビックリしましたわ! 一体どうなさいましたの?」

「ユニ様、珠実様。何か急用でしょうか?」


 そうすると気付いたアリサおねぇちゃん、アルティレーネ様、ティターニアちゃん、ネヴュラままんがそれぞれの反応を見せてくれる。ううん、そんなことより……


「え? アリサおねぇちゃん頭にお皿乗せて何やってるの?」

「大道芸でも練習しておるのかの?」


 なんでかアリサおねぇちゃんが頭に数枚のお皿を乗せてお部屋を歩いてる。一体何をやってるんだろ?


「うん、端から見れば変な光景よね……これはお皿を落とすことなくシャンとした姿勢を保つっていう練習なんだって。最初は落としても平気な本でやってたんだけどね」


 苦笑いしてアリサおねぇちゃんがそう説明してくれたよ。変な練習なんだね?


「それより……何かありましたの? 急いでいる様子でしたけれど?」


 首をコテンと傾けてティターニアちゃんがユニ達に聞いてきた。そうだよ! ユニ達はアリサおねぇちゃんを助けに来たのです!


「アリサおねぇちゃん! ユニと遊んで~!」

「「「えぇっ!?」」」


 思いきってそう叫ぶとアルティレーネ様、ティターニアちゃん、ネヴュラままんが驚いたように声をあげた。うぅ、やっぱり迷惑かなぁ?


「ふはは、まぁ聞いてくれんか? 最近皆多忙じゃろ? なにやらこの『聖域』の空気も気持ちピリついておると思わぬかえ?」

「あ、確かに感じますわ! 空を見ればガルーダナンバーズが飛び回り、地上を見ればあっちでもこっちでも訓練訓練ですもの」

「言われてみれば……のどかなのはレウィリとフォレアの酪農班と農業班くらいですね」

「ティリア様の建築班も、ヘルメットさんを始め、ドワーフ、エルフ、ノーム達が喧々囂々(けんけんごうごう)侃々諤々(かんかんがくがく)としている、と娘に息子が言っておりますわね」


 おぉ~たまちゃんがすかさずふぉろ~してくれたよ! なんて頼もしいんだろう! そうなんだよね、『聖域』のみんなは毎日いつも沢山動き回ってるんだよ。


「『殺伐』……とまではいかんにしてもじゃ、このままでは誰かしら倒れてしまうのではないかと心配でのぅ。どうじゃろ? ここらで一息ついてみんかの?」

「あーうん。そだね、私も感じてたよ……よし! じゃあ今日はみんな仕事切り上げて遊びに行こうか!」

「ほ、ホント!? アリサおねぇちゃんと遊べるの! わぁーいっやったぁ~!!」


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【海の幸を求めて】~パパっと決める~《ユニview》

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 嬉しい嬉しい嬉しいなぁ~♪ アリサおねぇちゃんのお膝の上でご機嫌のユニだよ!


「ふふ、ユニったらとっても嬉しそうね。それで、アリサ姉さん。遊ぼうっていうけどどこで何して遊ぶの?」


 アリサおねぇちゃんの隣に腰掛けるてぃりあさまもにっこにこ♪ あの後のアリサおねぇちゃん達の行動は早かったんだよ~? 「そうと決まれば!」って言って、みんなに魔法で集合するように呼び掛けて、あれよあれよという間にこの神殿の中庭に全員集まって、みんなに事情を説明したの。

 やっぱりみんな同じように空気がピリピリしてるのを感じてたみたいで、遊びに行こうって提案はまんじょーいっちで決まったんだよ! えへへ、ユニはもう嬉しくて、さっきからずっとアリサおねぇちゃんにくっついてるの♪


「そうねぇ~あれもこれもって詰め込み過ぎて家族サービス忘れちゃ駄目よね……ごめんね~ユニ? で、何処行くかは取り敢えずアイギス達の歓迎会しようって話を爽矢としててさ」


 アリサおねぇちゃんがユニの頭を優しくなでなでして、ごめんなさいしてくれるの♪ えへへ、ユニは怒ってないよぉ~ちょっとさびしかっただけだもん。


「ん、じゃあ爽矢の棲処?」

「お~♪ いいじゃんいいじゃーん! うちも栗っての食べてみたいし!」

「えっ? 栗って……あのトゲトゲですの? あんなのどうやって食べますの~?」


 レウィリリーネ様と、フォレアルーネ様、ティターニアちゃんが反応を返して来た。『四神』の青龍、爽矢は東側に棲処を構えていて。そこは山が多く、また緑豊かで綺麗な川も流れる景観の美しい場所なんだって! フォレアルーネ様とティターニアちゃんが言う栗も、その恵みの一つだよってアリサおねぇちゃんが言ってた。


「あぁ~それが、その話聞いた他の三人がみんなして「うちでやろう」って言い出して……あーなってるのよ」


 アリサおねぇちゃんが顔をある一点に向けるので、集合したみんなもそちらに顔を向ける。


「爽矢の東は以前にご一緒されたのでしょう!? じゃあ、今回は私の北に譲って下さいよ!」

「ちょっと! なんで北って決めるのよ! 南よ南! アリサとは落ち着いたら沢山お話ししましょうって約束してるんだから! 水菜は引っ込んでなさい!」

「おいおい! 朱美ふざけんなよ! 俺んとこの西に決まってんだろ!? 姐御は大の猫好きなんだぜ!? だったら俺のとこしかねぇだろが?」

「ええい、黙れ黙れお前達! ここで我等が言い争っていても仕方あるまい!」


 わー……もうぎゃんぎゃん騒いでる『四神』達だよ。正直うるさい。


「あれ……『懐刀』の皆様も棲処があるんですよね?」

「シドウじいちゃん達は行先争いに参加しねぇの?」


 苦笑いしつつ、シドウじいちゃんに聞いているのはフェリアちゃんとパルくんだね。ユニはシドウじいちゃんのとこには行きたくないよぉ~?


「カッカッカ! 儂等の棲処に来るにはヌシ等には荷が重いんじゃよ」

「うむ、今回はアイギス達の歓迎会との由。余やシドウ、『懐刀』の棲処には『四神』達でも下手を打てば遅れを取る魔物もいるのでな……」

「お前達聖魔霊も一瞬でバクーッ! って喰われちゃうんだぞー?」

「そう言う訳じゃフェリア、パルモーよ。とても歓迎会等開けんぞよ? それとも来てみるかの?」


 え、遠慮しまーす!! って、顔をひきつらせる二人。うんうん、そんなおっかない所じゃとてもじゃないけど遊べないよね。って、もう~うるさいからアリサおねぇちゃんがパッ! って決めちゃって~?


「はいはい。うるっせぇでっすよ! このスットコドッコイ共! ますたぁ~もうズバッと決めちゃってくらさい」


 アリスちゃんが騒ぐ『四神』達の間に入って叱ってる。うんうん、やっぱりうるさいよね。ちゃんと注意したアリスちゃんエラいぞ!


「そうね、じゃあ水菜の所行こうか。海の幸が欲しいし、爽矢のとこからもらった調味料使って料理作りたいし」

「ほ、本当ですかアリサ様!? やったぁ~♪」

「む? 我が渡したものを使っての料理とな!? 興味深い、楽しみだ!」

「まぁ、姐御がそう言うならしゃあねぇか……でもいつか俺のとこにも来てくれよな!?」

「うぅ~仕方ないから今回は水菜に譲るわ、喧嘩がしたい訳じゃないしね」


 おぉ、流石アリサおねぇちゃん。一言で『四神』達を大人しくさせちゃったよ! それにまた何か料理を作ってくれるって♪ うーんっ! 楽しみ~♪


「海の幸があれば色んな料理が作れるからね! みんな、今日は一日難しい事忘れてめいっぱい楽しもう♪ 水着着て~ビーチで泳いだり、あぁ、ビーチバレーなんてのも楽しいかな?」


おおおおぉぉーっっ!!!???


 うわあっ! ビックリしたぁ~えへへ、でも気持ちはわかっちゃうなぁ♪ こうしてみんなで遊びに出掛けるなんて初めてだもんね! アリサおねぇちゃんが作ってくれるお料理も。『みずぎ』って言うのも、『びぃちばれぇ』もとっても楽しみ!


「海! そしてアリサ様の作る新たなお料理! あぁぁ、早く、早く行きたいです!」

「気を遣って頂いて本当に有り難う御座います。アリサ様! 私も楽しみです」

「海、海と言えばやはり魚かの? 塩で焼くだけでも川魚は美味いもんじゃったが……」

「おぉ、そうだなドガ。ありゃぁうまかったよなぁ~♪」

「しかも今回はアリサ様が作って下さるのよ! アタシもう涎が出そうなんだけど!」


 あはは! アイギスおにぃちゃん達も嬉しそう♪ えへへ、ユニも楽しみ~♪


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【水着】~胡座かいてちゃダメ~《ユニview》

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「はい! じゃあみんな水着に着替えようか?」


 アリサおねぇちゃんがそう言いながら、何枚か布切れを魔法で出して、集まったユニ達。女の子に見せてくれたんだけど……


「え、こ、これだけ?」「この上に何か着るんじゃ……?」

「アリサお姉さま、これは下着ではないのですか?」「むぅ……可愛いけど……」


 女神様達を始め、みんな戸惑ってる。アリサおねぇちゃんの話だと、お風呂に入るのとは違って、アイギスおにぃちゃん達。男の人の目もあるからこう言う服を着る必要があるんだって。うん、まぁ、折角のお洋服が水でビショビショになっちゃうのは悲しい。でも、この『みずぎ』は水に入るために着るものだからだいじょーぶなんだって!


「恥ずかしいならこういったパレオもあるし、ほら、オシャレじゃない?」

「あ、ユニこれがいい! フリフリがついてて可愛いよ~♪」


 アリサおねぇちゃんが戸惑う女の子達に水着を広げて見せていると、ユニの目に一着のフリフリがついたのが見えたの! ユニはその『わんぴーす』を手にとってみたんだ♪


「あぅ……ちょっとおっきいよぉ~これじゃ着れないかな?」

「あ、大丈夫だよユニ。私がサイズを魔法で合わせるからね……ちょっと着てみようか……うん、今のお洋服脱いでね。そうそうパンツも」


 手に取って見たその『みずぎ』はユニの体にはちょっと大きかったんだけど、アリサおねぇちゃんが魔法でピッタリのサイズに合わせて着せてくれたの! えへへ、嬉しいな♪


「わぁ~ユニちゃん可愛いです!」

「うんうん! 素敵よユニちゃん! もう~抱き締めたいくらい!」


 アリサおねぇちゃんに着せてもらった『みずぎ』が嬉しくて、ニコニコしてるとサーサちゃんとレイリーアちゃんが歓声をあげた。


「ふふ、はいユニ~鏡だよ。自分でもどんな姿になってるのか見てみようか?」

「うん! わぁ~これが『みずぎ』なんだ~えへへ、動きやすい~♪ ねぇねぇアリサおねぇちゃん! ユニ早く『海』ってのに入ってみたーい!」


 ユニがねそうやってアリサおねぇちゃんと早く遊びたくて急かしていると。みんなも、ここで迷って時間を潰すのは勿体ないって思ったのかな? 着てみようってなったんだよ! よかったよかった♪


「ねぇねぇ、サーサ。これ着てれば水浴びももう少し気楽にできるかしらね?」

「そう、ですね……最悪裸を見られる~なんてことはなくなりそうですけど……」

「あはは、冒険者だと気楽にお風呂~なんて入れないだろうしね。アリサに頼んで数着もらっていけばいいんじゃない?」

「いいですね、私達『四神』も人の姿になることが多そうですし、朱美さんの言うように数点頂けないか聞いてみましょう♪」


 どれがいいかしら? これもいいわね~とかワイワイと楽しそうに『みずぎ』を選ぶサーサちゃん、レイリーアちゃんに朱美と水菜ちゃん。特に冒険者の二人は凄く興味津々みたいだよ? それは普段気軽にお風呂に入れる訳じゃないからみたい。


「フェリア、貴女はどんなのがって、もう決まったの?」

「はい! 母上。私はこの動きやすそうなワンピースタイプを選びますが、母上? どうしてそんな変な顔をされるのですか?」

「あらいやだ……いえ……貴女のその即断即決ぶりが少し羨ましくなったのだけど。夫はどんな水着が好みなのかしらって考えると悩んでしまうのよ」


 こっちではフェリアちゃんとネヴュラままんがどの『みずぎ』にするか悩んでるみたい。ん~? 悩んでるのはネヴュラままんだけでフェリアちゃんはもう決まってるのか。ふんふん、「色っぽいのか、もっと大人しいのがいいか?」なんだろうねぇ~アリサおねぇちゃん?


「母上……父上以外の男性の目も御座います。自重なさって下さい、娘の前でそのような……もう~」

「あら、いけないわフェリア。女が一番してはいけないことは相手の信用の上にあぐらをかき、己を磨くことを忘れてしまうことよ?」


 フェリアちゃんとネヴュラままんの会話を聞いていた、サーサちゃんとレイリーアちゃん、そして水菜ちゃんとアリサおねぇちゃんがその言葉にピクッって反応した。


「私は何時如何なる時も夫にとって、『いい女』でいられるよう努力を怠りはしないわ」

「あ、相手の信用の上にあぐらを……なんて勉強になる言葉でしょうか!!」

「ダーリンにとって何時だって『いい女』でいる為に努力! そうね! その通りだわネヴュラさん!!」


 うん~? ユニにはよくわかんないや、サーサちゃんとレイリーアちゃんが凄く感動した様子だけどなんだろね?


「その母上の努力を父上は知っておられるのですか? こう言ってはなんですが父上は素っ気ないように見えるのですが?」

「あらあら、うふふ♪ まだまだ子供ねフェリアは。見返りを求めてはいないのよ? 言ったでしょう? 『己を磨く』って」


 どうやらネヴュラままんはもう少し選ぶのに時間かかりそうだし、他の人の様子を見て見ようかなぁ~アリスちゃんとかティターニアちゃんはどんなの選んだんだろ?


(わたくし)この水着が素敵だと思いましてよ♪」

「ほう、良いのぅ~うむむ、妾には流石に似合わぬな……もっとこう、ぷりちぃなのが……」

「ティターニア、それはあんたが着る方がいいでっしゃろい、たまみんにはちぃとハードルたっけぇでっすよ」


 たまちゃんもアリスちゃんも交じって考えてるみたいだね。ティターニアちゃんが手に取ってたまちゃんにオススメしてるのは、『くりすくろす・びきに』っていうんだって、アリサおねぇちゃんが教えてくれた。上下の二つにわかれていて、胸の下部と腰の部分が布地を前後に巻かれるオシャレな『みずぎ』だね。うん、大人の女の人が着るんじゃないかなぁ?


「これは……うん、今後の参考に出来そうですね!」

「だね! おぉ~♪ これなんて可愛いじゃーん! うちこれにきーめた♪」

「ん……リボンにフリルついてて可愛い……あたしはこれにしよう」


 もう一方では女神様達がユニ達と同じようにわいわいしながら、『みずぎ』を選んでる。アルティレーネ様は特にそのデザインに注目して、少ない布で如何に個性を出すか~とか、ぶつぶつ言ってるね。フォレアルーネ様とレウィリリーネ様はそれぞれ、『ほるたぁねっく・びきに』『りぼん・びきに』っていうのを選んだみたいだよ。


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【実はお付き合いしてます】~懐の広い男性達~《ユニview》

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「お、やっと来たみたいだぜ? 待ってました!」

「待ちくたびれたよも~女の人って着替えにすげぇ時間かかるよなぁ~」


 ユニ達女の子がみんな『みずぎ』に着替えて、浜辺に出て見ればゼルワのお兄ちゃんとパルくんが出迎えてくれたの。えへへ~お待たせしちゃってごめんね~。


「ふっ、度量が足りぬぞパルモーよ。女人の事情を飲み込める寛容さを身に付けよ。ネヴュラ、うむ……よく似合っておるぞ」

「まぁ、うふふ♪ ありがとうあなた」

「え~? 僕にはよくわかんないや!」


 ネヴュラままんの『みずぎ』は『ぷらんじんぐ』っていう、胸元がぱっかりVの字に開いてるせくすぃなやつだよ。すごいや、将来ユニも『ぷらんじんぐ』の似合う大人の女性になれるかな?


「サーサも……その、に、似合ってるぜ……可愛いよ」

「ぜ、ゼルワ……ありがとう……♥️」

「み、水菜? お前……すげぇな、見違えたぜ?」

「な、なんですか大地……は、恥ずかしいからあんまり見ないで……でも、ちゃんと見て……」

「朱美。見事だ」

「はぁ、爽矢~何よその反応は? まぁ、あんたから気の利いたセリフが出ただけマシかしらね?」


 にゅふふ、男の人の反応が面白いなぁ~♪ ゼルワのお兄ちゃんはサーサちゃんを見て目をまるくしてるし、大地は水菜ちゃんの胸元をチラチラって見ては顔を背けるってのを繰り返してる。爽矢は堂々としてるように見えるけど、ちょっと顔が赤くなってる。


「ん? んん~? ちょっと待って! え、大地さんと水菜さん。それに爽矢さんと朱美さんって……え? そういう仲だったの!?」

「あら? レイリーアさん。私達言っていませんでしたでしょうか?」

「カップルだよ?」

「ん……昔から仲がいい」


 ええぇぇーっ!? って、冒険者のみんなから驚きの声があがってる。アルティレーネ様、フォレアルーネ様、レウィリリーネ様から『四神』の関係を聞かされてびっくりしたみたい。


「あぁーん! アタシもこの水着をダーリンに見せて褒められたいわぁ~!」

「ふはは! それならばまた来るしかないのぅ! 儂もファムを連れて戯れてみたいわい」


 あーんって両手を胸の前で握ってジタバタしてるレイリーアちゃん、ドガのおじいちゃんも腰に両手を当てて笑ってる。えへへ、大好きな人には見てもらいたいよね!


「ますたぁ~ほらぁ早く行きまっしょい!」

「もぅ~往生際が悪いわよアリサ姉さん! みんな待ってるんだからほらほら!」

「そうじゃぞ~アリサ様♪ 女は度胸じゃて」


 あ! アリスちゃんとてぃりあ様、それにたまちゃんも! わーい! アリサおねぇちゃんを連れてきてくれたんだね! アリサおねぇちゃんってば、「私はまだ元男として抵抗が~」とか言って頑なに『みずぎ』を着ようとしなかったんだよね!


「まっ、待って! 待ってよ三人とも! あうぅ~ミーナ助けて~」


 声の方に目をやると、アリスちゃんとてぃりあ様に手を引かれてアリサおねぇちゃんがやってきた。アリサおねぇちゃんの『みずぎ』は、普段アリスちゃんが着てるようないっぱいのフリフリがついた『ろりーたゆみはんそでとっぷふりるすかーと』だよ~♪ ユニの着てる『みずぎ』を上下二つに分けたみたいなやつ! お揃いぽくて嬉しい!


「ああ、アリサ様……なんと可憐な、可愛らしさの中に同居する美しさが一層魅力的です……」


 アリサおねぇちゃんの姿を見たアイギスおにぃちゃんが、ふらふら~って感じで吸い寄せられて、恥ずかしがってるアリサおねぇちゃんの手をぎゅってした。


「あ、あぅ……ありがと、アイギス。さ、流石に抵抗あるんだけど……頑張って馴れるよ」


 むふぅん♪ アリサおねぇちゃんも褒められて嬉しいみたい! テレテレしてても優しくにっこりしてるもんね!


「かぁーっ! そーんな歯の浮くような台詞よく言えたもんでっすねぇ~? このどむっつり変態ナイトさんは! ほらほら! さりげなく手なんか握っちゃってねぇでティリア様とたまみんを褒めやがりなっさい!!」


 ぺしん! ぷりぷり怒ったアリスちゃんに手をはたかれてはっとなってるアイギスおにぃちゃん。ふふ、ホントにアリサおねぇちゃんのこと大好きなんだねぇ~♪


「こ、これは失礼しました。お三方共とてもよくお似合いです」

「「「…………」」」


 取り繕うように爽やかな笑顔を見せてアリスちゃんとたまちゃん、てぃりあ様を褒めるアイギスおにぃちゃんなんだけど……褒められた筈の三人の視線が冷たい。


「聞いたかえ? 主神よ……」

「ええ、こうもあからさまだと怒る気も失せてあきれるわね……」

「あっはっは! いや~お手本みたいな社交辞令でっすよ! まぁ、一途みたいで何よりでっすけどね!」


 んん~? なんだろなんだろ? アリサおねぇちゃん、アイギスおにぃちゃんどーいうこと~? ユニにわかるように教えて~?


「えっと……えへへ、なんだろね? 私にもよくわかんないや! それより、ほらほら遊ぼうよユニ♪」

「うん! ユニねアリサおねぇちゃんといっぱい遊びたい! ねぇねぇ! なにして遊ぶの!?」


 そうだよそうだよ! 折角こうやってお出かけしてるんだもん、いっぱい楽しみたいよ! ユニがアリサおねぇちゃんに聞いてみるとね……


「ふふ、そうだね! じゃあ折角海に来たんだし……入って、泳いでみよっか?」

「はーい! むふーっ海の水はしょっぱいってホントかなぁ~? アイギスおにぃちゃんもたまちゃんも行こう~♪」

「おうおう行ってみるかの♪」

「ああ、お待ちを。しっかり体をほぐしませんと足をつってしまいますよ?」


 アイギスおにぃちゃんだけじゃなくて、みんなも海に入る前に準備体操してね~って、アリサおねぇちゃんも呼び掛けてるので、しっかり体操するよ! じゅうぶんにほぐれたところで、アリサおねぇちゃんが用意してくれた、アヒルさん浮き輪をもってどぼーん!


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【綺麗な海】~しょっぱい!~《ユニview》

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《わぁ~見てユニ! とっても綺麗だよ!》

《うん! すごーい! お魚さんもいっぱい!》


 アリサおねぇちゃんが魔法をかけてくれたおかげで水の中にいても、おはなしできるし、息も吸えるの! そして、はじめはユニね水に顔をつけるのがちょっと……ちょっとだよ? 怖かったんだけどね、アリサおねぇちゃんが潜って見せてくれたのね? その時、「凄い綺麗な海だよ」って言うから、思い切ってみたの! えらいでしょ!? そして海の水はホントにしょっぱかったよ!


《確かに……なんて美しい海中でしょうか。魚達も向こうから寄ってくるほどとは……》

《うむ、警戒しておらぬのじゃな。水菜はよう管理しとるようじゃ》

《うはは♪ 見てくださいマスターこいつすんげぇおもろい顔してますよ!》


 ユニに続くのがアイギスおにぃちゃんとたまちゃん、アリスちゃんの三人。準備体操を済ませたユニ達はみんな思い思いのグループに別れての自由行動。

 まず『四神』達は『四神』達で集まって、次にユニ達をおもてなしするのは誰にするかを『びぃちばれぇ』で決めるんだって。それに巻き込まれてるのがフェリアちゃん、パルくん、ドガのおじいちゃんの三人。水菜ちゃんは審判だって言ってた。

 そしてゼルワのお兄ちゃんとサーサちゃん、バルガスさんとネヴュラままんは浅いところで水の掛け合いしたり、浮き輪でぷかぷか浮いたり、軽く泳いだり潜ったりして楽しんでるみたい。

 てぃりあ様、アルティレーネ様、レウィリリーネ様はなんか砂浜で凄いの作ってるの! できてからのお楽しみってことで詳しくは知らないけどね。うん、楽しみにしてよう♪ ただ、心配なのはその様子をジーっと見つめて尻尾をフリフリしてるミーナちゃんの存在だ。どーん! ってやっちゃいそうで怖いね。

 フォレアルーネ様を中心にティターニアちゃんとレイリーアちゃんが、なんか先に糸のついた棒みたいなの持って小さい小舟で海の上をスイスイーって動いてる。なんだろう? ってアリサおねぇちゃんに聞くと『つり』ってのをするんだって!


「ぷはぁっ! や~良いもん見れたわ♪ 人に汚されていない海ってこんなに綺麗なのね~!」

「ふぅ~こんなに長く水中遊泳ができるとは……堪能させて頂きました! アリサ様感謝致します」

「『懐刀』達や妖精達に良い土産話ができまっしょい♪ あ~アリスもこういう自分の世界構築してみたいでっすねぇ~」


 ひとしきり海の中を楽しんだユニ達は、そろそろ上がろうってアリサおねぇちゃんの言葉に海面に浮上してきた。アリサおねぇちゃんに抱っこされてユニとたまちゃんはアヒルさんの浮き輪でぷかぷか♪


「ふはは♪ シドウの奴め留守番になったことを嘆いておったからの、沢山土産を用意してやらねばな」


 そうなんだよね、『懐刀』のシドウじいちゃん、リンちゃんにジュンくんは『聖域』でお留守番してくれてるんだ。ふふ、帰ったら今日の楽しかったこといっぱいおはなししてあげよっと♪


「自分だけの小世界かぁ~良いわね! 私も暇見てイメージ作っておこうかな?」

「うへへ、その時はアリスを是非お招きくださぁい♪」


 五人で浮き輪でぷかぷかしながら楽しくおはなしをして、笑いあっていると、ぐぅぅ~! って大きな音がアイギスおにぃちゃんのお腹から聞こえてきたよ。


「あはは、アイギスお腹空いたの? そうね、もうお昼時だもんね」

「ううぅ、お恥ずかしいところを……」

「うはは! むっつりんさんてばでっけぇ腹の音~草生えますわぁ♪」

「ふははは! なになに、健康でよいよい」

「アリサおねぇちゃん、『白銀』のみんなもお腹空かせてるんじゃないかな? ごはんにしよごっはん~♪」


 えへへ、アリサおねぇちゃんは色々お料理のざいりょーも持って来たって言ってたからね! すごく楽しみにしてたんだ~♪ どんなの作ってくれるのかな? ワクワク~♪

 そんなわけでみんなで浜辺に再集合♪ 予想通り『白銀』のみんなは揃って「お腹空いた~」って言ってたよ!


「如何でしたかアリサ様。私の棲処は? ご紹介できたのはまだまだ一部分だけですが、お気に召すとよいのですけれど……あ、これ、仰られてた海草と魚ですご確認下さい」

「ありがとう水菜! 私は大満足だよ~空気はいいし、海はめちゃめちゃ綺麗だし! そしてこれこれ~ワカメに昆布、カツオまで! ん~♪ 花丸をあげましょう!」


 わーいやりました~♪ ってピョンピョン飛び跳ねて喜ぶ水菜ちゃんはすっごく嬉しそう♪


「くっ……水菜、水着でそんなに跳ねないの。はしたない……」

「すんげぇ揺れたわね……私達からは減点をあげる」


 レウィリリーネ様とてぃりあ様からはなんでか減点されちゃって、よよよ~ってなる水菜ちゃん。喜んだり落ち込んだり忙しいねぇ~。


「もぅ、ティリア姉様もレウィリもあまり水菜をいじめないでくださいね? それで、『四神』達のビーチバレー勝負はどうなったんです?」

「応! それなら俺とドガのチームが勝利だぜ! 姐御! 次回は俺んとこで騒ごうぜ!」


 アルティレーネ様がてぃりあ様とレウィリリーネ様を注意して、『四神』達の勝負の結果を聞いてる。すると、得意気に胸を張って大地とドガのおじいちゃんが躍り出たよ。


「ほっほっほ! 儂と大地殿の連携がガッチリ噛み合ったんじゃ! まだまだ若い者には負けんぞい♪」

「くっそ~! 悔しいなぁ! 朱美姉ちゃんごめんなぁ~」

「あはは! いいわよいいわよ♪ パルモー頑張ってくれたものね。次は勝ちましょう!」

「申し訳ありません爽矢さん……私が至らぬばかりに!」

「いや、何……我もルールの把握に手間取ったしな……フェリアのせいではないぞ?」


 一番勝ったのが大地ドガチームなんだって! で、爽矢フェリアチームは一回も勝てなかったみたい。これでアリサおねぇちゃんがお邪魔する順番が、西の大地、南の朱美、東の爽矢って決まったそうだよ~♪


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【能力の無駄遣い】~こだわりの砂城~《ユニview》

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「ん……あたし達もミーナに勝った!」

「なぁ~ん?」

「ええ、危なかったですが……守りきりましたよ!」

「見てみんな! あの立派な城を!」


 じゃーん!! って、レウィリリーネ様、アルティレーネ様、てぃりあ様が御披露目したのはなんと見事な砂の城! えぇっ!? なにこれ~!? スゴーイ!


「これはなんと見事な! このバルガス感服いたした!」

「あなた見て! ここ、この窓から内部が少し見えるのですけれど……ほら!」

「うおぉ!? すげぇーっ! これ中までしっかり作られてるじゃないですか!」

「ま、まるで芸術品ですよ! ま、魔法! 魔法で保存しましょうよ!」


 バルガスさん&ネヴュラままん、ゼルワのお兄ちゃん&サーサちゃんのカップル二組がユニ達を代表するかのように驚いた。うん、本当に凄い細かい所まで丁寧に作りこまれてるからびっくりだよ~!


「なんちゅう無駄なクオリティの高さよ……で、ミーナに勝ったってのはどーいうこと?」

「危なかったのよ! アリサ姉さん? ミーナってば私達の手の動きに反応して飛び掛かってくるんだもの!」

「この傑作が崩されるところだった……」

「あんなに必死に気を惹く事になるなんて思いませんでした……」


 だから三人とも疲れた顔をしてるんだね……うん、ミーナちゃんも海を見てはしゃいじゃったのかな~? なんかこう~開放的な気分になったのかもしれないね!


「うち等はちょいと沖に出てF作業楽しんできたよ♪」

「ウフフ! 御覧なさって下さいまし! これが(わたくし)達の釣果ですわぁぁ~♪」

「凄いわよ! もう入れ食い状態なの! みんなで頂きましょう?」


ドドーンッ!!!


 凄いでっかい音を立てて、フォレアルーネ様が虚空に転移陣(ワープポータル)を展開させたんだけど、そこから出てきたのがユニ達も見た、フォレアルーネ様達が乗ってた小舟だったの!


「なんと!? まさかこれほど釣ってきおったのか!?」

「これは凄い! 大小様々な魚に海の生物が沢山!」


ビッチビッチビチビチビチーッッ!!


 小舟に文字通り山盛りにされたおさかなさん達が揃って跳ねる跳ねる! その音ときたら最早騒音の域だよ! こんなにいっぱい食べきれるかな!?


「うおぉ!? すんげぇ~! こんなにいいんでっすみずにゃん?」

「大丈夫ですよアリスさん、遠慮なく召し上がって下さいね? ではアリサ様、お料理を!」

「いやいやいや、待ちたまへよ? こんな馬鹿でっかいマグロまで……魚は鮮度が命なのよん? だから、『貯水槽(プール)』っと!」


 ドン! って砂浜にアリサおねぇちゃんの魔法でおっきな水槽があらわれる。ホイホイホーイって小舟で踊ってる魚達と海の水をその水槽に入れて、ふぅ~って一息ついたアリサおねぇちゃん。


「よし、じゃあやりますか! みんな~手伝ってね!」


はーい!!


 アリサおねぇちゃんの声にみんなで答える。いっぱい美味しいごはん作ろう~♪


「うっは!! 滅茶苦茶良い匂いする~!!」

「ふふふ、焼きそばだよ~♪ ソースは自作だけど、結構美味く仕上がったと思うんだ!」


 フォレアルーネ様が立ち込める美味しそうな香りに涎をたらしてる。この良い匂いはアリサおねぇちゃんが作った『そーす』ってのが焼ける匂いみたい。


ジュワジュワジュワーッ!


 鉄板の上でそんな小気味良い音と、すんごく香ばしい『そーす』ってのが焼ける匂いをユニ達に届けてるのは、『やきそば』っていうお料理! 小麦から作った細長い棒みたいなのを何本も作って、豚肉と一緒に焼いて『そーす』とキャベツ!


「はい、手始めにこの『焼きそば』をどうぞ♪」


うんまーいっ!!


「美味い!! こりゃいくらでも食えそうだぜ!」

「フワフワキャベツもそうですけど……うん、やっぱりこの『ソース』が決め手に」

「うむ! この紅生姜もまた美味い!」


 集まったみんなに『やきそば』が配られていただきますしたあと、その美味しさにあがる歓声。うん! 凄く美味しいよ! 大地、サーサちゃん、爽矢も喜んでる。


「よし! じゃあ、覚えたわねアリス? 任せるわよ?」

「おっ任せくっださぁいマスター! この焼きそばアリスが完璧に作りまっしょい♪」


 パパパパーッってあっという間に『やきそば』を焼き上げるアリサおねぇちゃんは、側で見ていたアリスちゃんにバトンタッチして次のお料理に取り掛かってる。


「ホタテのバター醤油焼き! うはぁ~♪ やっぱ良い匂いだわ~たまらん!」


ドジュウゥゥゥーッッ!!


 網の上に乗せられた、『ホタテ』っていう貝からそんないい音を出して喜ぶアリサおねぇちゃん。ユニはその音もそうだけど、この美味しそうな匂いだけでもうもう~じゅるり~なんだよぉ!


「こりゃまた立派なマグロだこと……でっけぇわぁ~よく釣れたわね。虫は……マジか? マジでいないのか!?」

「アリサ様、魚をじーって見てどうしたのです? 虫って?」


 はむはむ……うん~♪ 『やきそば』『ホタテのバター醤油焼き』美味しい~♪ って、アリサおねぇちゃんは手を止めて、すんごく大きいまな板に乗せた、これまたどでかい『まぐろ』っていうお魚を見てはなんか少し驚いてるみたいなの。どうしたんだろ? 水菜ちゃんも不思議に思ってるみたい。


「あー皆はさ、魚を生で食べちゃ駄目だって言われたことない?」

「あります。生魚を食すと酷い腹痛にみまわれるからだと……」


 へぇ~そうなんだ、アイギスおにぃちゃんはそんな経験があるのかな? でもどうしてお魚を生で食べるとそうなっちゃうんだろ?


「その理由ってのが、魚の体内にいる小さな虫が原因なんだよ。焼いたり茹でたり、加熱してやったりするとその虫も死ぬから大丈夫になるのね? で、今この魚を鑑定で見てみたら、なんと! その悪さする虫がいません!」


 ほへ~そうなんだ……じゃあそのお魚は生でも大丈夫なんだ?


「だから! お刺身にしまーす!」

「おぉ~? 大丈夫……なんです、よね?」


 お刺身~ってなんだろ? ゼルワのお兄ちゃんが代表して聞いてるけど、アリサおねぇちゃんが大丈夫って言うんだし、だいじょーぶなんだよ!


「むふふ……行ってみるかねゼルワくんや? この魔女さんを信じるも信じないもチミ次第だぞぅ~?」


 お魚を捌いて、お皿にその綺麗な切り身を乗せた後。別の小皿に爽矢からもらった『おしょうゆ』とすりおろした『わさび』っていう緑色の何かを一緒にゼルワのお兄ちゃんに差し出すアリサおねぇちゃんは、ふふふ~って怪しく微笑んでいる。


「うっ……そんな怪しげな笑みを見せられたら絶対警戒しますって! でも俺はいくぜ!!」


 パクっ! おお、ゼルワのお兄ちゃんが切り身を一切れ食べた!


「うん、まぁ~美味い……かな? 口の中で良い感じに脂が溶けて……」

「ふふ、じゃあお醤油につけて食べてみて?」


 どうやら絶賛するほど美味しいわけじゃないみたい。ゼルワのお兄ちゃんはうーんって顔をしてるからね。それでアリサおねぇちゃんから今度は『おしょうゆ』をつけて見てって言われて、素直に従うゼルワのお兄ちゃん。


「!? うおぉ! うめぇ! すげぇ美味いですよアリサ様!」

「でしょう? じゃあね、今度はそのお醤油にわさび、そう、その緑色のやつを少し溶かして、同じようにつけて食べてみてよ? つけすぎると凄くツーンってなるから少しずつね?」

「はい! じゃあ、こんくらいで……どれ?」


 アリサおねぇちゃんのアドバイス通り『わさび』を少し溶かした『おしょうゆ』に切り身をひたしてパクっってしたゼルワのお兄ちゃん。どうなのかな?


「う、んめぇぇーっ!! この緑色のやつをつけるとすげぇうめぇ! アリサ様お代わりほしいです!!」


 おおーっ!! 凄い、最初は大したことなさそうって感じだったのに! そ、そんなに美味しいならユニも食べてみたいよ! そう思ったのはみんな一緒みたいで私も俺もーっ! ってアリサおねぇちゃんに詰め寄ってる。


「お刺身もいいけど、柑橘類から作ったドレッシングをかけたカルパッチョも美味しいよ!」

「これは、本当に美味しいわ♪ 私はお刺身よりこっちが好きかも!」

(わたくし)もこちらの『カルパッチョ』の方が好みですわ! あ、『お刺身』も美味しいのですけれど……」


 続いてアリサおねぇちゃんが出してくれたのは、お皿にまるでお花が咲いたように飾り盛りされた、まぐろさんの切り身。その上に綺麗なオレンジ色のソースがかけられてる『かるぱっちょ』っていうお料理。ユニも食べてみたんだけど、酸っぱいの! でもでも、それがまたまぐろさんにあって凄く美味しい♪ ユニも朱美とティターニアちゃんの意見に同意かな! 『お刺身』も凄く美味しいけど、『わさび』の量間違えると、「ツーンっ!!」 ってなっちゃうんだもん。


「デザートにはかき氷も用意してあるからね♪ 楽しみにしてて」

「氷? アリサお姉さん……氷を食べるの?」


 うん? 『かき氷』って……氷? あのひゃっこいの? あれを食べるの? レウィリリーネ様じゃなくても、みんな「ん?」ってなってるんだけどアリサおねぇちゃん。


「氷か、東方のグレブヒュ火山に赴いた際に口に含んで熱さに耐えて進んだな」

「おお! あったのぅ~あれはしんどいもんじゃった!」

「出来れば二度と行きたくないわね……」


 アイギスおにぃちゃん達『白銀』のみんなは、以前に行ったことのある火山を思い出したんだって! 凄く熱くて大変だった~って言ってるね。


「あ~今回出すのはそんなサバイバル~なんじゃないからね? 試しに食べてみるかね?」


 そう言っていつの間にか持っていたミーにゃんポーチから、『かき氷』を取り出すアリサおねぇちゃん。なんだろう、細い一本足のついたお皿に白い山。『氷』って言うくらいだし冷たいんだろう。冷気が出てるね。


「そうね~パルモーあんたイチゴ好きよね? 牛乳も」

「うん! 僕イチゴ牛乳大好き!」

「じゃあねぇ~この『かき氷』に、イチゴを潰して作ったソースと~牛乳にお砂糖加えて濃縮させた、コンデンスミルクをかけて……はい、食べてみて!」


 この中でも特にイチゴが好きなパルくんを名指しして、白、赤、白って色のついた『かき氷』を差し出すアリサおねぇちゃん。パルくんはそれを受け取ってスプーンで一口、パクっ!


「わぁー! 冷たくてイチゴの酸味とミルクの甘さが口いっぱいに! 美味しい! 凄く美味しい♪」

「あ、ちょっとそんなに一気に食べると……」


 パクパクパクーっ! って凄い勢いで『かき氷』を食べるパルくんだけど、ピタッってその動きが止まった。


「にゅわーっ! 頭がキーンってするぅ~!」

「あ~あ、言わんこっちゃない……冷たいものを一気に食べるとそうなるんだよ? ゆっくり味わって食べんさいね?」

「は、はーい……イテテ……でも! これは滅茶苦茶美味しい♪」


 へぇ~! そんなに美味しいならユニも食べてみたいよ! って、同じこと思ったのはみんな一緒みたいだね♪


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【一日を終えて】~願うのは~《アリサview》

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「アリサ姉さん、あら?」

「ティリア、しぃ~」

「あらら、ふふふ♪ ユニったら寝てしまったのですね?」

「ん……今日は沢山遊んだから♪」

「うん♪ ゆにゆに凄く楽しそうだったね」


 水菜の棲処で丸一日使って遊び倒した後の神殿の私の部屋。入室してきた妹達に人差し指を口にあて、『静かに』のサインを見せる。私の膝枕でスヤスヤと寝息をたてるユニを見て察したのだろう。静かに小声で応答してくれた。

 今日はユニと珠実の提案のおかげで、とても楽しい一日を過ごせたからね、凄く感謝してる。最近はなにかと忙しかったのもあって、かまってあげられなかったから……今日を教訓にして、もっと余裕を持てるようになりたいな。


「お昼ご飯食べた後もはしゃいでたもんねぇ~♪ ふふ、私もホントに楽しかったわ」

「いっぱい泳いだから……あたしも、ほどよくだるさと眠気が来てる……ぐぅ……」

「ふふ、いいよレウィリ。そのまま寝ちゃいなよ」


 ティリアも人のこと言えないくらい目一杯楽しんでたわよね? おっと、レウィリリーネが船こぎだしたので遠慮せずに横になるように促す。


「次は大地のところだってね! アリサ姉の好きなもふもふがいっぱいって話だよ? 楽しみだね!?」

「うんうん♪ もうめっちゃ楽しみよ~!」

「今回お留守番になってしまった『懐刀』達や『ガルーダナンバーズ』の皆も一緒にいければいいのですけれど」


 フォレアルーネも楽しかった一日を惜しんでいるんだろう。今日の気持ちそのままに次に行く予定の、白虎こと、大地の棲処ではどんな楽しいことがあるんだろうって思ってるみたい。勿論私も楽しみだ。なにせ可愛いもふもふっこ達が沢山いるらしいからね♪

 そしてアルティレーネの言う『お留守番組』にも感謝だね。黄龍のシドウなんて、よっぽどユニと遊びたかったのか、留守番をめっちゃ渋ってたのよね。まぁ、お土産に魚のお刺身とか色々食べさせてお酌してやって~と、なんとか機嫌直してもらったんだけどね。次回は連れていかないとまた面倒になりそうだわ。


「そこは後でみんなで考えようか? 他のみんなはどうしてるの?」

「みーんな似たようなもんよ~『白銀』達も『聖魔霊』達も『四神』達もひとしきり飲んで騒いで、今はぐおぉ~って寝ちゃったわ♪」

「ティターニアは国から遣いが来て、お仕事ですって連れて行かれました」

「あっはっは♪ あのときのティタっちの「嫌ですわぁ~!」って泣き顔がおもろかったよ♪」


 あはは♪ そっかそっか、『聖域』に帰って来たら来たで、今度はお留守番してた皆と土産話で盛り上がったんだよね。当然お酒も出たから、わいわいと楽しく飲んで騒いでた。私は途中までユニと楽しく、おつまみとか色々作ってたんだけど、ご覧の通りユニが遊び疲れてぐっすりんしちゃったから寝かせに来たの。


「ユニもレウィリもぐっすり寝ちゃってるみたいだし、戻ろうか。後片付けもしなきゃいけないしね」

「はい、私達もお手伝いしますよ。アリスさんとアイギスさんがが気を利かせて少し手掛けてくれていますし」


 見ればユニもレウィリリーネも深い眠りについてるようだ。すぐには起きてこないだろう。無事に寝かしつけることができたので、今度は宴の後片付けだ。アルティレーネがアリスとアイギスが既に始めているって教えてくれた。アリスはともかく、お客さんであるアイギスにまで手伝ってもらっちゃうのはなんだか申し訳ないね。まぁ、小間使いの罰は継続中だからいいか。


「ミーナ殿は本当に元気ですね……少し興奮しておられるのでしょうか?」

「でっすねぇ~めっちゃ暴れとりまっすし、余韻抜けずってとこでっしゃろい?」

「うなぁーん! にゃーん!!」「ぷー!」「ぷっぷ~♪」

(あぁぁ~同胞も触発されて走り回っちゃってます~なんだかすみません!)


 ユニとレウィリリーネをベットに横にして、宴会が行われていた広間に戻ってみるとアイギスとアリスが寝落ちしたみんなを邪魔にならないよう端に寄せて毛布をかけてあげていた。その足元をドタドタドターッって走り回るミーナとモコプー達。エスペルは落ち着いたものだけど……なにやってんのよ?


「二人とも片付けありがとね、後は私達がやるから休んでてよ」

「あ、マスターユニちゃん先輩はぐっすりんこでっすぅ~?」

「お疲れ様です、アリサ様。女神様方。おや……レウィリリーネ様はどうされたのです?」


 戻ってきた私達に気付いた二人が声をかけてくる、ユニとレウィリリーネを寝かしつけて来たことを説明し、テーブルを確認すればもうほとんど片付けられているようだ。感謝だね!


「ミーナ、暴れてないでいらっしゃい? うん、いい子♪ モコプー達もありがとね?」

「なぁ~ん」「ぷぅ~♪」「ぷっぷ~♪」「ぷぷ~!」


 ドタバタ暴れてるミーナも私の姿を確認すると、落ち着いたようで、足元に寄ってきて顔をすりすりしてくる。甘えたいお時間なのね~? ほい、抱っこ♪


「二人とも今日は楽しめた?」

「フォレアルーネ様、ええ……今日は一生の思い出です!」

「大袈裟でっすねぇ~? ま、それだけ楽しかったってのはアリスちゃんも同意でっすよ♪」


 腕の中でゴロゴロ言ってるミーナを撫でていると、フォレアルーネが二人に今日のことを聞いてる。私達は折角だから椅子に腰掛けて少し語り合った。

 今日のこと……直近の出来事……少しだけ昔のこと……そして、近い将来のこと……

 願うのは皆同じ。

 今日のような穏やかで、楽しくて、笑顔溢れる優しい未来。

 私達は互いそんな未来を夢見て静かに乾杯を交わすのでした。

アイギス「うむぅ……ほどよい眠気が……( ´・ω⊂ヽ゛」

アリサ「泳いだからだね~いい感じに全身運動だから( ´ー`)」

ティリア「そう言えばアリサ姉さんの水着とエプロン姿エロかったわね~( *´艸`)」

アリサ「えぇっ!?Σ(・ω・ノ)ノ」

アルティレーネ「そう、ですね……まるで裸の上にエプロンだけを着ているような状態でしたし(*/□\*)」

フォレアルーネ「うはは♪ 裸エプロンなんて上級者だねぇアリサ姉(ノ≧∀≦)ノ」

アリサ「ちょっ!? 違っ違うからね!?ヾ(;゜;Д;゜;)ノ゛アババ」

アイギス「……アリサ様の水着を脱がすのは……私……(。-ω-)zzz」

アリス「うおぉぉいっ!?Σ(ノ`Д´)ノ一体どんな夢見てやがりまっすかこのドすけべナイトぉっ!?(゜Д゜;)」

ティリア「キャーッ( ☆∀☆)なになに!? アリサ姉さんてばアイギスに脱がされてるの!?ヘ(≧▽≦ヘ)♪」

フォレアルーネ「うっひょぉぉーっ!ヽ( ゜∀゜)ノ夢の中ではもう一線越えてるっぽーい(*≧ω≦)♪」

アルティレーネ「あ、アリサお姉さまっ! そんな、男性に脱がしてもらうなんて……大胆です!(*ノωノ)」

アリサ「ゆ、夢でしょーっ!?Σ(゜ロ゜;)何を想像してんのよ(*≧д≦)起きなさいアイギス~夢の中で私になにしてんの!?(#゜Д゜)ノ」

アイギス「あぁ……いけませんアリサ様……私の……そんな……(-_-)zzz」

アリサ「むわぁぁっ! あんたの夢の中で私はなにしてるのぉ!?Σ(*゜Д゜*)」

アリス「ずっるいでっすよむっつりんさん! マスターから何かしてもらうなんて! ちょいとその夢の中にお邪魔させてくださいよぉ~!Σ(;゜∀゜)ノ」

女神達「「「「アリサ姉さん」お姉さま」姉ってば大胆~♥️♪o((〃∇〃o))((o〃∇〃))o♪」

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