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TS魔女さんはだらけたい  作者: 相原涼示
145/211

閑話 風雲! 女神城!~拾伍~

アリサ「十五日目(゜A゜;) いよいよこの『風雲! 女神城!』も終わりが見えて来たわね……(_ _)」

アイギス「なんだか名残惜しいですね(-_-;)」

ゼルワ「にしたって……(・д・`;) 前回の倍以上のボリュームだぜ?┐('~`;)┌」

サーサ「ちょっとやり過ぎな感もありますよね?( ̄▽ ̄;)」

レイリーア「書き始めた手前、後にひけなくなったんでしょうね♪( *´艸`)」

ドガ「ほっほっほ!(*≧ω≦) まぁ、よいではないか?(^ー^)」

アリサ「そうそう♪(*`艸´) 所詮素人作家のお遊びなんだし、やり過ぎがなんぼのもんじゃいってとこよ♪ヽ(・∀・)ノ」

アイギス「ふふ(*´∇`*) それでは『にゃんとわんだぷぅ×』の様子をご覧下さいませ♪(^-^)」

────────────────────────────

【絶対者】~ミーナ~《アイギスview》

────────────────────────────


 あ、危なかった! あそこでミーナ殿が割って来てくれなければ、今頃私は前回のサーサの二の舞だっただろうな。

 私ことアイギスは今現在、『風雲! 女神城!』の第五関門である『にゃんとわんだぷぅ×』に挑んでいる最中である。前回の『アリス城』でもそうだったのだが、このゲームは、救いだすべき囚われの姫がゲストとして招かれ、動物達と心行くまでふれあうという側面がある。

 私達挑戦者は強制的に動物に姿を変えられ、他の動物に混じってゴールである、出口の扉にたどり着かなくてはならない。それだけなら、真っ直ぐゴールに向かえばいいだけなのだが、一つのルールが課せられているため、そう簡単にはいかないのだ。

 そのルールと言うのは、ゲストの皆に「ご挨拶」をすることである。すなわち、ユニ殿、アリア殿、ヴィクトリア様に、先日私とアリサ様の娘となったアルナ。そして、愛するアリサ様の目の前に立ち、挨拶をすることである。今回も私は猫の姿に変身したので、一言「にゃぁ~」とでも言えばいいのだろう。

 しかし、この挨拶をするにしても注意が必要だ。いや、最も注意すべきポイントと言ってもいい。と言うのも、先行したウサギ達のうち、一羽がアリサ様の目に止まり、抱き抱えられて撫で回された挙げ句、心地よさそうに彼女の膝の上で眠りに落ちたのを目撃したためだ。


「やはり恐るべきはアリサ様。あのウサギが挑戦者の誰かでないことを祈ろう!」


 その後、今度は白い子犬がアルナに捕まり、やはりアリサ様と共に愛でられ撫でられてはメロメロの骨抜き状態にされてしまっていた。

 このように一度彼女達の目に止まり、手を差し出されたら、もう最後だ。親愛なる彼女達が差し出す手を無下に払いのける事ができるだけの図太い神経の持ち主ならいざ知らず。私にそれは絶対できない。愛する人の穏やかな心を護れずして何が騎士か!


「アリサおねぇちゃん見て見て~♪ にゃんこ大行進~♪」


 そして私達猫の出番が回って来たのだが、ユニ殿が沢山の猫じゃらしや、長いヒモ。リボン等を取り出しては、私達居並ぶ猫の前で動かし始めるではないか!


「にゃぁ~? にゃん♪ うなぁ~ん!」


 他の猫達は大喜びでユニ殿の後を追いかけ回し始めた。これは好機! 私もおもちゃに夢中の猫のフリをしていれば、うまくアリサ様とのご挨拶を切り抜けられるかもしれない!


「アリサさん! このゲーム最高よ♪ こんなに可愛い動物達と遊べて美味しいお菓子に飲み物まで!! ……いくら払えばいいかしら?」


 ……うむ。どうしてか一緒についてくるヴィクトリア様の事は、この際考えないようにしよう。


「あはは♪ そんなのアリサおねぇちゃんに笑顔払えばいいんだよぉ~♪ ほーらにゃんにゃん達、アリサおねぇちゃんとアルナちゃんにご挨拶~♪」


「にゃあ~ん♪」「うなぁ~ん?」「ん~にゃぁ~」

「はいはい! じゃあ私も♪ アリサさんアルナ~にゃんにゃ~ん♪」


 よし! これは行けるぞ! 他の猫達に紛れて私も一声鳴いておいた! 後は素早く出口の扉に向かうだけだ。


「あら、この子は随分品があるって言うか、美人と言うか、凛としてるわね?」


 しっ! しまった!! アリサ様が私に気付き、その手を差しのべてくるではないか!? 最早これまでか!? 否! こうなれば耐えるしかない! アリサ様がご満足頂けるまで撫でられた後にゴールへ向かうのだ!


「にゃあぁっ!!」「うわっ! ミーナ!?」


 しかしその時だ! どこからともなくミーナ殿が現れ、私に伸ばされたアリサ様の手を叩いて止めたではないか!? そしてそのまま……


「にゃむっ!」「あいたっ! ちょ、ちょっと痛いってば!」

「あはは♪ ミーナちゃんヤキモチやいてるんじゃない? 「このうあきものー!」って、アリサおねぇちゃんのこと怒ってるんだよ♪」


 アリサ様の手に噛み付いた! うわ! これは痛そうだ、ミーナ殿、お怒りはごもっともかもしれませんが、どうかほどほどに!


「にゃーっ!」「うにゃんっ!?」


 うわ!? びっくりした! な、なんだったのだ今のは!? ミーナ殿に威嚇されたその瞬間、私は咄嗟に跳び退いてしまった。『聖霊』としての力なのか、それとも何か別の力なのか? よくわからないが、ミーナ殿には『絶対に敵わない』と、本能で理解した……いや、させられたためだ。

 ……と、ここで冒頭に戻るのだが。本当に危ないところだった。


「だが、お陰で無事に出口の扉にたどり着いたぞ!」

「ほっほっ! よう抜けてきおったのぅアイギス。オヌシが一番乗りじゃぞ?」

「さすがアイギスだぞー! やるな~お前ーっ!」


 おぉこれはシドウ殿にジュン殿! 私がアイギスとわかるのですか!?

 出口の扉の前にはシドウ殿とジュン殿が談笑しつつ、お茶を楽しんでいた。どうやらそうして挑戦者達が来るのを待っているようだ。

 しかし、私が一番乗りか。他の皆は無事に来てくれるだろうか?


────────────────────────────

【にゃんこの抱き方】~大事!~《ミストview》

────────────────────────────


「にゃんにゃん♪ にゃぁ~ん!」

「あはは♪ ほーらほらこっちだよぉ? と、見せかけてこっちーっ!」


サササッ! タシッタシッ!!


「にゃん!」


 やった! 捕まえた!


「わぁ~♪ 捕まっちゃった! 凄い凄い! えらいねにゃんこちゃん達♪」

「うなぁ~ん♪」


 えへへ~♪ おもしろーい! もっともっと遊んで~ユニちゃ……ん?

 はっ!? はうぅぅーっ!? 私何やってんのぉ? こんなことして遊んでる場合じゃなかったよぉ~!? 今は大事なゲームの途中じゃない! 早く出口の扉に行かなきゃ!


タタタッ!


「あぅ!? にゃんこちゃん?」

「一匹行っちゃいました、さっきまで楽しそうに遊んでたのに……ホント、気まぐれ、です」


 うー! ごめんね~ユニちゃん! アリアちゃん! 私行かないと!


ころころころ~


「にゃん♪」

「あらぁ~ん♪ 猫ちゃんお上手!」


ぺしんっ!


 ユニちゃんとアリアちゃんの誘惑を振り切った私は、ゴールである出口の扉に駆け出したんだけど、その途中にころころとちっちゃいボールが転がって来ました。にゃぁ~? って思って見てたら、知らず体が動いて、ぺしんとそのボールをはたいちゃう私です! あぁ~勝手に体がおもちゃに反応しちゃいますーっ!

 振りかかる声に見上げて見ると、なんとヴィクトリア様がにっこり微笑んでいらっしゃるじゃないですか!?


ヒョイ!


「ふみゃぁ~?」

「ちゃんとボールを返せてえらい子ですね! ご褒美に抱っこしちゃいましょう♪」


 にゃあぁーっ!? 大変です! 捕まっちゃいました! さっきのボールのおもちゃはヴィクトリア様が仕掛けた罠だったんですね!? と言うか、痛いです! 脇が痛いですヴィクトリア様! 私の両脇に手を入れて持ち上げるヴィクトリア様に猛然と抗議の声を挙げますけど、あー! 駄目です! 全然聞いてません! むしろ目がハートになっているような!?


「あうぅん! なんて可愛いの! 猫ちゃん猫ちゃん大好き♪」

「ふみゃあぁぁーっ!!?」


ちゅちゅちゅちゅーっ!!


 いやぁぁーっ! やめてやめてぇーっ! た、食べられちゃうーっ!? 誰か助けてぇーっ!

 猛烈な勢いで私にそのお顔をスリスリスリーってしてからの、連続キッスの嵐! やだあぁぁーっ! 全然嬉しくないですぅーっ!


「ちょっとヴィクトリア! 何してるんですか!? 猫ちゃんが嫌がっているでしょう!?」

「可愛いのはわかるけど、そんなに押し付けたらかわいそうよ? 猫の抱き方は、よいしょっと、こうやってしっかり落ちないように安心させてあげて~」


 はぅ! た、助けが来ました! アルナ様とアリサ様です! よかった!!


「みゃぁぁーっ!!」

「ほら、その子凄く嫌がって興奮しちゃってるじゃない? 一度降ろしてあげて? 代わりにミーナを抱っこさせてあげるから、ね?」

「わ、わかったわアリサさん。ごめんね猫ちゃん?」


 た、助かったぁぁーっ!! よかった! よかったよぅ! 早く出口に行こう!

 騒ぐ私を見かねてかアルナ様とアリサ様がヴィクトリア様に注意をしてくれて、なんとか解放されました! 後でちゃんとお礼言わなきゃ! とにかく出口に向かってダッシュです!


「おー! ミスミスが来たぞーっ! 二番着だな~♪」

「ほっほっ♪ お疲れさんじゃったのぅミストちゃんや? ヴィクトリアの奴めに捕まった時は駄目かと思うたぞい?」

「にゃぁ~」


 あ、出口の扉の前にジュン様とシドウ様がいる! 後、白猫が一匹! ジュン様が私を「二番」って言ったから、あの白猫も挑戦者の誰か?


「こいつはアイギスだぞー?」「にゃぅ」


 わぁー! アイギスさんだったんですね! やっぱり前回を経験してるだけあって流石だなぁ~♪ 一番にゴールしてたなんて、私全然気付きませんでした!


────────────────────────────

【ペロペロ】~脱出する為で決して他意は~《バルドview》

────────────────────────────


「わんわん!」「くぅんくぅーん」

「きゃはは! くすぐったいよぉ~♪」

「んぅ~♪ みんな元気いっぱいです!」


 さて、困った……この状況をどう切り抜けたものか?

 俺、バルドは犬の姿でアリア殿の腕に抱かれ、困り果てていた。前回アイギス達が挑戦したときの記録映像を観ていたため、大体の趣旨はわかるのだが。このゲーム……非常にやりづらい!

 と言うのも、ユニ殿にアリア殿は純粋に可愛い動物とのふれあいを心から楽しんでいるからだ。


「振りほどこうとすれば、できなくはないのだが……」


 くぅん。と、俺を抱き抱えるアリア殿を見れば、「んぅ?」と小首をかしげてにっこりと、それはそれは純真な笑顔で微笑むではないか。その笑顔の眩しいことと言ったら……うむ。できん! この笑顔を曇らせてはいかん!

 故に強引に振りほどくのは却下だ。何か別の策を考えねばなるまい!


「私、猫派だったんだけど……こうしてふれあうとさ……むふぅ~♪ ワンちゃん可愛いねぇ♪」

「おねむしてるウサちゃんも、このスピッツちゃんもまとめて飼いたいですね、お母さん♪」


 平和な世になったとして……うぅむ、俺ならやはり犬を飼うだろうか? 愛玩用の可愛らしい犬もいいが、スマートな猟犬が望ましい。『黒狼』のメンバーと一緒に冒険して、共に狩りをしたり、キャンプ場でアリサ殿から頂いた弁当を分けあったり……あぁ、猫もいい。『(ホーム)』でゆったりくつろいでいる時に、ミーナ殿のように膝に乗ってもらい、撫でながら読書をするのも乙だな。勿論、おもちゃで一緒に遊んだりするのもいい。そして就寝するときは、腹の上に乗られて苦しいと言いつつも幸せな眠りにつくのだ。


「きゃん♪ うふふ、ワンちゃんはペロペロするのホント大好きねぇ~?」

「あはは! ヴィクトリア様お手てがべとべとになっちゃったんじゃない?」

「ふふ、ペロペロされても痛くないからいいわよね? ミーナにペロペロされると、ザリザリしたその舌で赤くなっちゃうもん」


 はっ!? いかんいかん! あはは♪ と笑うアリサ殿達の声に俺は現実逃避から目が覚める。そうだ、今は将来の事よりこの現状をなんとかせねば! しかし今のは試す価値がある情報ではないか? 俺を抱くアリア殿を傷つけず、穏便に解放してもらうために、アリア殿の腕をペロペロと舐めて見るか!


「ペロペロペロペロ~♪」

「あんぅ~♪ くすぐったい、です。ワンちゃん♪」


 おぉ、反応したぞ! くすぐったいと言っていたから、我慢できなくなるまでペロペロすれば離してもらえるかもしれん!


「ペロペロ~♪ あむぅ~ペロペロ~♪」

「きゃぁぁんっ!? ど、どうして、さっきより激しくぅん! んぅっ甘噛み、だめぇ~♪」


 目の前のアリア殿の細腕と指をペロペロ。時に軽く甘噛みを加え、更に緩急も付け、「くすぐったい! もう我慢できない!」と、腕を引っ込めてくれることを祈る!


「あらら♪ ふふふ、アリアお姉ちゃんが喜んでくれたから頑張ってるんですね、ワンちゃん♪」

「やぁだアリアったら♪ 変な声出しちゃって! ちょっとぇっちよぉ~♥️」

「まぁ~♪ アリアちゃんっておませさんなのね!? うふふ♪」

「うぇぇ!? ち、違う、ですもん! アリアはいい子、です!」


ぎゅうぅぅーっ!


「ひゃいんっ!?」


 ぐえぇーっ!? く、苦しいっ!! 逆効果だったか!? くすぐったそうにしていたアリア殿は一瞬俺を抱く腕の力を抜いたから、行けると思ったが、アリサ殿とヴィクトリア様にからかわれた拍子に俺をキツく抱き締めた! あまりの苦しさに思わず俺も変な悲鳴をあげてしまった。


「わぁぁっ! アリアちゃん! 絞めすぎだよ! ワンちゃん苦しくて悲鳴あげてる!」

「んぅっ!? ご、ごめんなさい! ワンちゃん!」


 おぉぉっ!? やった! 助かった! ありがとうユニ殿! 感謝する!


「あんっあんっ!!」

「ん~? お礼かなぁ? ふふ、どういたしまして♪」


 助け船を出してくれたユニ殿に、感謝の言葉を伝えたつもりだったが、今の俺は犬だからな……こうなるのは仕方ない。だが、なんとか伝わったようだ。


「うっふっふ♪ 可愛い顔して中々のテクニシャンねぇ貴方? 一体今までどのくらいの女の子を鳴かせてきたのかしら~?」


 なっ!? 何を言い出すんですかヴィクトリア様! 今のは不可抗力です!


「んーっ! 恥ずかしい、です!」

「あはは、ごめんごめんアリア♪ ちょっとからかい過ぎたね? 謝るから許して~?」


 アリア殿が先程変な声を出したことを恥ずかしがって、座り込んでしまった。それをアリサ殿がよしよしと慰めているんだが……お、俺は悪くないよな、これ? ま、まぁいいっ! とにかく今の内に出口へと向かわねば! 誤解は後で解くしかあるまい!


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【残るは】~モコプー団子~《ティターニアview》

────────────────────────────


「お見事ぉぉーっ! 『黒狼』のリーダー、バルド! アイギスとミストちゃんに続いて今、出口に到着だぁーっ!」


ワアァァァーッ!! 危なかったなぁバルドぉーっ! よく切り抜けたぁーっ!


 あらあら……中々おやりになりますわね! アリアさんにぎゅうぅぅって抱きしめられていたので、彼もモモさんやポコ様のように落ちるものとばかり思っておりましたわ!


「や、なんか……恥ずかしいわ♪ アリアったらなんて声出すのよ?」

「もーティリア様! 何を赤くなってるんですか!? あれはしょうがないんじゃないですか?」


 うふふ♪ もう、イヤですわ♪ ティリア様も水菜さんも、聞いている(わたくし)まで恥ずかしいじゃありませんか? きっとアリアさんは人化して間もないですから、馴れない刺激に驚いてしまっただけですのよ?


「なんにせよ、これで三名が決まりましたな。残すはゆかり様とアリス様ですが……果たして」

「そ、そうねバルガス。できればどっちも落ちて、私達四人対、挑戦者三人の有利な展開になるといいんだけど?」


 そうですわね。(わたくし)達は四人ですし、挑戦者の残り枠は二人。五対四の不利な構図になるのは避けたいですわね、せめて四対四。できれば四対三になってくれれば申し分ありませんわ。


「ゴォォールッ!! ゆかり様ゴールだぁーっ! ウサギに変身していたゆかり様! お客様にご挨拶をした後、その目線の低さに戸惑ったかぁーっ!? 散々迷子になって、珠実様にご案内されてのゴールだ!!」


ワァァァーッ! そんなゆかり様がいいぃーっ! 可愛いぃーっ!!


「まったく、ゆかりは変なところで抜けておるなぁ~♪」

「ぷすーっ! ぷすーっ!」


 あらら? うふふ、珠実様に抱き抱えられたゆかり様が、あきれた苦笑いをする珠実様に文句を言っておりますわ♪ 可愛いですわね! でも、残念ですわ! ゆかり様がクリアなされましたわね。これで四対三が消えました……仕方ありませんわね。残るアリス様はどうでしょうか? 確かモコプーに変身なさっておられた筈ですけれど。


「あーっ! ゆかりがゴールしちゃったかぁ~! こりゃ手強い相手が来ちゃったわね」

「ええ、流石は『黒竜』と言ったところでしょうか?」

「なんでも上手くこなしちゃうそのポテンシャルは羨ましいですねぇ~」


 ティリア様が強敵の参戦決定にお嘆きですわ。バルガスさんと水菜さんは、なんでもすぐに上手にこなしてしまうゆかり様のポテンシャルに感嘆していますわね。うふふ、でも迷子になっていましたわよ? ゆかり様にも可愛らしい弱点がありますのね♪


「さぁーっ! 残る挑戦者はモコプーに変身したアリス様のみだぁーっ! 我々の声はあのカフェ店内には届かないとわかっていてもぉ~騒がずにはいられなぁぁーいっ!!」


うおおぉぉーっ!! って、すでに捕まってるんだがあぁぁーっ!?


「あらホント! って、なにしてんのあれ?」


 騒ぐ司会のエルフに観衆達の声。そうですわ、アリス様はどうなりましたの? なにやら捕まってるとかなんとか? 気になった(わたくし)達は揃いモニターに目を向けました。すると、そこに映されていたのは、アリサ様達、お客様に囲まれているモコプー達の姿でした。しかし、奇妙なことに、そのモコプー達は何故か縦に積み重なっているのです。これにはティリア様も不思議そうに声をあげましたわ。


「ちょっと大丈夫なのこれ? 一番下のモコプーつぶれない?」

「大丈夫大丈夫♪ 重力魔法で軽くしてるからね♪ ほらほら~モコプー団子よぉ~♪」


プップー♪


「やぁーん! 可愛い~♪」

「さっきの団子に比べてとっても可愛いです♪」

「んぅ~♪ ママ達も見習ってほしい、です!」


 まぁ! なんて斬新な遊びをなさっておられるのでしょう♪ エスペルさんを除いた五羽のモコプー達を縦に積み重ねてお団子を表現してらっしゃるの? いささかバランスが取れていないようで、ぐらぐらしていますけれど……その度にモコプー達がぷっぷと鳴く姿は愛らしいですわね!

 ヴィクトリア様が一番下で支えるモコプーがつぶれないか心配なさっておりますけれど、そこはアリサ様が魔法でカバーなさっているのですね? うふふ、ユニ様もアルナ様もアリアさんも嬉しそうにはしゃいでおりますわ♪ ホント、アルティレーネ様達の団子とは比べ物にならない可愛さですわぁ~♪


なにあれぇ~♪ 可愛いぃぃーっ! どの子がアリス様なんだろうなぁ~?


 観ている観衆達にも好評のようですわ。きっとアリサ様達も一羽は挑戦者の誰かだとは既にお気づきでしょうに……うふふ、うふふのふ♪


「さぁ~チミでラストだぞぉ~? 最後まで崩れずにいたらゴールさせてあげよう~♪」

「頑張れっ! がーんばれ♪」

「おぉーっとぉ!? どうやらこれはそういうゲームのようだぁーっ! 見事五段モコプー団子が完成すればアリス様の勝利が約束されるぅーっ!! ユニちゃんの熱い声援を受け、今アリサ様の手によって、最後の一羽が乗せられるぞぉーっ!!」


 ほらやっぱりお気付きですわぁ。でも、大丈夫かしら? 四段の今でも結構ぐらついておりますのに?


────────────────────────────

【アメちゃん】~クリアした四人~《アリスview》

────────────────────────────


「終了ぉぉぉーっ!! 第五関門『にゃんとわんだぷぅ×』ここに終了だぁぁーっ!」


ワアァァァーッ!! 面白かったぁぁーっ! みんな可愛すぎぃぃーっ!!


 ぐえぇぇ……終わっちまいまっしたよぉぉーっ! うぐぐぅ~こんちきしょーめぇ! 馴れないモコプーの体じゃ四羽全部を支えるなんて難しいでっしゃろい!? あーっ! せめて一番下じゃなくて上だったらぁぁーっ! むきぃぃーっ!


「うわぁ!? えぇーっ!? ももちーだったのあんた!?」

「むわぁぁ~♪ あ、おあよぅございますアリサ様ぁ~ん♥️」


 すりすりーん♪ ちょぉっ! ももちーアリスのマスターに何をすり寄ってんでっすかぁーっ!? そんなん許しませんでっすよぉぉーっ!?


「えぇ……ポコ? どうして? あのスピッツちゃんはどこ行っちゃったんですか? ねぇポコ! スピッツちゃん返して!」

「アルナちゃん! ポコがさっきのわんわんだったのです! 返せって言われても無理なのですよ!?」

「じゃあもう一回スピッツちゃんになってよぉ~! ううんずっとスピッツちゃんでいて!!」

「わぁぁーん!! ママぁぁーっ! アルナちゃんが無茶苦茶言うのですーっ!」


 わーわーぎゃいぎゃい!! あぁぁぁーっ! もう滅茶苦茶でっしゃろい!? ももちーはマスターに抱きついては「はーなーれーなーさいよぉ!」ってマスターにぐいーって押されて、アリスに引っ張られて。アルナ様とポコ様は不毛過ぎる口喧嘩。


「あっはっは!! あははっ! おかしい♪ 面白過ぎるわ! あはははっ!!」


 ヴィクトリア様はそんなアリス達を見て大笑いして、床に転がって悶えてまっすし!


「これは大変だぁーっ! カフェ店内が騒然としてしまっているぞぉー!? 愛らしい動物は神をも狂わせるぅぅーっ!!」


 ゲームが終了したことで、このカフェ店内にも司会と観衆達の声が届くようになりまっしたけど、うむむ、あの司会のエルフ。うまいこと言いやがりまっすねぇ~? 目の前に広がるマスター達の騒ぐ姿を見て確かにって思っちゃいましたよぉ~。


「ほれほれお主達! もう閉店じゃぞ? いつまでもそうしとらんで席に戻るんじゃ」

「お疲れ様でした皆様。お帰りはこちらの『転移陣(ワープポータル)』をご利用下さい」


 たまみんも見かねて閉店だって呼び掛けて、ファネルリアさんも来賓席に繋がる『転移陣(ワープポータル)』を案内しちょりまっすけども……


「ほぉらももちー! 私達戻るからね? あんたも応援席行きなさいってば!?」

「やぁぁ~! ももちーアリサ様と一緒にいるぅぅーっ!」

「スピッツちゃぁぁーん! わぁぁーん!」「ポコが泣きたいのですーっ!」


 しょうがねぇでっすねぇ~もう! アリスは放置されてまっすし、知らんですわぁ~プーンでっすわーっ!


「はいはい。お客様困ります困ります~♪」「店内でそのような行為はお控え下さいませ~♪」

「やぁぁーっ! アリサ様ぁ~もっと撫でてぇ~!」


ズリズリズリー……シュゥン……


 おぉ、ガウスんとムラっぺがももちーをマスターから引き剥がして『転移陣(ワープポータル)』にペイってしましたよ! 「ご来店ありがとうございました~♪」って、あーたらねぇ……


「はいはい♪ 泣かないで下さいアルナ様、ポコ様♪」「甘くて美味しいアメちゃんあげましょうね♪」

「くすん……ありがとうございます」「うぅ、ホントに美味しいのです。ありがとうなのです!」


 アルナ様とポコ様にはナターシャさんとファネルリアさんが美味しそうなアメちゃん……串に刺された赤と白でぐるぐるした丸いアメちゃんを渡してニッコリでっす。あの~アリスにもそれくだぁさい!


「あんたもほしいのアリス? あのペロペロキャンディー? はいあげる」

「美味しいわこれ♪ 一生懸命ペロペロしなきゃいけないけど、それも楽しいし」

「マスター! ヴィクトリア様! ありがとございまっす! それと、申し訳にゃーでっす……アリス脱落しちゃいまっしたねぇ」


 アメちゃん受け取ってペロペロし始める二人のおにゃのこ見てたらアリスもほしくなっちゃいまっした。そんなとき、マスターがももちーから解放されてホッとため息ついて、ヴィクトリア様と一緒にぐぬぬってうつ伏せに倒れてるアリスのとこにきてくれまっした♪ しかもアメちゃんもらっちゃいまっしたよ! やったー♪


「まぁまぁ♪ ラストステージ手前で落ちちゃったのは残念かもしんないけど、随分頑張ったじゃない? どう、楽しかった?」

「は、はいでっす! 参加する側ってのも面白いもんだってわっかりまっしたよ♪」

「うふふ! ホント楽しそうだったわみんなして! もう私もポコと一緒に飛び入り参加すればよかったって思ったくらいですもの。キャンディ美味しい♪」


 ペロペロ♪ ホントに美味しいでっす! 舌に広がるこのいっぱいの甘さ、たまらんでっすね! アリスが脱落しちゃった事をマスターにごめんなさいってしましたけど、マスターは笑って許して下さいましたよぉ~♪ しかもアリスが楽しめたかどうかまで気にしてくれるなんて! あぁん♥️ やっぱりマスターは最高でっしゃろい! ヴィクトリア様にもとっても楽しんでもらえたみたいでっすし、脱落しちゃったけど結果は上々かもでっすね♪


「それでクリアしたのって、四人?」

「みたいよ? ほら出口でネハグラさんとジャデークさん親子におめでとうって言われてる」


 マスターがキャンディをペロペロするアリスに微笑んだ後、ヴィクトリア様にこの関門をクリアした人数を聞いてますね。ヴィクトリア様もペロペロしつつ目線を出口に向けました。あー、七人いてクリア四名でっしたか、どれどれ?


「クリアおめでとうございますみなさん」

「次はいよいよ最終関門ですね?」

「ああ、ありがとうネハグラ!」「動物になるのは大変なのだな……」


 ネハグラっちとジャデっち達と話してるのはあのむっつりんとバルドさんでっすねぇ? むっつりんは前回も経験してたからわかりますが、バルドさん、初参加なのにやりやがりまっすね?


「ゆかり様もおめでとうございます! えへへ、お店の中をあっち行ったりこっち行ったりしてたウサギちゃんだったとは思いもしなかったですけどね♪」

「うぐっ! 私は別に迷子になってた訳じゃないぞシャフィー? か、勘違いするんじゃないぞ? 色々物珍しくてうろうろしてただけだからな?」


 んでもってシャフィーちゃんと話してるのは、ゆかりんでっす。ぷふふ、たまみんに抱っこされてたくせに苦しい言い訳でっすねぇ? シャフィーちゃんも「わかってまーす」って気を利かせてくてんじゃないでっすかぁ~♪


「ミストちゃん凄かったよ! 頑張ったね♪」

「えへへ、たまたま運がよかったんだよぉ~ネーミャちゃん♪」


 バルドさんよりすごいのがミストちゃんでっすねぇ~ネーミャちゃんに「運がよかっただけ」って言ってまっすけど……運だけじゃここまで来れないでっしゃろい? 実はこの子すんげぇのかも知れないでっすね!


「アリサ様。ユニ様? 次の最終関門ではティリア様の宮殿に移動願えますか?」

「特等席をご用意されていらっしゃるそうですので♪」

「はいよ~♪」「あはは、また前回みたいに間近で観られるのかな?」


 あっはっは! そうでっしたね♪ マスターとユニちゃん先輩は囚われのお姫様役でした。前回同様最終決戦を間近で観戦できる特等席が用意されてるんでっすね♪

 長かったこのゲームもいよいよ最終ステージでっす。どうなるんでっしゃろい? 楽しみですねぇ♪

ポコ「あのアルナちゃん?(^o^;)」

アルナ「なんですかポコ?(*´∇`)」

ポコ「ポコはもうわんわんじゃないのです(-ω-;)」

アルナ「そうですね……(._.) 非常に残念ですが、そうですね?(*T^T)」

ポコ「ですからぁ~そんなにナデナデされても困っちゃうのですよ?(ーー;)」

アルナ「そんなひどい!Σ( ̄ロ ̄lll) せめてスピッツちゃんの名残くらい味わってもいいでしょう?o(;д;o)」

ポコ「うぅぅぅーっ!(>д<*) きゃんきゃん!!。゜ヽ(゜`Д´゜)ノ゜。」

アルナ「あーん!o(T◇T o) スピッツちゃぁーん!( *´д)/(´д`、)」

ヴィクトリア「しょうのない子達ねぇ~♪(*´艸`*) ホント可愛いんだから!ヽ(*≧ω≦)ノ」


モモ「はうぅ~♪(〃ノωノ) アリサ様ぁ~ん♥️( 〃▽〃)」

ミミ「も、ももちーが(゜ω゜;) ももちーがおかしくなっちゃった!Σ( ̄□ ̄;)」

レジーナ「グスングスン……(つд⊂) なんだいなんだい、みんなしてひどいや!(TДT)」

ニャモ「うわぁぁ(;´A`) ちょーめんどくさい(>_<)」

ネネ「めんどくさいので二人ともほうっておきましょ?(  ̄- ̄)」

ミミ「ちょっ!Σ(゜ロ゜;) ネネちゃん、それでいいのぉ!?(゜Д゜;)」

ニャモ「そうね(・-・ ) そのうち勝手に元に戻るわよ♪(*´艸`*)」

ネネ「構うと逆に悪化しますよ~?(¬_¬)」

ゼオン「お前ら何気にひでぇな(´∀`;)」

ニャモ「あぁちょうどいいわ(^-^) ゼオンさんこの二人よろしく(・д・)ノ」

ミミ「そっかぁ~ゼオンさんなら安心かな♪(*゜∀゜)」

ネネ「雑でもいいんでてきとーに慰めてあげてください( ´ー`) そうすりゃ勝手に立ち直りますからね♪(゜∀゜ )」

レジーナ「ゼオン~僕にわんわんを(T^T) ワンちゃん成分補給しておくれよぉ~!(>o<")」

モモ「え~?( ´△`) ゼオンさん?(´Д` ) まぁ、いいです~撫でて~?(*´∇`*)」

ゼオン「うわぁぁ( ;`Д´) マジでめんどくせぇやつだこれ!(´Д`|||)」

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