117話 『ファムナ村』と美味しいご飯
アリサ「あい(*´∇`) 今日から本編再開していくよ~♪o(*⌒―⌒*)o」
ユニ「結構間隔が空いちゃったねぇ?(^o^;) 今どんなトコだっけ?(´・ω・`; )」
ティリア「『三方面作戦』の真っ最中ね(^-^)」
レウィリリーネ「ん(_ _) 今日はあたし達の番( ´ー`)」
フォレアルーネ「『セリアベール』を出発して、りるりる達の故郷、『ファムナ村』に立ち寄ったトコだよ~♪ヽ(゜∀゜)ノ」
アルティレーネ「ふふ( *´艸`) 『聖域』の作物と『ファムナ村』の作物とで味比べしたーいって言ってましたものね?(*´∇`*)」
アリサ「そういや、フォーネの実家にレウィリの肖像画があるって話もあったよね?(゜ー゜*)」
レウィリリーネ「ん(-_-;) ちょっと恥ずかしいけど、それも目的( ゜ー゜)」
ユニ「というわけで~♪ヾ(・ω・ヾ)」
フォレアルーネ「これからものんびり、だらだら(*´▽`*)」
ティリア「ついでにゆるゆると、お話を進めていくわね♪(*≧∀≦)」
レウィリリーネ「どうぞご覧あれ~♪ヽ(・ω・)ノ」
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【到着】~『ファムナ村』~《レウィリリーネview》
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「到着~♪」
「久し振りに帰って来たよ~『ファムナ村』!」
ふぅ~結構歩いたね? あたし達はリールとフォーネの案内で、彼女達の故郷『ファムナ村』にやって来た。まぁ、歩いたと言っても、それは狭い山間を歩いただけで、『セリアベール』を出て、人の少ない街道はリンの背に乗ってたけどね。
「懐かしい~♪ この辺の景色全然変わってなーい!」
「ほらほら、リール? 門番さんに声かけて入ろうよ?」
はい、こんにちはみんな。レウィリリーネだよ? 今日は以前から約束してた、リールとフォーネの故郷『ファムナ村』にお邪魔したところなの。
かつてあたしが祝福を授けた『リーネ・リュール王国』と、フォレアが祝福を授けた『ルーネ・フォレスト王国』を治めていた王。リュールと、フォレストの子孫である、フォーネとリール。
彼女達が生まれ育ったという故郷を一目見ておきたかったっていうのもあるけど、何より、フォーネの生家には昔リュールが描き遺したという、あたしの肖像画が今も家宝として大事にされているらしい。ちょっと恥ずかしい気持ちもあるけど、見てみたい。
「そういや昔『セリアベール』に食材卸しの護衛クエストとかやったなぁ~♪」
「あの時は報酬に加えて新鮮な野菜をもらえたわね」
きゃっきゃと故郷を懐かしんでご機嫌のリールとフォーネ達に、昔護衛クエストで来たことがあると思い出を振り返るセラとシェリー。そんな『黒狼』のみんなの話を横で聞きながら、山道をてくてく歩くと、前方に村の入り口の門が見えてくる。
「ふむ。この辺りは『氾濫』の被害は出ていないのか?」
「そのようじゃな、周りの木々も破壊された様子が見られんぞい」
リンとシドウは周囲を見渡してそんなことを言い出した。むぅ、確かにどこも争った跡とかないね? 魔神の呪いを受けてたシェラザードの狙いは『セリアベール』が主だったって事かな?
「うんにゃぁ~微かにだけど、アリサ姉の神気っていうか、大分霧散して魔力になっちゃってるけど……感じるね」
「門番のおじさーん! 久し振り~♪」
フォレアがそんなことを言ったタイミングとリールが門番に声をかけるのが重なった。まぁ、気になるけど、問題があるわけじゃなさそうだし、大丈夫だろう。
「あれまぁ! おめぇらリールどフォーネでねぇが!? よぐ無事だったなや!」
「あはは、ご覧の通り無事ですよ。村の方は?」
「えがったなぁ~? 『セリアベール』の『氾濫』さ解決したーって連絡ばあったげんど、おめぇらが無事が皆心配しとったぞ? 村長も安心するべぇ?」
うおぅ……凄い訛り……アリサお姉さんも時々言葉が訛るけど、こりゃ凄いや。でも方言が出ない分まだちゃんと通じるね?
「んで、村の方だげんどなぁ……『氾濫』さ起こる前にな……ハジュネの奴が野党さ襲われちまったんだぁ……必死さ逃げたんだべなぁ、馬さ乗ったまま背中から一突きされちまったようでな? 馬は無事だども……ハジュネの奴は……」
「そんな! ハジュネのおじさんが!?」「ご、護衛は!? 護衛はついてなかったの!?」
ん? 野党に背中を一突きされて馬が無事……? どっかで聞いたような? うーん、まぁ、御愁傷様としか部外者のあたし達には言えない……せめて献花してその魂が安らかに輪廻の環に還れるようにしようか。『終焉』のフォレアもいるし。
「んだぁ、護衛さ雇える程の蓄えがねぇどが言いやがって、馬鹿野郎がなぁ……死んじまったら元もこもねぇってのに……おぉ? 済まん済まん! せっかくさ帰って来たってぇのに、こだら話ばしちまって悪いなぁ? 後ろのはお客さんがぁ?」
ん。そう。お客さんなの。沈んだ顔で亡くなった村人を悼む門番のおじさんが気付いたようにリールとフォーネに謝罪して、あたし達の姿を目に止めた。リールとフォーネを悲しませるとは、野党許すまじ。
「あれま! もしかしたらセラっぺにシェリちゃんでねぇが!? いんやぁ久し振りだべぇ~♪ 今日はお友達ど一緒がぁ?」
「セラっぺってのいい加減やめろよおっちゃん!」
「相変わらず豪胆ですね門番おじさんは♪ お久し振りです」
おぉ、そっかセラとシェリーはさっき護衛クエストで何度か来たことがあるって言ってたね? その時にこの門番のおじさんとも会ってるのか。
「おぉおぉ! 久し振りだべぇ! そっちのお嬢さん達はっ!? ああ! あぁーっ!?」
ん? あたし?
「たたた、大変だべぇーっ! 女神様でねぇがぁぁーっ!?」
おー! 凄いリアクション。そうです。あたしが女神です。
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【驚かれた】~あの時の野党?~《フォレアルーネview》
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バタバタバタバタバターッ!!
うはっ!? なんかレウィリ姉を見た門番のおっちゃんが慌てて「村長ーっ! 村長ぉぉーっ!」って、叫んで村の方に走って行ったと思ったら、今度は大勢引き連れてこの村の入り口までやって来たよ? バタバタって騒がしいねぇ?
「おぉ! リール! フォーネ!! よくぞ無事に帰って来た!」
「それも朗報じゃが、女神様じゃ! 女神様が、レウィリリーネ様がいらしたとは本当か!?」
ほへーん。そっかぁ、フォーネっちの家にレウィリ姉の肖像画が飾られてるって言ってたっけ? だから門番のおっちゃんはレウィリ姉の顔見て直ぐに女神だーって気付いたんだね?
「ん。あたしがレウィリリーネだよ? 『ファムナ村』のみんな。親友の子を大切に育ててくれてありがとう」
「おぉぉぉ……っ!! なんということじゃ! 我が家に代々伝わる肖像画。そのままのお姿! よくぞ、よくぞこの村においでくださいました……っ!!」
フォーネっちのおじいちゃんかな? シドウじいちゃんくらいの見た目の『人間』の男性だ。七十歳くらいのおじいちゃんが村の入り口に集まったみんなの前に一歩出てきて、レウィリ姉を見てはぷるぷる震えだし涙ぐんでいる。
「へぇ~フォーネ姉ちゃんのじいちゃんって『ファムナ村』の村長やってたんだな?」
「だよブレイドくん? もっとお姉さんを敬いなさい♪」
「ん。盛大な出迎えに感謝。でもそんなに畏まらないでほしい」
ブレイドくんがフォーネっちを見上げて、「すげぇじゃん!」とか言っては、フォーネっちも調子に乗って「えっへん!」とかやってるのがなんか微笑ましいよ♪ ん~、でもレウィリ姉の言うように、村人全員で「ははーっ!」とか土下座されるのはちょっとなぁ~勘弁してちょうだい?
「ほう。疑わぬのだな?」
「ホッホッホ! もしかしたらコヤツは顔が女神に似ておるのをいいことに人をだまくらかす悪人やも知れぬぞい?」
ちょっとリン~シドウじいちゃん!? なんてこと言うんだよ!? うち等そんな悪いことしないよ!
「ふはは! でしたら貴方達やその後ろにいる『黒狼』のみなさんも悪人ということですかな?」
「そんな悪人達と私共の娘が笑顔を見せ合える仲のハズはないですよ?」
うんうん♪ そうでしょそうでしょ? うち等が悪人だったらリルリルもフォーネっちもあんなに楽しそうに笑ったりしないって! って、聞き逃すとこだったけど、「私共の娘」ってことは、このおっちゃん達とおばちゃん達が二人の両親なんだね?
「あはは♪ それじゃ紹介するね! 私の父と母。それに村長やってる祖父です♪ それで、こちらが~」
フォーネっちが楽しそうにパパさんとママさんにおじいちゃんを紹介してくれて、うち等の事も村人みーんなに紹介していったよ。レウィリ姉の事は肖像画も遺ってたから直ぐにわかったみたいだけど、ぷぷっ♪ うちが『終焉』のフォレアルーネだーって知ったみんなの驚き方ってば!! 「一度にお二人も女神様がぁーっ!?」ってめっちゃびっくらこいてんだもん! 可笑しくて笑っちゃったよ♪
「──そっか、じゃあその商人さんくらいなんだ?」
「ですなぁ、それがらは『セリアベール』のディンベルさんが来てぐれでなぁ~むごうがらこんの村さ買いに来てぐんれるんだぁ~ありがでぇこったべぇ」
そうしてうち等は村長のおじいちゃんや、村の人達の話を聞いて、『氾濫』での被害とかなかったのかとか、色々マジな慰問みたいな? 事してまわったよ。
「ほう。流石商業ギルドのマスターと言ったところか」
「……ああ、確かに、村に護衛を雇わせて卸しにきて……もらうよりは」
「自分から出向いて買い付けた方が、結果的に安上がりになるって事ですかね?」
この『ファムナ村』と『セリアベールの街』の顔繋ぎ役だったのが、商人のハジュネさんだったらしいんだけど……山道を馬車で『セリアベールの街』に移動中、野党に襲われちゃって……って、これあれかぁ~リルリルとフォーネっちに酷い事しようとしてたあの三人組! アメーバに変えてやったからもう無害だろうけど、腹立つわぁ~!
まぁ、下手人は既に退治したけど、魔物は普通にいるからね。ディンベルっておっちゃんはその辺見越して自分から出向く事にしたんだろうね。バルドっちの言うようにできるマスターさんだ。デュアっちとミュンミュンが言ってるけど、街に必要な分調べて村に来て買い付ければ、余計な出費も抑えられるとか、そんなとこで護衛代とか採算とろうとしてるのかな?
「ん。肖像画も気になるけど……まずはそっち。フォレアも、いい?」
「もちろんだよ! うちが祝福して来世はハッピーな人生送れるようにしてあげる♪」
リルリルとフォーネっちの生まれ故郷って事は、フォレストくん達が遺してくれた大切な子達だもん! 大事にしてあげたいよ。
「ありがてぇ~ほんに感謝しますだ女神様方……んだらば、墓地さいぐべぇ。ささ、お客人達もご一緒になぁ~」
「うむ。死者を悼み弔う事に種族も身分も関係なし」
「そうじゃな。儂も花を一輪手向けさせてもらおうかのぅ」
リルリルのお父さんの案内でうち等は『ファムナ村』の墓地に移動することになった。
リンとシドウじいちゃんも、村人が用意してくれたお花を持って、数あるお墓一つ一つに献花していく。この二人も『ルーネ・フォレスト』に『リーネ・リュール』とは縁があるからね。その子孫達を前に少なからず、思うところはあるんだろう。
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【美味しそう】~『エルジャ茸』~《リールview》
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「それにしてもすげぇ畑だなぁ~!?」
「うん! きっと実ったら壮観だろうね!」
ふっふっふ! びっくりしてるねブレイドくん、ミストちゃん! そうなんだよ! このずらぁぁーって並ぶ畑は私達『ファムナ村』の自慢なんだよ!
今は冬だからほとんど作物植えられてないけど、収穫の時期なんかはすんごいんだよ!?
「そうがぁ~『氾濫』終わったどごでおめさんら『魔の大地』さ行ってだんかぁ~?」
「そうなの! 『セリアベールの街』でアリサちゃんっていう魔女さんに出会って~」
ハジュネおじさんのお墓参りも済ませて、じゃあみんなで村長さんのお家……フォーネの家の家宝である、レウィリリーネ様の肖像画を見に行こう~ってなった、その途中。村の家の数より多い、ぶわーって広がる畑を見てブレイドくんとミストちゃんが「凄い」って騒ぐもんだから、私もなんだか嬉しくなっちゃう♪
フォーネは村人達にこれまでの経緯を説明してちょっと興奮気味にはしゃいでる。確かによくよく考えてみれば、アリサちゃんに冒険者ギルドで声をかけてから、私達の環境は目まぐるしい勢いで変化していったんだよね!
「……この村にも結構魔物が来たんだげんちもなぁ~? なんとびっくり! 聖虫様がお護りくださったんだべ!」
え? 「聖虫」? ちょっとフォーネと村人達の話が聞こえて来たんだけど、『氾濫』の時にやっぱりこの村にも魔物が湧いて出てきたんだって! だけど、それを何処からともなく現れた「聖虫」がやっつけて護ってくれたとかなんとか?
「んだんだ! あれは伝え聞く『セイントビートル』様に違いねぇべ!」
「おら達の護り神だべぇ~♪」
「んだども……お供え物捧げても、お気に召さねぇのがなぁ……一切手さつけねぇんだ?」
セイントビートルって……ユナイトさんの事だよね? どういう事だろ? ちょっとフォレアルーネ様に訊いてみよっか!
「あーうん。そりゃアリサ姉のオプションじゃん? ほら、『氾濫』見越して、『セリアベール』だけじゃなくて、周辺の集落とか村にも配置したって言ってたっしょ?」
「呼べば来るかも。アリサお姉さん?」
あー、そっかぁ! アリサちゃん今もオプションを配置してくれてるんだ? 『聖域』行って、『無限円環』で一年過ごしてる間にそんなことすっぱり忘れちゃってたよ。
ブゥゥーンッ!!
「おぉ! ほんとさ来たべぇ! 「聖虫」様じゃあ~♪ ありがたやありがたやーっ!」
おぉ~♪ フォレアルーネ様の話を聞いて、レウィリリーネ様がアリサちゃんを呼ぶと、金色のセイントビートルがブゥゥンって飛んで来たよ! そして女神様達の前に来て、シュウンッ! って映像通信が展開された。
「いや、このキノコうっまぁー! 干して出汁取ってもいい味出せそうね!」
「塩だけでこれほどとは! うむ。良い情報を聞けたものよ!」
「お醤油でも素晴らしいわあなた!」「うむうむ! こりゃたまらぬのぅ~♪」
「はぐはぐ♪ 美味しいですねぇーって、あら? アリサお姉さま、映像通信が開いていますよ?」
そのモニターからめっちゃ楽しそうな声が聞こえて来たと思ったら、美味しそうに串焼きにしたキノコを食べるアリサちゃん達の姿が映し出されて、アルティレーネ様がこちらに気付いたみたい。
「おー♪ どしたね妹達? そこは~あぁ、リールとフォーネの故郷の村ね?」
「あ、アリサ姉~なにめっちゃ美味しそうなキノコ食べてんの!? うちも! うちも食べたいよ!?」
「アリサお姉さん。そのキノコの詳細希望!」
バルガスさんもネヴュラさんも珠実様もアルティレーネ様も! すんごく美味しそうに食べてる! あのキノコって『エルジャ茸』? 噂には聞いたことあったけど、食べたことはなかったんだよね!
「あんれまぁーっ!? なんだべこの板は~? んでも、ほんに旨そうだなや!?」
「あれは『エルジャ茸』だなぁ~? えらいうんめぇキノコだべぇ~♪」
「んだんだ! 昔に食ったごどさあっけども、なにしたってうめぇんだぞな!」
えーっ!? お父さん達も食べたことあるの!? うぅー、そう聞くと私も食べたくなっちゃう!
「うむ。アリサ様や、『エルハダージャ』の『ココノエ』にこの原木をわけてもらえぬか頼んでみようぞ!」
「良いお考えです珠実様♪ もしかしたら『聖域』でも生産が出来るようになるかもしれませんね!」
「レウィリリーネ様、フォレアルーネ様。さすれば沢山食べられますぞ?」
話を聞いてた珠実様も『エルジャ茸』が相当気に入ったみたいで、『聖域』でも栽培出来るように、『エルハダージャ』の女王『ココノエ』様に原木をわけてもらえるようお願いしに行くみたい! ネヴュラさんとバルガスさんもこれには大賛成! もちろん私も食べたいから賛成するよ! 頑張って原木をわけてもらってきてねアリサちゃん!
「オッケー♪ 頑張ってお願いしてみるね! アルティ、その時は一緒にね?」
「はい、もちろんですアリサお姉さま!」
うわぁ~♪ めっちゃ楽しみ! 実現すれば私達も『エルジャ茸』が食べられるんだ! あ、駄目だった時も考えてお土産としてもよろしくって言っておこう!
……で、なんの話しようとしてこうなったんだっけ?
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【よっしゃぁ!】~飯だ飯♪~《セラview》
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うっひょぉーっ! いいじゃねぇか『エルジャ茸』!! アタイ達『黒狼』も昔にちょっと食ったっきりだぜ!?
「なぁなぁ!? そんなにうめぇの『エルジャ茸』って!?」
「私も食べてみたぁーい!」
おぉ、そういやそん時まだパーティーに入ってなかったな、ブレイド、ミスト?
「美味い……あのキノコは……『エルハダージャ』の特産でな……土産としても、人気だ……」
「そうなのよね~♪ ああ、私もまた食べたくなってきちゃったわ!」
「バルドさん、今度『エルハダージャ』方面に冒険しに行きましょう!」
ははは! デュアードもシェリーもミュンルーカもアリサ達の食いっぷりに『エルジャ茸』が食いたくなったみてぇだ。アタイも食いてぇし、ブレイドとミストにも食わせてやりてぇから、『エルハダージャ』に冒険行こうってのは賛成だぜ?
「そうだな。だがそれは今じゃない。アリサ殿、やはりこのユナイト殿を模したオプションは、この村の護りとして配置しているんですか?」
おぉ、そうだったそう言う話だったぜ、なんか村人達から「守り神じゃ~」とか騒がれてんぞアリサ?
「おぉ~このオプションね? 『守り神』ってのは大袈裟だけど、まぁ、そんなとこだね。なんか思ったより簡単に魔物や賊が侵入できちゃうみたいだから放って置けないのよ?」
「あぁぁーっ! そういうごどだったんだべがぁ!?」
「これは申し訳ねぇべぇ~! 急いで柵だのなんだの作らねぇどなんねな!?」
ははあ~ん、なるほどなぁ~とりあえず『氾濫』の時に魔物から守ってみたけど、あまりに村の魔物対策が杜撰だから放って置けなかったのか。
「えぇ~? ちょっとおじいちゃん!? なんで対策してないの?」
「そんじょそこらの魔物なら退治してやればいいんじゃよ!」
「んだべ! おら達昔っからこの土地さ住んでっからなぁ~簡単にはやられねぇ!」
アリサのそんな理由を聞いたフォーネが、村長になんで魔物の侵入対策とか進めてないのかって文句言うと、村人達ってば、そんなもん返り討ちだぁーって! えぇ~? マジかよ……?
「そりゃみんなはこの辺の魔物より強いのは知ってるけど、ハジュネおじさんの事もあるんだし、しっかり対策しようよ……」
しゅん……リールのちょっと落ち込んだ言葉に村人達もつられてその表情を暗くした。そうだぜ~? いつどんなトラブルが起こるかわかんねぇんだから、対策はしといた方がいいぜ!
「ふむ? ならば余達の力も貸そうではないか?」
「儂とリンの毛と角の欠片を用いて、簡易な結界でも張れば良いのじゃ」
ホレ使え女神よ? って、リンとシドウじいちゃんがレウィリリーネ様に毛と角の欠片を渡したぞ? ふぅん、それで結界ってのが作れんのか?
「なんてことだべ!? 『神狼』様に『黄龍』様のお力を貸して頂けるなんて!」
「ありがてぇありがてぇ~! おら達一生感謝するだよ!」
「ん。わかった」「オッケー♪ ちゃちゃーっとやっちゃおうか!」
わはは! これなら『ファムナ村』はもう安心安全だなぁ~♪ そんじょそこらの魔物なんかはもちろん、下手な賊も入れねぇだろうぜ! そりゃ村人達も感謝のあまり涙ぐんで拝みもすらぁな?
「私のこのオプションもこのまま置いておくから、安心していいよリール、フォーネ♪」
「わぁ! ありがとうアリサちゃん!」「うん! 気にかけてくれて本当にありがとう!」
アリサも継続してオプションのセイントビートルを配置しておいてくれるってんだから、もう問題はなさそうだぜ! ディンベルとラグナースも言ってたけど、この村の作物は『セリアベール』の食を支えてくれてるからな。こんくらいやってもやり過ぎなんてこたぁねぇだろ? それに、友達の故郷だもんな、守ってやりてぇ気持ちはアタイ達も同じだ!
「こりゃお礼しねぇわげにはいがねぇべ!」
「んだんだ! 収穫しといだ野菜だのなんだの是非とも持ってってくんろ!?」
「大根なんか甘くてうめぇんだぞい!? うちの自慢だべぇ~♪」
おーおー! こりゃすげぇ♪ 「感謝のしるしだべぇ!」って村人達がザルだの籠にいっぱいの野菜を入れて持ってきたぜ!? ははっ! 食いきれっかなこの量!?
「それは嬉しい……あたし達もお土産というか、差し入れに『聖域』産の野菜とか持って来た」
「食べ比べしよーよ! 食べ比べ!」
「素敵ですね女神様! よーし! 私も『無限円環』で教わった料理の腕前を披露するわ!」
「ワタシもワタシも!」「えへへ♪ 私も頑張るよ~!」
ワイワイと途端に賑やかになる『ファムナ村』だ。レウィリリーネ様にフォレアルーネ様はこの村の作物の話聞いてから『聖域』の作物の方が美味しい筈だ! って、妙な対抗心燃やしてたからなぁ~♪
シェリーにミュンルーカ、ミストっていったアタイ等『黒狼』の女共も、今やちゃんと料理が出来るようになったし、任せておけば美味い飯食える! ……あ? アタイか? アタイはもっぱら食うのが専門だぜ!?
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【みんなで作って】~お食事会♪~《フォーネview》
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「はぁ~んだ手間暇さかけてつくんのがぁーっ!?」
「いんや~んでも、やたらと腹さ減るいい匂いばしてっぺよ?」
「見ただげでもうまそうってわがんなぁ~こんれは!」
そうでしょそうでしょ!? ふふん♪ アリサちゃんにいっぱい教わったもん、沢山作るよ♪ 村人達は私達が料理する様子をみてはしきりに感心しっぱなしです。
リン様とシドウ様の毛と角の欠片で女神様が村に結界を張ってくれて、更にアリサちゃんも引き続きオプションで村の警備をしてくれるって決まったから、もう村人みんな大喜び♪ 蓄えてた野菜を持ち寄って、「是非持ってってくんろ!」とわけてくれたの!
せっかくもらったんだから、お料理して、みんなで食べようってなりました!
「私達も映像通信越しに参加させてもらうね♪ みんなは何作るの?」
「私達は白菜とニラで餃子を作ります。アリサ様が作ってくれたあのジューシーな餃子~♪」
『エルハダージャ』にいるアリサちゃんも『中継基地』のキッチンに調理器具を並べて参加表明♪ 『エルジャ茸』を使ってお料理するみたいですね? きっと美味しいの作るんだろうなぁ~♪
シェリーさんとミストちゃんは共同で餃子だって! 『魔法の鞄』からアリサちゃんが『無限円環』で作ってた餃子の皮を取り出してるあたり、いずれどこかで作るつもりだったんだろうね?
「俺は……ほうれん草のゴマ和え……シンプルだが、美味い」
アリサちゃんから料理を教わったのは別に女の子だけじゃない。『黒狼』だとバルドさんとデュアードさんが一緒に教わったりしてたんですよね♪
「俺は大根のバターステーキだ。『ファムナ村』の自慢の大根……ふふふ、楽しみだぞ!」
「ワタシは~豚バラと大根の煮物です♪ 豚バラのお汁をたっぷり吸った大根! うはぁ~♪ もうヨダレが出てきちゃいますね!」
そのバルドさんは大根をバターで炒める、大根のバターステーキを、ミュンルーカさんは同じく大根を使って煮物を♪ 大根が人気ですね、確かに美味しいですけど、蓮根とカブも美味しいんですよ? 私はその二つをにんにくとコーチョ、バターで炒めます。
「ほほぅ~皆の衆の料理もうまそうじゃのぅ?」
「うむうむ。皆勉強熱心な事よな……ふふふ、かくいう余も飯炊きくらいなら出来てしまうのだが……これ、ブレイド! まだ開けてはならんぞ?」
「あ! ごめーんリン様! でも、このライスが炊ける匂いがたまんなくてよぉ~?」
映像通信越しに珠実様も私達の料理を覗きこんできます。流石に香りまでは向こうに届かないでしょうけど、その美味しそうな見た目だけでも楽しんもらえたら嬉しいですよね♪ リン様もお米の炊き方なんて覚えちゃって、ふふふ♪ ブレイドくんが蒸してる釜の蓋をを開けようとしてるのを止めていますよ。
「そうよ~ブレイドくん? 『はじめちょろちょろなかぱっぱ~』って歌を教えたでしょ、『赤子泣いてもフタとるな』だよ?」
「面白い歌もあったもんじゃ、しかもしかと米炊きの手順を歌っとるのが感心じゃわい」
ライスなんて脱穀とかとっても面倒であんまり人気ないんですけどね。それは本当の美味しさを知らないだけで、しっかり手順を踏んで調理すればとっても美味しいんです。アリサちゃんが歌うのはその手順を覚えやすくしたもので、シドウ様も「ようできとる」と感心しています、ライスの美味しさを広めるのに一役買ってくれそうですね。
「そのあたりもしっかり『学校』で教えていかないとね。お米は食事になくてはならないものよ♪ そう、この『エルジャ茸』で出汁をとった贅沢『海と山のみぞれ鍋』のお供にも!」
ジャジャーンッ!!
「うっひょー!? すげぇうまそうじゃんアリサぁ~♪」
「凄い! 雪に見立てたそれは大根のすりおろしですか!」
映像通信に映されたのはアリサちゃんが作る鍋! 沢山の山の幸と海の幸にお野菜が綺麗に切り揃えられて、くつくつと煮られ見るからに美味しそう♪ セラちゃんも思わずヨダレをじゅるりってして食べたそうにしてる。ミストちゃんは、今もアリサちゃんの手ですりおろされて行く大根を見ては、「確かにみぞれみたい」とほぉーってお口を開けて感心してます。
「さあ、出来たぞ! 皆で食べよう!」
わあぁぁーっ♪
私達が作った料理を村の集会所に運んで質素な木製のテーブルに配膳していきます。『ファムナ村』の人工はそんなに多くないですけど、やっぱり数多く作るのは結構な手間ですね。ですが、バルドさんの掛け声でみんな「いただきます」をして食べれば、所々挙がる「美味しい」の声に私達はとても満足感に満たされます♪
「みんなが作ったのも美味しそうね♪」
「うむ。しかし、アリサ様が作られたその鍋も実にうまそうだ」
「だね! アリサ姉~帰ったらうちらにも作ってね~♪」
オプションのセイントビートルを飛ばして私達の食事風景を見てたアリサちゃんも楽しそう♪ リン様もフォレアルーネ様も美味しそうに私達の料理を食べてくれてるし! ふふ♪ 誰かに食べてもらって喜ばれるのって凄くいいね!
この後は家のレウィリリーネ様の肖像画を見て、私は『リーネ・リュール』の跡地に行く。そこで何が待ち受けているかはわからないけど、しっかり英気を養っておかないとね!
ブレイド「それにしてもよぉ……(;゜д゜)」
ミスト「どうしたのブレイド?( ´ー`)」
村人A「なんだべぇ?(^∇^) やや子さ、もっと食わんせぇ?(*゜∀゜)」
村人B「んだべんだべ~♪ヽ( ・∀・)ノ た~んと食ってさ早うでっがぐさんだぞい?(o・ω・o)」
ブレイド「リール姉ちゃん達はよぐも、こんの訛りさうづんながったんだな?(^_^;)」
フォーネ「んなわげねぇばい!?( ̄0 ̄;)」
リール「んだ!(_ _) 普段から意識して出さないようにしてるんだよ?( *´艸`)」
フォレアルーネ「なーんだそんなこと!(*´▽`*)」
レウィリリーネ「ん(´・∀・`) 気にしなくていいのに(^ー^)」
バルド「ふふふ(*´∇`*) アリサ殿もしょっちゅう訛りを出すしな!(゜∀゜ )」
アリサ「あー(゜Д゜;) 言葉って結構周囲の人の影響受けるんだよねぇ( ̄▽ ̄;)」
シェリー「私達も暫くこの村で暮らせば、いずれ普通に言葉が訛るのかしら?(*`艸´)」
ミュンルーカ「ふふ♪(*´∇`) ブレイドくんは既に訛ってきてっぺない!(^∇^)」
デュアード「そう言う……ミュンルーカ、も……既に(^o^;)」
バルド「ほらオメェ達( ´ー`) た~んと食わせぇ~?(´・∀・`)」
セラ「わはは!(`∀´) バルドは絶対わざとやってんだろ!?(°▽°)」
リン「面白いものだな(^ー^) 生まれや育ちでこうも言葉が変わってくるのはo(*⌒―⌒*)o」
シドウ「そうじゃなぁ(・о・) 喋り方一つでその者の印象もだいぶ変わるしのぅ( ・∀・)」
ミスト「もぅみんなで訛りさ全開で喋ったら面白いがもしんねぇない?( ´ー`) なーんて♪(*^O^*)」
シェリー「んだぞない?(^-^) わだしも訛りさ勉強しでみっがな?(*´∀`)」
珠実「なにやら向こうは面白い事になっておるようじゃのぅ?(´∀`;)」
ネヴュラ「これは、『聖域』に帰った時が楽しみですわね♪(*´艸`*)」
バルガス「我等も『エルハダージャ』で何か面白い事を探さねばならんか?(^_^;)」
アルティレーネ「うふふ♪( *´艸`) 私達も「てやんでぃ!」とか言ってみましょうか?ヽ(*´∀`)ノ」




