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TS魔女さんはだらけたい  作者: 相原涼示
142/211

閑話 風雲! 女神城!~拾弐~

アリサ「十二日目~♪ヽ(*>∇<)ノ 妹達の操る『超スーパーゴッデム』相手にどう戦う挑戦者達!?( ・`ω・´) 始まるよぉ~♪(*´∇`*)」

ガウス「お疲れ様ですアリサ様(^ー^)」

ムラーヴェ「ささ、お飲み物をどうぞ( ・∀・)っ旦」

アリサ「おー(・о・) なんかあんた達も執事が様になってきたんじゃないの?(*´艸`*)」

ティターニア「うふふ♪(*`艸´) 彼等ったら結構粗野なんですもの(^o^;) リリィも苦労しましたのよ?(; ・`д・´)」

リリカ「ごくわずかではありましたけれど、お二人に『使用人』としての教育をさせて頂きました( ゜ー゜)」

アリサ「あらん♪(*゜∀゜) いいじゃない!o(*⌒―⌒*)o 『聖域』に戻ってからも続けてちょうだいね?(^∇^)」

ムラーヴェ「はい!(*´・∀・)ノ」

ガウス「喜んで!ヽ(*≧ω≦)ノ」

ティターニア「(ーωー)ちょっと上品になれば妖精の同朋の女の子にモテますわ! とかアドバイスしたら、この通りですの……。:+((*´艸`))+:。」

アリサ「……必死だねぇこいつら(;´∀`)」

────────────────────────────

【開始!】~『シューティンレイリーア』~

────────────────────────────


「さぁーっ! いよいよスタートだぁぁーっ! 『シューティンレイリーア』!!」


ワアァァーッ!!


「城を攻略された女神達の逆襲の時! これを迎え打つのは生き残った挑戦者九名と、急遽応援に駆け付けた『ガルーダナンバーズ』! 更に復活の『天馬(ペガサス)』カインだぁぁーっ!!」

「うおぉぉーっ!! 頑張るんじゃぞーい! アイギス! レイリーアぁーっ!」

「バルドもミストもアタイ達の分まで負けんじゃねぇぞぉぉーっ!!」

「モモぉぉーっ! 頑張ってぇーっ!」

「ゆかりーっ! カイーンっ! 負けたらお仕置きよぉーっ!?」


ワァァーッワァァーッ!!


 観衆と応援団による大きな喧騒で始まった、第四関門と言うべきこの、『シューティンレイリーア』! いやはや凄い盛り上がりだね! ドガとセラちゃん、ネネとシェラザードがそれぞれに縁の深い仲間に呼び掛け応援する姿は印象的だ。


「アルナちゃん! アリアちゃん! ユニ達もポコちゃんを応援しよっ!? ポコちゃん頑張ってぇーっ!!」

「はい♪ ポコぉぉーっ! 頑張ってくださーい!」

「んぅーっ! ふぁいとぉー! です!」


 はい♪ みなさんこんにちは! まーだ続いてる『風雲! 女神城!』だけど、そろそろ終盤かな? 今日もその様子をお届けしていくね♪


「さぁ! 女神達が駆る『超スーパーゴッデム』! 挑戦者達はその巨大な団子を見事撃墜し、姫君達への道を切り開く事が出来るのかぁぁーっ!? 世紀の大空戦が今開始されるぅぅーっ!!」


 妹達の用意した巨大な『魔装巨人(ゴーレム)』……どう見ても空中に浮かんだ団子にしか見えないけども……は、その名を『超スーパーゴッデム』と言う。とんでもなく頭の悪そうなネーミングだが、この際それはどうでもいい。挑戦者達は『ガルーダナンバーズ』の鳥達の背に乗り、装備したおもちゃの銃器で攻撃を仕掛け、団子の体力を削り切る事が目的だ。


「テイクゥゥーオォォーフッ!!」


バサバサバサバサーッ!!


「さぁ! 今挑戦者達が一斉に大空へと飛び出した! 『シューティンレイリーア』ここに開幕ぅぅーっ!!」


ワァァーッ!!


「よし! 行くぞ皆! 作戦通りに!」

「《応よ!》」

「うぅ~怖いよぉ~ドキドキするぅーっ!」

《案ずるなミスト殿! 先ずは手筈通り我等の一撃をお見舞いする!》


 おぉ! ゼーロに乗るのはミストちゃんか。確かゼーロの性能は……


「はい! いきまぁーす!!」《喰らえ団子ぉぉーっ!!》


シュゥゥゥンッッ……ズッドォォォーンッ!! ボンボンボンボォンッ!!


《うんにゃぁぁーっ!!》《きゃあぁぁーっ!!?》《おおぉぉーっ!?》

「強烈ぅぅーっ!! 開始早々ゼーロミスト組の『まちょりゅうちほー』が炸裂ぅぅーっ! 一気に団子の体力を二十も削ったぞぉぉーっ!!」

「うっひょー! ド派手ぇーっ! 見てて気持ちいいねぇ!」


 先手必勝って感じの一撃が綺麗に入ったねぇ。妹達の叫び声がダメージの大きさを物語ってるよ。まぁ実際はエフェクトと振動だけなんだけど、ダメージの演出で吹き上がる煙とかも演出してるとか言う情報はティリアが言ってた。その派手な演出にルヴィアスが快哉を叫ぶ。


「ははは! これは面白いなカイン! 私達も続くぞ!」

「はい! ゼーロさんは強烈な一撃を放てますが、その分連射が出来ません」

「そこをモモ達が埋めるんですよ~♪ ほらほら! エスペルさん!」

(はいはーい♪ 撃ちまくり~ですよ~♪)


ズダダダダダッ!! ズダダダダダーンッ!!


 おぉぉ凄い連射だ! 成る程エスペルの代理のカインとエスペルの持つ武器は連射性を重視してるんだね!?


チュインチュインッ!!


《はぁぁ~ん?》《うっふふ効きません効きません!》《おー所詮カスダメ~》

「おぉぉーっ!? ゆかいんとモモぺルの凄まじい連射弾を浴びたにもかかわらずこの団子ぉぉーっ! ほとんどダメージを受けていないぞぉーっ! どういうことだこれはぁーっ!?」


 ホントだ! 団子の体力が一から二くらいしか減ってない! これってもしかして何かギミックもあるのかな? ほら、装甲をひっぺがしてやんないとダメとか?


「でもアリサおねぇちゃん。アレお団子だよ?」


 ……ですよねぇ~? いやいや、あくまでも「団子に見える」ってだけだからねユニちゃんや?


────────────────────────────

【団子を落とせ!】~大空戦~

────────────────────────────


《やられっぱなしは性にあわなぁーい!》

《そろそろこちらからも攻撃させて頂きます!》

《ふぁいあーふぁいあー♪》


ポポポポッポォォーン!!


「うわぁぁ! なんて弾数だ! あんなのを避けなきゃいけないのかい!?」

「ひぇぇ~! 女神様達容赦ないわね!」


 レジーナとカレンがその弾幕の濃さに驚きの声をあげた! 団子が震えたと思ったら無数の『弾性空気弾(もちもちエアもっちー)』を撃ち出したのだ! 恐らく『エアもっちカノン』を内臓しているんだろう。まぁ、他にも色々仕込んでそうだけど。


「これは凄まじい弾幕だぁぁーっ! 挑戦者達はこれをどう捌くぅーっ!? 当たればたちまち吹っ飛ばされてしまうぞぉーっ!?」

「翼殿!」

《おぉよ! 任せろアイギっち!》


シュバアァァーンッ!! もももももにぃぃーん!!


ウオォォォーッ!! すげぇーっ! なんだ今の!? 弾幕を吹き飛ばしたぞぉぉーっ!?


 あれは方位ショットだね。アイギスの乗る翼が持ってる武器はショットガンのように無数の弾を一気にバラ巻くものだ。使いどころが難しい武器だけど、『弾性空気弾(もちもちエアもっちー)』のように大きな弾を弾き飛ばすには最適だろう。


《ふはははーっ!》《まだまだこれからぁーっ!》《連続でー連続で~》


バシュゥッバシュゥッ!! ズダダダダダダーッッ!!


「うおっちょぉーっ!? ドゥエドゥエぇーっ! 避けやがりなさぁーい!」

《了解したアリス様! しっかり掴まってくれ!》

「レイヴン殿!」

《任せておきなさいガルディング! この程度の攻撃など!》


バサァーッ! バサバサバサァーッ!!


「団子が再び攻撃を開始したぁぁーっ! 細かい弾とやや大きい弾が打ち出されたぞぉぉーっ!! 挑戦者達散開し、回避行動ぉぉーっ!」


 おぉぉー! いいねいいねぇ! 前世で見た戦闘機の空戦シーンさながらの様相だ! 私編隊組んで飛ぶ戦闘機が、敵戦闘機との空戦を開始する時の一斉に、こう~バァァーって散開するシーンって大好きなのよ! わかるかなぁ~これ? 伝わんないかな?


「あはは! 面白いのです! 面白いのですーっ! あれぇ~ルロちゃんなんか追っかけて来ますよ~?」

《いけませんわポコ様! そんなに背ではしゃいでは落ちてしまいますわ! って、え? なんですの!? あの弾は!》


 ポコはルロイヤに乗ってるみたいだね。あはは、すっごい楽しそうにはしゃいでる♪ んでも、なんか後ろから追っかけてくる弾があるぞ? ありゃホーミング弾かな?


「ぶつかっちゃうのです! 危ないのです!」

《小賢しいですわね! 翼!》

《あいよ! アイギっちちゃんと掴まってろよ!? 今から面白れぇもん見せてやるぜぇ~?》

「りょ、了解した!」


バサァバサバサバサッ! バサバサバサァーッ!!


「おぉーっと!? ホーミング弾に追われるポコルロとアイ翼ぁぁーっ! 急上昇と急降下で急接近だぁぁーっ! どうするつもりだぁーっ!?」

《っしゃ今だ!!》《交差ぁーっ!》


ヒュゥゥーンッ!! ボォーンッ!!


 おぉ! やるじゃん! ルロイヤと翼がホーミング弾に追われながら上下に接近して、タイミングを合わせて螺旋を描くように交差する! すると、追尾していたホーミング弾は追いきれず互いに衝突し爆散だ!


「おっほぅーっ! カッコいいのですーっ! ルロちゃんすごーい♪」

《オーッホッホッホ! このくらい朝飯前ですわぁ~♪》

《出たよルロイヤの高笑い。アリサ様みてぇに上品に笑えってのによ、なぁアイギっち?》

「ふふ、あれはあれで上品なのかもしれませんよ翼殿。それより皆は無事だろうか?」


ワアァァーッ!! すげぇーっ! 見たか今の翼様とルロイヤさんの飛び方!? カッケェーッ!!


「すげぇすげぇかっけぇーっ!」

「あぁーっ! くっそぅ! アタイも一緒してぇなぁーっ!」

「もう! ブレイドもセラも興奮しすぎよ!?」


 あはは! ブレイドくんとセラちゃんが目をキラキラさせて身を乗り出してはシェリーに注意されてるよ。さてさて、他のみんなは上手くかわせたのかな?


《いてぇーっ! なんだアレ!》「大丈夫かウノ!?」

《ああ、ちと体力が削れたけど問題ねぇ! さっきのは要注意だぜ、バルドも警戒してくれ!》


────────────────────────────

【ハッスル団子】~閃光のレイリーア~

────────────────────────────


《ふはははっ!! あーっはっは! そーれそーれっ!!》


ダダダダダーンッ!!!


《あらあら~最初の威勢のよさは何処に行ったのですか?》


ポポポポッポォォーンッ!!


《ん。落ちるがいい~カトンボども~♪》


ズビィィーッ!! ズビィィーッ!!


「うわぁぁーっ!? めちゃくちゃに撃ちまくっているぅーっ!! やり過ぎじゃないのか女神様ぁぁーっ!?」

「くそ!? これじゃ作戦も何もあったものじゃないぞバルド!?」

「わかっている! まさかこれ程の弾幕が張られるとは!」

「泣き言言ってる場合じゃねぇでっしゃろい! とにかく攻撃しないと!?」

「ちぃーっ!! そうは言っても全然通じないぞ!? 女神達ズルしてないか!?」


 とんでもないことになってんだけど!? 妹達ハッスルしすぎでしょ!?

 四方八方に弾やらビームだのミサイルだの飛びまくって挑戦者達は回避するので精一杯。たまに攻撃しても全然効かないし、ゼーロの攻撃もかわされる。


「めちゃくちゃじゃない、これ!?」

「そうですよーっ! クリアさせる気あるんですかーっ!?」


 そのあまりの無茶苦茶ぶりにリールとフォーネが叫ぶ。うむ、多少の被弾はあれど、あれを回避し続けてる『ガルーダナンバーズ』達を褒め称えてあげたいくらいだもんね。


《落ち着かんかアイギス殿! バルド殿! この先魔王との戦いでこのような状況もないとは限らん!》

《ええ。『技工神ロア』……あの者が造り出す『魔装戦士』の中には私達のように飛行するタイプもいるかもしれないのですよ!?》

(もしかしたらあの団子みたいなのも造り出しているかもしれませんねぇ~?)


 慌てるアイギス達、挑戦者の面々に彼等を背に乗せたゼーロ、レイヴン、エスペルが落ち着くように説得する。うんうん。流石は訓練することに余念がないゼーロ達だ、冷静だね。


「普段と違う状況で見失いがちですが! よく考えて下さい! 冒険者は初見の相手にどう動くんです!?」

「そんなの決まってるじゃないカイン! 退きなさいみんな! 見付けたわ!」

《行きますよレイリーア! 私を信じなさい!》


おぉぉぉーっ!! 動いたぁぁーっ! レイリーアだ!!


「ここで状況が動いたぁぁーっ! 戦域からやや離れていたレイリーアとレイミーアコンビが今猛然と団子に突っ込んで行くぞぉぉーっ!?」

「何!? 突っ込むのかレイリーア!?」「わかった! 君を信じるぞ!」

「一気に離脱する挑戦者達がレイリーア達に道を開けたぁーっ! どうする気だ一体ーっ!?」


 うおぅ!? マジかレイリーアとレイミーア!? あの弾幕の中団子に特攻でも仕掛けるの!? バルドくんは驚いたものの、続くアイギスの言葉を聞いてウノと一緒に飛び引く!


「レイリーアちゃん! レイミーアちゃん危ないよ!?」

「いえ! あの迷いのない動き、何かを掴んだわね!?」


 思わずユニが立ち上がり叫ぶ! しかし、ヴィクトリアはレイリーア達の動きを見て、驚きはしたものの、大丈夫だと確信したようだ。ふむむ。レイリーアはこんな場面で無策に突っ込むなんて真似はしないだろうから、ホントに何かを掴んだ、と言うか見付けたのかな?


「今よレイミーア! 撃って!」

《了解です! シュートォーッ!!》


バキィンッバキィンッバキィンッ!! ヒュゥヒュゥヒューンッ!! ドサドサドサァッ!!


《あーっ!! うちらの似顔絵がぁぁーっ!?》

《な、何て事するんですかぁーっ!?》

《ん。酷いレイレイコンビ。許すまじ》

「おおぉぉーっと! 団子の装甲に描かれていた女神様達の似顔絵を、突撃したレイリーアとレイミーアコンビが装甲ごと引き剥がしたぁぁーっ!!」


 狙いはあの似顔絵だったの? あ、似顔絵の描かれた装甲が外れた事で三つ並んで串に刺された団子、に見える球体に赤い色した核みたいなのが露出したぞ!? あれはもしかしなくても弱点なんじゃない?


────────────────────────────

【反撃!】~しぶとい団子~

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《し、信じらんない! ネーミャんとシャフィっちがうちらのために描いてくれた似顔絵に攻撃とかするフツー!?》

《そうだそうだーレイリーアの人でなし~!》

《ちょっと二人共今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょう!?》


おおぉぉーっ!? 団子の色が変わったぞぉぉーっ!? レイリーアとレイミーアはこれを狙ってやがったのか!?


「あはは! 成る程。あの似顔絵で弱点を隠していたのね?」

「あらあら? 折角描いてもらった似顔絵を、あんな事に使う方が余程質が悪いのではないでしょうか?」


 慌てとる慌てとる! 団子に乗り込んで好き放題やらかした妹達の慌てる声が会場に響いて、ニャモもあの赤い核が弱点だってわかったみたい。フォレアルーネとレウィリリーネが、レイリーアとレイミーアを酷いとか言うけど、私もセレスティーナ様が言ってる事の方が最もだと思うんだけど?


「今よみんな! 撃ちまくって!!」

《私達は一端離脱しますよレイリーア!》


バサァーッ! バサバサバサッ!


「よぉぉーし! 撃って撃って撃ちまくるのですーっ!!」

《了解ですわぁーっ! ビーム発射ぁーっ!》


ズビィィーッ!!


「続けぇーっ! ウノぉーっ!」

《任せろぉーっ! 貫通弾で風穴空けてやるぜぇーッ!》


ドシュゥゥゥーッ!!


「よっしゃぁぁーっ! やっちまってつかぁぁーさいドゥエぇーっ!」

《承知ぃぃーっ! ミサイル発射ぁぁーっ!》


バシュッバシュッバシュッバシュゥーッ!!


 レイリーアとレイミーアがその場を離脱して、挑戦者達の射線が開く! この期を逃すまいと放たれる一斉射!! ポコとルロイヤのビームが、バルドくんとウノの貫通弾が、アリスとドゥエのミサイルが! 他のみんなもとにかく撃ちまくる! これは流石に決まるか!?


《あぎゃぁーっ!! 回避回避ーっ!》

《お手手でバリアー!》

《こ、このまま終わりませんよぉー! 反撃です!》


にょんにょんにょ~ん! ぺしぺしぺしーっ! ババババシュシュシューッ!!


「うわぁぁ~何度見てもあの動きは気持ち悪いと言うか……」

「ってか、あの串に見えてたの手なのかよ? 弾を弾いてるじゃねぇか!?」

「この状況でも反撃してきますよ!」


 前に後ろに、左右上下、斜めに回転したりと変な動きで迫る攻撃を懸命に回避する団子。

 串に見えてた左右の突起を器用に動かし弾を弾き返す団子。

 カパカパと装甲の一部を開けてホーミング弾を撃ち出して反撃する団子。

 そんな妹達の操る団子にちょっと引いているのがエミルくん、ゼオン、ラグナースの『セリアベール』組。うん。時間がなかったとはいえ、もう少しまともなデザインには出来なかったのだろうか?


ボォォーンッ!!


「ぐぅぅーっ!? い、痛みはないが衝撃が結構来ますな! ご無事かレイヴン殿!?」

《厳しいですね、わたくしの武器はホーミング弾です。同じ武器では相殺も難しい》

「ガルディングとレイヴンコンビが被弾しているぅーっ!! 必死に回避と相殺を繰り返すものの団子の狙い撃ちにより体力が随分減ってしまっているぞぉぉーっ!?」


 執拗にガルディング様とレイヴンを狙い続ける団子のホーミング弾! その団子もみんなの一斉攻撃を受け、残りの体力が三十まで減っている!


《そろそろヤバいかな!?》《ん。泣き言言わない》《踏ん張りましょう!》

「しかし苦しいのは団子も同じのようだぁーっ! 女神様達の焦る声が聞こえてくるぞぉーっ!」

「ガルディング! レイヴン! アタシ達が援護するわ!」

《あの団子の体力を削り切るまで耐えるのですよ!?》


 お、レイリーアとレイミーアがピンチのガルディング様とレイヴンの援護に入った! これは心強いね! レイミーアの武器はたしかスナイパーライフルだったはず。さっき似顔絵の時は、一撃で三枚の装甲を剥がしたかったから、あんなに接近して撃ったようだけど。本来はロングレンジから狙撃するための武器だもんね。


────────────────────────────

【覇者、落つる】~二枚抜き!~

────────────────────────────


《ハッハーッ!! この時を待ってたよぉーんっ!!》《いただきます♪》《あ、ポチっとな》


シュビィィィィーンッ!!


「なっ!?」《しまった!?》

「ウソでしょ!?」《くぅ! 間に合わないっ!?》


ボボボォォーンッ!!


「父上!? レイリーアぁーっ!」

《レイヴン!? レイミーアッ!?》


 なっ!? 何て事!? ガルディング様とレイヴンの救援のために駆け付けようとしたレイリーアとレイミーア! しかし、その時一瞬だけど両コンビが直線上に並んだのだ。その刹那の瞬間を妹達は見逃さなかった! いや、ずっとみんなの一斉攻撃に耐えながら期を待っていたのか!? 強烈なビームを撃ち出し飲み込ませた。

 それは射角も速度も完璧に計算され、綺麗に射線上に両コンビが乗る様に放たれた、『神の一撃』だ。咄嗟に回避を試みた二組だが!


「無念っ! アイギスよ! 後は頼むぞ! 必ずあの姉妹を救い出すのだぁーっ!」

《申し訳ない、同朋達! 先に逝くわたくしを許して下さい》

「甘く見てた……ごめんっ! アイギス! みんな!」

《こんなかくし玉があったなんて、女神、恐るべし!》


うわあぁぁぁーっ!!? うそだろぉぉーっっ!?


「む、むねぇぇぇーんっっ!! なんと言うことだぁぁぁーっ!? 今少しっ! 後少しっ! そんな場面にて、ガルディングレイヴン! レイリーアレイミーアの両コンビが脱落ぅぅーっ!!!」


ボチャァァーンボチャァァーン!!


 一気に設定されていた体力がゼロとなり、アイギスと翼の叫び空しく、二組は泉へと落ちてしまった! いや、死んでないからね? このゲーム中に使われてる武器はおもちゃの魔装具だから怪我とかはしないからね?


「まさか! レイリーアが、前回の覇者がここで落とされるのかよ!?」

「あんな一斉攻撃を受けてる中、どうしたらあそこまで精密な射撃ができるんですか!?」

「むぅぅっ!? 儂等は女神様方の御力を甘く見すぎておったのやもしれんのぅ……」


 同じパーティーで、更に前回の覇者であるレイリーアの脱落に動揺を隠せずにいるのは、ゼルワ、サーサ、ドガの三人。この事態に思わず立ち上がり、その表情を揃い戦慄に染める。


「あなた。お見事でした、後は息子に託しましょう。レイヴン殿もお疲れ様です、夫がお世話になりました」

「ぷはぁ! はっはっは! そうだなセレスよ。しかし、なんと刺激的で楽しく、心踊ったことか! うむぅ、また挑戦したいものだな! はっはっは♪」

《いえいえ、わたくしの力及ばず、伴侶を脱落させてしまった事、お詫びしましょう》


 落っこちた泉の中からあがってきたガルディング様を、セレスティーナ様が労いながら向かえ、手に持ったタオルで拭いてあげているね。うむ良妻とはセレスティーナ様のような女性を差す言葉だね、私も色々勉強になる♪ ガルディング様は余程楽しかったのか、そんなセレスティーナ様にちょっと興奮気味に笑いかけている。逆にレイヴンは申し訳なさそうに二人に頭を下げている。ガルディング様を守り切れなかった事が悔しいみたいだね。


「大丈夫かいレイリーア!? ふぅ、心配したよ?」

「ぷふぅーっ! ありがとダーリン! アタシは大丈夫よ! だけど、悔しいわぁーっ! もー! 女神様達ったら、あんな攻撃を隠してたなんて聞いてないわ!?」


 もう一方でラグナースに手を差し伸べられているレイリーアだ。ラグナースに笑顔を見せはしても、よりによって、自分の名前を冠したゲームで脱落した事が悔しいんだろうね? ぷんすかぷんすかって怒ってる。まぁ、気持ちはわかるけど、妹達もわざわざ攻撃手段を教えたりはしないってばよ?


《おぉ、これはビット殿。かたじけのう御座います。しかし完全にしてやられました……無様な姿をお見せしてしまい恥ずかしいですよ……》

「そう気を落とされますな。レイミーア殿。恐らくレウィリリーネ様が先の大戦で経験された『技工神ロア』の作り出した、『魔装戦士』の攻撃手段を模倣し、改良を加えたのでしょう。幼く見えてもやはり彼女達は『神』ということなのでしょうな?」


 レイミーアの方にはビットが駆け付けて、世話を焼いているようだ。ちょっと落ち込んでいるレイミーアに妹達の方が一枚上手だったのだと慰めてあげているね。まぁ、あの子達はああ見えて実は結構凄い子達だから……


《ヒャッハアァァァーッ!! やったった! やったったぁーっ!》

《あはは! また次回に出直していらっしゃって下さいねぇ~♪》

《ん。『ゴッデムビーム』の威力をみたか~♪》


 ……ホント、ね? ああ見えてさ。ね?


────────────────────────────

【団子大爆笑!】~決着!~

────────────────────────────


「アイギス! レイリーアとガルディング公の犠牲は無駄に出来ん! 何としても落とすぞ!」

「勿論だバルド! 翼殿一気に近付いて頂けるか!?」

《マジでやんのか!? リスクでけぇぞアイギっち!?》

《なんだぁ~怖じ気づいたかよ翼? 俺が代わってやろうかぁ~?》


 馬鹿言うんじゃねぇし! 俺っち、びびびってなんかいねぇしぃ!? とか何とかウノの煽りに答えてる翼だけど、アイギスには何か策があるみたいだ。みんなの猛攻をキモい動きで、でっかい図体しながらも避け続けるあの団子。時に串……に見える左右に突き出た手というか腕で弾を弾き返したりするせいで、ゼーロミストの虎の子の一撃が当てられず、じり貧状態。残りの体力は既に二十を割って、後少しなのに。


「えぇいっ! 女神様達ってば往生際が悪いですーっ! いい加減『粉☆砕!』されちゃってくださいよぉーっ!?」

(塵も積もればなんとやら~ですよぉモモさん! 撃ちまくりましょう~!)

「回避は最小限だカイン! 今は攻撃の手をとめるな!」

「はい! 任せて下さいゆかりさん!」


ズダダダダダダダダーッッ!!!!


 モモペル組とゆかいん組の放つ、凄まじい連射音が響き渡る! しかし団子はそれを弱点に当たらないようしっかりと回避とガードで防ぐ! やはり装甲の上からではほとんどダメージが入らないね。数百発当ててやっとその体力を一削れるかどうかだ!


「なーにやらむっつりんがやらかすつもりでっすねぇ~? ドゥエっぺ!」

《承知してますよ、アリスっぺ様、何とか団子の攻撃を引き付けて道を作りましょう!》


 ぺはいらねぇでっしゃろい!? じゃあ俺にもつけないで下さい! ってアリドゥエ組が。


「ルロちゃん! パパを守るのです!」

《上手く団子の攻撃を誘導すればよろしいのですわね! お任せくださいなポコ様!》

「ゼーロさん、私達も!」

《否だミスト殿。我等の一撃はこの状況を打破する、起死回生の一撃。今は仲間達を信じ、期を待つのだ! 絶対に当てるためにな!》


 そうしてポコルロ組とゼロミス組が、アイ翼組のやろうとしている事を察して、それぞれ援護に動く! うむ、モモペル組にゆかいん組はよくわかっているようで、如何に団子に乗ってる妹達が自分達を鬱陶しいと思うかという動き。まぁ、ぶっちゃけて言っちゃえば自分にたかってくるハエみたいな? そんな動きで注意を引き付けている。


《あぁっ! もぅ!! ももちーとゆかりんがうっざいんだけど!?》

《ペチペチと豆鉄砲をさっきから! レウィリ叩き落としましょう!》

《ん。らじゃらじゃ~!》


 自分の周りを鬱陶しく飛び回る羽虫をイラッとして、パチンってしたことある人は大勢いることだろう。それは女神の妹達も同じのようで、見事にモモペル組とゆかいん組に釣られている。


「おっと! 俺たちの事も忘れてもらっては困るな! 覚悟!!」

《ハッハーッ! そんな不細工な団子なんか用意してよぉ~女神様ってセンス悪いんだなーっ!?》


ドシュッドシュゥゥーッ!!


「うひょひょーい♪ こぉ~のクソダサ団子ーっ! 魔装具に名前付けるマスター並の残念センスぅ~♪」

《まったくまったく! 嘆かわしいことこの上無しだ! アリスっぺ様もっと言ってやって下さい!》


バシュバシュバシューッ!!


 ……バルウノ組にアリドゥエ組が揃って妹達の団子をディスりつつ、貫通弾とミサイルをぶっぱなす! 注意を引き付けるためとはいえ、見苦しいわ。後、さりげに私までディスりやがったアリスにはキツイお仕置きを考えておかねばなるまい。


《むっか! この芸術的なまるみを貶しましたねぇ~!?》

《許すまじ。球体を作ることの難しさを知らぬ愚か者どもめー!》

《あーごめん。うちもその辺はわかんないや》


 おー。見事にひっかかってる……結構単純なのよね妹達って。右側にモモペル組とゆかいん組、左側にバルウノ組とアリドゥエ組にまとわりつかれた団子はその迎撃に砲火を集中させたようで、その分正面の弾幕が薄くなった。


「この期を待っていた!! 今だ翼殿! 突っ込むぞ!!」

《おっしゃぁーっ! こうまでお膳立てされちゃぁ漲っちまうぜ!》


 やや離れ気味だったアイ翼組が急加速で団子の正面に突っ込んで行く! 薄っぺらになった弾幕など物の数ではない! と、迫る弾迫る弾悉く回避し、一気に団子の真正面! 露出した弱点に肉薄する!!


《しまった!!》《アイギスさん!?》《あ。ヤバい》

「行けぇーっ! 翼殿ぉぉーっ!!」《落ちろ団子ぉぉーっ!》


ドッガアアァァァーンッ!!! ボボボォォォーンッ!!!


「こ、これはぁぁーっ!! アイギスと翼の方位弾が団子の弱点に全弾命中ぅぅーっ!!」


うおぉぉぉーっ!! すげぇーっ! 決まったかこれぇーっ!?


 上手い! どうしても分散する散弾を距離を埋めることでその範囲を狭め、全弾団子の弱点にぶち当てた!! これには団子もたまらず大量の爆発エフェクトを発生させて、白煙が吹き上がる!


《うぬれぇぇーっ!! もーゆるさん!》

《よくもやってくれましたね!?》

《全員脱落させてあげる。団子の大爆発を食らうがいいー!》


ピコーンピコーン!


「の、残ったぁぁーっ! 団子の体力が「一」残ったぁーっ! なんというしぶとさだぁぁーっ!?」


 おぉ、完全に決まったって思ったのにギリギリで耐えた! これはあれか? 前世のゲームにもあった。「倒される攻撃をもらっても、HPを1残して耐える」っていう特技みたいな?


《総員直ちに戦闘空域を離脱しろ! 爆発に巻き込まれるぞ!?》

「「「了解ぃ!」」」


バサバサバサァーッ!!


 団子の、妹達の最後の悪あがきだろうか? ブルブルと震えだし、光始めた団子! 何かやらかすつもりみたいだ! その危機を感じ取ったゼーロが全員に離脱を指示し、みんな一気に団子から距離を取る!


「これでぇぇ~おしまいでぇぇーす!!」

《いい加減沈めぇぇーっ!!》


シュゥゥゥーンズドォォォォーンッ!!


 そのゼーロとミストちゃんが放つ止めの『まちょりゅうちほー』が撃ち出され、震えて光る団子に突き刺さる!


ドガァァーンッ! ドガァァーンッ! ボンボンボンッ! カッッ!! ズドォォーンッ!!


「決まったぁぁーっ!! ゼーロミストの必殺の一撃がしぶとい団子にとどめを刺したぞぉぉーっ!! 団子ぉぉーったまらず大爆発だぁぁーっ!!」

《ぎゃあぁぁーっ! やられたぁーっ!!》《あーれぇぇーっ!?》《無念なりぃ~!》


 ぴゅーんって爆発に吹っ飛んで行く妹達。う~ん、なんか前世のアニメにこんなのあったなぁ~とか思いつつ、私は苦笑いを浮かべてその様をモニターで見ていたのだった。

アリサ「うおぉぉ~♪ヽ( ゜∀゜)ノ みんなかっちょえぇぇーっ!(ノ≧▽≦)ノ」

ユニ「アリサおねぇちゃん落ち着いて!(゜ω゜;)」

アリア「わくわく!(^o^) します!( ・`ω・´)」

アルナ「アリアお姉ちゃんも!(゜∀゜;)」

ヴィクトリア「身を乗り出したら危ないわよ?Σ(;゜∀゜)ノ」

ティリア「いやぁ~でも(*´∇`) 気持ちはわかるわぁー!( `д´)」

アリサ「そうよねそうよね!?(°▽°) あの『ガルーダナンバーズ』のマニューバ見てて胸が熱くならない!?ヽ(o・∀・)ノ」

アリア「なります!o(*≧∇≦)ノ アリアも飛びたい、です!ヽ(・ω・´)ノ」

ヴィクトリア「そ、そうね(;゜0゜) 確かにスピード感もあるし、誰か落とされやしないかハラハラして目が離せないわ!( ゜ε゜;)」

ユニ「元々このゲームってアリサおねぇちゃんが考えたんだっけ?( ̄▽ ̄;)」

アリサ「私は班わけしたグループ対抗の空中戦を提案して、実際にゼーロ達と遊んでたんだけど……(; ゜ ロ゜)」

ティリア「ふふ♪(*≧∀≦) シューティングゲームってステージの最後におっきなボスが出てくるじゃない?(*´∇`*)」

アリサ「あ~( ̄O ̄) 確かに!(´・∀・`)」

ティリア「なんでかシューティングゲームって、一人か二人用ばっかりだからさ、大勢で強いボスをやっつけるシューティングゲームがあったら面白そうだなってね♪(o^-')b !」

アルナ「な、なんの話かさっぱりわかりませんが……(^_^;) 実際、皆さん楽しそうに見えますね(^-^)」

アリサ「ナイス!(*´▽`*) ナイスよティリア!(*つ▽`)っ MMOでそんなのあった気がするけど、リアルにこれは面白いわ!(゜∀゜ )」

アリア「アリア達も参加しちゃ駄目ですか!?Σ(;゜∀゜)ノ あるじ様と一緒にあの弾幕をくぐり抜けたい、です!ヾ(´▽`*)ゝ」

アルナ「おぉ(゜Д゜;) アリアお姉ちゃんがやる気満々です!( ´ー`)」

アリサ「よっし!( ゜∀゜) 行こう♪(y゜ロ゜)y 目にもの見せちゃる!O(≧∇≦)O」

ユニ「もぅ!(。・`з・)ノ みんな頑張ってるんだから、二人とも大人しく応援するの!ヽ(゜Д゜)ノ」

アリアリサ「はぁい(´・ω・`; )」

ヴィクトリア「どうやら、ユニちゃんが最強みたいね♪。:+((*´艸`))+:。」

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