閑話 風雲! 女神城!~拾肆~
アリサ「むおぉん(゜〇゜) 十四日目だよ♪(*´▽`*)」
アルティレーネ「はぁ~私達の城もゴッデムも攻略されちゃいました(-_-;)」
レウィリリーネ「でも挑戦者もかなり脱落した( ̄^ ̄)」
フォレアルーネ「あーうん……(^_^;) そうだけどさ、『通りすがりの魔女さん』が凄すぎて全部持ってかれた気分だよ(´ω`)」
アリサ「あΣ( ゜Д゜) そうだ、あんた達!( `Д´)/」
三姉妹「は、はいっ!?Σ(・ω・ノ)ノ」
アリサ「よくも私達をこき使ってくれたわね!?ヽ(`Д´#)ノ」
アルティレーネ「は、はわわっ!?((゜□゜;))」
レウィリリーネ「あ、ヤバい……(゜Д゜;)」
フォレアルーネ「に、逃げよう……(((・・;)」
アリサ「しかし回り込まれてしまった!(  ̄ー ̄) 知らなかったのかね?( ・`ω・´) 魔女さんからは逃げられないのだよ!?(y゜ロ゜)y」
三姉妹「きゃーっ!?((( ;゜Д゜))) ゆ、許してぇーっ!。゜(゜´Д`゜)゜。」
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【にゃんとわんだぷぅ×】~楽しみ♪~《アリサview》
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「はーい♪ じゃあこの『にゃんとわんだぷぅ×』の説明をしまーす!」
「そんなに難しくはないけど、しっかり聞いて下さいね♪」
はあぁぁーいっ!! ちゃんと聞きまぁーす! シャフィーちゃんとネーミャちゃん可愛い~♪
あい♪ みなさんこんにちは! アリサです。『風雲! 女神城!』もいよいよ大詰め! 妹達の城も、団子も攻略されて、残す関門は二つだけ。
今日は前回にもあった『にゃんとわんだぷぅ』の様子を見ていくよ♪ 事前に聞いた話だと前回とはちょっと違うようで、猫と犬、モコプー以外に兎も来てくれたらしい! 名前の最後についてる『×』はその兎ちゃんのお口を表しているそうだよ? 可愛いね♪
「今回のゲームはなーんと! お姫様達もご一緒でーす!」
「挑戦者のみなさんは~この扉を潜った瞬間、その姿が~にゃんにゃんか、わんわん♪」
「もしくはウサギかモコプーに変化するのじゃ。この辺りは前回とたいして変わらぬな?」
そしてゲームの細かいルールを説明してくれるのは、ジャデークとナターシャの娘のネーミャちゃんと、ネハグラとファネルリアの娘のシャフィーちゃんだ。更にそこに珠実もまざって、可愛いの三拍子! シャフィーちゃんとネーミャちゃんは色々と覚えが早く、アリアやユニのようなたどたどしさはなく、丁寧でわかりやすくしゃべっている。成長が早いね♪
「なんだって? 私達の姿が猫か犬、兎かモコプーに変わるだって?」
「前回は皆猫だったよなアイギス?」「ああ、変化をつけてきたな」
説明を聞いていた挑戦者達、初参加で、前回の記録も知らないゆかりがちょっと驚いてる。また、前回を知るアイギスとバルドくんも猫以外の姿に変身すると聞き、「ほう」と呟いた。
「それでね~? 今回は、出口に到着する前に必ず「お客様」にご挨拶しなきゃいけないの!」
ご挨拶ぅ~? なんだそりゃぁ? それにお客様って誰~!?
「えへへ♪ みんなは他の子達と一緒にお客様一人一人にちゃあんとご挨拶してねぇ~♪」
「これは新しいでっすねぇ! お客様ってのはもしかしなくてもマスター達の事でっしゃろい?」
「ももちー達動物に変身して、アリサ様達に「こんにちは♪」ってしなきゃいけないんですねぇ?」
どうやらクリアの条件は前回と同様、出口の扉に到着すればいいみたいだね。でも、シャフィーちゃんの説明だと、その前に「お客様」にご挨拶する必要があるらしい。この「お客様」とは言わずもがな私達のことで、ネーミャちゃんの説明では挑戦者のみんなは他の動物達と一緒に、私達一人一人に対しその「ご挨拶」とやらをしなければいけないそうだ。
……はて? それはわかったけど、脱落する条件はなんだろう? 私達に「こんにちは」して出口に向かうだけだよね?
「脱落の条件は「お客様」の皆様にはお伝えできないのです」
「皆様には何方がどの動物に変身したかも伏せるようにとのお達しです」
ありゃ、そうなのガウス、ムラーヴェ? なんかこのカフェに入ったらファネルリア達家族と一緒にウェイターみたいな仕事してる二人が寄って来てはそう教えてくれたんだけど。
「アリサ様達にはゲームとしてではなく、純粋に動物達とのふれあいを楽しんでいただきたいと思いまして♪」
「ふふっその方が楽しめると思いますよ♪」
あぁ~なるほどね。同じように寄ってきたファネルリアとナターシャの話を聞いてみれば、確かに、事前に誰がどの動物に変身したのか知っちゃうと、変に遠慮しちゃうかもしれないなぁ。と納得。これは妹達の気遣いってことなんだろうね。
「そう言えばその妹達は今どうしてるの? 『通りすがりの魔女さん』に吹っ飛ばされてから姿見ないけど?」
「あの三女神様達でしたら来賓席にいらっしゃいますよ? 娘達が描いた似顔絵を顔に張り付けて『使用人部隊』に笑いを届けていますね」
「先程の団子にも貼っておりましたし。いたく気に入って頂けたようで。親としても嬉しいですね」
ぶふっ! なにやってんだあの妹達は? ネハグラとジャデークの指差すモニターを見れば、私達がさっきまでいた来賓席でおしゃべりしてる妹達の姿が映されているのだが、三人共にあの似顔絵を顔に張り付けているじゃないか。お茶を用意した『使用人部隊』のメイドさんも、必死に笑いを噛み殺して給仕している。
「あはは♪ 面白いねぇ! アリサおねぇちゃん!」
「あの似顔絵、後で額にでも入れてお屋敷に飾ってあげればいいんじゃないでしょうか?」
「あら♪ それは素敵ねアルナ。きっとアルティレーネ達もあの子供達も嬉しいんじゃないかしら?」
うむ。ユニが笑ってるように私も声をあげて笑うところだった。あんなに喜んでるなら、アルナとヴィクトリアの提案をのんで『聖域』の私達のお屋敷に飾ってあげるかぁ~シャフィーちゃんとネーミャちゃんが大人になって「恥ずかしいーっ!」って言い出さなければいいけど。まぁ、それまでは大事に飾って置こう。
「それでは『にゃんとわんだぷぅ×』スタートだぁぁーっ!!」
ワアァァァーッ!! 頑張れみんなぁーっ!!
ありゃ! 始まっちゃったよ! さてさてどうなることやら~♪
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【ウサちゃん♪】~ワンちゃん♪~《アリサview》
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「にゃぁ~ん♪」「わんわん♪」「ぷっぷー♪」「すぴすぴ♪ すぴすぴ♪」
「ふわあぁぁぁ~♪」「みんな、可愛い、ですぅ~♪」
「た、たまらないわ! 『楽園』はこんなところにあったのね~♪」
きゃーきゃー♪ わいわい! にゃんにゃんわんわん♪ ぷっぷーすぴすぴ~♪
いやぁ~♪ たまらんねこりゃ! 右を見ても左を見てもかわいこちゃんでいっぱいだ!
この『にゃんとわんだぷぅ×』のステージになっているカフェ店内だが、椅子やテーブルといったものは客席にはなく、柔らかいカーペットとふわふわで人を駄目にしてしまいそうなクッション。飲み物にはこぼさないよう蓋がつけられ、ストローが刺さっている。流石にお菓子等を食べる時にはテーブルが用意されるのだが、それはガラス製で、その上に乗った猫ちゃんやワンちゃん、ウサちゃん、モコプーちゃんを下から覗きこむという、通にはたまらない行為が出来るようになっているのは高得点をあげたいね♪
「ユニもアリアも……ヴィクトリアまで凄いはしゃぎようだわ。まぁ、これだけ可愛い子達が揃ってれば無理ないかな? ねぇ~ウサちゃあん♥️」
「ぷすーぷすー!」
ふわあぁぁ~♪ かんわえぇぇーっ! 私は「ご挨拶」にきた沢山のウサギちゃん達の中から一羽の子を抱き上げて腕に抱き、優しく、驚かせないように撫でて見る。ウサギをこうして抱いて撫でることなんてしたことないから、特に慎重に。
「ウサギちゃんは結構臆病で怖がりだって聞いたことあるから、ビックリさせないようにしなきゃ……まずは、背中を毛並みに沿って優しく~あらぁ、いい毛並みねぇあなた♪」
うむうむ♪ ふわふわでもふっとした素晴らしい毛並みだわ! ずっと撫でていたくなっちゃう。
「~♪」
あら♪ 自分から頬擦りしてくれるなんて! 嬉しいなぁ~♪ んじゃそろそろオデコもいこうか? こうして指の腹で~にょんにょん♪
「すぴすぴ♪」
スリスリスリ~♪ おっほぅ? ええのんか? ここがええのんかぁ~ウサギちゃんや? うへへへ~よいぞよいぞ? もっともっと撫でてくれようぞ! ほれほれ~♪
「って、あらら♪ おねむ? おねむしちゃったかねウサギちゃん? ふふ♪ かーわいぃ!」
私が抱っこしたこの白い毛並みのウサギちゃん。最初に抱き上げた時はちょっとびっくりして興奮してたみたいだけど、撫で回しているうちにだいぶリラックスしたみたいで、頬擦りしてくれたり、甘えてくれるようになった。そのことが嬉しくて更に撫でていると、このウサギちゃん、気持ちよさそうに寝入ってしまったのだ。
「ふふ♪ 寝てる姿も可愛いなぁ~いい夢見てね?」
すぴ~すぴ~と気持ちよさそうに寝息をたてるウサギちゃんを起こさないよう、ゆっくりと腕から膝に乗せて、周りに目を配り、他の者達はどんな様子かをうかがってみる。すると……
「お母さん♪」
ちょうどアルナと目があった。アルナはその腕にこれまた可愛い子犬を抱いており、私の側に見せに来るではないか。
「見てください、私のところにご挨拶に来てくれた子なんですけど、あまりの可愛さに手を伸ばしたらすごく懐いてくれて♪」
「わぁぁ~♪ 可愛いねぇ日本スピッツじゃない♪ もっふもふ~♪」
うへぇあーっ! たまらん!! アルナが連れて来たのはまさかの日本スピッツの子犬だった。そのくりんくりんのつぶらなお目目にもっふもふの白い毛並み! 「いい子いい子」って、撫でてあげると「きゃん♪」って可愛く鳴くその愛らしさ!
「「可愛いぃぃぃ~♥️」」
思わずアルナとハモる。こりゃヤバイ! 最高過ぎるじゃん♪ オヤツとかあげちゃおうかな!
「お母さん、私この子飼いたいです! 名前もつけて一緒に『聖域』で遊びたいです!」
「うっふぅ~♪ いいねいいね! きっとこの子も大地のとこから来てくれたんだろうし、相談してみようか? この子の家族も一緒に『聖域』に来てもらっちゃったりしてさ♪」
わぁ~♪ 素敵です! って大喜びのアルナ。うんうん! 前世じゃ叶わなかった多頭飼いも今なら全然イケる! 膝の上でおねむしてるウサギちゃんも、アルナに抱き抱えられてる日本スピッツの子犬もその家族もまとめて面倒見れるだろう。これが終わったら大地に相談して、妹達にも話して~♪ うん! 楽しくなりそう!
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【騒ぐレジーナ】~やきもちミーナ~《アリサview》
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「は、離してくれみんな! 僕は、僕もあそこに行くんだ! 行かせてくれぇぇーっ!!」
「ちょっと落ち着きなさいレジーナ!?」
「一体どうしたってのさぁーっ!?」
ギャーギャー!! なんぞ? 応援席が騒がしいって思ったら、『猫兎』達がなんかわめいてるんだけど? いや、あれはレジーナが騒いでて、メンバー達が抑えようとしてるのか?
「ど、どうしたんでしょうレジーナさん? 私達を見て血相変えてますけど……お母さん、何かわかりますか?」
「なんだろね? ちょいとスタッフさんやあの子は何を喚いとるのかね?」
ようわからんから、近くにいたリンを捕まえて、レジーナが何騒いでるのかを聞いてみる。このカフェ店内、動物達を驚かせないようにするため、モニターはあれど、その音声までは拾ってないんだよね。
「ふむ。どうやらあやつもまざりたいらしい。動物好きなのだろうよ?」
あー。そういや、犬が好きって言ってたね? だから私達と戯れるこの日本スピッツの子犬やら、他のワンちゃん達見て反応してるのか。ふ~ん、そっかそっか~♪
「ほらほらアルナ♪ あの僕っ子にもっと見せてあげましょ? 可愛いワンちゃん達をさ!」
「え、あ、はい♪ レジーナさんもワンちゃんが好きなんですね♪ わんわん♪」
きゃんきゃん! わんわん♪ イェーイ♪ 見てるぅ~?
「ぐわあぁぁぁーっ!!? うっうっ……ど、どうして、どうして僕はあそこに行けないんだ!? 酷いじゃないか!」
「そんなのあんたが第二関門でププルちゃんに抱き付いたからでしょー?」
「自業自得ですよレジーナ?」
「見苦しいから、大人しく座ってなさいね?」
私達をモニターで観たんだろう。レジーナが叫んだと思ったら泣き始めたではないか! ミミとネネ、ニャモに何か言われて、グスングスンと泣きべそかいて席に座るレジーナ。もー、第二関門でププルの妨害をちゃんとかわしてればチャンスあったかもしれないのに、ねぇ?
「アリサおねぇちゃん見て見て~♪ にゃんこ大行進~♪」
にゃぁ~? にゃん♪ うなぁ~ん!
そんなレジーナをアルナと一緒にあきれて見てたその時、ユニが私を呼ぶのでそちらに目を向けてみる。なんだね「にゃんこ大行進」って?
「にゃぁ~ん♪ にゃんにゃん! うにゃぁ~ん♪」
おぉ~? こりゃすごい! ホントに猫が列を成して行進してきたじゃないの!? すごいすごい! って、ヴィクトリア何してんのよ?
「アリサさん! このゲーム最高よ♪ こんなに可愛い動物達と遊べて美味しいお菓子に飲み物まで!! ……いくら払えばいいかしら?」
そんな、「どこに課金すればいいですか?」みたいに聞かないでくれる? ユニの言う行進とはなんのことはない、その両手いっぱいに持った猫じゃらしやら、ヒモやら、リボンやらに反応した猫達が追っかけてきてたってだけだ。ついでに猫耳カチューシャ着けたヴィクトリアも一緒にね。
「あはは♪ そんなのアリサおねぇちゃんに笑顔払えばいいんだよぉ~♪ ほーらにゃんにゃん達、アリサおねぇちゃんとアルナちゃんにご挨拶~♪」
「にゃあ~ん♪」「うなぁ~ん?」「ん~にゃぁ~」
「はいはい! じゃあ私も♪ アリサさんアルナ~にゃんにゃ~ん♪」
いや、なんかヴィクトリアのテンションおかしなことになってるってばよ? ユニの掛け声に合わせて、招き猫の手を作ってバッチリとウインクまで飛ばしてくるヴィクトリア、他の猫達は、お行儀よくお座りしてにゃぁ~って返事する子もいれば、そんなの知るかと、ユニのおもちゃに夢中な子、飽きたのか別のとこに行っちゃう子など様々だ。
「うわぁ……ヴィクトリア、後で後悔しても知りませんよ?」「くぅん……」
「あはは♪ ヴィクトリアはいいとして、やっぱり猫は自由気ままだねぇ~♪」
そんなヴィクトリアに一歩引くアルナは、腕にさっきの日本スピッツの子犬を抱きしめては困ったような顔を見せていた。果たしてヴィクトリアがこの記録映像を見返した時、どんな反応を示すのだろう? ちょっと楽しみだわ。
「あら、この子は随分品があるって言うか、美人と言うか、凛としてるわね?」
そんなご挨拶しに来た猫ちゃん達の中に一匹、目についた子がいた。中々綺麗な顔をした白猫ちゃん。こうしてじっくり見ていると、普段長毛種のミーナを見馴れてるせいか、短毛種のこの子がやたらスマートに見えてくる。心なしか目付きもキリってしてるね。
「にゃあぁっ!!」「うわっ! ミーナ!?」
ペシンってその白猫ちゃんを撫でようとして伸ばした手を、横から飛び出してきたミーナにひっぱたかれた! もー! 何よミーナ! びっくりするじゃない!?
「にゃむっ!」「あいたっ! ちょ、ちょっと痛いってば!」
「あはは♪ ミーナちゃんヤキモチやいてるんじゃない? 「このうあきものー!」って、アリサおねぇちゃんのこと怒ってるんだよ♪」
「にゃーっ!」「うにゃんっ!?」
タッ!
あーっ! 行っちゃった! うぅ、残念。撫でたかったのにーっ!
ミーナが私の手を噛むのをやめて、白猫ちゃんに怒ったような一鳴きを向けると、白猫ちゃんはびっくりしたようにシュタタって逃げていっちゃった。むぅ、非常に残念である。
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【こんなの】~楽勝です!~《モモview》
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「では覚悟ができたならばこの扉を開け、中に入るのじゃ」
「さすれば其方達は猫か犬か、兎かモコプーのいずれかの姿に変身する。そしてその姿で、客人達に挨拶するのだぞ?」
ほほお~ん♪ なんだぁ~そんなの全然簡単じゃないですか? シドウさんとリンさんの説明を聞いたももちーは、思わずニヤリと笑っちゃいます。こりゃ簡単なゲームですね! 楽勝楽勝~♪ なんて思ったんですけど、他のみなさんを見てみると、あれれ?
「や~べ~でっすよぉ……まさか「ご挨拶」なんてアレンジしてくるなんて……」
「アリス殿、くれぐれも目立たぬよう気を付けて行きましょう?」
「ああ、特にアリサ殿に挨拶する時は細心の注意をせねばならんだろうな……」
ほへぇ? アリスちゃんにアイギスくんとバルドくんが戦々恐々としてるじゃないですか? 一体何をそんなに怖がってるんでしょう? やたらアリサ様のことを警戒してるようですけど、普段ミーナちゃんを優しくナデナデしてる様子からして、恐がる必要なんてなさそうですけど?
「あうぅ~気をつけなきゃ~挨拶したらすぐ出口に向かおう!」
ミストちゃんまで……さっぱりわかりませんね? ももちー思わずゆかりさんとポコ様とで顔を見合わせます。「一体どういうこと?」って感じで首を傾げて。
「そーら! 早く行くんだぞーお前等ー? あんまりアリサ様達を待たせちゃダメだぞー!」
「そうじゃぞ~♪ お客様をいつまでもお待たせするわけにはいかんのじゃ! ほれほれはよう行かぬか♪」
あ、ちょっとジュンさん珠実さん! そんなにグイグイ押さないで下さいよ!?
ぼわわーん!!
「ぷすーぷすー!」
ありゃ!? 押されて扉をくぐった瞬間、モワモワ~って白い煙に包まれたももちー達なんですけど、なんと気付けば兎になっちゃいました! いや、まぁももちー『兎人』ですから、変身するならきっとウサギだろうなぁ~とは思ってましたよ? だからそんなに驚く事じゃないんですけどね。
「にゃぁ~」「きゃんきゃん」「ぷぷぅ~?」
「すぴ?」「わぉん!」「うなぁ?」
はりゃ!? 誰が誰ですか? ももちーのすぐ近くに猫と犬が二匹、モコプーちゃんが一羽、ウサギが一羽います。まぁ他の挑戦者達だって察しはつくんですけど……誰がどの子に変身したのかがさっぱりわかりません。
「皆様、お疲れ様です。ご到着をお待ちしておりました」
「ささ、こちらへどうぞ♪ 他の子達と合流なさって下さいね?」
いやぁ随分目線が低くなりました。ちょっと新鮮ですけど、同時に怖くもありますね。なんて思ったとき、頭上から声がかかります。ファネルリアさんとナターシャさんですね。どうやらももちー達をカフェ店内に案内してくれるようです。
「にゃぁーっ!?」「わうんっ!?」「プップーッ!?」
わぁーすごい! 店内に案内されたももちー達ですけど、そこには既に沢山の動物達が思い思いに過ごしている姿がありました。じゃれあう猫と犬、仲良くお昼寝しているモコプーとウサギと猫と犬、そしてカーペットやクッションが置かれた客席には、アリサ様とユニちゃん達の姿があります。
「ふふ♪ 沢山お友達がいてびっくりしちゃいましたか?」
「大丈夫ですよ、みんな優しくていい子達ですから♪」
ナターシャさんとファネルリアさんがそう優しく微笑んで、ももちー達と既に寛いでいた他の動物達とを合流させましたよ。もうみんなごちゃ混ぜ状態なので、誰がどの動物に変身したのかさっぱりわかりません。意思の疎通もできませんし、こうなりゃささっと挨拶をしてクリアしちゃいましょうか。
「可愛いぃぃぃ~♪ アリアちゃん見て~ウサちゃん達がユニ達に挨拶してくれてるよ!」
「んぅぅ~♪ ちょっとだけ撫でても平気でしょうか? ……ふわぁ~♪ モコモコです!」
まずはユニちゃんとアリアちゃん達です。むふぅ♪ 悪くありませんね、こうして「可愛い」って言われるのも♪
「ウサギさん達ですヴィクトリア♪ 可愛いですね! 可愛いですね!」
「あふぅぅ~♪ すぴすぴお鼻を鳴らしてる! いいわねぇ~♪」
アルナ様とヴィクトリア様です。挨拶した子にオヤツのニンジンクッキーをあげたりしてますね。ももちーでも食べられるんでしょうか?
「ユニもアリアも……ヴィクトリアまで凄いはしゃぎようだわ。まぁ、これだけ可愛い子達が揃ってれば無理ないかな? ねぇ~ウサちゃあん♥️」
「ぷすーぷすー!」
そしてアリサ様! 大変です! 捕まっちゃいました! 数いるウサギの中からももちーを抱き上げて撫でてくるのです! びっくりしてぷすぷす鳴いちゃいましたけど……あぅ~なんですかこれぇ~アリサ様に撫でられると、き……気持ち、いいぃぃ~♪
「ウサギちゃんは結構臆病で怖がりだって聞いたことあるから、ビックリさせないようにしなきゃ……まずは、背中を毛並みに沿って優しく~あらぁ、いい毛並みねぇあなた♪」
天にものぼる~とかなんとかってよく聞くことありますけど……まさにその感じです。アリサ様の撫でる手付きはとっても優しくて心地良すぎます♪ もっと、もっと味わいたい!
「~♪」
たまらずアリサ様に頬擦りして「もっと撫でて~♪」とリクエストです! すると今度はオデコやお顔辺りを絶妙なタッチで撫で始めてくれたじゃないですか! あぁ~ん♪ 気持ちいぃよぅ♪ 最高に気持ちいいです~!
「すぴすぴ♪」
「って、あらら♪ おねむ? おねむしちゃったかねウサギちゃん? ふふ♪ かーわいぃ!」
ももちー幸せぇ~♪
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【楽しくて】~嬉しいのです!~《ポコview》
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なのです? あれれ! ポコってばわんわんになってるのです!
わぁー! これが変身なのです!? 低くなった目線とか、四足歩行とか「きゃんきゃん」とか言う声も全部面白いのです!
早速にゃんにゃん達とまざってママ達にご挨拶しに行きたいのですよ♪
「きゃんきゃん♪」「わんわん♪」「うにゃぁ~ん?」
「はうぅ~! 可愛い可愛いよぅ!」
「子犬と子猫♪ ユニユニ~どうして、この子達はこんなに可愛いんですか?」
ユニお姉ちゃんとアリアお姉ちゃんも、ポコ達を見て大喜びなのです♪ えへへ! これはいっぱいご挨拶しないといけないのです! とりあえず伸ばされたお手てをペロペロしてみるのです♪
「きゃん♪ ふふ、くすぐったぁーい! ホントに可愛いねアリアちゃん!」
「んぅぅ~♪ ワンちゃんの舌はにゃんこと違ってザラザラしてない、です!」
やったのです! ご挨拶成功なのですよ♪ お姉ちゃん達凄く嬉しそうな笑顔なのです!
「にゃぁ~♪」「うにゃぁ~ん!」
「あはは♪ そうだ! ユニこんなの持ってるんだよ? にゃんにゃん達おいで~♪」
「おぉ、いっぱいの猫じゃらし!」
にゃんこ大行進~♪ って言ってユニお姉ちゃんはにゃんこ達を引き連れていっちゃいました! すごいのです! にゃんにゃん達みんなついてってるのです! ポコも負けられないですね、今度はアルナちゃんとヴィクトリアにご挨拶しなきゃ!
「見て見てアルナ! ユニちゃんが面白いことやってるわ! ちょっと私まぜてもらってくる!」
「あ、ちょっとヴィクトリア? ふふ♪ もう、仕方ありませんね?」
ありゃりゃ? ヴィクトリアってばユニお姉ちゃんのにゃんこ大行進についてっちゃいました! あんなにはしゃいでるヴィクトリアなんて今まで見たことないのです! 猫耳カチューシャまでつけて、しまりのないへらへら顔なのです!
「ふふ♪ 普段はキリって引き締まった表情なのに、ヴィクトリアにもこんな一面があったのですね?」
ちょっとポカーンとヴィクトリアを見ていたポコの耳にアルナちゃんのお声が聞こえるのです。見ればそこにはくすくす楽しそうに笑ってるアルナちゃんがいるのです。
アルナちゃん。ポコが魔神に呪いをかけられてからというもの、とっても心配をかけてしまった、ポコの大親友なのです! お詫びもかねていっぱいご挨拶しなきゃなのです!
「きゃんきゃん♪」
「あ、ワンちゃん達。ふふ、挨拶に来てくれたんですね? あら! まぁ、なんて可愛いらしい!」
アルナちゃんの前でおすわりして、呼んでみるのです! 相変わらず「きゃんきゃん」ってなっちゃって、言葉になりませんけどね。でもでも! アルナちゃんはポコを見て手を差し出してきたのですよ♪ 嬉しいのでいっぱいペロペロしたり、スリスリするのです!
「可愛い~♪ あなたとっても可愛いです! ……この子、連れ帰っちゃダメでしょうか?」
きゃん!? アルナちゃん! すごいこと言い出すのです! ポコだからいいですけど他の子だったら誘拐になっちゃいますよ!? ポコを抱き上げてナデナデしてくれるアルナちゃん。とっても気持ちいいのですけど、黙って連れ帰っちゃダメなのです!
「そうだお母さんに相談してみましょう! きっと何か良い方法を考えてくれる筈です♪」
アルナちゃんはそう言うと立ち上がり、アリサママのとこに移動しました。ママはお膝に可愛いウサちゃんを乗せていて、時々そのウサちゃんのオデコを優しくナデナデしているのです! ウサちゃんは気持ちよさそうにおねむしちゃってます。
「お母さん♪ 見てください、私のところにご挨拶に来てくれた子なんですけど、あまりの可愛さに手を伸ばしたらすごく懐いてくれて♪」
「わぁぁ~♪ 可愛いねぇ日本スピッツじゃない♪ もっふもふ~♪」
はわぁーっ!! す、すごい気持ちいいのです! ままに「いい子いい子」って、ナデナデしてもらうと、あまりの気持ちよさに思わず嬉しい声が「きゃん♪」って出ちゃうのですぅ~♪
「「可愛いぃぃぃ~♥️」」
はうぅぅ~ん♪ こりゃたまらないのですぅ~♪
「ほらほらアルナ♪ あの僕っ子にもっと見せてあげましょ? 可愛いワンちゃん達をさ!」
「え、あ、はい♪ レジーナさんもワンちゃんが好きなんですね♪ わんわん♪」
なんかモニターにはやたらと騒いでるレジーナちゃんが映ってますけど、この際そんなのどうだっていいのです! ポコはもうこのままでもいいかなって思っちゃうくらいに幸せなのですよ! あぁ~♪ こんな平和でほのぼのした時間がいつまでも続くといいのにぃ~♪
ティリア「えっと、誰がどの動物に変身したの?(^_^;)」
ティターニア「ええとですね……(*´ー`*)」
水菜「ポコ様とバルドさんがワンちゃんです♪( *´艸`)」
バルガス「ゆかり様とモモがウサギとなりましたな( ´ー`)」
ティターニア「アイギスさんとミストちゃんがにゃんこですわぁ♪(*≧ω≦)」
ティリア「ほうほう(^-^) それでアリスはモコプーか、面白くなりそうね♪(*≧∀≦)」
水菜「司会の実況や、観衆達の声はあのカフェ店内には届かないようになっていますから(*´∇`*)」
バルガス「アリサ様達、お客様には誰がどの動物に変身しているかは知らされておりませぬ(´・∀・`)」
ティターニア「うふふ♪(*`艸´) ほらほら、早速モモさんがアリサ様の撫で撫での餌食となっておりますわ!ヽ(*´∀`)ノ」
ティリア「あ、相変わらず恐ろしいわね((゜□゜;)) 姉さんのあの撫で撫でテクニックは!(;゜0゜)」
水菜「ポコ様は……ふふ(*゜∀゜) 普通に楽しんでますね♪o(*⌒―⌒*)o」
バルガス「このゲームは微笑ましいですなぁ♪( ´ー`)」




