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TS魔女さんはだらけたい  作者: 相原涼示
154/211

閑話 メビウスの四季 春~後編~

アリサ「はい(*´□`)ノ こちらユニークアクセス六万超え記念の閑話、その後編だよ~♪ヾ(・◇・)ノ」

ユニ「前編も同日投稿だからお見逃しなく!o(*⌒―⌒*)o だよぉ~♪ヽ(*>∇<)ノ」

ブレイド「へへ!(^ー^) 袴ってなんか大人になれたみてぇでいいな!(*^▽^*)」

ミスト「ふふ♪(*^-^) この着物って動きづらいけど、なんか落ち着くよ♪(*´∇`*)」

アリア「んぅ背筋伸びて姿勢がよくなります(゜ー゜*)」

水菜「はうぅぅーっ!(>o<") 着物苦しいよぉ~(´;ω;`)」

ゆかり「だらしないぞ水菜!(´・∀・`) しゃんとしろ♪(*´▽`)」

朱美「ふふ♪( *´艸`) 着物でアピール大作戦!( ≧∀≦)ノ 頑張りなさいよぉ~?(*´∀`*)」

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【着物と黒髪】~美しい所作~《アイギスview》

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「はぐはぐっ! んぅ~♪ この三色団子も桜餅も美味しいですねゼルワ!」

「んおぉ? んぐっ……だなぁ~俺さ、特にこの桜餅がチョー好きだわぁ~ほら、サーサ。あーん?」


 あーん、ぱくちょ! モグモグ美味しい~♪ と、イチャイチャゼルワとサーサのカップル。


「ゼルワさんもやっぱり桜餅が気に入りましたか? 実は僕もなんです……これがアリサ様の探している小豆なのですね?」

「ふふ、こし餡って言ってたわね。この甘さを楽しんだら巻いてある塩漬けされた葉で口直しして、また餡の甘さを楽しむ……そして、ズズ……はぁ~緑茶でリセットよ♪ 素敵だわ」


 ズズズ……はぁ~♪ と、きゃっきゃラグナースとレイリーアのカップル。


「セラ、俺の分も食べるか? ちらし寿司や、いなり寿司を食べ過ぎてしまってな?」

「お! いいのかよバルド!? ヘヘっ♪ アタイ、このもちもちしてる柔らかい食感も、あんこの優しい甘さもすげぇ好き! 牛乳と一緒に食うとマジやべぇんだよ! 美味すぎてさぁ~♪」


 あむあむ! ぐびび! ふはぁ~……豪快に食べて飲んでのお転婆なセラを、兄の如く、温かい眼差しで見守るバルド。君は隠しているつもりだろうけれど、私には……いや、皆には二人が互いに想い合っているのがバレバレなんだぞ? 健闘を祈っているからな?


「ほら、デュアード、無理に緑茶飲まなくていいから? 牛乳にしておきなさい、ね?」

「……シェリーに……合わせたい……それに……緑茶……嫌いって訳じゃ……ないぞ?」


 美味しそうに団子や菱餅等を緑茶で楽しむ彼女に合わせようと、苦手だけど頑張って緑茶を飲むデュアード。そんな彼をちょっと困ったようでいて、少し嬉しそうに見るシェリーの微笑ましいカップル。

 

「おやおや~? こんのむっつりナイトさんは、ちょーいとガン見し過ぎでっしゃろーい?」

「うっふっふ~♪ いくらなんでも見惚れすぎでしょ~アイギスさーん?」


 他の皆も、着飾った子供達を微笑ましく見守ったり、美しく咲く桜や、梅。桃の花等を愛で、それぞれにこのひな祭りを楽しんでいる様子だ。まぁ、ドガのように花より団子。いいやそれよか酒だ! と、へべれけになっている者もいるのだが。

 そうして今、私に絡んできたのは酒か雰囲気に酔ったのか、顔を紅潮させたアリス殿とミュンルーカ……あぁ、もう、めんどくさい予感しかしないのだが……どうしてくれようか?


「はいはーい♪ 『ミュンアリ』のミュンルーカちゃんですよぉ~♥️

 そ~んなにあっつぅい視線向けてちゃアリサ様も困っちゃうんじゃないですかぁ~?」

「ちょいっみゅんみゅん! 『アリミュン』だって決めたじゃないでっすかぁ~?」


 あぁ、もう早くもめんどくさい……仲が良いのはいいのだが、二人共に絡み酒とは……酒を嗜まない素面の私に今のこの二人の相手は荷が重い……ユニット名だかなんだか知らないが勘弁願いたいのだが?


「にゅふふ♪ それは~後でじっくり話し合おうねぇ~アリスちゃーん。今はアイギスさんですよ?」

「まったく! 後での「後」っていつになるんでっしゃろねぇ? まぁ、でも~このむっつりんさん、アリス達をガン無視してマスターばっか見ちょりまっするよぉ?」


 むぅ、視界を塞がれてしまった。相手をせずに無視を決め込んでいればその内興味をなくすと思ったのだが……仕方ない、覚悟を決めて向き合わねばなるまい。


「アリス殿、ミュンルーカ。私は今壇上の花々を愛でているのです。ご遠慮願いたい」

「舐め回すように見るのは『愛でる』って言いませんよぉ~?」

「それは『視姦』って言うんでっす! この変態紳士めぇ~♪ きゃはは!」


 ぐぬぬ……流石は酔っ払い、こんなことではまったく動じないか。


「まぁ~気持ちはわかりますよ? アリサ様の着物姿ヤバいくらい似合ってますものね?」

「ほう、ミュンルーカ、女性から見てもそう映るのか?」

「結い上げた髪も相まって、なんだか普段に増して神秘的でっすよぉ~♪ マスターってば魅力的すぎまっしょい!」


 私が唸ると素直に視界を空けて、隣に座る二人。ちょっと拍子抜けだ。もっと文句を言われるかと思ったが、そして三人で壇上でユニ殿達と楽しく談笑されるアリサ様のお姿を見て、ミュンルーカがこぼした言葉に、私が思わず反応すれば、アリス殿も同意してくるではないか? もしかしてさほど酔ってはいないのだろうか?


「ゆかり様も水菜さんも綺麗ですけど……やっぱりアリサ様に目が行くのはどうしてでしょうねぇ?」

「黒髪が珍しいと言うのはあるだろうな。そこにあの着物が噛み合って……アリス殿の言うように『神秘的』に見える」

「アリス達はマスター大好きフィルターかかってまっすから、でも、それ抜きにしてもすんばらしいでっすよぉ~♪」


 私達の住む世界。女神様方の言う『ユーニサリア』では、アリサ様のような美しく艶のある黒髪の方は相当珍しい。ましてやあの着物と呼ばれる服装も見たことがなかった。

 それ故か、いつも以上にアリサ様が魅力的に見えてしまい、目が離せないのだ。


「アリスちゃんも綺麗な黒髪なんだから着てみれば~? きっと似合うよ~♪」

「そそ、そうでっす? 実は気になってるんでっすよねぇ~でも、見てくださいよぉ? めちゃ窮屈そうでっす!」

「ふふ、ユニ殿も動きづらそうです。ですがアリス殿、よくご覧下さい。アリサ様の所作がより洗練されているように思えませんか?」


 確かに、今ミュンルーカが言った通り、アリス殿も黒髪だ。きっとあの着物も似合う事だろう。しかし、アリス殿もまたユニ殿と同じように活発な方だ。あの着物の見るからに動きづらそうな感じは受け入れがたいのだろう。

 しかし、そんな着物を着るアリサ様の所作は、何かこう……一つ一つが美しい。移動する際の細かながらも、慌ただしさを見る者にまったく感じさせない足運び、『正座』と呼ばれる座り方に至るまでの、体の運びに裾を押さえる手の運び、料理を食べる際の手の動き……挙げればまだまだ出てくるが、そのどれもがとても美しい。きっとあれこそが着物に合った所作なのだろう。


「はぁ~さっすが変態むっつりんさんでっす、よく見てまっするねぇ?」

「確かに、ゆかり様と水菜さんの動きと違って……なんでしょ? 余裕があるというか、ゆったりしてるのにキレがあるような? うまく言えないですけど~?」


 うむ。先程からずっと目を奪われ、アリサ様をつぶさに観察していましたからね……って、うぅ、自覚があるだけにアリス殿に言い返せないな。私の説明にミュンルーカもアリサ様の所作とゆかり殿と水菜殿の動きを見比べ始めたようで、違いに気付いた。


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【みんなに】~お酌しに行こう♪~《ユニview》

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「あるじ様……凄く、優雅……」


 えへへ♪ ひな祭りって楽しい~! このお着物って、動きづらいし、きゅーくつだけど、こうしてアリサおねぇちゃんが作ってくれた美味しいご飯食べて、雛人形とお花を見ながら、仲良く座っておしゃべりってすごくいい!


「はうぅ……やっぱりきついです。この着物って……みんなは平気なんですか?」

「確かにちょっと動きづらいけど、私は気に入ったぞこれ?」

「えへへ♪ 私もゆかり様と同じくです。なんだか良家のお嬢様になれた気分♪」


 アリサおねぇちゃんと一緒にお着物を着た水菜ちゃんが胸を押さえて、ちょっと苦しそう。普段はぽよ~んとしてるお胸をぎゅーって押さえてこのお着物着てるかららしいんだけど、ユニにはよくわかんないや。

 でも、やっぱりゆかりちゃんもミストちゃんも、動きづらいっていうのは同じみたい。水菜ちゃんの質問にもそこは同意するって言ってるし。でもでも、アリサおねぇちゃんは、なんだか全然そんな感じを見せないの! アリアちゃんが感心してるようにね? 動きが凄く綺麗なの!


「まぁ、私も着物を着るのなんて初めてだけどね? 実は前世で読んだ本に着物着たときのあれこれが載ってたのを思い出したのよ? 結構コツがいるんだけど……ほら、水菜ちょっと帯紐緩めてもう少し下に下げてみなよ? 気持ち楽になるから。後背筋伸ばした方が楽よ?」

「は、はい。えっと……こうしてっと、そして背筋を……あ、ホントだ。気持ち楽になりました!」

「おおーっ! 水菜の姉ちゃん、なんかアリサ姉ちゃんみたいにピシッってしててカッコよくなったぞ!?」


 わぁ~ホントだ! ブレイドくんがおー♪ って感心したように、少しうつむきがちで、気分悪そうにしてた水菜ちゃんが、アリサおねぇちゃんのアドバイス聞いてちょっと持ち直したみたい。なるほど……このお着物ってお行儀よくしてれば苦しくならないのかな?


「ふはは♪ 普段からだらしなくしてるから苦しくなるんじゃないか? 暫く着物で過ごして矯正したらいいと思うぞ?」

「もーっ! ゆかりさん!? 私そんなにだらしなくないですもん! 馴れてないだけですもーん!」

「んぅ……水菜は見苦しい……馴れてないの、みんな一緒……」


あははは~♪


 あーおかしぃ~♪ ゆかりちゃんにからかわれて、反論してもアリアちゃんからのもっともな指摘にぐぅの音も出ない水菜ちゃんはぷくーってほっぺを膨らませるの♪ それがなんだか可笑しくて、ユニやシャフィーちゃん、ネーミャちゃんもみんなみーんな大笑いしちゃった!


「あ、ネーミャ。みんなが見てるんだからあんまり帯を緩めちゃダメだよ?」

「う、うん! 気を付けるね。えへへ、自分じゃ直せないもんね?」


 アリサおねぇちゃんのアドバイスを聞いて、帯の位置を直す水菜ちゃん。それを真似たのかな? ネーミャちゃんも少し帯を気にして動かそうとしてるんだけど、シャフィーちゃんが注意をしてる。うん! 確かにみーんなユニ達を見てニコニコしてくれてるもんね、そんな中で帯がほどけて、外れちゃったりしたら、ちょっと恥ずかしい。ユニも気を付けなきゃね!


「バルドさん達も見てくれてるぜ! なぁ、アリサ姉ちゃん。俺仲間のとこ行ってもいいか?」

「あ、私も一緒に行くよブレイド!」

「ふふ、そうだね~じゃあ、ブレイドくんとミストちゃん。シャフィーちゃんとネーミャちゃん。私とユニ、アリアでわかれて、みんなに甘酒注いで回ろうか?」

「「はーい♪」」「「さんせー!」」


 ブレイドくんがこの壇上から集まったみんなを見て、バルドお兄ちゃん達のとこ行きたいって言い出したよ。それにミストちゃんが笑顔で一緒に行くって言うとね、アリサおねぇちゃんが、集まってくれたみんなに手分けして甘酒をお酌して回ろうって♪ それにブレイドくんとミストちゃんは元気に答えて、ユニもアリアちゃんも賛成~ってお返事したよ! みんなともお話したいもんね♪


「ふふ、じゃあ私は『四神』の皆のところに行きますね?」

「よし、私は『懐刀』達とシェラザード達のとこから回るか!」


 水菜ちゃんもゆかりちゃんも立ち上がって、手に甘酒が入った大瓶を持っていってきますしたの。えへへユニとアリアちゃんはアリサおねぇちゃんと手をつないで、まずはティリア様達のとこに行くよ~♪


「あるじ様と、こうして一緒に手をつないで歩けるの……嬉しい♪」

「えへへ♪ ユニもユニも~! ひな祭りって素敵だねおねぇちゃん!」

「ふふ♪ 私も嬉しいよ、右手にユニ、左手にアリアって可愛い子と一緒に楽しめて」


 アリサおねぇちゃんがお酌用の甘酒の瓶を魔法で浮かせて、両手をユニとアリアちゃんに差しのべて「さあ、行こう」って言ってくれたの。ユニとアリアちゃんは喜んで手をつないで、ゆっくりと歩き出した、えへへ。気を付けないと足がもつれて転んじゃうからね!


「女神様達のとこの後は、どこに行くの~?」

「あ~えっとね……」

「ふふ♪ やっぱりアイギスお兄さんのところ……ですよね、あるじ様?」


 むっふっふ~♪ わざとらしくアリサおねぇちゃんにティリア様達のとこ回った後は、誰のとこにお酌しに行くのかなぁ~? って聞いちゃった。えへへ、おねぇちゃんってば、お顔が赤いよぉ~? アリアちゃんもわかってるように、アイギスおにぃちゃんのところだよね?

 壇上で楽しくおしゃべりしてた時も、ずぅっとアイギスおにぃちゃんがアリサおねぇちゃんのこと見てたのわかったもん。


「も~二人しておねぇちゃんをからかっちゃダメでしょう? しょうがない子達なんだから!」

「あはは♪ ごめんなさぁい~♪」「ふふ、あるじ様、幸せそうです」


 あははって三人で笑いあって、みんなに甘酒をお酌しに向かうユニ達でした♪


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【可愛い!】~着物ドレス~《アリアview》

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「あら? ふふ、真っ先にアイギスのとこ行くんだと思ったけど、こっちに来たのね。アリサ姉さん♪」

「うふふ、アリサお姉さまの所作が美しいですねってお話をしていましたよ?」


 私は、あるじ様とユニと一緒に、女神様達の集まった席にやってきて、挨拶を交わし、甘酒を注いで回り、少しの談笑に耽っていた。

 始めに自分達のところに挨拶をしに来たあるじ様に、主神のティリア様は可笑しそうに笑い、アルティレーネ様があるじ様の所作に感心していた。


「こーら。姉をからかう悪い妹は誰かしらぁ? 甘酒あげないわよ?

 あんたも着ればわかると思うけど、アルティ。この着物って、結構動きが制限されるのよ。まぁ、前世で読んだ本に着物着たときの動き方だのなんだのを思い出したから、それを意識してるんだけど……合格もらえたようでよかったわ」


 そんなあるじ様の返しにティリア様は「ごめんごめん」と軽く謝って、アルティレーネ様は「私の『不朽』が役に立ったようでなによりです」とにこやかに微笑んだ。

 なるほど。この着物を着たときの正しい動き方をすれば、あるじ様のような優雅な動きになるんだ? 人化して間もない私にはとても良いお勉強になる。積極的に真似をしよう。


「ありがとーゆにゆに~♪ へへ、お祭り楽しんでる?」

「うん! このお着物は動きづらいけど、美味しいご飯に甘酒、綺麗なお花を見ながら楽しくおしゃべりして、いっぱい楽しい♪」

「ん♪ なにより。アリアは、どう?」

「んぅ♪」


 ユニがフォレアルーネ様に、私はママ……レウィリリーネ様にそれぞれ甘酒を振る舞ってひな祭りを楽しんでるってことを伝えると「よかったね」って微笑んでくれた。ふふ、本当に楽しい。こうした穏やかな時間がいつまでも続くといいのに。


「ん……着物。侮れない。フリルやレースを使わず、一枚の布でここまで美しさを際立たせるとは……」

「めっちゃ参考になるよね! ドレスっぽくしたらまた違う感じになりそうじゃ~ん?」


 ママとフォレアルーネ様は私達の着物を見て、創作意欲がわいてきたみたい。最近はもっぱらみんなのための武具作成ばかりだったから、そういったものと無縁そうなこの着物は印象的なのかもしれない。私もこうして色々な服を着て、お洒落を楽しいって思えるのは凄くいいと思う。


「あー、あるわよそういうの? ほら、普段アリスが着てるゴスロリ風にした着物ってヤツ。あれは可愛いわよ~?」

「まぁ! そんな素敵な服があるんですね?」

「あぁ、なんかのゲームとかで着てるキャラがいたわね。私も一目見て可愛いって思った!」

「見たい……」「マジで見たいんだけどアリサ姉!」


 おぉ? この着物とアリスの着てるドレスが合わさった物? それは凄く可愛らしいのでは?

 想像を膨らませると、よくわからなくなったけど、きっと可愛いに違いない。あるじ様が思い出したように話す、その着物ドレスについて、アルティレーネ様が目を輝かせ、ティリア様はうんうん頷いて、ママとフォレアルーネ様はあるじ様に嬉々として詰め寄った。


「はいはい。んじゃ折角だしアリスに着てもらいましょうか」


はーい♪


 話に出たアリスにその着物ドレスを着てもらおうとするあるじ様に、みんな素直に返事。

 うん。きっとアリスのことは口実なんだろうなぁ、あるじ様。本命はアイギスお兄さんの側に行きたいってことだと思うけど……アリスとミュンルーカがさっきからアイギスお兄さんをからかって遊んでるし……そんなことはみんなわかってるみたいで、誰も触れずにいるから私も黙っておこう。


「マスター♪」「アリサ様ぁ~♪」

「お……お疲れ様です、アリサ様。女神様方……」


 というわけで、三人の座る席にやって来た私達。三者三様。アリスとミュンルーカ、アイギスお兄さんから挨拶を受けたけど、アイギスお兄さんが気持ちぐったりした感じ。逆にアリスとミュンルーカは元気いっぱいだ。とりあえず私とユニでこの二人に甘酒をお酌♪


「やだ! あんた達酔っ払ってんの?」

「うわぁ~この二人に絡まれて面倒だったっしょアイギっち?」

「ん。道理で疲れた顔してるわけだね。アリサお姉さん、早速お酌してあげて」

「ささ、アリスさんちょっとこちらにいらして下さいね? ミュンルーカさんはユニとアリアがお相手してあげて?」


 あれよあれよ。ティリア様が酔っ払い二人を見てうへぇ~って顔をすると、フォレアルーネ様も同じような顔をしてアイギスお兄さんに同情してる。そこにママが、あるじ様にお兄さんにお酌して労うように促してる。その横でアルティレーネ様が素早くアリスを確保して、ミュンルーカの相手に私とユニをご指名だ。


「あららのら~? うへへ~こりゃまた可愛い子ちゃん達ですね~♪ よろしくお願いしますユニちゃん、アリアちゃん♪」

「おぉ? なんでっすなんでっす~アリスをご指名ですかアルティレーネ様?」

「ん。それでアリサお姉さん、このドレスがどんな感じになるの?」


 うわっ、ミュンルーカお酒臭い……このものぐさ僧侶(クレリック)めぇ~! 相手するの面倒くさそうだからもっと飲ませて寝かせちゃうべきかな?

 アリスはアルティレーネ様が「えいっ」って持ち上げて、ママ達のところにお持ち帰り。


「うん。こんな感じだったよ、はい振り袖ドレス~♪」


キラキラキラ~ン☆ おおぉぉーっ!!?


「うっひょーっ! 良い! これ凄くいいよ! ね!? アルティ姉! レウィリ姉!?」

「可愛いです! ええっ! これは良いですよ、とても素敵です!!」

「着物部分の色や模様を変えれば簡単に色んなバリエーションが生み出せる! 後はそれに合わせたフリルやレースをあしらって……ああ、どんどんインスピレーションがわいてくる!」


 アルティレーネ様に連れられて、きょとんとしていたアリス、あるじ様が一度魔法を使えばそのゴスロリドレスが早変わりした。それは私達が着てる着物の上半身と、アリスの着るふわふわとしたスカートが見事に組合わさった可愛らしい物だ。

 それを目にしたママ達は大興奮! キャーキャーとアリスを囃し立て、姿見まで持ってきて大いに騒ぎだした。


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【アイギスとの】~イチャイチャ♥️~《アリサview》

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「おほん。さて、アイギスくんや?」

「あ、はい。アリサ様」


 さてさて、みんながアリスの着物ドレスに夢中になってる内に、私はアイギスの隣をキープ。いや、別にこれはやましい気持ちではなく……まぁ、ちょっとはあるけどさ。あ、いやいや! 注意をするためにお話するんだってばよ。


「あ~えっと……私もそれなりに見られるだろうなぁ~とは思ってたけどね? ガン見しすぎじゃない?」

「も、申し訳ございません……アリサ様の新たな装いに目が奪われ……その、とてもよくお似合いです」


 ああ~もうっ! そんな照れ顔で微笑まないでよぉ~♥️

 いやね、着物に着替えて、髪を結い上げて、水菜とゆかりと一緒に壇上に上がった時からずぅぅっとアイギスの視線を感じまくってたんだよね。その時は内心「うおぉ見られてる~♪ アピール作戦大成功じゃん!」なんて浮かれてたんですよ?

 でもさぁ、見られてるならカッコ悪いとこなんて見せられないわけで、めちゃめちゃ緊張したんだよね……もう『並列意志』と『思考加速』をフル回転させて、昔に読んだ着物を着たときの動き方とか諸々を記憶から引っ張り出してなんとか取り繕っているのだよ?


「もーそんなこと言っておだてても甘酒くらいしかでないんだからね~?」

「ふふ、私にとって最高の馳走ですよ」


 くっ! このイケメンめぇ~嬉しい返ししてくれるじゃないの。私が手に持った甘酒を持ち上げてアイギスに見せ、ニヤリって余裕あるフリをすれば、アイギスも意図に気付いたようで、瓶を手に取り私に向けてくる。まったく、今だって結構緊張してるのにコヤツめ!


「ありがとうございます。では、アリサ様も一献」

「とと、ありがとうアイギス♪ じゃあ、ユニやアリア、子供達の健やかな成長を願って……乾杯ね♪」

「はい。乾杯!」「乾杯♪」


 アイギスに甘酒をお酌してあげると、お返しにと、私にも甘酒をお酌してくれたので、二人で子供達の成長を願って乾杯を交わす。今日はそのためのお祝い事だからね。


「ふふ、いいわねそれ。ほら、アリサ姉さん、ユニとアリア連れて他の席にも行って来なよ? アイギスも連れてっていいからさ♪」

「マスターこのドレスありがとでっすよぉ~♪」

「あぁほらアリスちゃん、ちょっとだけ大人しくしてて~? 女神様達がドレスをマジマジと調べてるんだから~?」


 二人で乾杯してる横で妹女神達にもみくちゃにされてるアリス。その様子を面白そうに見てるティリアから、他の席にも挨拶してきなさいとのお達しだ。まぁ、着物ドレスのディテールを調べようとしてる妹達に捕まってるアリスは、手を振って私にお礼してるけど、身動き取れないだろうし、なんかミュンルーカも協力してるようだからいっか。


「はいはい。んじゃみんなにもお酌して回りましょうか? 行こ、アイギス♪」

「ええ、お伴させていただきます!」


 しずしずと出来るだけ綺麗に立ち上がり、アイギスに手を差し伸べて、ユニとアリアを呼んで四人合流っと。


「ママ達、凄い夢中です」「あはは♪ ミュンちゃんも一緒になって騒いでるよ」

「ふふ、ミュンルーカは『僧侶(クレリック)』だけあって、女神様と触れ合えるのが嬉しいのでしょうね?」

「そうだろうね、普通に生活してたら妹達とこうまで親しくなれる事なんてないだろうし、さて、じゃあ何処から回ろうか?」


 呼んだアリアとユニも妹達の着物ドレスへの食い付きっぷりに、若干の苦笑い。ミュンルーカはアイギスが言うように嬉しそうなので、うん。このままでいいだろう。


「えっと、『四神』と『懐刀』達のとこには水菜ちゃんとゆかりちゃんが」

「冒険者達のところにはブレイドとミストが行ってる……」

「シャフィーちゃんとネーミャちゃんは~あ、パパとママに、ガウスとムラーヴェ達のとこで笑ってるね♪」


 何処に行こうかと周囲の状況を見渡せば、まずユニの目線の先に、合流したのか『四神』達に『懐刀』達とシェラザード、それと、ルヴィアスと帝国三人衆のバロードくん、カレンちゃん、オルファちゃん達が水菜とゆかりを囲んでばか騒ぎしている。んむ、楽しそうでなによりだけど、あの中に交ざる勇気はないわ。

 次いでアリアの目線の先。『黒狼』と『白銀』、『猫兎(キャットラビット)』と言った、冒険者達の集まりのようだ……けど、ほとんどがカップルばっかりだ。ゼルワとサーサ、レイリーアとラグナース、デュアードとシェリー、バルドくんとセラちゃんも……仲が良いのはいいんだけど、お邪魔になりそうね? 『猫兎(キャットラビット)』達はゼオンとドガから、十年の間に起きた出来事とかを事細かに聞いたりしているみたい。

 そして私が見る先には、シャフィーちゃんとネーミャちゃんを中心に、その両親とガウスとムラーヴェ達、そして『聖魔霊』の家族四人だ。とっても微笑ましい、ほっこりした空間が出来上がっているようだね。お邪魔するならあそこからだろうか?


「……いや、私達が向かうのは『引きこもりハウス』だ!」

「えーなんで~アリサおねぇちゃん?」「みんなお外で楽しんでます……よ?」

「なるほど……流石アリサ様。我が家の使用人達の事まで気にかけて下さるのですね?」


 うむ。どの集まりもみんな楽しそう……だからこそ忘れちゃいけない。その楽しい時間を裏で支えてくれている『ランバード公爵家』の使用人のみなさんのことを。使用人のみんなは、今もじゃんじゃん消化されている食べ物を、『引きこもりハウス』の厨房で、せっせと作り続けてくれているのだ! だからねユニ、アリア。この楽しい宴を支えてくれているみんなにもチミ達の晴れ姿を見せてやってくれたまへよ? アイギスは自分ちの使用人達の事だけあって、直ぐに察したようだけどね。


「そっかぁ~♪ みんなが楽しい~って思えるのも、使用人さん達が頑張ってくれてるからなんだね!」

「んぅ~それならちゃんとお礼を言わないと、です!」


 どうやら納得したみたいだね。みんなお外で楽しんでるのになんでおうちに行くの? って、首を傾げてた二人も、私の話を聞いて、ニコニコ笑顔になった。うんうん。いい子達だなぁ~アリサさん嬉しいよ♪


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【縁の下の力持ち】~使用人のみんな~《アリサview》

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「はいよ! 桜餅、菱餅、三色団子の追加だよ~リリカさん持って行ってちょうだい!」

「畏まりました。執事長、お飲み物の方はどうなっていますか?」

「問題ございませんよリリカ。いつでもお持ち頂けます」

「あ、じゃあ、早速白酒の追加をお願いします! 『四神』様と『懐刀』様達の所が減りが速くて!」


 おーおーやってるやってる。『引きこもりハウス』の厨房を覗いて見れば、忙しなく動き回っている使用人さん達の姿があった。料理を手掛ける料理長と料理人達、その料理を配膳して回るリリカさんとメイドさん達、執事長に庭師も警備兵達も……まさに総掛かりで頑張ってくれているよ。


「す、すごい……とっても忙しそう、です。あるじ様」

「わわわ、ユニ達お邪魔になっちゃわないかな?」

「大丈夫ですよアリア殿、ユニ殿。彼等は長年、我が『ランバード』を支え続けたプロフェッショナル達ですからね」


 その忙しさを目にしたアリアとユニが驚いて、珍しく遠慮がちになってしまっているね。ふふ、普段は「わーい!」って突っ込んで行くのに。そんな二人に問題ないとアイギスが声をかけて安心させてあげる。うむ、『公爵家』ともなれば、来賓をもてなす宴なんてのも沢山経験して来たんだろう、最初こそ私の手が必要だったけれど、みんな、あっという間に仕事をこなすようになったのだ。うん、プロだよねぇ?


「これは坊っちゃん! ユニ様にアリア様! そして……うおぉぉ……アリサ様!!」

「素敵! アリサ様なんてお美しいの!?」

「ユニ様とアリア様も! ああ、とても可愛らしい!」


 そんな中、使用人の一人が私達に気付いて驚きの声を挙げると、他のみんなも私達に声をかけてきてくれたよ。ふふ、やっぱりこの着物姿は珍しいみたいだね!


「みんな~頑張ってくれてありがとね♪ 働きづめで疲れてるよね? ごめんね、いきなりこんなことお願いしちゃってさ」

「えへへ♪ おかげさまでユニ達とっても楽しんでるよ! ありがと~!」

「感謝、します。ありがとう♪」


 私達の姿に気付いたみんなが寄ってくるので、早速裏方に徹してくれている事にユニとアリアと一緒に感謝しておいた。いや、もう大助かり! 彼等が仲間になって、様々な知識を覚えてくれたから、こういった大々的な催しが出来るようになったんだよね。

 今までだったら、私がひたすら料理しなきゃいけなかったからね、うむ……大分楽が出来るようになったもんだ。


「おぉ! なんということだ……我々にまでお気遣いくださるとは!」

「「「勿体ないお言葉で御座います!!」」」


ザザーッ!!


 おぅ……みんなでひざまづいたりせんでもいいのに……むぅ、感謝するつもりが、逆に感謝されてしまった。


「私からも感謝する。ありがとう皆、お陰でこの祝い事は大成功と言えるだろう! どうか、今日の経験を糧に更に励んでほしい!」


了解です坊っちゃん!


 お~やるじゃんアイギス! 逆に感謝されちゃってちょっとあたふたしそうになった私の代わりに、使用人のみんなを称えて労った口上してくれたよ。使用人のみんなもそれに元気よく応えるし。この辺りやっぱりガルディング様の息子なんだなぁって思うね。


「私達にまで感謝をしてくださるなんて、アリサ様。誠に有り難く存じます」

「使用人の皆の士気も高まりました。後はこのリリカ達に任せ、ごゆるりとお過ごし下さいませ」


 わぁっと、さっきよりきびきびとした動きで、次々と仕事に取り掛かるみんなを一目見て、執事長とリリカさんが改めて私にお礼を言いにきた。いやいや、ホントにお礼言いたいのはこっちなんだよ?


「ふふ、何度もお礼を言い合うのもなんだから、どういたしましてって言っとくね? いつか使用人さん達を労う宴会なんかも考えるから楽しみにしてて~♪」

「おお、それはなんとも楽しみで御座いますな」

「ふふふ、その時は堂々とサボらせていただけるのですね? お待ちしております♪」


 あはは! って、執事長とリリカさんと笑い合って、そんな約束をしておく。その時は私が沢山の感謝を込めた料理をいっぱい作って、精一杯もてなそう。当然アイギスやユニ様にも手伝ってもらうけどね♪


「……ん~そっかぁ、うんうん。そうだよね!」「んぅ。決まり。アイギスお兄さんも……」

「ん? ユニ、アリアどうしたの?」


 執事長とリリカさんとの会話を終えて、ふと見ればユニとアリアがお互いうんうんと、何かに納得したように頷き合っている。なんぞ面白いものでも見つけたかね? なんて思い声をかけると……


「アリサおねぇちゃん。ちょーっとアイギスおにぃちゃん借りるねぇ~♪ アイギスおにぃちゃ~ん! こっち来て~?」

「アリア達は、他のみんなのとこに……お酌してきます」


 え? そんなら私と一緒に行こうよ? って言ったんだけど、「ユニ達で行くの」ってなんでか断られちゃった。アリアにぼそぼそと話を聞いたアイギスはなるほど。と、微笑んだので安心していいんだろうけど……


「ふふふ、アリサ様。ユニ殿達はなにかを企んでいるようですよ? 私が付いていますので、楽しみにお待ちください」


 んん~? 私に内緒で、なにしでかすつもりなのかしらね? まぁ、アイギスが付いてくれるなら安心だろうけど、気になる~!


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【思わぬサプライズ】~感涙!~《アリサview》

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 それから私は、みんなの所をお酌して回って、二~三の軽い談笑を済ませ、今はガルディング様とセレスティーナ様と一緒の席で落ち着いた。


「ほう、子供達がなにやら企みをですか?」

「そうなんですよ、ユニが中心になって、シャフィーちゃんやネーミャちゃんに、ブレイドくんとミストちゃん達にも声をかけているみたいで……」

「うふふ、それであの集まりなのですね? アイギスも一緒になって……親として微笑ましいですわ」


 お祝い物のちらし寿司や、はまぐりのお吸い物なんかも順調に消費されて、宴もたけなわになってきた頃合い、そろそろ違うメニューが並び、祝い事からいつもの宴会になろうとしている。

 ガルディング様とセレスティーナ様に『引きこもりハウス』の厨房での事をお話し、今壇上で子供達とアイギスが集まり、なにやら楽しそうに笑い合っている。ふふ、なんだろう? 子供達で何か発表会みたいなことするのかな? って、私達三人は微笑みながら見守る。


「アリサ様。私は改めて思います、子は宝であると」

「ええ、こうして子の成長を祝い、願う事の如何に尊きことか……」

「……そうですね、あの子達の無邪気な笑顔を見ていると、本当に心が温まります」


 前世での私では見られなかったけれど、否……だからこそ、ユニ達の屈託のない純粋な笑顔を、より尊いものと思える。それはガルディング様とセレスティーナ様も同じだろう。十年という空白の期間を埋めるように、立派に成長を遂げたアイギスを見守るその眼差しは、とても温かく、慈愛に満ちたものだ。


「さて皆様方、宴もたけなわでは御座いますが、ここで区切りとして、一度〆たいと思います」


 おっと、もうそんな時間か。ガルディング様とセレスティーナ様と一緒に料理に舌鼓を打ち、談笑していると、壇上にリリカさんが現れ、このひな祭りの〆の挨拶に入っていた。いや~楽しい時間が過ぎるのはあっという間だねぇ~?


「それでは〆のご挨拶を本日の主役の皆様にお願い致しましょう」


 〆の挨拶? え? 誰がやるんだろ? 主役達にって事は、やっぱ子供達?


「はーい! えへへ♪ みんな~ユニだよぉ~!」

「アリア……です」

「はは! みんな楽しんでるよなぁ~? 俺も早く酒が飲める歳になりてぇや!」

「あはは、そうだねブレイド♪ 私も大人になったらみんなとお酒飲んでみたいな」


 おぉ、やっぱり子供達で正解だったみたいだ。リリカさんの口上の後に、ユニとアリア、ブレイドくんとミストちゃんが立ち上がった。


「私達みんなで相談したんです!」

「ユニちゃんが言い出しっぺだけどね~♪」


 ほうほう、続いて立ち上がったのはネーミャちゃんとシャフィーちゃんの二人だ。やっぱりユニ達の企みが実行されるみたい、なにかななにかな~? ちょっとわくわくしちゃうね!


「みんないーい? いくよぉ~? せぇーのっ!!」


私達をお祝いしてくれて、ありがとうーっ!!


 おぉぉ……ユニの掛け声に合わせて、子供達が揃ってお礼を私達みんなに言ってきたよ! そっかぁ~さっき私とアイギスで厨房に挨拶しに行った時に、ユニが思い付いた事ってこれのことか♪ うんうん。まさに〆の挨拶に相応しいじゃないの!


「ほっほっほ♪ いやはや、こりゃ嬉しいのぅ!」

「ふふ、御主等童の為の祝い事じゃて、気にせずともよいものを……って、妾が催した訳でもないのに偉そうなことは言えぬなぁ~カッカッカ♪」

「アオオー♪ おまえらエライぞー! みんなでお礼言えるなんて!」

「ふっ、礼には礼をもって返す。アリサ様のお心がしかと伝わっているな」


 パチパチパチパチーッ!! その元気なお礼の言葉に場が沸き立つ。みんな感動したようで盛大な拍手が贈られているよ! 勿論私もいっぱい拍手! 『懐刀』達もにっこり笑顔を浮かべ笑い合っている。

 他のみんなも同様で、会場全体に笑顔が広まり、最高の〆になった。これにはアリサさんも嬉しい悲鳴があがっちゃうよ♪ 始めは結構思いつきだったこのひな祭りだけど、本当にやってよかったって思える。


「俺達立派な大人になるぜ!」「どうかそれまで見守ってて下さい!」

「そうしたら沢山親孝行するからね!」「えへへ、楽しみにしてて~お父さん、お母さん!」

「そして……あるじ様」「アリサおねぇちゃん」


 みんなの歓声に応えるブレイドくんとミストちゃん、ネーミャちゃんとシャフィーちゃんと続き、アリアとユニが私を呼んだことで、みんなの視線が私に集まった。


「はいはい♪ どうしたの~二人とも?」

「えへへ、ユニ達ね、今すっごく幸せだよ!」

「こんな素敵なひな祭りをひらいてくれたあるじ様に……」

「沢山の感謝を伝えたいです!」

「アリサ姉ちゃん」「「アリサ様!」」


本当にありがとうーっ!!!


 ~っ!!? うわぁっ! ど、どうしようどうしようっ!! 不意討ちはダメだってばよ!? 嬉しすぎるサプライズな事態に思わず叫んじゃいそう、あ、涙出てきた……うぅ、嬉しい……嬉しいよぉ~!

 ──その後、感極まった私は、壇上の子供達のもとに駆け寄って、一人一人抱き締めては頭を撫でまくり、「こちらこそありがとう!」って感涙にむせび泣いたのでした。

 この子達の笑顔を守るためにも、『ユーニサリア』での魔王達との闘いは絶対に負けられない。私の持てる総てを使い尽くしてありとあらゆる対策をしようって、心に決めた春の一幕でした。

ティリア「なかなかみんなして子供番になにやるか考えてるのね?(・о・) 私達は何して遊んであげようかしら?(*`・ω・)ゞ」

アルティレーネ「そうですね(´・ω・`; ) おままごとはもっと幼い子向けでしょうし(;´∀`)」

レウィリリーネ「ん!ヽ(*´∀`)ノ♪ あたしと一緒に魔装具作りする!(* ̄∇ ̄*)」

フォレアルーネ「えー?(;´д`) 部屋に引きこもってばっかじゃん!(*`エ´*) 不健康だよ、外で遊ぶべき!o(*・ω・)ノ」

シェラザード「いいじゃない別に(¬_¬) 私達は簡単な編み物教えるつもりよ?(_ _)」

リール「編み物はいいよぉ~♪(*´▽`)」

フォーネ「時間を忘れますからね?( *´艸`)」

翼「俺っち達は一緒に菓子作って食うぜぇ~♪ヽ(*´∀`)ノ」

ドゥエ「ユニ様はホットケーキがお得意だからな、教えを請うチャンスだ(´・∀・`)」

ルロイヤ「そのお返しに美味しいケーキを作りますの!(^q^)」

ウノ「アリアちゃんとかネーミャ、シャフィーと一緒にクッキーとかも作るぜ!(ノ・∀・)ノ」

シドウ「儂等はどうすればいいんじゃ?( ̄0 ̄;) ユニちゃんを追っかけ回せば良いのかのぅ?(*`艸´)」

珠実「バカを言うでないわ!(#゜Д゜) そのような粗相妾が許さんぞ?(。・`з・)ノ」

リン「余達は毛並みを念入りに整え、子等にモフらせれば良いのだo(*`ω´*)o」

ジュン「おー!(* ̄∇ ̄)ノ もう「バリバリ」だなんて言わせないんだぞ?(*`艸´) ミーナ並みにふわっふわだぞーっ!(*≧д≦)」

爽矢「我は最近アリサ様から教わった『将棋』なる遊戯をユニ達にも伝えたい( ゜ー゜)」

朱美「私はアリスが着た着物ドレスをあの子達にも着てもらいたいわ!(≧▽≦)」

大地「俺もゼーロ達には負けられねぇからな!( `д´) 背に乗せて地を駆け、空を飛び~ってしてやるぜ?(* ̄ー ̄)」

水菜「絶対揺れてみんな「気持ち悪い」って酔いそうじゃない?(^o^;)」

リリカ「私はメイドとして、お嬢様方に淑女としての教育をするよう申し使っておりますm(_ _)m」

ゆかり「へぇ~(´・д・`) そうなのか?(・о・) まぁ、子供の内に身に付けておけば将来役立つかもな?(°▽°)」

アリサ「あ~ゆかり?(  ̄- ̄) その淑女教育はあんたも受けてもらうからね?(ーωー)」

ゆかり「(゜∈゜ )」

ドランド「ああ(゜A゜;) 冒険者候補達で今回人化したアッシュ、レイ、ノア、ザウルも教育対象だそうだ(^ー^)」

ルヴィアス「俺達もリリカと一緒に、君達に紳士淑女の教育をするからさヾ(゜ー^*)」

カレン「よろしくね~♪( *´艸`)」

オルファ「僕達も立場上そういう立ち居振舞いはしっかり修めてますから(^-^)」

バロード「『聖域』の連中は品が悪いなぁ~(´ヘ`;) なんて、言われないようにしっかり勉強しましょう!(*´・∀・)ノ」

候補者達「は、はぁぁい……(´・ω・`; )」

カイン「ぼ、僕も頑張らないと!(; ・`д・´)」

ゼオン「ははは!(*゜∀゜) 頑張ってくれや!(*´∇`) 俺達はユニの嬢ちゃん達と冒険者ごっこでもするからな♪(ノ・∀・)ノ」

ルーナ「それは楽しそうです♪。:+((*´艸`))+:。」

ウェズ「おぉ♪(^∇^) 俺達にとっても勉強になりそうだな!ヾ(´∀`*)ノ」

ルルリル「ゼオンさんよろしくお願いしま~す♪(ノ≧∀≦)ノ」


ファネルリア「全然話題が尽きないわね?(*゜ロ゜)」

ネハグラ「皆さんそれだけ子供達が好きなんだろうね?(*´∇`*)」

ナターシャ「私達の娘は幸せ者ね……お母さん嬉しい!(;´Д⊂)」

ジャデーク「だなぁ……(´・ω・`; ) 一時はどうなる事かと思ったけど(´・∀・`)」

ガルディング「子の成長を祝う宴……なんと良き日か(_ _)」

セレスティーナ「ふふ♪(*´艸`*) まだまだ終わりませんよあなた(^-^) 今宵は私達も楽しみましょう?:*(〃∇〃人)*:」

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