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TS魔女さんはだらけたい  作者: 相原涼示
147/211

閑話 風雲! 女神城!~拾漆~

私「燃え尽きた……はい、これヽ((゜□゜;))」

アリサ「お、お疲れ様( ̄▽ ̄;)」

ティリア「投稿までギリギリじゃないの!( ゜皿゜)」

アルティレーネ「後一時間で日付変わるんですが?(;´゜д゜)ゞ」

レウィリリーネ「は、早くそのメモ読も?(゜A゜;)」

フォレアルーネ「アリサ姉~はやくぅ!(*´∇`)」

アリサ「あいあい(_ _) えっと「マジに疲れたので今月はお休みします(*゜Q゜*) 次回は二月一日に本編を投稿、ぐふっ!」だって……( ̄0 ̄;)」

ティリア「(;´д`) えっと、まぁ……」

アルティレーネ「皆様、どうかご容赦下さいませm(_ _)m」

レウィリリーネ「それでは~(*´∇`*)」

フォレアルーネ「『風雲! 女神城!』ここに堂々完結!(;-ω-)ノ ご覧あれぇ~♪(*`▽´*)」

────────────────────────────

【応援団】~どっちにもついた~

────────────────────────────


ピイィィィーッ!! ピピイィィーッ!! ギャルルッ! ギャギャルッ!!


「凄い銃撃戦だぁぁーっ! 両者一歩も譲らないぃぃーっ!!」


 最終関門のティリア城のステージで繰り広げられるラストゲーム。四台の『魔動車』が駆け回り、『IRガンガン』から撃ち出される色付き赤外線ビームが飛び交い、舞台を彩っている。

 はい♪ みなさんこんにちは~アリサです! いよいよ長く続いたこの『風雲! 女神城!』も今回で最後! 最終ステージでカートに乗っての銃撃戦! アイギス、バルドくん、ゆかり、ミストちゃんの四人の挑戦者を迎え撃つティリア、バルガス、ティターニア、水菜の四対四で始まったこのゲームだけど、アイギスとバルドくんのコンビネーションアタックで水菜を落としたものの、一瞬の隙を突かれ、ティリアにバルドくんが落とされた! しかし、負けじとミストちゃんの頭脳プレイでティターニアを撃ち落とす事に成功! 思わぬ反撃に戦慄するティリア!

 完全に流れが挑戦者達に傾いたと思われたその時、させるものかとバルガスの執念の一撃により、ゆかりが落とされてしまう。これにより、勝負の行方は振り出しに戻り、ティリア&バルガスvsアイギス&ミストちゃんの激しい攻防が繰り広げられているのだ!


「うおぉぉーっ! 頑張れミストぉぉーっ!」

「アイギス負けんじゃねぇぞぉーっ!!」


ワアァァァーッ!! 頑張れ頑張れミスト! 負けるな負けるなアーイギス!!


 ブレイドくんとゼルワが中心になって、冒険者達に『帝国組』、ゼオンやエミルくん、ラグナースと言った『ギルド組』とシェラザードや『ランバード家』も集結した、ミストちゃんとアイギスの大応援団がエールを贈る! いやはや、こりゃ凄い大声援だね!


「なんのぉーっ! 父上ぇぇーっ! 頑張って下さぁぁーい!! アイギスに鉄槌をーっ!」

「ティリア姉ぇーっ! うち等の仇を取ってえぇぇーっ!!」


ウワアァァーッ!! 勝って勝って! バールガス! やっちゃえやっちゃえ! ティーリーアぁぁーっ!!


 一方でティリアとバルガス達の方にもまた大応援団がついている。『聖魔霊』家族に、私の妹達、それにこれまでのステージでの仕掛人達が中心となり、妖精さん達も含めての大人数だ! こちらも凄い大声援!


「双方共に凄まじい声援だぁぁーっ! その大音量にステージがビリビリと震えているぞぉぉーっ!!」

「目が覚めるわね! 凄いわ!」

「司会のエルフの方も『拡声器(マイク)』の魔装具を使ってる筈なのに、その声が掻き消される程です!」

「凄いのですーっ! どっちも頑張ってほしいのです! でもポコはやっぱりパパに勝ってほしいのです! 頑張れぇぇーっパパぁぁーっ!」


 ヴィクトリアがこの大声援に目をまるくしてびっくりした様子だね? 無理もない、アルナが言う通り、『拡声器(マイク)』を持った司会の声も飲まれてしまうほどだもん。来賓席に戻ったポコも大興奮して、アイギスを一生懸命に応援している。


「あ、アリアちゃんがまた箒になって飛んでる! アリサおねぇちゃん、また撮影?」

「そうだよ♪ なんて言ったって最後を飾るステージだからね! 私のオプションも総動員して、色んな方向から沢山の動画を撮影してるんだ」


 ユニが会場上空を飛ぶアリアに気付いた。うむ。コレだけの大規模な企画を記録に残さないのは勿体なさすぎる! 沢山撮って、後でみんなで見返して笑い合うのだ! きっととっても楽しくて素敵な時間を過ごせるだろうからね♪


「わぁ♪ それいいね! ユニ達お料理ばっかりしててあんまり観ていられなかったし!」

「そうなのよね~じっくり観れたのってフォレアの城くらいじゃない? 他のみんなの活躍も知りたいし、後で一緒にみようね~?」


 うん♪ って元気にお返事するユニも楽しみのようだ。アリア含む私のオプションが撮影した映像は妹達に渡して、上手いこと編集して観やすくしてもらおう。


「ん~? でもアイギスおにぃちゃん達、頑張ってるけど。きっこー? 状態みたいだよ?」

「うん。これは……なにかしら動かないと、駄目かもしれないね?」


 そんな感じでユニと談笑しつつ、眼下で繰り広げられる銃撃戦の様子をつぶさに観察する。どうやらどちらも攻めあぐねているようで、撃ってもお互い上手くセンサーから外し、時にカバーに入ったりして庇い合い、決定打が入らない状況が続いている。ユニもその状況を理解したんだろう。うーむと唸っている。こういうの観てるとなんかむずむずするタイプなのかな?

 埒が明かないとはティリア達もアイギス達も感じてるはず……となれば、今は仕掛けるタイミングを見定めてるってところだろうか?


────────────────────────────

【一進一退】~これならどうだ!?~

────────────────────────────


「だぁぁーっ! しつっこいわねぇあんた達! いい加減諦めてやられちゃいなさいよ!?」

「諦める? 知らない言葉ですね! ティリア様こそ観念してアリサ様のお説教をお受けになって下さい!」

「イヤよバカ! あんたが受けなさいよ! アリサ姉さん怒ると恐いんだからね!?」


ギャルギャルッ!! ピィィーッ!! ギャッギャッ!! ピピイィィーッ!!


「怒っているぅーっ! 意味不明な事を喚きながらティリア様の怒りの射撃ぃーっ! しかし巧みなレバー捌きでヒラリとかわすアイギスがそのままカウンターだぁぁーっ!」

「やらせぬ!」


ギャルルルーッ!!


「っとぉーっ! それをバルガス咄嗟にカバーしたぁーっ!!」


 あーっ! 惜しい!! ティリアを挑発してのカウンター狙いはいい作戦だったけど、ミストちゃんの攻撃を振り切ってバルガスがティリアを庇いに来る!


「なんと言う鉄壁だぁぁーっ! バルガス咄嗟にティリア様をガードぉーっ!」


ワァァァーッ!! いいぞ父ちゃぁぁーん! あなた頑張ってぇーっ!

惜しいぃーっ! バルガスのおっちゃん家族の前だからってカッコつけんなぁーっ! ティリア様のおこりんぼぉーっ!


 わはは! いやいや、応援が面白いわ♪ 聞いてて思わずぷっ! って吹き出しちゃうね♪

 しかしこれは厳しいねアイギス達。バルガスのあの鉄壁の守りを抜かないとティリアにまで届きそうにないぞ? まぁ、そんなことは十分わかってるんだろうけど、バルガスはとにかく相手を落とす事より、ティリアの盾になるように動いているから尚難しいね。さぁ、どうするアイギス、ミストちゃん!?


「ご、ごめんなさいアイギスさん! バルガスさんをおさえておけませんでした!」

「ああ、気にするなミスト。バルガス殿はティリア様の護りに徹しているからな……次は」

「……ふんふんふん。わかりました! 頑張ってみます!」


 おぉ? なんぞアイギスとミストちゃんが口元おさえてコショコショ内緒話だ。いい作戦でも思い付いたのかな?


「あっはっは! どんなに作戦練ろうと無駄よ無駄ぁぁーっ! 後ギャラリー共! さっきおこりんぼとか言ったの誰だぁぁーっ!? 名乗り出なさい! 嫌がらせしてあげるから!」


うわぁぁ~嫌だぁぁーっ! これは確かに悪い女神様だわぁー!


「やれやれ……我も早々に落ちておくべきだったやもしれんなぁ」


 まったくティリアったらはしゃいじゃって~バルガスもため息ついてんだけど? それにあんたの嫌がらせなんて誰も受けたくないってばよ?


「あはは♪ ホントもぅみんな仲良くなったねぇ~? ティリア様におっかなびっくりしてた頃がウソみたい!」

「ふふ、そうだね♪ 私もあの子の事を様付けて読んでたっけ……懐かしい」


 観衆達に文句言ってるティリアを見て、ユニが思い出したように笑い出す。確かにちょいと前まではティリアの事を神様の頂点に立つ主神として、みんな畏怖の念を感じていたんだけど、今じゃ友達みたいに付き合えてる。……ふふ、あの時強引に姉にされたけど、今ならよかったって思える。後であの子の好きなチョコバナナクレープでも作ってあげようかな♪


ギャルルーッ!!


「勝負の最中に余所見とは! その油断、頂戴します!」

「油断じゃないやい! 余裕っていうのよ!」


 まーたどっかで聞いたようなセリフを吐きおってからに……さて、再びアイギスがティリアに向かって突っ込んで行くぞ! ミストちゃんは一歩遅れてその後に続くけど!?


「懲りぬ奴等め! 守護の任を受けた以上やらせはせぬ!!」

「ふふーん! バルガスが盾になるから私はあんた達を狙い放題よ! なのに真正面から来るなんてね!」


 ギャルルーッ! と遅いくせにやたらとタイヤが床を擦る音ばかり大きい『魔動車』を走らせ、ティリアの護りにつこうとするバルガス。そして向かって来るアイギスに『IRガンガン』の銃口を向けるティリア! その指がトリガーを引くその刹那!


「今だミスト!!」「はいっ!!」


ギャルルッ!! ギャルルーッ! ピィィーッ! ピピイィィーッ!!


 アイギスの掛け声で二人同時にバルガスに向き直る! ティリアの撃ったビームが空を切り、アイギスとミストちゃんが撃ったビームがバルガスの『魔動車』のセンサーに吸い込まれた!!


「なにぃ!? しまった!」


ボォォンッボボォォーンッ!!


 おぉ! やった! これはバルドくんと一緒に水菜を落とした戦法だね! ふむ。なるほど、挑発の効果もあって同じ戦法が通じたんだ!


「バルガス落ちるぅぅーっ!! 変わらずティリア様を狙うのかと思わせての「アイギスさん避けてぇーっ!!」うぇっ!?」


ボォンッ! ボボォォーンッ!!


なにぃぃーっ!!? 何が起きたあぁぁーっ!?


 なっ!! そんなアイギス!!


「馬鹿な……!? 一体、何が起きたのだ!?」


 プスプスと自分の乗る『魔動車』が黒煙を上げ、消えて行くのを信じられないと言った表情で立ちすくむアイギス。


「あ、アイギスおにぃちゃんが!! アリサおねぇちゃん! 今何があったの!?」


 ガタタッ!! と、私とユニは驚きのあまり椅子を倒して立ち上がり、バルコニーから身を乗り出してステージに注視する!


────────────────────────────

【神に挑むは】~それ則ち、未知への挑みである~

────────────────────────────


「ふふふ♪ ご苦労様バルガス。これでミストと一対一になれたわ。後はゆっくり休んでちょうだい」

「はっ! ティリア様に武運あらんことを!」


 ザッ! と、特に驚くこともなくその場を後にするバルガスに、不敵な笑みを見せるティリア。まさか、この展開は計算の内だって言うの?


「うふふ♪ あらあら? どうしたのかしら、さっきまでの声援は何処に消えたの?」


 シーン……あまりの出来事にあれだけ騒がしかった観衆と応援団もみんな静まりかえってしまっている。事態が飲み込めず混乱している感じだ。


「まさかティリア様、なにかズルしたんじゃないの? だってどう考えても、()()()()()()()()()()()ビームが飛んでくるなんておかしいよ!?」


 ティリアの反対側……? はっ! まさか!?


「オプション行って! あの場所を映し出して!」

「ふふ、流石ねアリサ姉さん。もう気付いたの?」


な、なんだぁーっ!? アリサ様、一体そこに何があるんだ!? って、これはアルティレーネ様の像か!?


「はっ! と、突然の不可解な事態に私まで茫然自失となってしまっていたぁーっ! アリサ様のオプションがモニターに映し出したのはピッカピカに輝くアルティレーネ様の彫像だぁぁーっ!」

「やっぱりそう言うこと……ティリア、あんた凄いわね?」


 つまりはこういうことだ……あの時アイギスとミストちゃんがバルガスに向き直ると同時に、ティリアの射撃は回避したかに見えたが、ティリアの狙いは最初からアイギス達ではなく、このアルティレーネの彫像だった。


「赤外線の『IRガンガン』のビームを「反射」させ、時間差でアイギスに当たるように撃った……」

「正解正解~♪ だからあえてあんた達の挑発に乗って攻撃を誘発させたってわけ! ……まさか、卑怯だなんて言わないわよねぇ?」


 うむむ……みんなが知らない「赤外線」っていう知識、その特性、実際に反射させて目標に当てるという現実離れした神業。しかもそれをフラットな鏡ではなく、彫像でこなすこの妹の化け物っぷり……


「言いません。神様に挑むって、きっとこう言う事をなんだって思いますから!」

「ミスト!?」「ミストちゃん!」


 みんながティリアの神業に戦慄する中、ミストちゃんが毅然とした態度で吠えた! 凄いねこの子! なんて強い心を持ってるんだろう? 普段はぽやぁ~っとしてて可愛いのに! アイギスもユニもびっくりして声をあげたよ。


う、うおぉ……うおおぉぉっ!? おぉぉーっ!! そうだそうだぁぁーっ!! ミストよく言ったぁぁぁーっ!!


 ワアァァァーッ!! って再び挙がる大歓声!! 絶対的な強者に挑む小さな少女の背にみんなの声援が贈られる! 見ればティリアを応援していたはずの者も今じゃミストちゃんを応援しているじゃないか!!


「みんなのこの応援が私に力を貸してくれます! 私だって最後まで諦めない!」

「よく言ったわミスト! ならばその力とやらをぶつけてご覧なさい!」


ピィィーッ!! ギャルッ!


 啖呵を切るミストちゃんに不意の一撃! 咄嗟に回避するミストちゃん! いやぁ~こうなるとティリアってばホント悪役だわ。しかもなんか嬉しそうだし。


「さあぁぁーっ!! いよいよ決着の時だぁぁーっ! お互い残ったのは一人だけぇぇーっ! 方やこの城のぉーっいいや! 神々の主! 主神ティリアぁーっ!

 それに対するは我々の希望をその小さな背で受け止める、魔法使いの少女! ミストぉぉーっ!! 今互いの思いがぶつかり合う! ラストダンスのスタートだぁぁーっ!!」


ワアァーッ!! 頑張れ頑張れミストぉぉーっ! 負けるなミストぉぉーっ! 思いっきりやってこーいっ!


「行きますっ!!」「来なさいっ!」


ピィィーッ! ピピィィーッ!! ギャルルッ! ギャルルーッ!!


 改めて始まったミストちゃんとティリアの一騎討ち!! 『魔動車』を走らせ、銃口から放たれるビームは互い狙いを定められて、されどセンサーを外すようレバーが操作されて当たらず! 一体どっちが勝つんだろう!?


────────────────────────────

【決着!】~勝者は!?~

────────────────────────────


「やるじゃない! 凄いわねミスト! 褒めてあげる!」


ピィィーッ! ギャルルッ!


 心底嬉しそうにビームを撃つティリア。それをかわしてミストちゃんも反撃!


ピピィィーッ!! ギャギャルルッ!


「ありがとうございます! それもこれも、ティリア様達が鍛えてくれたお陰です!」


ギャルルーッ!


 互いにかわしながら大きく距離を取る二人、固唾を飲んで見守る私達に喉が潰れんばかりに応援するみんなの声援! 私も思い切り「頑張れ!」って叫びたいな!


「その成果! ここで貴女に勝って証明して見せます! やあぁぁーっ!!」

「上等よ! 来なさい!」


 まさかの正面反抗!? ミストちゃんもティリアも距離を置いたところからの急加速! 勝負に出たのか!? いつトリガーを引く!?


「あぶなぁぁーいっ!! ぶつかるぞおぉぉーっ!? ティリア様とミストちゃんが示し合わせたかのように真正面から突っ込んで行くぅーっ!!」

「ここぉっ!!」「今ぁっ!!」


ギャルルルーッ!! ピイーッピピィィーッ!! ガラガラガッシャーンッ!! ボォンッボボォォーンッ!!


「なんですってぇーっ!!」「いたたぁ~」


 おぉ……おぉーっ!! 一瞬! 一瞬の攻防、いや、攻勢!! だけど、だけどしっかり見たぞ!! 互いに正面から突っ込んだ二人! ティリアは先の空撃ちに見えたビームを、レウィリリーネとフォレアルーネ、アルティレーネの彫像に順番に反射させて自分の後ろから飛んでくるように立ち位置を調整して突っ込んだ。時間差射撃で勝負を決めるつもりだったんだろう。

 しかしそれをミストちゃんは読んでいた。その上で敢えてティリアの策に乗り、トリガーを引くと見せかけ、レバーを急激に倒したのだ! ティリアはミストちゃんのトリガーに当てられた指に注視していて、ミストちゃんが撃つ直前で回避し、反射ビームで落とす気だった。

 だが、予想に反してミストちゃんは『魔動車』の軌道を、それこそ横転するほど急激に変えたことでほんの一瞬の隙が生じたのだ!


「ま、まさかそこから無茶な姿勢で撃ってきっちり当てて来るなんて……」

「えへへ、こ、このくらいしないと、ティリア様に勝てないから……あいたたた」


 一瞬。その一瞬の交差で勝負は決まった。事態を把握しきれず静まり返るステージ。そのなかで、ティリアがミストちゃんに手を差し伸べた。


「お見事ね♪ 私の負けよ! 完敗!」

「ティ、ティリア様! えへへ、はいっ!!」


 その手を握り立ち上がるミストちゃんにティリアの治癒魔法がかけられ、ミストちゃんは元気な笑顔で微笑んだ。


「け、けっっちゃぁぁぁーっくぅぅっ!! 落城ぉぉーっ!! ティリア城落城だぁぁーっ!!」


ウオォォォォォーッッ!!


「こ、こんな結果を誰が予想できたというのかぁぁぁーっ!! 名だたる神々の頂点に立つ主神!! そのティリア様を相手に正面切って勝利をもぎとったのはぁぁーっ!! なんとなんとぉぉーっ! 子供と呼ばれても差し支えないたった一人の少女、ミストだぁぁーっ!!」


ワアァァァーッ!! ミッスト! ミッスト!ミッストぉぉーっ!!


「ありがとぉぉぉーっ!! 会場も私も!! 否っ!! この『無限円環(メビウス)』全体が興奮して冷め止まないぃぃーっ!!」


 すごい! 本当に凄いよミストちゃん!! まさかあのティリア相手に真っ向勝負して、勝っちゃうんだもん!!


「みんなぁぁぁぁーっ!! この小さな背に大きな勇気を背負った偉大な勇者に拍手ぅぅぅーっ!!」


おぉぉぉぉーっ!! ありがとう! ありがとぉぉぉーっ! ミストおぉぉーっ!!

パチパチパチパチパチパチパチパチィィーッ!!!


「はううぅぅーっ!? す、凄い歓声!! そ、そんな、私なんて……」

「なーに言ってんのよ!? 胸を張りなさい! 貴女は私を負かしたのよ? 「私なんて」とか言っちゃ駄目よ! ね♪」


 ポンッ! と、背中をティリアに軽く叩かれ、向けられる歓声に驚いてうつむいちゃったミストちゃんが顔をあげる。


「ほら? みんな貴女を称えてるわ。最後まで期待に応えてあげなさい!」

「わぁ……みんな……ティリア様……はいっ!」


 勝ちましたぁぁぁーっ! みなさんのおかげでぇぇーす! ありがとうぅーっ!! ティリアの言葉にみんなに向き直ったミストちゃんは大声でそう叫んだ! ちょっと涙ぐみながらも、とっても嬉しそうに、とっても大きな声で!


うおぉぉぉーっ!! ミッスト! ミッスト! ミッスト! ミッストぉぉーっ!!


 こうしていつまでも止むことのないミストちゃんコールがこの『無限円環(メビウス)』に響き渡り、『風雲! 女神城!』は征されたのだった!


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【表彰式】~其の一~

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「ん。こうして悪い女神達は勇敢な勇士達に倒され、善なる心を取り戻したのです」

「女神達はお姫様達や勇士達にごめんちゃい♪ して、みーんな仲良しになりました!」

「さてさて、それではそのお姫様達はと言えば~?」


 え? そこで私にふるんかいアルティレーネさんや? というかちゃんと続いてたのその「すとぅりぃ~」とやらは?


「今は各関門を振り返りながらの表彰式でしょぉ~? あんた達もちゃんと誰を表彰するか考えておきなさいよ?」

「「「はぁーい♪」」」


 遂に終幕した『風雲! 女神城!』だけど、当然みんなこのまま解散なんてなるわけがなく。思い思いに集まっての大宴会になった! そりゃそうだ、みんなもぅ大興奮だったんだもん! 『黒狼』のみんなから始まったミストちゃんの胴上げ万歳はしばーらく続き、ミストちゃんがいい加減気持ち悪いって訴えなければ、おそらく今にも及んだかもしれない。

 そんなみんなが集まってるのだから、宴会しつつ今までの関門のゲームを映像で振り返り、色々表彰しようって私が言ったら、みんな喜んでくれたよ♪


「いやぁ~はっはっは! この時は儂、「またかぁーっ!?」と思うたわい!!」

「「「それな!?」」」

《まったく貴様らが寝返ったりせねば一人くらいは落とせたであろうに!?》

「そー怒んなってゼーロ♪ あれはあれで面白かったじゃねぇか?」

「うむ。我も大将のゼーロと本気の空戦ができてよかったと思いましたぞ?」

(あの『エアもっちカノン』でもっと遊びたいですねぇ~♪)


 というわけで、今みんなの観てるモニターには第一関門の記録映像が流れている。ゼルワとニャモの『斥候(ローグ)』と、レイリーアの『弓士(アーチャー)』としての技術も凄かったけど、やっぱりここで印象に残ったのはセレスティーナ様に寝返った翼、ユナイト、エスペル達の事とか、ゼーロの驚異的な空戦能力とか、また吹っ飛ばされたドガだろう。


「そんなわけで~ゼルワ、ニャモ、レイリーアに『凄いで賞』、セレスティーナ様に『頭いいで賞』、ゼーロに『ドンマイで賞』を授与しよう~♪ あいみんな拍手!」


わぁぁ~♪ おめでとうーっ! パチパチーっ!


「なんかビミョーな賞だなぁ? アリサ様、これ実際に何はいってんの?」

「ビミョーとか言わないのゼルワ。アリサさんへの「ご飯リクエスト券」だよん。私の手が明いてるときに限るけど、この券で私に好きな料理を作ってって注文ができるんよ♪」

「え、マジ? じゃあ贅沢天ぷら盛り合わせなんてのもアリ!?」


 うむ! アリだとも。って頷けばめっちゃ喜ばれた。だよねぇ~やっぱり自分の好物を思いっきり食べたい時ってあるよね? そんな時に使いたまへよ?


「じゃあ、第二関門見よ~♪ あはは♪ ユニはやっぱりセラちゃんの大泣きシーンが忘れられないなぁ~♪」

「うわぁぁーっ! ユニやめろよぉーっ!」


あっはっはっは!! いい泣きっぷりだったよなぁ~これ! わははは!


「なんのなんの♪ うちのレジーナの犬バカっぷりも見物でしたよ~♪」

「ははは! いや、参ったね! こりゃ恥ずかしい! ところでププルちゃんはどこだい?」


 続いて第二関門で印象深いのがやっぱりこの二人だったね♪ セラちゃんは観衆の前でわんわん泣いちゃうし、ミミが紹介したレジーナの場面は自分から妨害者であるププルに抱きついて行くシーンが映されてるし♪


「うんうん♪ そんなセラちゃんには『悔しかったで賞』を、レジーナには『意外だったで賞』をあげよう~♪」

「うぅ、まじで悔しかったぜぇ……って! なんだよこれ!? ばば、バルドの人形じゃねぇか!?」

「はは、何故かアリサ殿に、お前にあげるから俺の人形作らせてくれと許可を求められてな?」

「ああ、アリサぁぁぁーっ! おま、お前って奴はぁーっ!」


 うぷぷ♪ セラちゃんてばお顔が真っ赤よーん? いらないならうちの屋敷に飾るけどぉ~?


「……い、いる。せ、せっかくもらえた賞だかんな! だ、大事にしねぇと駄目だろ? なぁ!?」


 はいはい♪ うふふ、あらあらまぁまぁ♥️ って、照れまくるセラちゃんにみんなのあったかぁーい眼差しが贈られた。


「僕のはなにかな~!? ふおぉぉーっ!! 可愛いじゃないか! ワンちゃんぬいぐるみセットだぁぁーっ! やったぁーっ!」


おぉーっ! やだぁ~♪ マジに可愛いじゃーん! 私もアレほしいーっ!


 うむうむ! レジーナにはシンプルにワンちゃんのぬいぐるみをセットでプレゼントだ。色んな犬種が揃ってるから是非ともお部屋で愛でてほしいね♪


────────────────────────────

【表彰式】~其の二~

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「んじゃこっからはうち等から賞を贈呈するよん♪ うちのフォレア城で選ばれたのはこの二人! レイリっちとアリスっち~♪」

「わーお♪ アタシ二回目~♪」

「アリスでっす? なんか嫌な予感ばっかするんでっすけどぉ~?」


 ここからは挑戦者のみんなはバラけたからね。妹達の裁量で賞が決まるようだ。んで、最初はフォレアルーネ。ここは私達も観てたなぁ。


「これ観りゃ誰もが納得っしょ! ほらほらこのレイリっちの顔をみてよ!」

「いやあぁぁーっ! フォレアルーネ様やめてぇーっ!」


わははは! こりゃひでぇーっ! モコプーの着ぐるみ着てすげぇ息も絶え絶えじゃん!


 ぶっふ! あはは! やっぱこれか! 『モコプーキャッチ』で必死にモコプーを追っかけてる場面! あれはちょっとかわいそうだったけど、それ以上に笑いがこみ上げて来てしょうがないんだよね!


「大丈夫さレイリーア。この記録は君が頑張った何よりの証拠じゃないか? 僕はどんなレイリーアも大好きだよ?」

「うわあぁぁーん! ダァァリィィン!!」


 抱きッ!! おぉーっ!? お熱いこってぇーっ! ヒューヒューッ! あまりに残念な自分の表情が大画面に映されて涙目のレイリーアをラグナースが優しく慰めると、レイリーアは彼に抱きつき、みんなからやんややんやと囃される。ホント素敵な彼氏さんだねラグナースは。


「アリスっちはこのパンチラ映像からのエスペルの押し潰し~♪」

「ぎゃあぁぁーっ! やっぱりでっすよぉーっ!!」


 あはは♪ これも面白かったわ! はいはい、アリスは頑張ったよ? えらいえらい。と、まぁ適当に慰めてあげましょうね?


「マスター、ありでっすよぉ~グスン」

「あいそんな二人には『おもろかったで賞』だよーん♪ 開けてみ~?」

「うぅ、何かしら? あらぁーっ!?」


うおおぉぉーっ!!? す、すげぇぇエッロ!!


「なはは! うち等の力作『漆黒の女王(ブラッククイーン)』の上下とガーターベルトのセットだよん♪ お楽しみたまえ、にゅふふ♪」

「あ、ありがとう……アハハ、流石に恥ずかしいわね……」


 なんとまぁ~以前私ももらったあのエロチックな『漆黒の女王(ブラッククイーン)シリーズ』とはね。でも確かにレイリーアに似合いそうだわ。まぁ、観衆の面前でそれを「開けて見ろ」ってのは流石にレイリーアも恥ずかしかったみたいだ。


「って~事はアリスのは……うおぅ! 白いでっす!」

「アリスっちのは『白の姫君(ホワイトプリンセス)シリーズ』だよん♪ 欲しがってたっしょ?」


ワアァァァーッ!! やっぱり俺等の白パンテーッッ!!


 あはは、もうすっかりアリスイコール白パンツのイメージが定着しちゃってるみたいだ。でも、観衆のそんな声も聞こえないほどアリスは喜んでるみたい。私が着たの見てから欲しそうにしてたもんね? よかったじゃん♪


「めっちゃ嬉しいでっすよぉぉ~♪ これでマスターとユニちゃん先輩とお揃いになれまっしょい!」


なにぃぃーっ!? あ、アリサ様とユニちゃんもあの下着をぉぉーっ!?


 うわっ! バカアリス! どさくさに紛れてバラすんじゃない!


「ゆ、ユニちゃんもあの下着、着てるの?」

「うん♪ アリサおねぇちゃんとお揃いだよぉ~見るぅ?」


 やめなさいユニ! 女の子が自分からスカートめくっちゃいけません! リールは見たいならお風呂の時に見せてもらうようにね!? はい次行こ次!


「ん。あたし。レウィリリーネからはこの三人……人数多くて、とても迷ったけど……」

「レウィリリーネ様のとこには十二人も集まってましたからね。私も参加したかったです」


 私まで恥ずかしい思いする前にちゃちゃっと先を促す! 次はレウィリリーネの番だ。一緒にいるフォーネが言うように、レウィリ城には十二人もの挑戦者が集まったから賞を誰にあげるかで、迷うのも無理はないだろう。


「まずはバルド。『頑張ったで賞』。最後の海峡での足掻きは多くの観衆の胸をうつものだったよ?」

「うわっえぐ……なにこの回転床! バルドくんよくクリアしたねこれ!?」

「はは、その後モモさんとゆかり殿にあっさりクリアされて……ちょっとへこみました」


いやぁ~でも凄かったぜバルド! そうだそうだ! 落ち込む事なんてねぇぞ!!


 記録映像を観た私がそう言えば、ちょっと落ち込むバルドくんだ。確かにその後に続いたももちーとゆかりがあっさりとクリアしてるけど、これはバルドくんが先行してクリアしたお陰だろう? みんなが言うように落ち込む事なんてないよ!


「ありがとうございます。これからも励みます! ……何がもらえたんだろうか?」


 ゴソゴソ……こ、これは!? と、レウィリリーネから渡された袋を開けたバルドくんが叫ぶ。何が入ってたのかね?


「おぉーっ! 『黒狼』の集合写真じゃん! こりゃいいもんもらったねバルドくん♪」

「はぇ~『写真』って言うんですかこの絵?」

「すげぇじゃん! まんま風景ごと切り取ったみてぇだ!」

「いい! な、これは……!」「素敵ね!」

「これ、『無限円環(メビウス)』での訓練してた時にレウィリリーネ様が魔装具の試用した時ですよね?」

「そっかぁ~あん時なんか集められたけど、へへ♪ なんか嬉しいな!」


 うんうん♪ 他の『黒狼』のみんなも集まって来てその写真を見て喜んでいる。これはいい思い出になるね!


「ありがとうございますレウィリリーネ様! 『聖域』の『(ホーム)』に飾っておきます!」


わあっ! いいないいなぁ~! よかったなバルド!


「ん♪ 喜んでもらえて嬉しい。じゃあ、次はエミル。『頑張ったで賞』だよ」

「ぼ、僕ですか!? 凄く意外なのですが?」


 おぉ、エミルくんか。自分が選ばれるとは思いもしなかったのか、名前を呼ばれたエミルくんはちょっとびっくりしつつ、レウィリリーネの前に出た。


「ん。一緒に訓練したわけでもないのによくぞ食らいついてきた~♪ その健闘を称えるよ? ホントに頑張ったね?」

「あ、ありがとうございます! わぁ、なんだろう? ……これは、枕ですか?」


 レウィリリーネから渡されたちょっと大きめの袋からエミルくんが取り出したのは枕だ。ふふふ、実はその枕はおねむ大好きなレウィリリーネが私と一緒に開発した魔装具なのだ!


「その名も『めっちゃ快眠くん』! どんなに寝相が悪かろうと睡眠状態にある使用者の首と頭にふんわりフィット!」

「ん! あたし達も愛用している最高の枕。いつも仕事で疲れた貴方に最高の睡眠をプレゼント♪ 是非お試しあれ~♪」


 おぉーっ! それは凄そうな魔装具ですね! 早速今夜から使わせて頂きます! って大喜びのエミルくん。うむ、いつも冒険者ギルドのお仕事大変そうだし、いいプレゼントになったんじゃなかろうか?


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【表彰式】~其の三~

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「……で、最後。ルヴィアス……ぷふっ♪ 『やっぱり伊達だったで賞』ぷっふぅ!」

「うぐぐ……嬉しくないぞぉ~レウィリリーネぇ~?」


 ぷふっ! 記録映像を観たけど……ルヴィアスってば「皇帝で魔王は伊達じゃない」とか言いつつ、速攻で脱落してたんだよね。


「ん♪ じゃあ、『見苦しいで賞』でもいいけど?」


ぶはははっ!! いやぁ~最高だなぁ~♪ えぇ~皇帝陛下ぁ~!? わっはっは!!


 あはは♪ いやぁ~可笑しい! 速攻で脱落した後「ヤダヤダ! もっかいもう一回!」とか見苦しく喚いてたから、確かにその賞でもいいね!


「くそぉぉーっ!! 悔しいぃーっ! でもせっかくだし、いただきまーす! なにかななにかなぁ~?」


アーハッハッハ!! アハハハハハッ!! わははは! キャーッハッハッハ!!


 おぉ。レウィリリーネ、それを選んだのかね♪ 相変わらずやかましいこと!


「なにこれぇ~!? ねぇレウィリ! これなに!? めっちゃうるさいじゃん!?」

「ん。それは『笑い袋』っていう魔装具。袋を押すと色んな笑い声が出る」


 なんだそれ……? 他には? って聞くルヴィアスだけどね。そんだけだよ?


「えぇ~? なんなのこれぇ~? ま、まぁ……記念だしもらうけどさぁ~」

「ホント、なんなんですかこれは、アリサ様? 僕には何の意味もない魔装具にしか見えないんですけど?」「「私も」」


 げんなりしたルヴィアスはせっかくの記念だしと、ちゃんと受け取ったけど、オルファちゃんとバロードくん、カレンちゃんはこの『笑い袋』の用途が気になるようだけど……そんなの私だって知らんがな? ただのおもちゃって認識でいいんじゃないの?


「それでは私、アルティレーネからは、アイギスさんとミストさんへ賞をお贈りしますね♪」

「ありがとうございます! アルティレーネ様!」

「はわわ! ありがとうございますぅーっ!」


 気を取り直して、次はアルティレーネの番だ。アルティレーネからはアイギスとミストちゃんに『敢闘賞』が贈られたよ。その内容は装備品提供券だった。ほしいと思った装備品……武器や防具に限らず、アクセサリーからなんなら下着までリクエストに応えてアルティレーネが創造してくれる券だそうだ。


「ふむ。何を創って頂こうか? しっかりと考えて使わせて頂きます」

「私もです♪ えへへ、どうしようかなぁ~?」


 うんうん二人とも嬉しそうだね♪


「なんか無難過ぎないアルティ~? さっきのルヴィアスみたいに笑えるのないの~?」

「あ、ありません! 早く次に行きましょう!」

「ある。とっておき♪ はいポチ!」


 あっ! レウィリ駄目です! ってアルティレーネが慌ててレウィリリーネが押すボタンを止めようとするけど、もう遅い。


「『82・56・83』これってだーれだ!?」

「へぇーっ! スリーサイズってのか? んじゃこれアルティレーネ様のだな!」


キャアアァァァーッッ!!


「カットしてって言ったでしょうレウィリ!?」

「無理。こんな面白いのカットしたらみんなに怒られる♪」


 あはは♪ そっかぁ~あの時司会のエルフが私になんか質問してきたのってこれの事かぁ~♪ ははは! アルティレーネってばこれを知られたくなくて淡々と進めてたのね? かわいそうにうにゃぁぁぁぁーっ!! って縮こまって嘆いてるよ?


「へ、へぇーっ! アルティレーネ様のサイズってそうなのね?」

「ちょっと、ウェスト56ってすごくない?」

「マジにそれ! うらやましいよねぇ~?」


 おうおうおう? 止めてあげて女の子達。褒めてるんだろうけど、今のアルティレーネには効いちゃうからさ。


「え? これもしかして俺もなんかもらえんの?」

「よせブレイド。もらえるとしたらアルティレーネ様のゲンコツだぞ?」


 うむ。ブレイドくんはもうちょい大人になりたまへ。でないとゼオンの言う通りにアルティレーネのゲンコツが飛んでくるぞい?


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【表彰式】~其の四~

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「超スーパーなんたらとか言う団子は……うむ、アレはアレで愉快ではあったが、賞を贈るとしたら『通りすがりの魔女さん』一択じゃからなぁ~♪」

「しかし、困ったのぅ~? あの魔女は一体何処の誰じゃったのかのぅ~?」


 うぐぐ……このじゃのじゃのコンビめぇ~! わかっててやってるなぁ?

 妹達の賞の受け渡しが済んで、あの巨大団子の話題になった。だけど珠実とシドウが『通りすがりの魔女さん』に賞を贈ると言いつつ、正体がわからーんとか抜かしよる! まぁ、別にいいんだけどね? あの団子との空戦は楽しかったし♪


《しかし、本当に凄まじいな!》《圧倒的ですね》

《流石俺達のご主人だぜぇ~♪》《わたくし達も精進せねばなりませんね!》


 で、今モニターに映し出されてるのが、『通りすがりの魔女さん』が団子をボッコボコにしてる様子♪ いやぁ~楽しくてついノリノリでぶっぱしちゃったねぇ~?


「あはは♪ 『ガルーダナンバーズ』が食い入るように見てるわね♪」

「うん。邪魔しちゃなんだし、別モニターで次行こうね。『にゃんとわんだぷぅ×』だよ!」


 なんかゼーロ達が団子と魔女のバトルを繰り返し見続けているので、私は話しかけてきたティリアに別モニターで表彰式の続きを促した。


「うぅー! ポコがスピッツちゃんだったなんてぇ~!」

「アルナちゃん……もーそればっかりなのです!」

「ははは! 話は聞いてるぜアルナ! そんなお前にはこの『ワンだで賞』をやらぁな!」


 未だにポコがお気に入りの日本スピッツの正体だったショックを引きずっているアルナに、ポコもいい加減うんざりしてきた様子だ。だけどそこに大地がひとつの賞をプレゼントした。


「あ、ありがとう大地さん。なんでしょう? 御札ですか?」

「俺の棲処への通行許可証ってとこだぜ! ここに集めた動物共は全部俺の棲処から連れて来たからな! アルナの好きな時に見に来ていいぜ?」


 パアァァーッ!! って話を聞いたアルナの表情が明るくなる。こりゃ嬉しい賞だね♪ あー、私も大地の棲処行きたい! 以前に「今度は大地のとこで~」って話が出たけど中々行けてないね?


「よかったねアルナ♪ また可愛い動物達と遊べるよ?」

「はい♪ みんなで一緒に行きましょう!」


 うんうん♪ その時はみんなで一緒に遊びに行こうね! 私、お弁当作るよ♪


「そしてヴィクトリアにはこれだぞー!」

「え、私にも賞があるの?」

「くくく、受け取るがいい。『だらしないで賞』だ!」


 ジュンとリンがヴィクトリアに贈る賞はなんと『だらしないで賞』だ。まさか自分が賞をもらえるとは思わなかった彼女は、一瞬喜んだものの、その賞の名前にすぐ、苦笑いを浮かべる。はて、一体何が贈られたのか?


「猫耳ーっ! 尻尾まで!? にゃあぁーん! 私に猫になれとぉぉーっ!?」


 わはは♪ そりゃアレだ! 今モニターに映ってるノリノリでユニのにゃんこ大行進についていってる姿が物語っているってもんだ!


「いやぁぁーっ! 恥ずかしいわぁーっ!! でもちょっと嬉しいーっ!」


あはははっ!! ヴィクトリア様って結構お茶目だなぁ~♪


 ぬあーって悶えるヴィクトリアにみんな大笑いだ! ふふ、これでもう一気に親しみやすくなったんじゃないかな?


「そして最後……これはもう満場一致の文句なしだよね?」

「んぅ! お空から見てて凄く興奮した、です!」


 そして最終関門が映し出される。滅茶苦茶精密な角度調整が必要となるはずの「赤外線の反射」を、その神業で成す強敵。ティリアを相手にバルドくんが、ゆかりが、アイギスが倒される中。たった一人立ち向かったミストちゃん! 私の言葉にアリアが答え、みんなも力強く頷いた。


「さあお姫様達。この小さな勇者に最高の贈り物をしてあげて♪」

「はうぅ、そんな! 私、私~えへ、エヘヘ♪」


 ふふ♪ ミストちゃん照れちゃってぇ~♪ 可愛いのぅ!


「えへへ♪ じゃあユニから助け出してくれたお礼♪ ありがとミストちゃん! ちゅ♥️」


ワアァァーッ!! おめでとうーっ! ユニちゃんからほっぺにちゅぅだぁ~♪


「あはは♪ ありがとうユニちゃん♪ 私達ずっと友達でいようね♪」

「うん! これからもよろしくねミストちゃん!」


 パチパチパチパチーっ! うひょぅ~♪ 可愛い女の子達の美しい友情。微笑ましいね! うむ。たまらん! 私にとってもご褒美である!


「じゃあ、私ね? 私からは~『アリサさん一日占有券』だよ♪」


ガタタタッ!! な、ななな、なんだってぇぇぇーっ!!? こいつはとんでもねぇ褒美じゃねぇかぁぁーっ!?


 なんだねみんなして!? 騒ぎ過ぎでしょ? たった一日で申し訳ないって思うけど、そんなに驚くほどのもんじゃないでしょ? まぁ、いいや。


「それと~えいっ!」「はわっ!? アリサ様!?」


 ぎゅ! お姫様のハグだよ~♪ 頑張ったご褒美には物足りないかな?


「おめでとうミストちゃん♪ 頑張ったね?」

「はうぅ~アリサ様ぁ~♪ こんな素敵なご褒美もらえるなんて……頑張ってよかったです♪」


 うんうん♪ いい子いい子。いいよ、いっぱい甘えてね? ミストちゃんいっぱい頑張ったもんね。


「ありがとうございますアリサ様♪ エヘヘ。この『占有券』は平和になったら必ず使いますから♪ その時は……その、丸一日甘えさせてください♪」

「うん♪ 勿論だよ! 頑張ろうねミストちゃん!」


 私を抱き返してくるミストちゃんが顔をあげて、少しテレテレしながらにっこり笑顔♪ 『ユーニサリア』の色んな問題を解決して、平和になった暁には、ミストちゃんと一日楽しく過ごす時間がくるだろう。

 そうすればきっとアイギスとの仲も進展するかもしれないし! よーし、頑張ろう!

アイギス「アリサ様の一日占有券……( ・`ω・´) もし私が勝利していたら、同じものが手に入っただろうか?(´・ω・`; )」

アリサ「Σ(゜ω゜) ……手に、入った……よ?(*/□\*)」

アイギス「!!?Σ( ̄□ ̄;) む、無念だ!(*T^T)」

アリサ「……゜+.(*ノωヾ*)♪+゜ 券なんてなくったって、アイギスが望むなら……私(*≧д≦)」

アリス「ゴルアァァーッ!?( `□´) そこ! イチャイチャ禁止でっしゃろーい!(≧□≦)」

フェリア「そうだそうだぁーっ!(`皿´)」

ルヴィアス「ははははっ!ヾ(≧∀≦*)ノ〃 この笑い袋ずっと聞いてるとこっちまで笑えてくるぞアイギスくん!(°▽°)」

ゼオン「エミルの枕良さそうだな?(・о・) 使ったら感想教えてくれよ?(^-^) なんなら俺も創ってもらいてぇし♪(^ー^)」

エミル「ええ、いいですよ( ´ー`) ふかふかで気持ち良さそうです♪(ノ≧∀≦)ノ」

珠実「次回こそは妾達も参加したいもんじゃな♪(°▽°)」

ジュン「だぞー♪( ´ー`)」

リン「うむ(・-・ ) 『四神』程も出番がなかったからな(-∀-`; )」

シドウ「ほっほっ!(о^∇^о) ユニちゃんがまたお姫様となるなら是非に参加せねばのぅ♪( 〃▽〃)」

ティリア「おっと( ̄0 ̄;) 最後にもう一回(^ー^)」

アルティレーネ「次回の更新は~♪(*´∇`)」

レウィリリーネ「ん(_ _) 二月一日だよ?(・о・)」

フォレアルーネ「それじゃまた本編で会おうね~♪(σゝω・)σ」

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